第287話 人形
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ユカさんの話は、緊急時の対応や対処の仕方や予防の大切さなどだ。 緊急時の対応の仕方などは、魔物に襲われることが無い街中でも色々と役に立つだろう。
しかし、圧迫止血の方法や気道確保の方法など見たことのある人ならわかるが、言葉だけで聞いた人は難しいのではないだろうか。
リョウさん、アヤコさん、ユカさんの3人の話は、やはり目で見てみないと難しい部分も多くあった。 これは公開放送にしてみながらやった方が良いと思う。
3人だけ公開放送でと言うことになったら、たぶん拒否されるだろう。 俺だってやれと言われてもやりたくないし・・・保留にしよう。
ユカさんの話の応急処置の仕方を学園以外でも1度学んでもらったほうが良いかもしれない。
冒険者ギルドで新人研修をやると息巻いていたし、そこに組み込んでもらえないか聞いてみよう。
ケイタ君の話は、最近作られた法律や自転車の話だ。 最近アルミが余ってきたから自分専用の自転車を作って乗っているのは知っていたが、まさかここまで詳しいということは知らなかった。
結構有名なのか、自転車についての質問やオフロード・オンロードの自転車の使い分けなどの質問が結構来ていた。
新しい自転車の開発もしていると言っていた。 話を良く聞くとロードレース用の自転車と前輪が2輪になっている自転車のようだ。
ケイタ君から建てて欲しい建物がありますと言われ、ミミリさんの所へ外注に出した建物は、自転車レース用のトラックだったようだ。
そんなに急いでいないといっていたので外注にしたが、頑丈さや特殊性を考えると作ってしまったほうが良かったかもしれない。
まぁ、ミミリさんの木工組合だけでマジックハウスを建てるのはいい経験になるだろうし、がんばってもらおう。
ミズキさんは魔法の話だ。 最近になって獣人でも簡単な魔法が使えるようになったから、どう修行すればいいのかの質問などが届いていた。
魔法の話となるとミズキさんは饒舌だな。 しかし、魔法の練習法が使い続ける・・・と言うのは些か問題になる気がするんだが・・・
アカネちゃんは、ファッションの話やアクセサリーの話、魔道具の話など様々な話をして質問にも答えていた。
この話も、現物を見てみないとイメージが沸かない。 ショッピングモールにアカネちゃんコーディネイトとして飾ることになったようだ。
このディスプレイの効果がやばいことを俺は後で知ることになる。
ショウマ君は、完全脳筋の話。 体感の鍛え方などをパーソナリティーに見せて説明してもらっていた。
自分で説明出来ないからやって見せて話してもらう形になっていた。
見た動きを的確に解りやすく万人に話すパーソナリティはすごいと感心してしまう。 そのパーソナリティを発掘したセードルフがすごいとも言えるが。
タクミ君は、武器防具の手入れの仕方や自分に合う武器の選び方、新しい調理器具や農具など様々な道具の効率の良い使い方などを話していた。
自分の命がかかっていることだから質問もかなり詳しいものが多かった。 槍の柄にはどのような木材が良いのか、木材じゃないときはどのように選べば良いのか。 重心の取り方、距離のとり方など専門的なものが続いていた。
結局質問が多すぎて、ショッピングモールで講座のようなものを開くことになったようだ。
コノミちゃんの話は、もうすぐ内装が完成する貴族街にある多目的ホールでの演劇の話となった。
演劇の内容は、皆が知っている童話や昔話のオマージュとなっている。 八重桜学園の生徒の中から演劇に興味がある人に稽古をつけているところだ。
体育館で練習を兼ねてお披露目をしたら、感動して泣き崩れる生徒が続出したのでいい感じだと思う。
俺達から見たら中学生の演劇に毛が生えたくらいに感じるが、娯楽の乏しいこの国では完成度はそこそこと言えるだろう。
しかし、貴族向けの劇なので平民は気軽に見に行けない。 そこで人形劇も作ろうとしているらしい。
昔の時代の人形町ようだな。 なんて感慨にふけっていたら、俺も手伝うことになっていたらしい。
まぁゴーレム作るのはいい練習にもなるし大量に作っても良いとは思う。
デザインやなんかは全部聞いて見ないと解からないので、帰って来るのを楽しみにしてよう。
いや、山車に乗っているところを見に行ったほうが良いかもしれない。
あれほどBL普及させるなと言ったのに、腐教の信者が増えているみたいだし・・・写真に収めて、言及するか? それが良いかもしれない。
「ケイタ君、ショウマ君。 頼みがあるんだけど」
俺は2人にコノミちゃんの写真を一緒にとって貰えるように言う。 2人は快諾してくれた。
まぁ、俺達3人とベトニアとセラン君、セードルフ、ライナが良く出てくるし、お仕置きしたいと常々思っていたんだろう。
しかし、なんでタクミ君とかリョウさんとかタダシさんとか出てこないんだ? 3人はなんかコノミちゃんの弱みでも握っているのかな?
