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努力の実る世界  作者: 選択機
第4章 ウルフローナ国 新王都モンステラ編
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第313話

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 次の日の朝、起きて外に出る。 流石に1日目から襲ってくるような輩はいなかったらしい。

 準備運動をして、こっそり壁を飛び越えて買った土地に戻る。

 その後に体操をして、簡単な鍛錬を行う。


「リョウさん、イサオさんってまだ戻ってないんですよね?」


「まだ戻って来ないと思います。 タバコの木と言う物が生えているようで、その素材を取りに行ってると言う事です。 このダンジョンでは、タバコの木は50階に生えているらしいですよ。 行きますか?」


 タバコって草じゃなくて木の葉ってことなのかな? 良く解らん、流石異世界だな。


「いえ、タバコ吸ってないので遠慮します」


「ええ、私も吸わないですので欲しくはないですね。 タバコを吸うのはケイタ君とアヤコさんだけですが、2年も吸ってないですし誰も欲しがらないかもしれませんね」


「そうだと良いですけど。 それじゃあ、先に探索者登録をしておきましょうか」


「あ、たぶん今日は無理ですよ」


「え? なんでですか?」


「大人数で移動してきたので登録がまだ出来てない冒険者もいるって話ですし、卒業生達も登録に行っていると思いますから」


「あぁ~、そういえばそうですね。 今日中の登録は無理ですかね?」


「おそらく無理じゃないでしょうか」


 仕方がない、家作りとミスティの星への通路ゲート開設を先にしておこう。

 地下に穴を掘り大きめの地下室を作って、ウルフローナの屋敷に似た屋敷をトレント材で作っていく。

 最初に造るのは地下。 地下室の中にプレハブのような部屋をザックィンムの木材で作り、ミスティの星への通路ゲートを中に設置する。

 と言っても、ゲートの設置はケイタ君とアカネちゃんだ。

 2人は結構仲良くなってきているが、アカネちゃんがいまだに俺達にも猫をかぶってるからなぁ・・・どうなるんだろう。

 邪魔しないように二人っきりにしておこう。

 そういえば、マジックハウスinマジックハウスと言う良く解らない物になってしまったな。

 何かあったら困るので万全にしておいたと思えば良いだろう。


 ショウマ君は卒業生の様子を見にタダシさんと一緒に探索者ギルドへ向っている。

 アヤコさんはコノミちゃんと一緒にショッピングへ、ユカさんとミズキさんは治療院へ、タクミ君とリョウさんは武器や防具などを見に行った。 ヨシさんは、移動型マジックハウス内で料理を作っている。

 タクミ君とリョウさんが一緒ってのは珍しいな。 ケイタ君がアカネちゃんと一緒にいるからだろうけど。

 そして俺は1人で家造り・・・のはずだったのだが、木工師を目指す卒業生やユリとベトニアと一緒に作業をしている。

 何故だか解らないが、ミルッフルさん(カナタの隠れファンのエルフ、マジックハウスを研究していた)も参加している。 いつ来たんだろ?

