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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第43話 女性への贈り物

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


7/18 改稿あり 加筆あり

 オークを倒した後、ロープと木の枝を使ってオークを逆さづりにして、簡単に血抜きをしながら皆のところに戻り、タダシさんに話しかける。


「オークの回収の前に、完全に血抜きしちゃいますか?」


「いや、簡単に血抜きしたらマジックバッグに入れて、完全に抜くのは後でいいだろう。解体を頼んじまった方が早いし、上手いしな」

 タダシさんは、顎を触りながら答える。


「了解です。簡単にだけ血抜きしちゃいますね。あと、繭のほうも回収しますよね? アヤコさん」


「ああ、そうだね、その糸は色がまばらで見た目は悪いけど、色を簡単に染め直せば色々使えるだろうし回収したいね」

 アヤコさんは、頷きながら言う。


「了解しました。じゃあ、切ってみますね」

 繭を切ると、どろどろの液体が入っている・・・気持ち悪い・・・


「回収しますね。あと、向こうの方にゴブリン居ますがどうしますか?」

 リョウタロウさんはそう言い、特に嫌な顔をせずに回収する。


「この近くにはゴブリンのみですか?」


「1番近いのはゴブリン3匹で、あっちのほうはトウグが30位ですかね?・・・オオトウグも居ます。その奥にはオーク3匹ですね。その奥にもオーク2匹がいます。あとは解らないのもいますけど遠いですね」


