第64話 ギフトの確認
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朝起きると、未だに小雨が降っていた。
「雨か・・・結局やまなかったのかな? う~ん、朝練どうしよう」
夜から明け方に降っていたようで、道にも水溜りが出来ていた。
見ていてもしょうがないと思い、ダイニングへ向かう。
「おう! カナタか、おはようさん。今日も早いな」
「俺は朝型なんですよ。何となく起きちゃって」
「「おはようございます、旦那様」」
セードルフさんとミランダさんがキッチンから顔を出して挨拶してくる。
「カナタ君、おはよう。ほら! 2人とも! 焦げちゃうわよ!」
「はい! 直ぐに戻ります!」
3人はキッチンへと戻っていく。
「あの2人はどうですか?」
「そうだな・・・技を覚えようと、かなり必死な感じだな」
タダシさんが顎を触りながら言う。
「なるほど、いい感じって事ですね」
「ああ、教えてるこっちも楽しいぞ。おお! そうだ、ラスタ達なんだが、食料渡したり料理を教えたりしてるが大丈夫か?」
「大丈夫というよりも、願ったり叶ったりですよ。忙しくて手が回らなかったので」
「そうか! なら良かった」
「そういえば、料理長とかはどうしてますか?」
「あいつか? あいつなら2日に1回ほど来てるぞ? 昼に来て習った料理を夕飯に出すんだと」
「そうですか~適当に対応して下さい。あと、調味料とかは足りてます?」
「もちろんだ! と言いたいが、自作している調味料のストックが少なくなっててな。あいつらにも渡してしまってるから仕方ないんだが・・・まぁ、まだ王城よりも多いぞ、家の調味料は!」
タダシさんはニヤリとして、キッチンのほうを見る。
「今日は雨で、約束も午後からですし、午前中は外に出たくないので作るの手伝いますか?」
「いや、大丈夫だ。いつも忙しそうだったんだ、休める時に休め」
「はい、御言葉に・・・いや、折角なんでギフトを覚えようと思いましていいですか?」
「おう! 解った! 貧乏暇無しが染み付いちまってるんじゃないのか? がっはっはっは」
「そうかもしれません。お願いしますね」
こうして朝ごはんの準備に加わる。
「旦那様、食器を洗うのは私が」
セードルフさんが近くにきて頭を下げる。
「いやいや、ギフトを色々覚えたいから! ね!」
「そうですか・・・畏まりました」
セードルフさんはうな垂れながら渋々後ろに下がる。
「あ! 待って、旦那様って呼ぶの止めて貰っていい?」
「はい・・・では、カナタ様とお呼びします」
「様もいらないんだけど、取れない?」
「無理でございます。大変失礼かと思いますが、私も1つお願いがございます。申し上げてもよろしいでしょうか?」
「はいはい? 何でしょう?」
「私の事はセードルフと呼び捨てにしていただきたいのです」
「ん? 何で?」
「私は奴隷でありますが、執事として仕えさせていただいているのです。執事は名前のみで呼ばれるものなのです。名前のみで呼ばれないとなれば、信用されていないとおっしゃられているのと同義でございます」
「何それ? そんな事あるの?・・・ふぅ・・・まぁいいよ、解りました、セードルフ」
「私もお願いいたします」
「はいはい、解りました、ミランダ」
この後、ショウマ君が来て朝練は止めることとなった。
折角時間が空くのだからギフト、他の物も覚えなきゃなぁ・・・
あとは自分の現状確認と、他の人のギフトの確認か・・・色々やらなきゃならない事があるんだなぁ・・・
あ! 皆に文字覚えて貰えばいいんじゃない? そうすれば皆のギフトをいちいち見なくてもいいんだし。
「セードルフさ・・・セードルフ、文字の読み書きできるよね?」
「はい、もちろんでございます。この国で使われている文字も把握済みでございますが、どうかされましたか?」
「そっかそっか。良かったら、みんなに教えて貰えない?」
「はい、畏まりました」
「朝食の時にみんなに話すね」
そして、朝食のためみんなを起こす。
朝食は、ハムとトマトとレタス、ポテトサラダ、コロッケとキャベツ、チキンカツとキャベツなど、色々なサンドウィッチと、ホットサンドもある・・・そろそろご飯が欲しい・・・
「食べながらでいいから聞いて、みんなにお願いがあるんだけどいいですか?」
「何だ? 改まって」
タダシさんが不思議そうな顔でこちらを見る。
「皆さんに文字を覚えて貰おうと思うんですけど、いいですか?」
「もちろんだ。調味料の売っている所に書いてある文字が気になって仕方がなかった。頼む」
