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努力の実る世界  作者: 選択機
第1章 異世界サバイバル
8/406

第6話 初めての剥ぎ取り

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/6改稿、加筆あり

 ゴブリンの解体か、やってみたいが、出来るかな? ただ開くだけなら出来るとは思うんだけど・・・

 ファンタジーの王道だと魔石とかあるんだよね・・・後々の事を考えると、出来れば欲しいんだけどなぁ。

 1人でそんなことを考えていると・・・


「おいおい! こりゃあ・・・岩塩じゃねぇか? そうだ! 岩塩だ! こりゃあ助かるな!」

 真田さなだ ただしさんが、爪で岩塩を削って、舐めてから大声を上げる。


 ほほぅ、ゴブリンのかばんに入ってた石ころは、岩塩だったのか! 魚とか取れれば保存食に出来るかもしれないな・・・でも、量が心もとないんだよなぁ。

 それにしても・・なんか変だな? 何故こんなに運がいいんだ?

 食べられるドングリだろ・・・塩だろ・・・武器も手に入った・・・なんだ?

 なんかおかしい気がするんだけど・・・今は、この流れに乗るしかないんだよな・・・危険な兆候でないことを祈ろう。


「あの、牧野さん・・・お願いがあるんですが、良いですか?」


「え? はい、なんですか?」


「このゴブリンを解体・・・じゃなくて、解剖してみたいんですが・・・一緒にやっていただけませんか? 嫌でしたら良いんですが・・・」


「え? いや・・でも・・・あの、私は看護師であって、医者ではないんですけど・・・」


「それは解っています・・・ただ、ここに居る誰よりも人体に詳しいと思っています、ですから、ゴブリンが本当にファンタジー世界の魔物なのかどうか、解剖をして調べてみないと後悔すると思うんです。手伝ってもらえませんか? お願いします」

 これで本当に魔物じゃなくて、人でしたって落ちだったら嫌だしね。


「う~ん・・・そうですね、解りました! やってみましょう! ですが、そこまで詳しくないので解らないかもしれないですが、それでもいいですか?」


「はい、それはもちろんです! ありがとうございます、血抜きだけでもしておきますね」

 さっそく蔦を探し蔦をロープ代わりにし、足に結び逆さにして置いておく。

 池の水に浸けたかったけど、これから食べるかもしれない魚が居るから、後のことを考えると・・・ちょっとね・・・


「これでよしっと! では、血抜きが終わるまでに、魚取りましょうか! 岩塩が手に入りましたし、保存用に干物を作っておけば色々と役に立つと思いますし」

 とは言ったものの、魚釣りって糸も針も無いぞ? そんな時はやはり石打漁かな? 日本じゃないんだし、捕りすぎても文句は言われないだろうし。

 水草も上から見えるほど透き通った池に、70cm超えているであろう魚影がある。

 ん? 魚でかくね? 異常なほどでかくね?

 まじかよ、この池になんか秘密があんのかな? でも、池自体はそんなに大きくないよな? 何食べてるんだ?

 まぁでも、魚自体が大きいからハルバードで刺す事も出来るんじゃないか? 一回やってみるか。

 あ! でも、網が無いから竹でも持ってきたほうがいいかな? いや、メンドイからやってみよう。


 結果から言うと、ハルバードでの漁は、大成功! 魚が大きいから簡単に刺せるよ。

 ただ、刺しても重すぎて持ち上げられなかったから、刺した魚が水面に浮き上がるのを待って、水が流れ出ているところに移動したら、掬い上げるといった感じだった。

 魚が美味しいのか解らないけど、鱒に似ているらしいので最終的には10匹取ったらしい。

 俺達は、途中でゴブリンの解体に回ったから、そんなに取れたのか! って思ったよ・・・

 こんなに小さい池なのに・・・大きさは、ゴブリンよりも少し小さい80cm位もあるんだよね。

 でっかすぎじゃない? 本当に何を食べてんだろ・・・


 2人で、血抜きが終わったゴブリンの解体をしてみることにする・・・死んでいるのに動き出しそうで怖いな・・・よし! 早速手に入れた、青銅の短剣を使ってみるか!

 でも、異世界で手に入れた初めての武器の使用がゴブリンの解体って、なんか締まらないなぁ・・・

 せめて・・・せめて、最初の1回位は戦闘で使いたかったな・・・


「榊原さん、一緒に解剖をお願いします。ですが・・・本当に大丈夫ですか? 後で食事とか出来なくなりますよ? 私も初めてのときは・・・」


「そうですね、決して大丈夫ではないんですが、見ておかないといけないと思ってますよ、さっきも言ったように後悔しそうですしね、それに、牧野さん1人に任せておく事なんて出来ませんよ」


「そうですか、解りました。手早く終わらせちゃいましょう」


 解体は軍手や手袋を使って行った。

 体内は緑色ながら、教科書などで見たのにそっくりだった・・・腸の長さなどはぜんぜん違う・・・人体模型とかでしか見たことないがまったく長さが違っている。

 大きく違うのは、皮膚や体内が緑色だということ、心臓が左だとすると右側に白と赤の斑模様まだらもようの石があった、それは右にある心臓のように見える・・・

 赤い石は1つの辺が1cm位のサイコロ状の物で、ファンタジー的にいうと魔石ではないかと思う。


「この赤い石はなんでしょうね? 宝石にも見えなくは無いですけど」


「ん~、何でしょうね・・・本当にこの世界がファンタジーと同じなら魔石とかだと思いますけど・・・まぁ、この世界の現地の人と出会えれば買ってもらえると思いますので、もう1匹の方も取り出しましょうか・・・そして、ごめんなさい思った以上に気持ち悪いので、一旦離れてもいいでしょうか?」


