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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
45/406

日常会話(2)

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/23 改稿あり 加筆あり

「なぁ、フランソワーズ様よう」

 ただしはうどんを出しながら、少し気になっていた事を聞いてみる。


「む? 何だ?」

 フランソワーズ様は、首を傾げて言う。


「料理を気に入ってくれたのは嬉しいんだが、家で食べなくていいのか?」


「そうね、家の人が心配するんじゃないかしら?」

 ヨシも、気になっていたのか話に入ってきた。


「あぁ、心配せずともよい。城にはもう言ってあるのでな」

 フランソワーズ様は腕を組みながら言う。


「城? 城に住んでるのか?」

 儂は、首を傾げながら問う。


「うむ、そうだ! 私は王の姪だからな」

 フランソワーズ様は、腕を組んで頷きながら言う。


「お姫様だったの? 本物のお姫様はやっぱり綺麗なのね~」

 ヨシが頬に手を当てながら言う。


「う~む・・・いつもお淑やかさに欠けると言われているぞ」

 フランソワーズ様は、首をかしげながら言う。


「それはいいとしてよ、危ないんじゃないのか? 儂が敵だったらどうするんだ?」

 儂は、気になって聞いてしまった。


「真正面から来るなら戦うだけだ」

 フランソワーズ様は、言う。


「料理に毒が仕込まれてるかもしれないだろ?」


「それは無い」


「何故そう言いきれる?」


「料理人は、自分の料理を汚すことだけはしない。そう聞いているからな」


「がっはっはっは、その通りだ! 変な物入れて料理を壊すなど考えられん!・・・まぁ、調味料で味を変えるのはいいと思うがな、はっはっは」


「そうね、好みも人それぞれ違うから、美味しく食べて貰えればそれでいいわ」

 ヨシも微笑みながら言う。


そこに息を切らしたグロスがやってくる。


「お嬢様! まだ公務が残っています! お戻りください!」


「今食べ始めたばかりだ! 後で良いだろう」


「駄目でございます! さぁ行きますぞ!」


「これだけ! 後生だ! 頼む!」


「最近は余りサボっていなかったではありませんか! 行きますぞ!」


「グロス・・・だったか?」

 儂は、少し気になり話しかけた。


「はい・・・」

 グロスは、機嫌が悪そうに儂の方を向く。


「そんなに、嫌そうな顔するなよ。これ・・・公務が終わったら食べさせてやってくれ・・・公務が全部終わったらな! 大好きなカツサンドと、新作のシフォンケーキだ。甘くて美味いぞ! グロスの分もあるからな」