「じゃあ、数が多いトウグに行ってみましょうか」


「了解です」

 トウグの群れに向かっていく・・・オオトウグ2、トウグ30くらいで唸り合っていた。


「縄張り争いですかね?」


「そのようですね」


「カナタさん左、リョウタロウさん右など、PTごとに分かれてサンダーで行動不能にしてはどうでしょうか?」

 ケイタ君が、眼鏡をクイッとしながら言う。


「うん、それでいこう。じゃあ、3、2、1」


「「サンダー」」

 いっせいに魔法を発動する・・・一瞬光ると、すでに動くものはなくなっていた。


「あっちゃー、威力強すぎたね、放置する?」


「オオトウグは損傷なさそうですよ」

 リョウタロウさんは、オオトウグを見ながら言う。


「これ傷がないぞ! 大丈夫そうなのだけ引っ張り出すか?」

 ショウマ君は、重なってるトウグから1匹引っ張りながら言う。


「そうだね、駄目っぽいのは魔石だけ回収して燃やしちゃおう」


 オオトウグ×2とトウグ×8は損傷が少なく、売れそうなのでしまって貰い、他は穴を掘り燃やして埋めた。


「オークってこの奥なんでしたっけ?」


「そうですが、時間がギリギリですけど、大丈夫ですか?」

 リョウタロウさんは、太陽の角度を見ながら言う。


「でも、折角なんで倒しましょう。良いですか?」


「あぁ、食料が増えるのはありがたいことだ! 急いでやっちまおう!」

 タダシさんが、ニヤリと笑いながら言う。


 少し進むとオークが5匹、近くにはトウグの物と思われる死骸が転がっていた。


「アイスアローで良いですか?」

 皆頷き、反論は無いようだ。


「いきますよ? 3・2・1」

「「「アイスアロー」」」

 特に何も無く5匹のオークは倒れる。


「回収しだい急いで帰りましょうか」


「トウグの魔石も回収しますか?」

 リョウタロウさんが、無残に引き千切られたトウグを指差し言う。


「そうしましょうか」

 直ぐに回収し、街に移動する。


「じゃあ、ギルドへ行って報告しましょうか~」


 そのままギルドに向かう。


「いらっしゃいませ、カナタさん。報告ですか?」

 セネラさんが、笑顔で対応してくれる。


「はい、お願いします」


「また、多いですね・・・解体倉庫はお使いになりますか?」


「はい、お願いします。エミルさんは居ますか?」


「はい。では1人ずつカードをお願いします・・・11級、12級になりました。おめでとうございます。もう少しでダンジョンにいけますね」


「10級からなんですか?」


「そうです。見習い冒険者から新人冒険者に上がる区切りになります。まぁ・・・皆様ですと軽く見積もっても中級冒険者クラスですけど・・・」


「じゃあ、新人です! ってまだ言えるんですね~」


「言えますけど、自分の力を過小評価する方は少ないですよ?」


「冒険者らしい事をまだしてませんので、いいんですよ」


「皆さんが冒険者じゃなければ、だれが冒険者なんですか! ふぅ・・・まぁいいです。また報酬は一緒にでいいですか?」


「はい、お願いします」


「あの~・・・カナタさん、時間が・・・」

 ユカさんに後ろから声をかけられる。


「おっと、そうでした。リョウタロウさん、お弁当貰っていいですか?」


「はい、これですね。タダシさんと解体に行くので、2人は行ってもいいですよ」

 リョウタロウさんは、籠を出し言う。


「はい、すみません、ありがとうございます。後はお願いします」

 ユカさんと俺は、出来る限り急いでファウストさんの所へ向かう。


「来られましたね! 今日もポーションを作りますよ~」

 ファウストさんは、手を大きく広げて言う・・・オーバーなアクションに慣れてきたな。


「昨日も作りましたけど、在庫とか大丈夫なんですか?」


「全部売れましたよ! 最初の頃の物は売ることは出来ませんでしたが、後半で作ったものは誰が見ても高品質ですので、高値で売れました! すばらすぃぃぃ!」


「あの、他の薬も作ってみたいのですけど、難しいのですか?」

 ユカさんが、軽く手を上げて言う。


「いえ、かなり簡単ですよ」


「え? そうなんですか?」


「ええ、例えば一般的な解毒薬ですが、この解毒草を干して粉末にして、お湯に入れれば出来上がりです。粉末の量が少ないと効果がなかったりしますが、多くても問題ありません。もっとも、特殊な毒であれば解毒草の種類が変わったり、複数の種類が必要になったりしますが」


「では、ポーションが1番難しいと?」


「そんな事はありませんよ、もっと難しいレシピはありますが、素材の入手が難しい物や毒薬ですよ。毒薬はもう少し後の方がいいのでは?」


「毒薬は、いりません! 使いませんので!」

 ユカさんは、首を振って言う。


「いえ、毒薬も教えて貰いましょう」


「え? 何でですか? 殺すための薬なんて・・・」


「その毒を知らなければ解毒薬なんて作れない、そうですよね?」


「素晴らしい、その通りです! 治すも殺すも表裏一体、それこそ薬!」

 ファウストさんは、くるくる回りながら言う。


「そうですね、解っていたことだったんですが、忘れていたみたいです。お願いします」

 ユカさんは、頭を下げながら言う。


「頭を上げてください。最初誰でも通る道です・・・・では、最初はポーションを作り、後は解毒薬と毒薬をお教えします!」


「「(はい)お願いします」」


「その前に、食事を頂いても?」


「はい、その大きい方がファウストさんのです。ご家族の分もあるので全部は食べないで下さいね」


「素晴らしい! ありがとうございます」


 食事を取り、夜遅くまで薬の知識を学んだ・・・やはり、覚えるスピードは異常な位早いようだ。


 屋敷に帰り、軽い食事をするためにダイニングに入ると、手紙があった。使っていない部屋に出来上がった洋服が置いてあるようだ・・・作るの早くない?

 織機は作ってあったし、糸も煮るだけで出来るといっていたが・・・凄いな。

 欲しいと言っていたボタンも作っちゃわないとな。

 髪留め(ヘアゴム)も置いてあるとの事。本当に助かる・・・


 木工と骨細工の二人に、最初はバレッタを送ろうと思ったが、金具がまったく解らない。くちばしクリップのにしてもよかったのだが、大きめの細工をしたかったのでゴムにすることにした。

 デザインはコノミさんに頼んだのだが、ゴムの上にリボンが付いていて、リボンの真ん中に細工したものが付く物だった。2人とも髪が長く、無理やりリボンで縛っているのを見ていたから、髪留めとくしにした。

 喜んでくれればいいが・・・

 女性へのプレゼントは、基本的にアクセサリーは避けるべきってのは解っているが、一応試験なので大丈夫だろう。


 木材は、出来るだけ薄い色の物にして、木材で作っているのが解った方がいいだろう。細工するのは縦2cm横3cmの楕円形、デザインは、サクラとリスにしている。

 この世界には桜があるか解らないし、買った物などではなく俺が作った物だと安易に解る。

 櫛にも同じデザインを掘り込むつもりだ。

 細かい加工技術が無ければ作れないし、木で出来た櫛は見たことがないからちょうど良い。


 骨細工は、グランドタートルと言われている亀の甲羅を、盾にしている時に出た端材を貰い、削り出して見ると鼈甲べっこうが出た。かなり綺麗なオレンジ色で質も良さそうだ。

 廃材のところにいっぱいあったから、少し貰っておこう。誰かのプレゼントにも使えそうだし。

その鼈甲べっこうで、似たようなデザインの髪留めと櫛を作る。

 デザインで違うところと言えば、リスがロップイヤーの兎になっているところだろう。

 鼈甲は、この世界では使われていない物だ。骨細工と認めて貰えるか解らないが、まぁ平気だろう。



 どの世界に行っても女性への贈り物には気を使うもんだな・・・ギフトで贈り物のセンスがあったら欲しかったよ・・・ほんとに・・・

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