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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第28話 低ランク依頼消費

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/19 改稿あり 加筆あり

 食事の後、お風呂の前に、少しだけ身体を動かしておこうとショウマ君と一緒に外に出た。


「上半身だけでの突きに慣れてきたら、下半身も含めての突きに移行する。まずは順突きだな、この時に突く方と逆の引き手にも注意を払うと良い突きになるといっていたが・・・まだ上半身だけの突きの練習の方がいいと思うぞ」


「そうだね、焦っても仕方がないから一つ一つお願いします」


「任せとけ! 突きを100回やった後で、1番大切な防御の型をやってみるか」


「はい、お願いします」

 影でこっそりケイタくんが、同じ動きをしていることに気が付いたがあえて何も言わなかった。


 次の日の朝、ショウマ君と一緒に朝錬をして食事の時に呼んで貰った。

「今日はボランティアに近い事をするんですが、魔法は出来る限り使わないようにしてください」


「な! なんでですか!」

 ミズキさんが、怒りながら立ち上がる。


「得意属性に苦手属性ってあったの覚えてますか?」


「はい、覚えてますけど」


「苦手があるって事は、その属性が使えないって事なんじゃないですか?」


「その可能性が高いですね」


「全属性使える自分たちは異常ですよね? 捕まえて利用しようとする人が現れる可能性があるでしょう?・・・しかもミズキさんのギフトは、誰しもが欲しい物ではないでしょうか?」


「はい、解りました・・・」


 かなりシュンとしてしまったが、仕方がないだろう。安全のためだ。

 現状では自分たちがどの程度強いのか予測しか立てられない。表立って動くのは得策ではないだろう。


「では、情報収集も出来るだけお願いします~、行きましょ~」


 協会に寄ってLvを上げておく。Lv4,Lv3になり、ギルドへ。


 コノミさん・アヤコさんは針子、ユカさん・ミズキさんは治療院、タダシさん・ヨシさん・アカネさんは炊き出し、タクミ君・ケイタ君は鍛冶場の手伝い。手伝いといっても鍛冶職人が帰ってくるまでに掃除をする位のもの。俺・ショウマ君・リョウタロウさん・イサオさんが瓦礫撤去、こんな感じで分かれた。


 瓦礫撤去は力仕事という事もあるが、マジックバッグあったら楽なんじゃない? って思ったからだ。


「この仕事を請けた冒険者は君達か? 私は撤去作業を総括しているものだ、よろしくたのむ」


「こちらこそよろしくお願いします」


「簡単に説明すると、そこの山になっているのが石置き場、あちらの穴の中が木材だ。木材のほうは燃やしたいから出来る限り分別して欲しい。質問は?」


「崩れている家と門の近くにある瓦礫を片付ければいいんですか? でも、崩れている家には人がいますけど・・・」


「あぁ・・・下敷きになる前に外に出て欲しいんだ。崩れた家は危険だからな」


「私どもでは彼らを説得できないのですが・・・」


「解った、こちらで中に居る人を説得しよう」


「すみませんが、よろしくお願いします」

 瓦礫をリョウタロウのところまで運び、マジックバッグに入れて置き場に行き、石や木材に分けてマジックバッグから外に出す・・・体力や力も上がっているのでサックリ終わる。