「何! グロス! 急いでいくぞ!」

 フランソワーズ様は、うどんを一気に食べて、すぐに駆けて行く。


「はい!」

 グロスも、そう言い後を追う。


 次の日


「頼まれていた物を持ってきたぞ! これでまた美味い物が食べれるんだな?」

 フランソワーズ様が、布の袋をもって来た。


「任せときな、公務はいいのか?」

 儂が質問する。


「はい、昨日のうちに一気に終わらしてしまったので、少しの間でしたら空いています」

 グロスが、フランソワーズ様の代わりに言う。


「そうか、またお土産も作ってあるから、持って行ってくれよ」

 儂は、にやりと笑い言う。


「おお! 何が出るのだ? あぁ、待ち遠しい!」

 フランソワーズ様は、子供のように楽しそうに言う。


「炊き出しの手伝いに行っていたから、今日は簡単なものだぞ・・・オークの味噌漬けだ」

 儂は、豚の味噌漬けを焼いたものとサラダのワンプレートを置く。

 そこにヨシが、パンを入れたバスケットを置く。


「味噌はスープ以外にも使えるのか・・・なるほど! 美味い! 前食べた味噌より甘いな」


「ああ、味噌漬け用に作った物だからな、いっぱいあるから好きなだけ食べてくれ・・・ほれ、グロスも」

 儂は、グロスにもワンプレートを出す。


「はい、ご馳走になります」

 グロスは、丁寧に礼をする。


「調味料を譲って貰ってるんだ、このくらい当たり前だろう」

 儂は、にやりと笑って言う。


「でも、呼ぶときフランソワーズ様って長いわよねぇ」

 ヨシがパンを出しながら言う。


「そうか? うむ、フランと呼んでくれ。家族にはそう呼ばれているのでな」


「いいの? じゃあ、フランちゃんね~」

 ヨシが、頬に手を当ててから言う。


「タダシとヨシに聞きたいが、城に来ないか?」

 フランは、意を決したように言う。


「ん? どういう意味だ?」


「ここまで凄い料理人なら、城では料理長になって欲しいと思ってな」


「お待ちください、今居る料理長が哀れでございます」

 グロスが珍しくフランを諫める。


「そうだ、人の仕事を取っちゃならねぇよ。あと、同じ故郷のやつらと一緒に一度帰ろうと思っている・・・諦めてくれ」

 儂は、思ったままの事を言う。


「そうね、とってもいい誘いだと思うんだけど・・・そんなに長い付き合いじゃないけど、仲間のみんなを見捨てられないわよね」

 ヨシも同じように言う。


「そうか、そう言うと思っていた。すまん」

 フランは、微笑みながら言う。


「いいさ。まぁ、いつでも食べにきてくれ」


「お土産出来たわよ、今回はメンチカツバーガーとりんごパイにしてみたわ」

 ヨシが、キッチンから料理を持って来ながら言う。


「おお! また新しい料理か! 夜まで頑張れそうだ!・・・お代わり!」


「おう、待ってろ」

 儂は、皿を受け取り、キッチンにいく。


◇◆◇


 俺は思うところがあり、皆に少し話をする。


「すみません、皆さん・・・これから先なんですが、髪の毛を捨てないで下さい」


「え~?・・・そういう趣味なの~?」

 アカネさんが、ひきながら言う。


「そんな趣味があったんですか・・・」

 コノミさんは、驚いたように言う。


「いや、引かないで、そういう趣味は無いから! どちらかと言えば、にお・・・いや何でもない」


「え~? じゃあ何に使うの~?」

 アカネさんは、質問してくる。


「錬金でさ、宝石使うでしょ?」


「うん、それで何で?」


「髪の毛からダイヤモンドが出来るのは知ってる?」


「ペットの毛で~、とかってのは見たことある気がする」


「うん、それと一緒でね、自分の細胞を素にした宝石に魔石の力を入れたら?」


「魔晶石になる・・・でも何で?」


「使う人の細胞を基にしたら、魔力のロスが減ったり高威力出そうじゃない?」


「はぁ~、そういうもん?」


「試す価値はあると思うよ、出来なくてもダイヤモンドは手に入るわけだし」


「そっか~・・・は~い、じゃ~それで~」


 特に異論はなく、髪の毛を切った場合は木箱に保存することが決まった。


◇◆◇


「カナタ! 良いか?」

 タダシさんが、急に話しかけてきた。


「はい? 何でしょう?」


「酒を造ってみたんだが、飲めるだろう?」


「もちろんです」


「リョウタロウとアヤコとユカとケイタにも声を掛けてみてくれ、皆で飲もう」


「はい、了解です」


 全員連れてくると、簡単なつまみと木製のデカンタが並んでいた。


「お待たせしました、どれですか?」

 タダシさんに、聞いてみる。


「来たな、この2つを作ってみたんだ。味見をしてくれ」


「この2つは何の酒なんですか?」


「干しぶどうの酒とスピリタスだ」


「え? スピリタス? アルコールまんまだって噂の?」


「ウォッカの一種だぞ? 水で薄めたら売ってるウォッカだ。果物を入れたら果実酒にもなるだろ?」


「へぇ~そうなんですか」


「さて、味見といこうじゃないか」

 アヤコさんが、腕を組んで仁王立ちして、言う。

 強敵に挑む勇者のように見えるんですけど・・・何これ?


 1時間後、ユカさんと2人だけ取り残され飲んでいる。

 皆ポツポツとこの場を離れ始め、最後に取り残されてしまった・・・眠い・・・こういう役はアヤコさんかイケメンのケイタ君のほうが適任だよねぇ・・・

 なんでなんだろう・・・


「聞いてます? ねぇ? もしも~し」

 ユカさんが俺を見ながら言うけど、すでに目が据わっている・・・


「はいはい、聞いてますよ」


「それで、ですね! 皆胸を見るんですよ! チラチラ見てるの解りますから! 見てない振りしても解りますから!」


「そうなんですか~」


「おっきいと大変なんですよ! 肩こるし、洋服選びも大変なんです」


「そうでしょうね」


「そうなんですよ! 胸の下に切り替えしがあるワンピース着ると、それが胸の上に来るんですよ! ただのAラインだと太って見えるし、どうすればいいって言うんですか! 聞いてます? ねぇ! カナタさん!」


「はい、聞いていますとも・・・」


「しかもですね! 下着も可愛いのがないんですよ! カップが大きいとデザインがほとんど無いんです! 売ってないんですよ! 何なんですか! ひどいでしょ! お洒落したいんです! アンダーが小さいと、もっと減っちゃうんですよ! 何なんですか! ひどいんですよ!」


「そうだね、大変だね」


 いつまで続くんだろう・・・本当に眠い・・・


 この後ユカが寝るまで付き合う破目になるカナタだった。


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