第286話 ラジオ出演
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大型のバリア発生装置も完成した。 バリアの強度は神から貰ったバリアの魔道具の1/3くらいで、広さも半分くらいだ。
だが、バリアを発生していても同じように作った特殊なアイテムを持っていれば、バリアの外に出られるし中に入ることも可能と言うも優位な点もある。 ただ、内側から弓での攻撃などは出来ないので注意が必要だ。
バリア発生装置は、バスの走行路の脇側に部屋を作り設置している。
起動をする装置の置き場所は、王城、兵舎、お屋敷の3箇所になっている。
王城とお屋敷だけでは何かあった場合に対応が遅れてしまうかもしれないと言うことで、兵舎にも置かせてもらった。
これで、兵士の隊長クラスの人でも起動は出来るだろう。 まぁ、自分に責が及ばない様に結局は上司に聞いてから、起動する気がするが。
俺が建設ラッシュに従事している時に、みんなも遊んでいたわけではない。
生徒たちを伴い狩りに出かけたり、通信機と簡単な通信が出来る大型の通信装置の開発、農作業の効率化や道具のダマスカス化、服の染色の技術の促進や新しいデザインの普及。
他にも、活版印刷が出来る印刷所の開設、バスの普及によりお客が少なくなった自転車タクシー業に新たな仕事をして貰うため、街の中限定の配送や配達などの部門の創設もし、演劇ホールの開設、ラジオの新番組立ち上げなどなどだ。
配達や配送は、手紙を送ったりするものとショッピングモールなどで買った商品を運んでくれるものだ。
それに伴い切手付き手紙なども販売し始めたので、郵便局の少し大きい物と考えてもらえれな良いと思う。
印刷所は、紙の手紙への加工や号外の作成、チラシの作成、教科書や本の作成などをしてもらっている。
今の所、ソメイヨシノ関係のお店以外利用は無いのだが、やることが多くててんてこ舞いの様だ。
ラジオの新番組は、流しの吟遊詩人の人たちの英雄歌の放送をしたり、冒険者パーティの体験譚を聞く企画となっている。
ここで選ばれる冒険者パーティは、ラジオ局に送られる手紙の集計によって行われる。
これに伴い全ての冒険者の品質が一気に向上することとなった。 誰でも嫌われるよりも好かれたいと思うもの、強くても横暴な態度をとるものには人気が集まるはずは無い・・・嬉しい誤算となった。
それならばと、ラジオ番組に出演した冒険者の名前入りの似顔絵を冒険者ギルドやショッピングモールに飾ることにした。
飾る期間は最低でも三ヶ月。 三ヶ月過ぎれば一ヶ月ごとに取り外し、交換していくこととする。
貴族・豪商専用ショッピングモールのチェリーブロッサムにも似顔絵を飾ろうと思ったのだが、冒険者ギルドマスターのエミエミさんに止められた。
今まで冒険者としてやってきた者達が、いきなり貴族と話して問題を起こさないほうがおかしいと言うことだった。
一般人から冒険者になるわけだし、貴族としての礼節を重んじることなど出来ないだろう。
ラジオの第1回のゲストは俺らしい。 というか、最近俺ラジオに呼ばれすぎじゃない?
第2回目以降のゲストはソメイヨシノの皆が1人ずつ呼ばれることとなっている。 皆がどんな話をするのか気にはなる。
しかし、俺は何を話せばいいんだ? ネタ探しをしないとだめかな? あ、もうすぐ武術祭だしその話をすればいいかな?
それよりも、オークの村とかゴブリンの集落に単騎で突っ込んで行った事とかのほうがいいかな?
