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努力の実る世界  作者: 選択機
第4章 ウルフローナ国 新王都モンステラ編
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第278話 話し合い

 ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「勿体つけずに教えてくれたっていいじゃないですか!」

 ユカさんが、むくれながら言う。


「勿体つけている訳じゃないんだけどな。 とりあえず、現状の確認をしていくね。

 回復魔法で部位欠損を回復する事は出来ないし、新しい回復魔法を作り出し部位欠損を治す事は出来ない。 何らかの触媒か、知識が足りていないと思われる。

 部位欠損を治せるポーションがあるらしいが、手に入れる事が出来ていない。 なので、ポーションを作る事も不可能。

 俺のコネクトを使えば治せるが、1日に最大で3人までだし、俺が暴走する危険を含む。

 コネクトを込めた魔道具を作れたみたいだけど、使用することが出来なかったし効果も無かった。

 分身に目一杯魔力を注いだとしても、コネクトを使わせる事は出来なかった。

 ケイタ君のスキルの再生も正常に魔道具に入れられているようだが使用することが出来なかった。

 こんな所かな。 それで、皆は何かある?」


 誰も何も言わない、やはり何も思いつかなかったと言うことか。

 そう思った時、ケイタ君が手を上げる。


「前に作ったワイバーンポーションを使うと数mm位ではありますが回復したと聞きました。 それを何らかの形で進化させると言うのは出来ないのですか?」


「残念だけど手持ちの素材じゃ進化をさせる事が出来ないな。 ドラゴンの素材があれば、もしかしたら何とかなったかもしれないけどね」


「そうですか」


 ケイタ君が質問を終え、腕を組んで考え始める。

 続いてショウマ君が手を上げた。


「ダンジョン都市に行って探索して、マッハで戻ってくりゃいいんじゃねぇか?」


「それも考えたんだけど、もし宝箱で見つからなくてクリア報酬でも出なかったらどうする?」


「何度も繰り返せばいいんじゃねぇか?」


「それが出来ればいいんだけど難しいかな。 ダンジョン都市の最下層は現在不明、初代ウルフローナ王とパルメントさんのパーティでクリアした階層でも50階層だったはず。 その後に、軍隊が入って数人生き残ってクリア。 その後クリア出来たものは居ない。 つまり人を大量に吸収して、もっと深くなっている筈なんだよね」


「そんなもん、俺達なら何とかなるんじゃねぇか?」


「なるだろうけど、とりあえず保留かな」


「他にいいアイディアなんてないんだったら、行動した方がいいだろ? 簡単なことだろ?」


「う~ん、言う通りなんだけど最終手段って感じかな。 リスクも大きいし時間がどの位かかるのかすら分からないし。 他の意見は・・・無いみたいだね。 俺も確証を持って意見を言えるわけではないからなんとも言えないんだけど、仕方ないか。 じゃあ1個目を言うね? 2個目はちょっと危ないし」


 皆は、黙ったままうなずく。


「まずはミズキさん、前に変身魔法を作るって言ってたけど、出来そう? ピンクさん(ブレイブソードの魔法使いの少女、ライナの追っかけ)に魔道具でそういうのもあるって聞いて研究してなかったっけ?」


「はい、研究はしていました。 ですが、完成にはいたっていませんね。 出来ない事はないみたいですが、回復魔法と同じように何らか1つが足らないようです」


「そっか、それじゃあ1個目のアイディアは駄目だね」


「え? 1個目って変身させようと考えていたって事ですか? 変身したからって部位欠損は治りませんよね?」

 ユカさんが、首を傾げて言う。


「確かに変身では部位欠損は治らない。 でも、それを応用して無くなった手の部分だけ変身させて固定化出来ないか考えてたんだ。 変身が出来ないんじゃ駄目だね」


「それならもしかして・・・となりますね。 もう1つの案はどんなのなんですか?」


「あ~、こっちはさっきも言った通り危ないし、少し人道的じゃないかも知れない。 でも、可能性はあるって感じかな」


「え? もしかして、犯罪者の腕を切り落として、それをくっ付けるとかですか?」


「そこまで非道じゃないよ。 ユカさんは、石化した人を覚えてる?」


「はい、覚えてますよ。 初めて見た時衝撃を受けましたから」


「あの時の俺達にはどうしようもなくて、ファウストさんが持っていた貴重な素材を使って石化解除したんですよね。 その時に、構造解析したら本当にローマンコンクリートとしか思えませんでしたよね?」