「え~? あたし、勉強苦手なんだけど~・・・」
アカネさんが、手を軽く上げて言う。
「文字読めたらさ、錬金の本とか読めると思うけど」
「そうなんだよね~、気にはなっててさ~・・・ふぅ、頑張ってみるか~」
「うん、頑張ってね。あと、セードルフが皆に教えてくれるからね」
「皆様、よろしくお願いいたします」
セードルフが恭しく礼をする。
「カナタ君、私達も習うなら、一緒に子供達にも教えた方がいいんじゃないかしら?」
ヨシさんがほほに手を当てながら言う。
「それもそうですね。じゃあ、ここに呼んじゃおうか! 大人には拒否されたけど、子供なら大丈夫だと思いますし?」
「そうね、それがいいと思うわ」
「では、朝食後Lv上げて、勉強しましょうか」
皆反対意見は無いようだ。ショウマ君が嫌がらなかったのが不思議だが・・・
「あのさ、ショウマ君。勉強嫌いじゃないの?」
「大っ嫌いだ」
「じゃあ、何で嫌がらなかったの?」
「冒険者ギルドで手合わせの依頼がたまにだが出るらしくて、すっごい気になってる! 文字が読めたら受けられるだろ?」
「そうだね・・・そんな依頼があるんだね」
食事が終わり、Lvを上げる(Lv19.Lv18)。
セードルフにも来て貰ったが、Lvが30から上がらないらしい。
ギフトもすぐに変わるわけではないから、更新もしなくて良いと言っていた・・・そう言うならいっか。
さて、いよいよ俺のギフトの確認。
どんだけ増えてるんだろう、ワクワクすっぞ・・・キャラ違うな・・・
ギフト
言語理解
学習
骨細工の心
木工の心
薬師の心
味付けの技・火加減の技・食材の切断の技
ダブルマジック
身体能力+
槍の技・剣の技・盾の技
素手の突きの技・蹴りの技・受けの技
視力強化
【灰色】
マジックバッグ化
食材の目利き
影
魔力眼
治療+
魔力回復+
身体回復+
気配+
気配-
回避の技
遠距離命中+
魔物の知識
警戒
圧力
驚くほど増えてるんですけど・・・何これ? マジで? 覚えきれないって!
それにしても見たことないものが多いな・・・どうなってるんだ? 何らかの下位のギフトって事か?
でも、寝る前にちょこっと考えてただけで灰色になるって・・・本当にチートなんだな・・・
まぁ、使えるものは何でも使わして貰うけど。自重する必要がないしね。
しかし・・・交渉で暴走したっぽいものがないな・・・まさか・・・楽しんじゃったって事か?
う~ん・・・無いものは考えても仕方がないか・・・
とりあえず、マジックバッグ化をなんとしても欲しいな・・・午前中の目標だな。
一応みんなのギフトももう一度調べる。
〇〇の心が心得に変わっていたり、灰色の物が1つ有ったりした。それが普通なのだろう・・・
この世界では、〇〇の心を持っている人だとしても重宝されるみたいだから、十分チートと言える。
見た中で1番の変化は、リョウタロウさんのマジックバッグ化が、マジックボックス化に変わっていたことだ。
マジックボックス・・・羨ましい。
さて、戻りますか。
そんな事を考えながら、屋敷へ戻る。
「リョウタロウさん、ユカさん、頼みがあるんですけどいいですか?」
「何ですか?」
リョウタロウさんが首を傾けて言う。
「何でしょう?」
ユカさんはキョトンとした顔で言う。
「マジックバッグ化をどうしても覚えたいんです! リョウタロウさんのマジックボックス化を、ユカさんの魔力眼で見てもらえませんか?」
「「はい」」
2人は頷いて言う。
リョウタロウさんにマジックボックス化を使用して貰う。それをユカさんが見て、俺が使おうとしているのとの違いを教えて貰う。
「ありがとうございます。まだ出来ませんが、2人は勉強に行って来て下さい」
「大丈夫ですよ。まだ子供達が来てないので、もう少しやってみましょう」
リョウタロウさんは微笑みながら言う。
「そうですよ、折角ここまで頑張ったんですから、やってみてください」
少しの間やって、子供達が来たことにより一旦中断する。
何が違うんだ? 魔力の流れは同じはず・・・空間拡張?
ううん・・・全然解んない・・・でも、欲しい。
仕方がない、やれることからやっていこう。
えっと、次に欲しいのは・・・魔力眼か警戒だな。
警戒は今の所欠片も分からないから、魔力眼をやってみよう・・・自分自身を見る事は出来ないから、ユカさんの感覚に頼るしかなくて難しそうだな。
そう思いながら、魔力眼の練習をする・・・流れのような物が見える気がするが・・・これで合ってるのか? また、明日にでもギフトを調べないとなぁ・・・