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努力の実る世界  作者: 選択機
第1章 異世界サバイバル
4/406

第2話 洞窟の発見、バスの移動

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/3改稿、加筆あり

 俺は、みんなを一通り見てから、話し始める。

「では、自己紹介が終わったのでやらなきゃいけないと思うことを言います。

1.水の確保、

2.食料の確保、

3.拠点の確保、

4.獣対策で、武器の確保、

5.野営中の見張りの順番、

とりあえずこんなところだと思いますが、どうでしょうか?」

 俺はそう言うと、もう一度皆を見渡す。


「質問だ! なにからやんだ?」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君が手をバッと上げて、質問してくる。


「武器の確保からですねぇ、田中さん?」

 顎に手を当て、考えながら言う。


「はい、なんでしょうか?」

 運転手の田中たなか 良太郎りょうたろうさんが、いきなり声をかけられビクッとなってから言う。


「武器になりそうなものって、バスの中にありますか?」

 俺は、バスを指差して言う。


「えっと・・無いかも知れませんが・・・探してみます、待っててください」

 田中たなか 良太郎りょうたろうさんは急いでバスの中へ駆け込んで行った。


「よろしくお願いします、その間に周りをぐるっと見てきます」

 俺は右手を口に添えて、少し大きな声で言う。


「あっ俺も行く!」

「僕も行きます」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君と中山なかやま 敬太けいた君の2人がほぼ同時に声をあげ、目線をチラッと合わせた。


「うん、了解・・・じゃあ、3人で軽く見にいってみましょうか」


「おう」

「はい」

 2人がまた、ほぼ同時に声をあげ目を合わせた。

 息がぴったりだな、この2人・・・知り合いとか? 余所余所しいし、それは無いか・・・


今回の探索者は、俺、五十嵐いがらし 渉真しょうま君、中山なかやま 敬太けいた君の3人となった。


「何かあったらすぐ呼んでくださいね。それでは皆さん、いってきます」

 そう言いながら、3人でバスの後方へゆっくり歩いていく。


「すみません、迷わず後ろに行くのはなぜですか?」

 中山なかやま 敬太けいた君が、俺の方に顔を向け小声で質問してくる。


「えっとね、あっちから水の音が聞こえるのと、あの壁にあるあれ・・・あそこのあれ、洞窟じゃないかなって思ってさ」

 俺はそう言いながら、そう思われる方向を指差しながら話す。


「ああ、そうですね、了解しました」

 中山なかやま 敬太けいた君は、指差したほうを確認すると了承してくる。

 そんなことを話していると、周りの警戒などお構いなしに、五十嵐いがらし 渉真しょうま君が、先行しようとする。


「待って待って! 危ないから、周りを良く見ながら行こう。蛇とか居たら嫌でしょ?」

 

「あ・・・すまん・・です」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君が顔をこちらに向け、軽く頭を下げる。


「周りを注意しながら進もう、何があるか解らないからね」


「おう」

「はい」

 2人は、またも同じタイミングで返事する・・・どうなってんだろう?


 バスのぶつかった時の大きな音で、獣とかは逃げて居ないだろうけどね・・・たぶん。

 しかし、白竹と木の間に2m以上の隙間があるし、砂利道だ・・・

 なんでここだけぽっかり空いてるんだ? 変じゃないか?

 そう思いながら進んでいく・・・


「洞窟だ! 洞窟がある!」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君が、大声を上げて洞窟を指差す。


「しー! 静かに・・・中に何かいるかもしれないし」


「あ・・・すまん」

 とりあえず脇の森に入り、3人は洞窟の入り口の前にある木の後ろに移動する。


「どうしますか? 中には何もいないように見えますけど・・・」

 中山なかやま 敬太けいた君は、じっと洞窟を見て言う。


「そうだな、中に何も居ないっぽいから入ればいいんじゃねぇ?」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君は、同意する。


「そうだね、俺も居ないように見える・・・けど、石でも投げ入れてから様子を見てみたほうがいいんじゃないかな?」


「OKだ! 投げ込むぞ!」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君は、石を拾い上げまっすぐ洞窟の中に投げ入れる。


 すかさず3人は、無言のまま木の後ろに移動し屈む・・・カン・・カラン。

 数秒待ってみるが反応は無い・・・


大丈夫だいじそうだな! 早速行って見ようぜ!」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君は、小声で俺達に言い、俺達は無言でうなずいた。


 近くにあった木の棒を持ち近づいていき、洞窟の入り口に立つと高さ3m横2.5mくらいの大きなものだった。


「結構大きい洞窟だね、ちょっと下ってるけど奥はどうなってるんだろう?」


 外がかなり明るいため奥は見にくいが、生き物の気配などは無い


「もっと奥に入ってみないか? こっからじゃ奥まで見えねぇしよ」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君は、奥を指差し言う。