「はいはい、いいですよ~、無理をしないようにしないといけませんよ、私は、もう1匹の方は石だけ取っちゃっておきますね」


「本当にすいません・・・いってきます・・・」


 湧き水の近くに行き、手や顔を洗うついでに、髪も水でぬらしてタオルでふき取る。

 解剖って、やっぱり気持ち悪いんだなぁ・・・鉄くさく無いのがせめてもの救いだな・・・ちょっとカメムシっぽいにおいがするけど。

 でも、この魔石? 白と赤の斑模様なんだけど結構綺麗だな。

 さてと、戻らないと・・・戻ると、牧野まきの 有華ゆかさんが、もう1つの石も取っていてくれた・・・思いっきり謝って、御礼もしておいた。


 解剖して解った事は人間じゃないって事。

 構造自体はそこまで変わらないが、小腸の長さが短すぎることと、白と赤の斑模様の石のは、心臓の隣でもある右側にある小さい心臓のような器官に付いていたこと。

 さらに、胃の中身を調べると色んな物が入っていて雑食だと言うこと。


「ゴブリンの死体はどうしましょうか・・・池に沈めて、魚の餌にでもしてみましょうか・・・まぁ、食べるか解らないですけどね」


「たぶんだが、ゴブリン? だったか? 食べると思うぞ、この魚・・・ほれ、そこの池の下に骨があるだろ、落ちないようにせんといかんな」

 真田さなだ ただしさんは、池の中の骨を指差して言う。


「ほんとうだ・・・うわぁ・・・落ちたら最後なんですかね? 食べるんだったら、ゴブリン入れてみましょうか」

 ゴブリンの解剖が終わったものを落とす。

 魚がついばみ始める様子を見て、弱肉強食か・・・と思ってしまった。


 昨日見つけたといっていた湧き水が思っていた以上に綺麗で、生水でも飲んで大丈夫そうなほどだった。

 その為昨日、風呂に入れなかった女性たちが体の汗を流すことになり、使っていないタオルとジャージ・Tシャツを貸すことになった。

 何かあった時のために、ハルバードを渡しておき、一応見張りも立てて、周囲を警戒しながら順番に入るらしい。


 覗きはロマンだが、今はそんな事をしている場合では無いので、男性は洞窟に行き、色々とやら無ければならないことを、やってしまうことにした。

 真田さなだ ただしさんは、魚の開きを天日干しにするのに大きい葉っぱがほしいと言って、田中たなか 良太郎りょうたろうさんと一緒に探しにいった。


 既に10匹全部開いてあり、ゴミ袋に入っていた・・・魚を開くの早すぎじゃないですか?

 近くにいた中山なかやま 敬太けいた君には、石を組んで台のようにしておいて欲しいと頼んでいった。

 開いた魚を干す時に使うらしい、台とまではいかないながら一段高くなるように組んでいるようだった。

戻ってきたとき、蓮の葉のような大きな葉っぱを数枚持ってきて干していた。


 他の人は、器やコップ作りだ。

 ショートソードで竹を割るのは簡単だったが器の形にするのはかなり難しい・・・

 ナイフのように切れ味が良い訳ではないし、白竹がなんと言っても硬い・・・硬すぎる・・・

 苦戦する中1番上手く作っていたのは、佐藤さとう たくみくんだった、すごいね・・・


 白竹の加工は佐藤さとう たくみくんに任せて、石を拾って洞窟に置いておく

 野営のときに敵に投げたら牽制になるって考えたからだ。

 石を結構な数集め終わるとドングリ拾いもやっておく・・・拾っては虫食いが無いか、1つずつ確認しながら集めていく・・・かなりの重労働でした。


 それにしても暑いな・・・昨日も思ったが、真夏日だな・・・汗がジンワリ出てくる。

 そのおかげで寝るとき上にかける物が無くても平気なんだけどね。


 力仕事をして気が付いたことがある・・・

 疲れがほとんど無い・・・眠気はあるけど、体力と力が強くなっている? そんな気がするな。


 ゴブリン倒してLvが上がったって事なのか? どうなんだろう? なんか違う気がする・・・

 倒す前から強くなっていた気がするんだけどなぁ・・・

 ん~・・・解らん・・・答えを急ぐことでもないだろう。


 帰ってきた田中たなか 良太郎りょうたろうさんが、ゴブリンの発見時のことをコッソリと教えてくれた。

 初めにゴブリンを見つけたのは、やはり、探索に向かった3人だったらしい。

 一度洞窟へと戻り、緑色の小人を見つけたと皆に告げ、皆で見に行ったらしい。


 そこで三沢みさわ 伊三雄いさおさんが、話せば解ると言って出て行ったらしい。

 武器を構えられ威嚇され走って追いかけてきて、皆で逃げたみたい・・・

 ゴブリンの足が遅くて助かったとの事だった・・・本当に、何をやっているんだか・・・あれほど注意したというのに・・・


 そのことがあったからずっと大人しいし、なるほど、既に襲われる1歩手前までいったから、ゴブリンを現地人だ何だと言わなかったのか・・・

 まぁ怪我も無かったし、ここがファンタジーっぽい世界だと認識できたんだから良しとしておこう。


 あとは村か街が何処にあるのか、敵対しないかを確認できたらいいんだけど・・・

 現状ではちょっと難しいんだよね・・・

岩塩:塩の塊。 今回手に入れたのは硫黄や泥、鉄粉等が入ってしまっている。 そこまで美味しくない。


魔魚:鱒に近い。


ゴブリンの魔石:ゴブリンの魔力結晶。 大きさや形等千差万別。 


大きな葉:毒のなさそうな大きな葉。

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