日常会話 (6)
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8/5 改稿あり 加筆あり
「実践に勝る練習なし。今日から組み手をするぞ! 良いか?」
ショウマ君が俺たちに言う。
「え? でも、早くないかな? 怪我しそうだけど・・・」
タクミ君が小さく手を上げて言う。
「いきなり戦うわけじゃない。両方とも速度をゆっくりにして稽古するんだ」
ショウマ君は、そう言いながらゆっくりと身体を動かす。
「いいか? 一定以下のゆっくりした動きで戦う。その後、ゆっくりした動きに慣れてきたら、速度を上げていく。良いな?」
「それなら、大丈夫だと思います」
「では、カナタさんとケイタ、俺とタクミだ」
「ふぅ・・・さんを付けましょうね、ショウマ君・・・鶏位の脳みそしかなくても、そのくらいは出来ませんか?」
ケイタ君は、眼鏡をクイッとしながら言う。
「あぁん? その喧嘩買ってやる、俺と組み手だ」
「もちろん本気でですよね? 負けても知りませんよ?」
「あったりめーだ! 本気でいくぞ!」
「後悔しないで下さいね!」
ショウマ君は、ギフトを使わずに戦い、ケイタ君はギフトを所々使って対応する・・・2人とも笑いながら殴り合っている。
「タクミ君、組み手しようか・・・速さはこんなもんでいい?」
「はい、お願いします」
食事の呼び出しがかかるまで組み手を行ったが、全員大きな怪我は無かった。
組み手を取り入れた初日の出来事が、こんな感じであった。
◇◆◇
「カナタさん、新しい魔法が作れない時に何か良い訓練方法とかありませんか? 威力を上げたり発動速度を上げたりしてますが、伸び悩んでしまっていて・・・」
ミズキさんが、いきなり声をかけてくる。
「そうだな~・・・魔法を何処からでも出せるようにするとか、2種類の魔法を同時に使えるようにするとか、1種類の魔法を維持しておいて、もう1種類を後出しで混ぜて、その魔法を自在に操るとかかな?」
「2種類同時!? 2種類が一緒になっている魔法を作ってしまうのではなくて、後で混ぜるんですか! 確かに面白そうですね・・・もっと多くの種類が混ざるとどうなるんでしょう?・・・良いですね!」
「でも、危ない事はしないでね。混ぜるんだったらさ、魔法を自在に操る訓練を先にしたほうが良いでしょ?」
「そうですね、暇なときに風の玉を出して操ります。風は目に見えないですし」
「俺もそうするよ、いい訓練方法があったら教えてね」
この後、風の玉を頭の上で八の字に回す訓練をすることになる・・・
これが日本なら、スカートめくり放題だな、とか絶対に考えていない・・・ええ、絶対に・・・
この国の人たち、スカートは殆ど穿かないしなぁ・・・
◇◆◇
「ミズキさん、魔法で物質って作れるんですか?」
コノミさんが、ミズキさんに言う。
「いえ、出来ないのか、出来ていても見えないほど少量なのか・・・魔法を作ってみたんですけど、発動しているのかどうかすら解りませんでした」
「そうなんだ・・・出来たらさ、羽とかを魔力で作って空を飛んでさ、フェザーアローってやってみたかったんだけど・・・」
「羽ですか! なるほど! 良いアイディアかもしれません! 現在製作中の空中浮遊魔法も、まだ普通に浮くことすら出来ていないんですが、羽があれば浮く事はおろか、飛べる可能性も出てくるかもしれませんね」
ミズキさんが、コノミさんの手を握りキラキラした顔で見る。
「そ・・・そう? 出来上がったら教えて貰って良いですか?」
「もちろんですよ! 頑張って作ってみたいと思います」