「そうですね、行ってみましょう」

 中山なかやま 敬太けいた君は頷きながら言う。


「了解、じゃあ注意しながら進もうね」


 周りを見ながらゆっくりと進んでいくと、深さは大体10mも無い位で、奥には4つほど、人が寝るような形で木の葉が置いてあった。

 簡易式のフトンなのかもしれない・・・が、もう既に葉っぱが古くなっているように見える。


「誰かがここを使っていたみたいですね」

 中山なかやま 敬太けいた君は、木の葉をみて言う。


「そうだね、ただこの大きさならバスも入るんじゃないかな? 入り口から奥まで大体同じ大きさだし」


「誰かって誰だ? お! でもよ、誰かがいたってことは、助けが来るんじゃねぇか? ラッキーだな!」

 五十嵐渉真いがらし しょうま君が、嬉しそうに言う。


中山なかやま 敬太けいた君がそれを聞いて「ふぅ・・・」とため息を漏らし、おでこに手を当てながら首を横に振る。


「動物の爪の跡が見当たらないから、人が使っていたのは間違いなさそうだけど・・・ただ、それが味方だとは限らないんだよ」

 俺が、五十嵐いがらし 渉真しょうま君に向けて言う。


「あん? 何でだ? 人なんだし、遭難者を見かけたら助けてくれるんじゃないのか?」

 五十嵐いがらし 渉真しょうま君が、腕を組み首を傾げて言う。


「そうだね、日本なら助けてくれるかもしれない。でも、ここがどこかの国の軍の機密の場所だったら?」


「ん? 戦争なんてしてないし、助けてくれるんじゃないのか?」


 俺は、それを聞いて苦笑してしまう。


「あのですね! いきなりここに現れたと言っても信じては貰えないでしょう? 悪ければ・・・いきなり射殺、良くても拷問の末・・・殺されます・・・軍事機密と言うのはそう言うものです」

 中山なかやま 敬太けいた君が、呆れたような怒ったような感じで言う。


「おいおいおい! 待て待て! じゃあよ、すぐにでも違う場所に逃げたほうがいいんじゃないか!? さっさと逃げようぜ!」


「食料も水もほとんど無い・・・今の状態で逃げ切れるとお思いですか?」


 五十嵐いがらし 渉真しょうま君は中山なかやま 敬太けいた君の物言いに、カチン! と来たようで、詰め寄っていく。


「はい! ストップストップ! 今は、やるべきことをやれるだけやっておこう・・・言い争いは助かってからでも出来るでしょ」


「おう・・・悪かった」

「はい、申し訳ありません」


 2人はほぼ同時に呟き了承してくれた・・・本当に息ぴったりだな。

 3人は警戒しながらバスに戻っていく。


 バスに戻ると皆で話し合っている・・・というよりも、喧嘩か・・?

「大丈夫ですか? 何があったんですか?」


「ああ、そいつが金を払うから水をよこせと、そちらにいってな・・・」

 おじいちゃんの真田さなだ ただしさんが、最初に伊三雄いさおを指差し、指を移動させ、次に亜矢子あやこを指し、指を下ろした。


「ちゃんと金を払うって言ってるだろうが! 何が悪いんだ!」

 嫌味なおっさんの三沢みさわ 伊三雄いさおさんが、大声で叫びながら言う。


「そうですか・・・ちゃんと話し合って物を貰うならいいのですが、無理やり交換しろっていうのはちょっと・・・」


「おい! なんでおまえなんかに言われる筋合いがあるんだ! 命令してんじゃねぇぞ! ふざけんな! くそやろう!」


「命令する気はないですよ、ただ・・・さっさとやれることをやっとかないとヤバイ気がするんですよ・・・なんとなくですけどね」


 三沢みさわ 伊三雄いさおさんは、「知ったことかよ! くそ!」と言いイライラしながら、タバコをふかし始める。


「皆さん、あそこに洞窟がありました。大きさ的にバスも入りそうですので、移動しましょう。あと、武器になりそうなものありました?」

「今朝しまい忘れた点検ハンマー1つだけですね・・・すみません」

そう言うと、田中たなか 良太郎りょうたろうさんは、点検ハンマーを見せてくる。


「1つでもあってラッキーですよ、バスは動かせますか?」


「エンジンはかかりますので大丈夫だと思います。バスも洞窟移動させるんですか?」


「そうです。窓割れちゃってるんですが、ベッドみたいに使えそうですし移動しちゃってもらってもいいですか?」


「解りました。移動させてみます」


バスの中は残った人が掃除してくれてたみたいで、洞窟の中の掃除をするだけで入れられそうだった。

そのままでは入らなかったが、エアサスの空気を抜いたらバスの天井をほんの少し擦っただけで、入れることに成功する。


こんなことなら、窓にカーテン付いてたら良かったのに・・・

点検ハンマー:バスやトラックのネジの緩み等をたたいて調べるハンマー。

 尖っているので結構危険。


洞窟:ウェーブ時に逃げ込めるように作った洞窟、現在は使用されていない。

 ウェーブで怪我をした兵士や冒険者が使っていた。

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