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努力の実る世界  作者: 選択機
第1章 異世界サバイバル
7/406

第5話 初めての戦闘

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/5改稿あり、加筆あり

「皆さん、すみません、朝ごはん食べながらでいいので聞いてください」

 ドングリを恐る恐る食べ「結構美味しい」とか話し合っていたが、こっちに顔を向けてくれた。


「もったいぶっても仕方がないですので、単刀直入に言いますと、ここは地球ではなく異世界だと思います」


「がははは、おいおいおい、頭がおかしいんじゃないか? 病院に行ってきたほうが良いんじゃないのか? 頭の弱い仕切りたがり様よ」

 三沢みさわ 伊三雄いさおさんは、自分の頭に指をトントンと当てながら言う。


「ふぅ・・・そうですよね、そう思われても仕方が無いと思いますけど、残念ながら頭がおかしくなった訳では無いんですよ、昨日の散策行った時に気が付いた人も多いと思いますが、虫の大きさが明らかに異常です・・・下手すると、襲ってくる虫も居るかもしれませんので、昨日より一層気を付けながら作業をお願いします」


「おいおい! 異世界というならよぉ、この世界の現地のやつらに保護を求めりゃいいじゃねぇのか? 何で何もしようとしない? 街を見つけて、さっさと行けばいいだけだろ! そんな事も考えつかねぇのか!? こんなところにいつまでも居られないだろぉがよぉ! どうなんだよ! クソ仕切り屋様よぉ!!」


「そうですね、現地人が友好的ならいいですが・・・もしですが、敵対するなら・・・どうしますか?」

「おいおい! そんなもんやってみなきゃ解んないだろ! 勝手に決め付けるな!」


「ふぅ、そうですか・・・たぶん敵対する場合、殺されます・・良かった場合でも、拷問にかけられ、この世界には無いような知識を喋らされ・・・知識が無くなれば・・・奴隷になり死にます、どちらの場合でも死ぬことに変わりないですが・・・それが、女性の場合は・・・考えたくも無いですよね」


「クソ! 敵対するってどうしていえるんだ? おい! 敵対するって証拠でもあるのか? あるなら出してみろよ! そんな話はお前の妄想でしか無いだろ! アニメ、漫画、ゲームそんなくだらないものの知識だろうが! このクソオタクが!」


「そうですね、確かに推測です・・・ですが、森を抜けなきゃ何も出来ませんよね?

その為には保存食・水は必須です、現地人に助けを求めるのも、街を探し出したその後で、ちゃんと調べてから・・・そう考えていますが、いかがですか?」


「がっはっはっは、ならよぉ、狼煙でも上げりゃぁいいだろ? そうすりゃあ発見されるだろう? なぁ、ちゃんと頭を使えよ、仕切りたがり様よ」

 だから危ないって言ってるじゃないか・・・頭使えよ・・・そんな風に思っていた。


「あのですね、地球でも虫の種類によっては、火の近くには人がいる事を知っていて、人の目とかに卵を産むハエなんかもいるんですよ? しかも、異世界なんですから、動物も来てしまう可能性は捨てられないですよね? なので、狼煙は使えないんです・・・単純に、川下に進むのが1番ではないかと思っていますよ、折角水場が近くにあるって言われたんですから」

