神の憂鬱
この話の内容は、後で少し変更するかもしれません
サラッと流して読んでいただければ、幸いです
ブックマーク、評価をしていただいてる方に感謝を込めて
7/15 改稿あり、加筆あり
「むむむ、ここの欠片かな? おお! ぴったり」
レティアは、一人でぶつぶつ言いながら作業している。
テーブルの上にトレイがあり、宝玉の欠片が中に入っている。その隣にはトレイに入った欠片をくっ付けた物があった。
テーブルの前に座り、宝玉の欠片をピンセットで取りはめていく。
「レティア様、何をなさっているのですか?」
レイは、首をかしげながら聞く。
「え? 今は、宝玉を直しているの・・・瞬間接着剤でくっ付くかなって・・・よし、ぴったり」
レティアは、慎重に作業を進めながら言う。
ピンセットではめてみた欠片が、間違っていないと解ると接着剤でつける。
「そうですか。メールが届いておりますが、いかがいたしますか?」
「え? メール? 何処から?」
「ハーフエレメンタル集合体管理本部からです」
「え? 待って! 待って! バレたの? 宝玉壊したのばれたの?」
レティアは、欠片とピンセットをトレイに置き、すっと立ち上がりレイに近づきながら言う。
「いえ、悪意が活性化したため、事情を聞きたいという内容です」
「まだバレてないんだよね? 報告はしてないんだよね?」
「はい、報告していません。ですが直ぐに露見してしまうかと・・・」
「大丈夫! 絶対ばれない! 大丈夫よ!」
レティアは手に力を込め、上のほうを向いて自分に言い聞かせるように言う。
◇◆
「今日が審問会の日ですが、私も同行いたしますか?」
レイが心配そうに言う。
「いえ、私だけで大丈夫よ。行って来るわ」
レティアはそう言うと、小型船で月の裏手にある本部へと向かった。
何も無ければサラッと終わるはずだった・・・だが報告会で、執拗な質問攻めに遭い、ポロっと口を滑らせてしまう。
こんなはずじゃなかったのに・・・
そんなこんなで、反省文5000枚+αをする羽目に。
「あー、何を書けばいいの? もう嫌だ」
「ペナルティでもある、転移召喚はどうしますか?」
「召喚をしそうな国ってある? 出来れば弱いところが良いかな」
「帝国の南の国で救国の儀が行われていますよ。そこになさいますか?」
「うん、宝玉割れちゃったけど何人位召喚できそう?」
「最大で2人ですね。後は転生者が現れるかもしれない数値です」
「そっか~100人以上呼べるはずだったのにね~・・・まぁ、仕方ないか・・・レイちゃん、お願いね」
「畏まりました。一度この施設を経由していただきます。ご準備をお願いします」
「は~い、準備しちゃいま~す」
◇◆
「召喚の儀も終わったし、転生者も来てくれたんでしょ? やったね」
レティアは、テーブルの上においてあるお菓子を食べながら言う。
「楽観視をなさらないで下さい。今回の転移者は成人したて(15歳で成人)です。精神が未熟かもしれません」
「大丈夫、大丈夫、そのうち大人になるでしょ~。聖剣も渡したんだから何とかなるって~」
「そう仰られるなら、異論はありません」
「あとさ、結構前に時空震が発生したって聞いた気がしたんだけど、大丈夫だったの?」
「調査しましたが、異世界から乗り物が転移して来ました。運転手、乗客の死亡は確認していますので、いつも通りの処置をしましたが、詳しく調べますか?」
「さっすがレイちゃん、頼りになる~。詳しく調べなくても大丈夫でしょ~、今回のウェーブは大変だったみたいだから、眷属の子達に街に行商に行くように指示しておいてね」
「はい、ウェーブ直後に指示済みです。買い物も多くするように指示も出してあります」
「おお~何から何まで流石だね! レイちゃん、本当に気が利くね~」
「レティア様のお役に立てることこそ、至上の喜び」
「もう、硬いなぁ・・・いいや、面白そうな物があったら教えてね~」
「畏まりました・・・あの・・・レティア様、何処へおいでですか?」
「読みかけの漫画を読もうかと・・・」
「報告書はもう良いのですか?」
「あぁぁぁぁ! 忘れてた~!」
(転移者召喚はもう少し先のお話)