ムササビスーツに着替え通信機を持ち、空を飛んで現場へ向かう。
俺達は、山車の上で表情を無くし震えて死にそうになっているコノミちゃんを見てそれどころではなくなってしまい、仕方なく一緒に山車の上に乗って手を振ることに。
ナマモノBLを書かない、皆に貸し1つずつと言うことで落ち着きダイニングへ行って人形の打ち合わせをする。
すでに原案は出来上がっていたようで、俺が出来ることを割り振られた。
春前には、ダンジョン都市に行きたいので冬の間に全部終わらせよう。
八重桜学園の競技会はゆっくり見たいし、そう思い顔の無いゴーレム人形を作っていく。
顔が無いのは仮面を後でつけるタイプにしたからだ。 仮面と服で女性男性も分けられるし、何よりも作るのが簡単。
多く作っておけば色々と使い分けが出来るだろう。
仮面も後付でも表情が動くように作れるし、本当にどうなってるんだろう? 日本にもって帰って精密検査したいな。
そんなことを考えながら1mくらいのゴーレム・木人君を大量に作っていく。
顔につける仮面のデザインは俺には出来ないのでコノミちゃん任せだ。
A4サイズの紙の束に書いてある仮面のデザインを見る。 1枚の紙に4個のデザインが書いてある。
え? 800近いデザインがあるのか? と言うか、この2つ似て無い? 全部一緒ってわけじゃないけどどこと無く似ている。
ペイントやなんかで何とかなら無い? でも、色づけもするのか。 そうなると、後でペイントしてってのは難しくなってくるのか。
にしても、こんなに作らなくても良いんじゃない? 顔の無いゴーレムでさえ150体位なのに。
心の中で文句を言いながらも、手は休めない。 彫刻刀を使い彫り削り、すぐに1個目のマスクが出来上がる。
1体のゴーレムを呼び寄せマスクを付け表情を確認する。 うん、かなりいい感じだ。
確認作業も含め1つのマスクを作るのに5分弱。 おいおい、夜に寝ないで作業しても丸1日以上かかるのかよ。
別に納期なんて無いからゆっくりやっても良いんだろうけど、さっさとやっちゃえば色々と他のものにも時間をかけられる。
ファ◯ネルorイン◯ムについても色々やりたいこともあるし、非殺傷武器の出来れば作りたいしね。
何個ものマスクを作り終わったとき、ノックが聞こえてくる。
「貴方様。 ミスティですわ」
「ああ、もうそんな時間か。 中に入ってくれ」
「では、貴方様。 よろしくお願いいたしますわ」
「いや、意味が解からないし、全然話が飲み込めて無いから。 何をして欲しいのか、全部説明してくれ」
ミスティは、自分の器であるゴーレム体を改良し服を着れるようにして欲しいということだった。
というか、着せ替え人形みたいな感じじゃなかったのか。