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努力の実る世界  作者: 選択機
第1章 異世界サバイバル
6/406

第4話 初めての野営

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/5改稿、加筆あり

 食事が終わり緊張していた気持ちが緩んだのか、目をこすったり、欠伸をしたり、眠そうにしている者も居る。

「今日は、もう休みましょうか~」

 皆一様に、了解の返事が返ってきた。


「あ! あの! えっと・・・女子高生の君!・・・ごめん、待って待って!」

 2人が立ち止まりこちらを見る。


「あのね、まず、ごめんなさい、名前忘れちゃってさ・・・ははは・・」


「あたしは~笹塚ささづか 茜衣あかねだけど~、何? 何かあったの~?」


「え? えっと、お、岡本おかもとです」


「2人に質問なんだけど、着替え持ってたりする? スカートだと何かと不便じゃない?」


「あ~、あたしは持ってるから、へ~き」


「あの、すみません、持っていません」

 岡本おかもと 好未このみさんは、深々と頭を下げた。


「いや、謝る必要は無いんだけどさ、ジャージの下だけ貸そうか? 動くときに、スカートのままだとさ・・ね?」


「で・・でも・・その・・あの・・・えっと・・」


「じゃあ使ってね、はいどうぞ」

 半ば無理やり渡すが受け取ってくれた。

 俯きながらだけど小さい声で「ありがとうございます」と聞こえた。


 その後も、かなりの時間、雑談が続く。

 う~ん・・・日本と時差があるような気がするから、出来れば早めに寝たほうがいいと思うんだよなぁ・・・

 でもまぁ、仲良くなったほうが、後後動きやすいかな・・・そんな事を考えてた。


「私が見張り番をやりますので、皆さん寝ちゃってください、何か問題が起きたらすぐ起こしますのでお願いしますね」

 俺は手を上げ、皆に向かって言う。


「見張りは私がやりますよ、榊原さんは寝てください」

 田中たなか 良太郎りょうたろうさんが、バッと立ち上がり軽く手を上げる。


「本当に駄目になったら代わってもらいますよ、そのときは起こしますので、よろしくお願いします」

 その後も押し問答が続くが、結局、俺が引き受けることになった。


 寝る場所は、バスの中は女性、外は男性となった・・・着替えとか見られたくないだろうしね。

 案の定、三沢みさわ 伊三雄いさおさんが文句を言っていた。

 寝床に移動しても、会話が少し続いたが、1人寝ると皆疲れていたため直ぐに反応が無くなった。

 バスの外の男性陣は、最初からあった枯葉と持ってきた枯葉を混ぜ、その上に新聞紙を敷き寝ている。

・・・三沢みさわ 伊三雄いさおさん以外の皆は、特に文句もなく寝ている。寝心地はそこまで悪くないようだ。


「携帯など光るものは極力使わないでください、虫や獣の的になりますので・・・焚き火を消しますよ~では、皆さんおやすみなさい」

 一応小声で、皆に注意喚起をし、焚き火を消す。

 焚き火を消した後、空を見上げると、光り輝く星空があった。


「すごいな・・・月みたいなのは見えないけど、結構明るいもんだな」

 そう呟きながらしばらくの間、立ち止まって見ていた。

 あぁ、そうか・・・星の位置とか勉強しておけばよかった・・・そうすれば、ここが地球じゃないことが皆に証明できたのにな。


 洞窟内に戻るとすでに寝息が聞こえる・・・暇になるな・・・

 あれ? そういえば、何で俺がリーダーみたいになってるんだろう?

 う~ん、変だな・・・明日皆に相談して、リーダー決めよう・・・それがいい!


 そうだ! この白竹でお箸作れないかな? カッターで切れるかな? やってみるか!

 出来る限り静かに、白竹の1番根元にある割れた部分を、切り取る事が出来ないかやってみる。

 硬いな! 何だこりゃ? まぁ、切れないことは無いが時間がかかりすぎるかな。

 朝まで時間はたっぷりあるし、見張りながらやってみよう。


 2時間ほど頑張ってみたが、そこまで切れてない・・・やっぱり無理か~・・・

 力を入れたら切断出来そうだけど、大きな音が出ちゃいそうだし、変な力の掛け方するとカッターの刃が折れちゃうだろうな・・・

 う~んと、他にやらなくちゃいけないことを考えてみるか。


1.食料の採取 ドングリ、食べられそうな野草・果物・魚、居たら嬉しいな、イノシシ・鳥など取れるかわかんないけど。

2.調味料の確保 塩・・・山っぽいけどあるのか?

