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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
32/406

第24話 クラン名

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


6/16 改稿あり 加筆あり

「皆さん、大変です!」


「え?」「なに?」「テンプレきたの?」と騒いでる。


「クランを組んだらどうかって言われたんですが、名前を付けるセンスがないんです。助けてください!」

「なにそれ・・・」

 って聞こえてきたけど気にしない。


「やはり、日本っぽい名前を付けたほうがいいですかね? 他にも転移してしまった人がいるかもですし」


「なるほどな! なら、ニホンでいいんじゃねぇか?」

 腕を組みながら、ショウマ君は頷く。


「少しは考えてください・・・適当に名前を付けると後悔しますよ? カナタさんの言うように日本っぽいものにしたほうがいいと僕も思います。例えば富士山とかメジャーな物がいいのでは?」

 ケイタ君は、眼鏡をクイッと上げながら言う。


「フジヤマ、ゲイシャ、テンプーラってか?」

 手を広げて、ヤレヤレと言う感じでショウマ君は言う。


「喧嘩を売っているなら買いましょう」

 ケイタ君は眼鏡をクイッと直して、ショウマ君を見下すように見る。


「あ゛ぁ!! 上等だ」

 ショウマ君は凄みながらケイタ君に近づく。


「はい、2人ともストップ! タダシさん、ヨシさんの料理が食べれなくなるけど、いいの?」


 ケイタ「しかたがありませんね」

 ショウマ「ちっ! しゃあねぇなぁ」


「それでしたら、地球ですので、テラやアースとかはどうでしょう?」

 リョウタロウさんが、軽く手を挙げて言う。


「それだと、魔法の名前とかぶっちゃいそうじゃないですか? 出来れば魔法の名前に使わないような物が言いかと・・・」

 ミズキさんが、少し考えながら言う。


「なるほど、そうですね・・・う~ん」

 リョウタロウさんは、腕を組んで首をひねる。


「あの、オーディンとか神様の名前はどうでしょう?」

 タクミ君が、周りを窺いながら言う。


「ああ! それいいかも! でも日本だから仏とか?」


「やはりここは、天照大神とかではないでしょうか」

 コノミさんが、小さく手を挙げて言う。


「おお! いいねいいね! 天照って日本っぽいし」


「天照だと、外国から来てしまった人がいたら解らないんじゃないですか?」

 ケイタ君が、眼鏡を上げながら言う。

 う~ん、眼鏡調整したほうがいいんじゃないかな? いや、癖なのかも・・・気にしないほうが良いか。


「まぁ大丈夫なんじゃない? 漢字とローマ字を書いとけば、解るんじゃないかな?」


「それなら、JAPANでいい気がしますけど・・・」


「でも、名乗る時ジャパンのカナタですってなんとなくさぁ・・・」


「ねぇねぇ、思ったんだけどサクラは駄目なの? 外国の人も知ってるし、日本っぽいし綺麗だし」

 ユカさんが、小さく手招きをしながら言う。


「なるほど! サクラが良さそうだね! マークにしても綺麗っぽいし」


「でしょ? 洋服に桜の刺繍したら、誰が見ても日本人だって解りやすいし」


「サクラだと、安直だからソメイヨシノとかかな?」


「私は良いと思いますよ」「特に異論はありません」「私もです」

 皆から賛同の声がする。


「カナタさんがリーダーなんですから、カナタさんが良いと思うもので良いですよ」

 ケイタ君が眼鏡をクイッと上げながら、言う。


 あ、リーダーは俺なの? 決定なの? 今から誰かに押し付けようかと思ってるんだけど・・・


「リーダーは、タダシさん・ヨシさんがいいと思うんだけど・・・」


「いや、カナタがやってくれ。儂らじゃそこまで頭が回らん」

 うわぁ・・・厳しいな・・・やって欲しかったのに・・・


「えっと、リョウタロウさん・・・やりませんか?」


「無理です! 無理です! 絶対無理です! カナタさんの代わりなんて出来ませんよ!」

 え・・・あれぇ・・・いきなりボス戦で、逃げられないって感じになってる・・・


「解りました、リーダー(仮)を引き受けましょう」


「仮ってなんだよ」「仮いらないでしょ」「決定事項ですよね」なんて言われてる・・・

 あぁ・・・こんなことなら、最初にリョウタロウさんを助けなければ良かったかな・・・


「ところで、カナタくん」

 アヤコさんが、腕を組みながら話しかけてくる。

 え? 喋り方ってか性格ちがくない? 見た目変わると性格変わるの?


