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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
36/406

第27話 解体を頼んでみる

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/18 改稿あり 加筆あり

 出来る限り急いで、街まで戻る・・・その道中。


「ミズキさん、身体強化ができる魔法を作れますか?」


「どうでしょう? 一応やってみますが・・・移動しながらだと無理ですね」


「了解です。移動時の時間短縮に移動速度上がれば楽かなって」


「そうですね、転移魔法はまだ全然出来そうもないですし・・・空もまだ飛べそうもないですし・・・箒も無いですし・・・」

 箒関係なくない? 本気で魔法使いになるつもりなの?


「じゃあ、後でお願いします」


「了解しました」


 街に着き、ギルドへ急ぐ・・・

「ランクアップを先にやっちゃいましょう」


「なぁカナタ、解体とかはどうするんだ? 場所を借りた方がいいんじゃないか?」

 タダシさんが、言う。


「あぁ~そうですね、解体の場所を借りましょうか・・・まぁ、解体できる人がいれば頼んでもいいですし・・・では、報告終わったら、タダシさんとリョウタロウさんは残ってください」


「ああ、解った」


「はい、解りました」


 受付に行くと、いつものおばちゃん受付嬢じゃなくなっていた。

近づくと、受付の男が「いらっしゃいませ」と言い、頭を下げた。


「あれ? いつもの受付譲さんは?」


「ああ、ギルドマスターですか? 今席をはずしていますが・・・」


「え!? マジ? ギルドマスター!? あの人がですか?」


「はい、ウェーブ後だったものですから、人手が足りないので受付をやっていたのですよ」


「そ・・・そうだったんですか・・・いえ、えっと・・・ランクアップをお願いします」


「はい、かしこまりました。カードをお願いいたします」


 最初にカナタのカードを渡す。

「えっと・・・Lv3!?」


「あぁ、マジンが機能しなくなってしまったので、もう一度最初からみたいです」


「そ・・・そうだったんですか・・・申し訳ございません・・・ですが、討伐数が凄いですね・・・ダンジョンにでも潜っていたような感じですね」


「そうですね、狼型の魔物がいたんですよ、約100匹ほどの群れを作っていたので」


「まさか・・・そんな・・・騎士の方に相談をしなければ!」


「いえ、一応排除してきたんです。討伐記録にも載っているかと・・・」


「え? え? 本当だ・・・97匹・・・全部討伐したんですか? どうやって?」


「すみません・・・全部ではないんです。数匹逃げられてしまって、1番でかいリーダーっぽいのは倒したんで大丈夫だと思うんですが・・・」


「本当だ・・・トウグに、オオトウグまで倒したんですか・・・Lv3で・・・」


「そうですが・・・強い魔物ではないですよね?」


「ええ・・・1匹であればゴブリンと同じランクですが・・・群れで連携しながら攻撃してくるので、15匹程度の群れでランクが1つ上がるんです・・・100匹となると・・・」

 あら、結構強かったのか。討伐報酬が高くなるのかな? 期待大だね!