3.水を飲めるようにする 沸騰させたい、竹の筒の作成しだいだな。

4.現在地の確認 敵が居るのか、知的生命体が居るのか、どちらにしろ友好的なのかどうかだな。

5.帰還の方法を探す 今のところは無理だな。


 要するにもう手詰まりか・・・現状を改善できても前進は難しい。

 ああ! もう! 異世界転移なら、異能力とか魔法とか、なんかあってもいいんじゃね?

 一応魔法撃てるかも知れないから、いろんな呪文を唱えて見るか・・・全て失敗・・・ああ、分かってた、分かっていたさ! 色々言ってみましたよ! 小声だったとしても恥ずかしいんじゃボケ~!


 まったくもう、魔法も出ないし! ここに召喚した人はどこにいるんだよ! テンプレの女王様はどこ? 神様は? 女神様は~? どこにいるんだよ~!

 あああ~! 本当に何が原因でここに来ちゃったんだ? 何かヒントがあってもいいだろ~!


 うとうとしたら、眠気覚ましに運動したり、白竹を切れないかもう1度やってみたりしながら、時間が過ぎていく。


 ようやく朝か、ものすっごい眠いな・・・あぁ眠い、誰か起きないかな?

 そう思っていると洞窟の方からガサゴソ音がする。背伸びをしながら牧野まきの 有華ゆかさんがバスからでてきた。

 外は明るくなってきているが、まだ寝てる人も多そうなので、小声であいさつする。


「おはようございます、朝早いですね~」


「おはようございます、あまり眠れなかったんです・・・」

 牧野さんは、言いながら、背伸びをしてゆっくり近づいてくる。

 なんか可愛いしぐさだなぁ。

 あれは! ヤバイ! 巨乳トラップだ! 急いで目線をそらし外を見る。


「あの・・・榊原さん、見張り代わりますから寝ていいですよ」

 牧野さんは、こちらを見て、笑顔で言ってくれる・・・まぶしい笑顔だねぇ。


「そうですねぇ、あと1人起きたらそうしますよ、さすがに女性1人じゃ危ないと思うので」


「そうですね、日本じゃないんですもんね・・・家に帰れますかね?」


「あぁ、気が付いていたんですね、ここが日本じゃないって・・・まぁ、帰れますよ! とは言えないですね・・・ここが何処なのかすら解らないので、情報が少なすぎます」


「ふふ、帰れますよ! 一緒に帰りましょう! とかいうと思っていたのに」


「はは、何処の熱血主人公なんですか・・・熱血でもないですし、主人公ってキャラでもないですよ・・・どっちかって言うと、モブキャラですよ、俺は」


「モブキャラ? なんですかそれ?」


「物語の脇役キャラですね。名前すらないキャラクターのことですよ」


「こんなに色んなこと知っているのに? 榊原さんなら、脇役は無いですよ。女の子全員で少し話したんですけど、皆が、榊原さんのことをリーダーだと思っていますよ・・・もちろん私もですよ」

 牧野さんは、そう言いながら笑っている・・・俺は、苦笑するしかなかった。


 簡単な世間話をしていると、数人起きてきた・・・とりあえず、トイレに行きたい・・・


「朝ごはんなんですけど、ドングリ食べてみませんか? 昨日食べてみましたが、今朝まで食あたりなど無いので大丈夫だと思いますし、見渡す限りいっぱい落ちてますから」


 皆異論が無いようで、キャベツそのまま1枚とドングリ焼きにメニューは決まった。

 手分けしてドングリを拾ってもらい、小枝に火をつける。

 ドングリにカッターで穴を開け、アルミホイルに包んでいく。

 アルミホイルを使うが、使用しても捨てないで貰うように言っておいた・・・後から起きた人にも伝えておこう。

 アルミホイルを使わずに焼く方法を試したいが、あとでだな・・・


「今日は、食料の確保を中心に周囲の確認をしたいですね、昨日のようにやらなきゃいけないと思うことを言っておきます、他に思いついたら相談しましょう、では言います。

1.1日火を消さないようにするので 火の番

2.ドングリや野草を集める 食糧確保

3.水を沸騰させたりして、飲めるようにする 器が必要かと

4.塩があれば欲しいですね

5.現在地の確認

以上だと思うんですけど、どうでしょうか?」


 皆、頷いたり「うん」「いいと思う」と了承の返事が返ってくる。

 全員が起きるのを待って・・・そんな事を考えてると、最後の人が起きてきた。

 思ってたより早く起きたな・・・環境が変わってるから仕方ないか。

 ドングリを焚き火の中に入れ焼きあがるのを待っている間に、後から起きた人にも今日やっておきたい事の説明をしておいた。

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