 どちらかと言えば1人で作業した方が完成が早い。 でも、これだけ大きなマジックハウスを作る機会なんてあまりないだろうから手伝ってもらっている。


 俺は木材加工を魔法で終わらせるけど、皆は手作業なんだよなぁ。 良くこんな真っ直ぐ鋸で切れるもんだな。

 トレントの丸太に乗りながら鋸を動かしている木工師見習いの卒業生を、感心しながら見る。

 もう、八重桜学園じゃないから見習いではないのか。 月日が経つのは早いな。

 皆のサポートに回り屋敷を立てていったが、まだ骨組みしか出来上がっていないが遅くなってしまうので解散とした。

 今夜に護衛達成と盗賊討伐祝いをするので、それまでに完成させておきたかったのだが皆に貴重な経験をさせられたと思っておこう。

 厚い布に液状のゴムを薄く塗ったシートを骨組みに掛けて今日は終了とする。

 さてと、外でやるとなると馬車の中にいるという設定のコルネット・タルーンを出すしかないからなぁ。

 いや待てよ、コルネット・タルーンが皆を労って早々に馬車に戻るとかすればいいかな? そうすれば、覗かれていても変じゃないだろうし。


 こういうの何度かやる必要がありそうだな。

 本当に面倒になってくるな、いっそやめるか? いや、インテリジェンスウェポンとかあったらコルネットの中に入れたいし・・・頑張ってやってくしかないか。

 とりあえず、会場の準備を手伝おう。 このまま見てるだけだとなんか言われかねないし。

 達成祝いをすると言う事が決まった時に、大量のフィンガーフードを作っていたしヨシさんが今日1日料理作っていたから足らなくなるなんて事はない。

 絶対に余るはずだから、お土産に皆にもたせる事にしよう。 設営が終わったら、持ち帰りようの篭や重箱のような物でも作っておこう。

 そんな他愛もない事を考えながら中央にテーブルを並べ、椅子は端っこの方に並べる。

 人数が多いから立食形式にしてある。

 これは人数が多いと言うのもあるが、これからはパーティ感でのやり取りが多くなる為、こんな時くらい皆と話したいだろうと思ったからだ。

 テーブルの準備やその他諸々を終えて、何の面白味もない重箱を作っていく。


 立食形式のパーティは概ね好評だった。 概ねといったのは、ちょっとしたトラブルが起こったのだ。

 簡単に言うと酔っ払い騒ぎが起こった。 何度か起こった事のある武器論争。

 槍は兵器の王と呼ばれているが、ダンジョンや洞窟の狭い場所などだとかなり使い勝手が悪い。

 その点、剣や棍棒等ならある程度取り回しが利くなどの論争だ。 ダンジョンの中だと何があるか解らないから数種類の武器を持っていくのが普通だし、罠を警戒して長い棒などを持っていく者達もいる。

 

 その話は最終的には武器が壊れたら素手で戦うから、ショウマ師匠の教えが一番という良く解らない話でまとまった。

 そうすると、鍛冶師を目指す卒業生達が絡んだ。

 そんなこんなで喧嘩をしながら食事をして大騒ぎをしていた。

 こちらとしては、コルネット・タルーンを繰り出して静かにする様に言うパフォーマンスが出来たので良しとしよう。


 次の日は朝から屋敷を造る。 大半の卒業生や冒険者、エルフの皆は二日酔いで来ていないので少数の卒業生が来ているだけだ。

 仕方ないので数人で造る、俺とショウマ君は人間重機として皆のサポートをする。

 昨日のように足場やリフトでやっていた昨日よりもかなり早い。 午前中だけで八割くらい完成している。

 後は内装なので、俺も好き勝手に手伝う事が出来るだろう。


「んじゃ、カナタさん。 冒険者ギルドへ行ってみる」

 ショウマ君は、昼食を食べるなり立ち上がる。


「行くんだったらケイタ君と一緒にね。 じゃないと喧嘩売られたら買っちゃうでしょ?」


「ちっ、解ってるよ。 ケイタ誘って行ってくる」


「あ、タダシさんと行ってもいいからね」

 

「嫌だよ。 タダシさんには敵わないからな」


 ショウマ君はタダシさんに頭が上がらない。 強さだけならショウマ君の方が強いが、その他の部分はタダシさんのサポートが無いと暮らしていけない事が解っているから文句が言えない。

 なんと言うか、転移して既に2年たってショウマ君も大人になったんだと感じる。

 その後は二日酔いが治ってきた木工師が参加して内装や家具を作っていく。

 夕方を過ぎ夜になる前に作業が終わった。 後は掃除だけなのでゴーレムを起動し掃除をさせる。


 晩御飯の準備が終わった時、一番最後にコノミちゃんとアカネちゃん、ユカさんが帰ってきた。


「ねぇねぇねぇ~、みてみて~じゃっじゃ~ん」

 アカネちゃんが木のコップを出して嬉しそうに言う。


「え? これって何? 泥水?」


「な!? 違います~、チョコです~。 チョコレートドリンクが売ってったんです~」


「おお! ってことはカカオもあったの?」


「買ってきましたよ! みて下さい。 カカオってこんなんなんですね。 これってどこ食べるんですか?」

 ユカさんが乾燥されたカカオの実をテーブルの上に出した。

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