「運がよかったんですね~、ランクは上がりますよね?」


「は・・・はい、もちろんです」


 一人ずつ、ギルドカードを渡しランクアップした。

 近くに魔物が多数居るのは大丈夫か聞いたら、ウェーブ後だからそういうこともありますとのことだった。


「お売りいただける素材があれば買い取りますが、どうなさいますか?」


「そのことで、解体の場所を貸して貰いたいんですけど、あと解体できる人も」


「はい、案内の者を呼びますので、少々お待ちください。討伐報酬は素材の買取と一緒に精算でよろしいですか?」


「はい、お願いします」


 呼んで貰ってる間に全員に、明日の予定を話す。

「明日は、低ランクのクエストの町の方の手伝いをしたいんですがいいですか?」


「もちろん、かまいませんが、何でですか?」

 リョウタロウさんが、首をかしげながら聞いてくる。


「自分たちの強さが異常だと言われたからですね」


「質問だ、強い方が良いんじゃねぇか? 何がいけないんだ?」

 ショウマ君はバッと手を上げて質問してくる。


「強いのは良いんだよ・・・・でもね、他の冒険者の人に難癖付けられる可能性があるでしょ? 他人のを横取りしたんじゃないか・・・とかさ」


「なるほど、その時、街の人を味方にしてしまえば何とでも出来ると」

 ケイタ君は、眼鏡をクイッとしながら言う。


「そうそう、まぁボランティアだね。出来れば情報収集もしておきたいし」


「すみません、それは解るんですけど・・・クエストじゃないと駄目なんですか?」

 ユカさんが、ちょっと手を上げて質問してくる。


「いや、特に問題ないよ、ただ・・・クエスト表の低ランクのところに、すごくいっぱい依頼の紙があるし」


「そっか、治療院とか見ておきたかったんだけど・・・」


「あぁ、看護師ですもんね、気になりますよね・・・それなら、行ってきて下さい。後でマスク渡します」


「え、あ、はい」


「では、明日はボランティアで、PT解散しておきましょう。2人以外は戻っていいですよ~」


 ギルドの受付で少し待つと、片足が木で出来た義足の鹿? の女性があらわれた。


「今回解体を受け持つ元冒険者のエミルだ。よろしく」


「私は、カナタと言います、よろしくお願いします」


「獲物はどこにあるんだ? 外か?」


「マジックバッグの中にあります」


「何? マジックバッグ持ちか、金持ちなんだな」


「いえ、ギフトで仲間が持っているのです」


「それは羨ましい限りだ・・・それで、どのくらいあるんだ? 急いで呼ばれたので聞いていないのだが」


「トウグ97・オオトウグ1は解っているんですが、他の魔物の名前すら解らない新人ですので、魔物の名前と解体のやり方など、教えていただけることは出来ますか?」

 エミルは、ポカンとしている。


「お~い、エミルさん、大丈夫ですか?」


「あ・・・あぁ、大丈夫だ・・・100匹位持ってきているのか・・・人を呼ぶ待ってろ」


 結局解体のやり方教えてくれるのかな? どうなんだろう・・・金額の事も気になるんだけど・・・

 エミルさんは、3人ほど連れて戻ってきた。そのまま倉庫に移動することに。

 倉庫は思っている以上に大きく、中に入るとヒヤッとし、いやな臭いもしない。


「血抜きはしてあるのか?」


「血抜きは、オークのみしてあります」


「オークもいたのか・・・人を増やした方がいいのか・・・しかし・・・」


「人を増やすと金額増えるんですか?」


「これだけあれば、売られた金額の十分の一の半分だろう。変わりはしないさ」

 十分の一の半分・・・5%か。


「解りました。何処に置けばいいですか?」


「1匹ずつその角においていってくれ。高い物から先にやってしまおう」


 結局1人増やし、オーク→ オオトウグ→ トウグ→ ゴブリンリーダー→ ゴブリンの順でやることになった。

 ゴブリンは魔石以外売れないらしい・・・イメージ通りだね。

 驚いたのが、トウグが食べられること。ただし、かなり硬いし味も美味くはないとの事だ。


 俺とタダシさんが解体の様子などをじっくり見て、2人でオークを2匹解体してみた。

 タダシさんはめちゃくちゃ綺麗な解体だったが、俺は・・・お察しの通りボロッボロだった。

 2匹のオークの肉は貰って来た。マジックハウスには冷蔵庫モドキがあるから、まぁ大丈夫でしょ。

 魔石以外は全部売却することを伝えておいた。魔石がどこかで使えるかもだし、お金に困ってないしね。


 解体は、量が量なので明日の朝には終わるといっていた・・・多くてすみません。

 売れるところや解体の仕方など勉強になったし、良かった~。


「タダシさん、リョウタロウさん、みんなが食べている肉は、オークのものだって言っていいと思いますか?」


「わからん・・・だが、言うべきだろうな」

 頭を触りながら、タダシさんは言う。


「私も言ったほうがいいと思います。私なら知らないのは嫌ですね」

 リョウタロウは、軽く手を上げながら言う。


「そうですよね・・・今夜にでも言います」

 肉の事を話したのは全部で3人。タダシさん、ヨシさん、リョウタロウさんだ。

 3人はゲテモノも食べたことがあるらしいので全く何ともなかったが、他の人はどうなるか解らなかった。

 しかも、フランソワーズがいるときに嫌そうな顔をされるのは避けたかった。


 食事前、食事を作っている2人以外が席に着いたとき、決心して言うことに。


「すみません、皆さんに黙っていたことがあります・・・いつも食べているお肉は、オークのものでした、すみません」


「な! な! なんだと! ブタの化け物を、俺達に食わせてたのか! 糞だな! 身体おかしくなったらどうするんだ! 責任取れんのか? おい!」

 ものすごい剣幕でイサオさんが喚き散らす。


 あれ? でも、怒ってるのってイサオさんだけなんですけど・・・皆は怒ってないの・・・?


「え~解ってたし~、美味しいから問題なくね~?」

 アカネさんが、気だるそうに言う。


「はい、私もそう思います・・・そうですよね?」

 コノミさんが、小さい声で言う。


「うん、たぶんそうだって話してたしね」

 ユカさんが、コノミさんの話に相槌を打つ感じで言う。


「大丈夫ですけど?」

 ミズキさんは、特に何もなかったように言う。


「あたしも、問題ないよ」

 アヤコさんが、腕を組みながら言う。


 あれ? 意外に女性の方が強い? なんかうやむやに出来そうな感じだ。


「良かった、皆さん、黙っててごめんなさい」


 その後特に追求されることはなかった・・・良かった良かった。

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[気になる点] >>「なるほど、その時、街の人を御方にしてしまえば何とでも出来ると」 御方→味方 真ん中より少し上あたりです。
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