「すみません、作業主任さん、指定された場所の掃除が終わったんですけど・・・」


「おお! 早いな! そこと、そこと、そこの家も頼む」


 サクサク終わらすと、あることに気が付く。家の付近にいた人たちの悲しそうな顔だ。

 家の取り壊しに納得はしていないのだろう・・・

 この家は、江戸時代とかの長屋のような造りに見える。

 土間があり、木材が敷き詰められているところに木の箱が置いてあり、それをベッドとして使っていたのだろうということは解る。

 しかし、狭いし隙間風も凄い。布団もただの布のように見える・・・奴隷とかそんな感じの人たちなのだろうか・・・少しかわいそうに思う・・・


「すみません、作業主任さん。あの方たちはどういった身分の方なんですか?」


「農奴だが・・・知らんのか?」


「そういう身分の方がいるとは聞いていたんですが、まじまじ見るのが初めてで・・・」


「そうなのか、ここの農奴は良い方だぞ。他国だと意味もなく殺されたりする事もあるそうだからな」


「そうなのですか・・・あの方達は冒険者になったりはしないのですか?」


「そういったのも居るが・・・読み書きや計算ができないから、騙されたりしてな・・・挙げ句の果てには、腹すかして犯罪に手を染めるのが大半だな・・・」


「そうなんですか~、農奴の持ち主? でいいんですかね? どなたなんですか?」


「持ち主か・・・王様? いや、国かもな」


「国ですか?」


「ここにいる奴らは畑を国から借りて、農奴としているって感じだ。つまり国から借金しているのさ」


「じゃあ、返し終わるまで働くと?」


「そうじゃない。借金をして家と農具と畑を1年に1回一定の金額で貸して貰う。その畑で収穫する、収穫から税金として借金の分が取られる。普通に収穫できれば自分達の食う分と、ほんの少しだが売る分も出来るんだ。そしてまた借りるってのを繰り返す。他国だと一生かかっても返せない位になる事もあるらしいから良い国だと思うぞ」


「なるほど、かなり高待遇のようですね」


「今回みたいにウェーブや不作なんかの時に、奴隷に落ちる奴もいるから何ともいえないがな」


「そうですね、何ともいえませんね~」


 この国での農奴は、思っている以上にいい待遇のようだが、ギリギリのところで暮らしているのは変わらないのか・・・

 しかも、子供が多く見えるな・・・助けたいが、今の俺は助ける術を持っていないし、自分のことで精一杯だ。


「カナタさん、言われたところの片付け終わりましたよ」

 リョウタロウさんが、作業主任と話している俺のところにきて言う。


「え? はやっ!」


「本当か!? すぐに確認に行ってくるから、待っててくれ」

 そう言うと作業主任は、走っていってしまった。


 適当に雑談をして待っていると、作業主任の人が帰ってくる。


「本当に全部終わったのだな。この証明書をギルドに持って行ってくれ、助かった」

 そう言って笑顔で渡されたので、笑顔でお礼を言いながら頭を下げといた。


「この調子で溜まっているクエストこなしちゃおう! でもその前に、ご飯食べに戻ろっか」


 真田夫妻が昼ごはんに作っておいてくれたサンドイッチを食べて、もう一度ギルドへ。

 昨日の査定も終わっているだろうし、聞いておこう。

 そこで、驚きの光景を目にする・・・受付嬢が若い! しかも猫耳だ! よくやった!


「いらっしゃいませ、ご用件は何でしょうか?」

 猫の獣人の受付嬢が言う・・・やっぱり語尾にニャンって付けないのか・・・仕方ないか。


「昨日解体をお願いしたんですけど、終わっていますか?」


「ギルドカードをお願いします」

 そう言われカードを渡す。


「はい、確認できました。現金で受け取りますか? カードに振り込みますか?」


「現金でお願いします。あと明細があれば欲しいです」


「明細書ですと10レティアかかりますがよろしいですか?」


「じゃあ、要らないです」


「かしこまりました。討伐報酬は、10級のトウグ・ゴブリン合わせて116匹で、金額1160(1匹10)

9級のゴブリンリーダー・オオトウグ・オーク合わせて8匹、金額400(1匹50)

皮は、刻まれてしまっていた物が多く査定マイナスでした。


トウグの皮、金額2910(1個30)

オオトウグの皮、金額80

オークの皮、金額240(1個80)

オークの傷がない皮、金額360(1個120)


肉は現在、食料の物価が高くなっていますので

トウグの肉、金額19400(1体200)

オオトウグの肉、金額400

オークの肉、金額320000(1匹8万)

武器売却は、おまけして金額10となっています。

さらに、量が多かったのでゴブリンの魔石取出しはサービスさせていただきました。


合計金額363400レティアになります。

作業場所・作業人の貸し出しで18170レティアになりますので。

差し引き345230レティアになります。よろしいですか?」


 オークの肉高くない? 高級食材なの? オーク狙い撃ちできればぼろ儲けじゃん!


「はい、お願いします」


「はい、かしこまりました・・・あ! すみません・・・まだ自己紹介もしていないですよね?」


「ええ、まぁ・・」


「これから受付を担当します【セネラ】と申します、よろしくお願いいたします」


「新人のカナタです、よろしくお願いします」


 その後は、お金・魔石をリョウタロウさんに預けて、ギルドに溜まっていたクエストをした。

 簡単で肉体労働系のやつを中心に受けていった。


 家に着いてから気が付いたんだけど、トウグの討伐報酬に色ついてなかったのね・・・聞いときゃ良かった

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