 三沢みさわ 伊三雄いさおは、チッと言うと腕を組み黙った。

 たぶんだが、納得はしていないが仕方が無いと思ったのだろう・・・非常に面倒なことだ。


 俺が仮眠を取ることを皆に告げると了承してくれ、田中たなか 良太郎りょうたろうが、やることごとに班分けなどをしてくれた。

 横になると、一瞬で夢の中へ入って行った。


「・・・・・さん!・・・原さん! 起きてください! 榊原さん」

 仮眠を取っていると、揺り起こされる。


「田中さん、おはy『敵です』」

 いい終わらないうちにかぶせて言ってくる、かなり焦っているようだ・・・すぐ跳ね起きた。


「え? 敵ですか? 何ですか? 何がいたんです?」


「たぶん、ゴブリンだと思います」


「え? マジ? え? ゴブリン? 本当に?」

 その問いに無言で田中たなか 良太郎りょうたろうさんは頷き。


「起きたばかりで申し訳ないのですが、急いでこちらに来てください」

 と言うなり進んでいく。


 洞窟内に皆で避難しているが、中山なかやま 敬太けいた君と五十嵐いがらし 渉真しょうま君の姿が見え無い。洞窟内の皆に、小声で話しかける。


「おはようございます、ゴブリンを見つけたんだって?」


 皆一様に少し暗い顔をしている、本当に居たんだなって確信する。

 その間にも田中たなか 良太郎りょうたろうは、こちらをチラチラ確認しながら進んでいく。

 洞窟の外に出ると水の音が鳴るほうに指差している。頷きそちらに進んでいく。


 湧き水まではそんなに遠くなかった。

 湧き水の見えるところまで来ると、姿勢を低くとジェスチャーされる。

 姿勢を低くしながら進んでいくと、2人が背の低い木の影から覗いているのが見える。

 2人は気が付き、背の低い木の奥を指差していた。


「うわぁ、マジモンの本物のゴブリンだ・・・結構小さい」


 独り言を言ってしまった。

 湧き水から少しはなれたところに、小さな池があり、その淵あたりに緑色の肌のゴブリン2匹? 2人? がいた。

 ゴブリンたちは、身長1m位に見え結構小さい。

 1人が持っているハルバードっぽいものを使い魚を取ろうとしているが、足を滑らしたり2~3秒かけて槍を持ち上げ池に振り落としたりしている。

 槍の振り方が端を持ちながら重力に逆らわず落としている程度だ・・・見るからに弱いと解る。

 4人は、少し離れて小声で会話をする。


「う~ん、危険だけどさ、ゴブリンが持ってる武器欲しいね、いろいろと役に立ちそうだし」


「さすがに危ないとおもうんですけど・・・」


「僕は賛成ですね、あの槍があれば色々と便利になりますし」


「よし! じゃあ、倒すか! 弱そうだしな」

 いきなり五十嵐いがらし 渉真しょうま君が進もうとするのを、服の裾を掴み一旦止める。


「待ってよ! 真正面からは行かないよ? 怪我をしたらどうするのさ、今ちゃんと作戦を考えたから聞いてから行動してね、槍を持ってるやつに馬鹿正直に戦いを挑みたくないからね。

いい? まずは、数人で池の反対側から石をゴブリンに向かって投げて、注意を引く。

注意がそれてる間に、後ろに回りこんでいる人がこっそり近づいてハンマーで頭を叩く。

近づく人が見つかった場合は、砂で目潰しをして森や白竹に逃げる。

そうすれば、木が邪魔して槍を振るうのが出来なくなるから、どうかな?」


 3人は無言で頷く、話し合いの結果・・・俺が襲撃することとなる。

 一応、3人には靴下に石を詰めた簡易的な武器を持ってもらった。


 未だに魚を取ることに夢中のゴブリンの背後に回る・・・

 気が付かれない様に手を上げる・・・作戦決行。


 作戦は大きく違うものになる・・・ただし、いい意味で・・・

 3人が草影からいきなり飛び出し石を投げる。野球のフォームで最初の1撃を投げるようだ・・

 未だに3人にすら気が付いていないゴブリン。

 石は思った以上にまっすぐゴブリンに向かう。

 1個は外れたが、1個は槍ゴブリン1匹の頭に当たり、もう1つはもう一方のゴブリンの体に当たった。

 槍ゴブリンは崩れ落ちそのまま仰向けで倒れる、もう1匹はぐるぁぁと言いながら蹲る・・・

 さっと出た俺がうずくまるゴブリンを先に殴り、もう一匹の槍ゴブリンも殴る。

 最終的には両方の頭を数回殴りつけた・・・終わり・・・


 頭を叩いた後3人に顔を向ける・・・え? と言う顔で石を持ちながら固まっている。

 たぶん、3人を見た俺も同じ顔をしていたに違いない。

 ハッと気が付き、倒されていない可能性もあるので槍を拾い、少し離れてからつんつんしてみる。

 まったく動かない・・・緑色の血が池に流れている。


「大丈夫です、死んでますね」


「なぁ? こいつら弱すぎないか? 尖ってる石を思いっきり投げたからって・・・流石になんかな・・・」


「弱くてよかったじゃないですか! 怪我が無くて本当に良かった」


「なるほど、緑色の血ですか、まったく・・・ファンタジーですね・・・」

 3人がこちらに進みながら口々に言っている。


「一度皆を呼んだほうがいいと思いますが、希望者だけのほうがよさそうですよね・・・死体なんて、女性達に見せたくないですし・・・」


 田中たなか 良太郎りょうたろうが皆を呼んでくる間に、持ち物とかを漁り始める・・・

 吐き気と、ものすごく高鳴る心臓の音、体の震えを意識的に切り離す。

 何も感じないように、何も考えないように・・・


 2匹のゴブリンが持っていたものは、鉄製の飾りっけの無いハルバード、青銅の短剣、青銅のショートソード、布のバッグだった。

 バッグの中には直径4~5cm位の石ころが5個入っていた・・・なんでこんなものを??

 そうこうしている間に、皆が来た。


「あら、全員で来たんですね。ゴブリンの死体なんて見たくないでしょうに」


「そうですね、ですが一応皆様にも見てもらったほうがいいと思いまして」


 なるほど・・・百聞は一見にしかずって言うし、見てもらったほうが早いか。

 皆ゴブリンを見て気持ち悪そうにしているが、これからの事を考えてるようだった。

ゴブリン:10級の魔物。 POPするタイプと子供が生まれ育つタイプがいる。 育つタイプの方が断然強い。 POPするタイプには武器を所持している物が多い。 今回はPOPタイプ。


ゴブリンの装備記載

ハルバード:魔鉄(魔力で作った鉄)とメイプル材で出来た柄のハルバード。


青銅のショートソード:青銅で出来たショートソード。 ナイフより少し長いのでショートソードと表記、実際にはナイフの方が正しいかも。

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― 新着の感想 ―
ゴブリンに似た現地人だったら単なる人殺しに。。。
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