あ、グランネッツ倒したときの話とかもいいかもしれないな。 聖女と呼ばれるユカさんと一緒に倒したと言えばかなり栄えるし、そのときに魔物を倒しまくって無双した話しも盛り込めばかなり面白いかも。
そんなこんなで、ラジオの日にちとなった。 ラジオでは、家の建築の話しや今後の王国の指針など色々な話しを聞かれ答える。
なぜ国の指針などを聞かれるんだ? そういうのを聞くのは陛下か貴族だろうに・・・まぁモンステラの開発はほとんど俺達がやってしまったようなもんだから仕方ないのかもしれないが。
リスナーからの手紙での質問はリーダーや管理者達からの質問が多く、答えに困るものも多かった。 何とか答えが出たという感じだったが、質問に答えて事なきを得られたと思いたい。
出演前から色々な話しのネタを考えていたが、ユカさんとグランネッツ狩りをしたこと以外は戦闘での話をすることが無かった。
グランネッツがこの街の近くに来ていたと言うことだけでかなり食いつかれ、魔物を切り飛ばしウネウネした話しで驚きをあらわにして興奮していた。
放送が終わった後にも高位の魔物との戦闘について色々と聞かれ大変だった。 でも、反応を見ると其れなりに上手くいったっぽかったので満足してラジオ局の外に出る・・・そこで驚愕することとなった。
外に出ると沿道にはきれいに並んだ人々がいたからだ。
学園の生徒達、元農奴の人たち、新しく入った移民の人たち、冒険者達、非番の兵士、観光で訪れた人たちなどなど驚く人数が並んでいる。
かなり豪華なお祭りで使うような山車が入り口で待っていてそれに乗って欲しいとのことだった。 これいつのまに作ったの?
空を飛んで帰っても良かったのだが、八重桜学園の生徒達が一生懸命作った山車らしいので無碍にも出来ないし、したくない。
上に乗って手を振りながら街を一周する。 沿道の人々は手に小さな旗を持ち、俺が手を振ると嬉しそうに旗を振り返してくれた。
有名人になった自覚は少しはあったのだが、ここまでされてしまうとどうすればいいのか解からないレベルだ。
そこら辺を歩いていると見られることがあっても、話しかけられることは少なかったのである程度周知されている程度だろうと勝手に思っていた。
こうなると自分の行動が色んな所に影響を及ぼしそうなので、いろんなものを自粛したほうが良いかもしれないな。
屋敷に到着し中に入ると、セードルフ、ミランダ、ベトニア、執事メイド隊の面々が入り口で待っていた。
本当にびっくりするくらいの笑顔で、訓練された動きで一斉に頭を下げ俺の労をねぎらってくれた。
犯罪奴隷だったりひどい目に合わされていた執事やメイドが笑顔で出迎えてくれる。
これは嬉しい、かなり嬉しいのだが疲れました。 ええ、かなり疲れました・・・
疲れて自室に行き、現実逃避の事務処理を始める。 何も考えずただ只管に、報告書を読み認証や保留をしていく。
一通り終わったところで、夕食を取る。 そこでもラジオの話しとなって恥ずかしいやら何やら・・・山車に乗った事などは知らないようだったので、皆にも同じ体験をしてもらおう。
タダシさんのラジオの内容は色んな料理の作り方、ソースの使い方や出汁の取り方などなどの料理の話をしている。
料理に関する質問がかなり多く、時間をオーバーしてまで質問に答えていた。
ヨシさんは、最近はじめたと言っていたアロマオイルの話やアロマオイルを使用した香りつき石鹸などの話、恋愛相談などを受けていた。
アロマオイルはハーブティで作った乾燥ハーブで作ったものだと言っていたが、正直そこまでの興味が持てず詳しく聞いていない。 今度聞いてみても良いかもしれない。
リョウさんは、最近の食料や物の相場や見晴らしが良かったり綺麗な隠れデートスポットの紹介などだ。
俺達が作った食料も市場に流通させているからインフレもかなり落ち着いたが、まだ物価は高い。 この放送によってまた物価が落ちて行くだろう。
なんだかんだ街を詳しく回っているから、1番主婦に向いていると言えるかもしれない。
そのことなどを商人達から質問がよせられ、細かく解り易く話すのは流石だと思う。
アヤコさんは、生地や糸の特性やカラーコーディネイトの仕方、自分で服を作るときの注意点などを放送した。
染色を施した麻の生地や糸はかなり安くなっているので、ショッピングモールで売っている服を模して自分で服を作っている人も増えているらしい。
型紙の作り方などの質問がかなりよせられていた。 流石に型紙については口で説明するのは難しいようだった。