「そう言えば、そう言ってましたね。 石材については私は解らないので」


「そうですね。 あと、石化して壊れたとしても樹脂などで綺麗に修復すれば、治る事もあるってファウストさんが言ってましたよね?」


「え? あ! まさか! 欠損している人を石化させて、石で欠損部分を再構築するんですか? そんな事出来るわけ・・・」


「ご名答です。 ただ自分の腕として再生されるかは未知数、なので実験するしかないんです。 最初は魔物で実験しゆくゆくは人間でやる必要が出てきます。

 あまりにも突拍子もない考えなので、他の人の意見が採用されたらいいなって思って言うのを先延ばしにしてたんです」


「そうですね。 やれる可能性がないとは言えません。 やって見ましょう」


 こうして実験が始まった。 最初はアドルメリを綺麗に解体し、石化毒と石化解除薬を作る。

 かなりの量のアドルメリがマジックボックス内にいたが、どの位必要か解らないため俺とタダシさんの2人で解体する。

 料理を一緒に作っていたこともあり、かなりの速度で解体できた。

 実験は、とりあえず2つのパーティに分かれてやることにした。

 今回は女性パーティと男性パーティに分かれ、移動する。 この分け方は、身体強化系が使える組と使えない組みに分けただけだ。


 まずは、ゴブリンで実験をする。 腕を切り落とし、石化させる。 コンクリートを削りだして作った腕を綺麗に付けて石化を解除してみる。 何と綺麗に再生させることに成功する。

 だが、数匹のゴブリンで実験すると不思議な現象が起こった。

 治るゴブリンと治らないゴブリンが出てきたのだ。 この違いは何なのか・・・


 治らないゴブリンは、何度やっても治る事はない。 相性があると言うことなのだろうか。

 それとも種族の違いなのか? しかし、どう見ても同じゴブリン。


「この2匹の違いは何でしょうか? 強さ? もしかして進化とかですか?」

 ケイタ君が、疑問を口にする。


「それは俺も考えたんだけど、魔力量は全く変わりがないし進化は考えにくいかな。 進化すれば、少しは強くなるはずでしょ? 一応魔力量は多いけど誤差ぐらいだよ?」


「それなら何が違うんでしょうか? 生まれた場所とかですか?」

 ケイタ君は、自分で言うなり腕を組んで考えている。


「う~ん? 生まれた場所? 生まれた? そうか! その可能性が高い! ケイタ君、流石だね」


 俺は、笑顔でケイタ君を見るとケイタ君も同じく気が付いたようだ。


「いえ、僕はカナタさんの言葉で気が付きました。 たぶん同じ結論だと思いますが、母親から生まれたか自然発生したかの違いではないでしょうか?」


「たぶんそうだね。 そうなると・・・」


「そうですね。 この方法は使えないですね」


「あ、やっぱりそう思う? いい方法だと思ったのになぁ」


「おい! 2人で納得してないで詳しく教えてくれ! さっぱり意味がわからねぇよ!」

 ショウマ君が焦れたように言う。


 全員に無線を繋ぎ今までの経緯を話す。


「で、魔力の多い方がちゃんと母親から生まれた魔物の可能性が高い訳。 これは、長く生きた魔物が強さと知恵をつけていくと言う説と合致する。 そうなると、母から生まれている人類はこの方法で再生出来る見込みは薄い。 今回の実験で解った事は、自然に発生した魔物であれば自然の物をうまく使えば再生することが可能ってことだね」


「じゃあ、治す事は出来ないと言うことか?」

 ショウマ君は顔をしかめて言う。


「そうだね。 振り出しに戻ったと言えなくもない。 だけど、今回の事でもう1つ可能性がある事に気がついたよ」

 現状は活動報告に書いていますので、読んでいただけるとアワアワしているのが解ると思います。

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