「はい、なんでしょうか?」


「洋服買うのはいいんだけど、お金はあるのかしら? 昨日聞きそびれちゃって」

 かしらって・・・ぷっ・・・危ない危ない、笑顔笑顔!


「ええ、外食1回50レティアなので、500円だとして・・・大体810万位ありますよ、えっと、お金の単位は話しましたよね?」


「大銀貨8枚位持ってるのね~」


「え? いえ、金貨8枚ですよ?」


「ん? それじゃあ8000万位じゃないのかい?」

 あ、戻った、キャラ無理してたのかな?・・・・あれ・・・ん? あれ?


「あぁ! 本当だ! 桁を一つ間違えてた・・・武器・防具・生活雑貨買えばほとんどなくなると思ってたんだけど・・・どうしよう・・・」

 超大金をポケットに入れて過ごしてたんですけど!

 というか、日本にいたときより超大金持ちじゃん!


「ちょっとギルドに預けてきます。あと、【ソメイヨシノ】という名前で、クランの申請もしてきます」


 申請してお金も預けた。一応手持ちは、金貨1枚・大銀貨1枚・その他もろもろって感じになっている。

 まぁ、多いことに越したことは無い。

 受付譲さんが言うには、フランソワーズ様が3日後にうちに来るらしいので、おもてなしの料理をお願いしなきゃね、今出来る恩返しって事で。


「早速ですが、服を買いに行きましょう。あまり人が居ないとはいえこの恰好は目立ちますし」

 裁縫屋の方に、いい生地とかはないか聞いたところ、自分で取りに行った方がいいって言われた・・・何? 採取からすんの? マジで?

 てか、態度がでかいな・・・接客って言葉がないのかな?

 イサオさんが、店員の対応を見て、切れそうになってた・・・面倒だからやめてください。


 めんどくさそうにしていたが、話を聞くといろいろな情報が聞けた。

 いい情報としては、ラネアクロウラーという芋虫から蜘蛛になる、雑食で何でも食べる嫌われ者がいるらしいが、秋にその芋虫が繭になるとのこと。

 繭の糸は、強靭でなかなか切れないし、なんと言っても手触りがいいらしい。高級繊維なのだとか。

 成虫の蜘蛛の糸は、粘着力が強くて繊維には出来ないそうだ・・・襲ってくるから害虫だと言っていた。


 この国の特産だと言っていたが、去年はウェーブ対策で回収できず、今年はウェーブ後で冒険者が集まらないので大変らしい。

 街道も成虫と幼虫で通行できないかもってことだった。


「カナタさん、これってテンプレの流れじゃないですか? やはり異世界転移物の主人公としては・・・」

 コノミさんは、俺に向かってそんな事を言い始める。

 いや、異世界転移物って・・・そんな簡単だったら良いんだけどさ・・・あと、主人公ってキャラじゃないけど・・・


「うん、テンプレの流れっぽいけど、神様からチート能力をもらったわけじゃないから、無理は出来ないよ・・・でも、魔物の強さってどんな物なんだろう?」


「うん? 戦うのか? いいな! 楽しみだ!」

 ショウマ君が、右こぶしを左手に打ち込みニヤリとする。

 何? 戦闘物の主人公なの? やめてね本当に・・・


「詳しい話を聞いてくるよ、着る服は良い物の方が良いしね!」

 

「アヤコさん、私も聞きたいです。一緒にいいですか?」

 コノミさんとアヤコさんが、一緒に店員に話しかけている。


「とりあえず、皮の手袋とバッグ一個ずつ、服と下着を3着ずつ位買っちゃおう」


 厚い布のバッグと所々に皮で補強された麻の服が1番良さそうだったので、それを買うことにしたが・・・

 売っている服の大きさがバラバラだし・・・試着も出来ない・・・

 ここでリョウタロウさんが、店員と交渉している・・・麻の布と糸をおまけして貰えることに!!

 あとで、手直しをしてくれることになった・・・日本を基準にしちゃ駄目だね!


 糸を紡ぐのも手作業で、布にするのも手作業らしい(機織り機はあったよ)・・・魔道具もあるらしいが、獣人は魔力が少ないから使えないみたい。


 次は武器・防具を買いに行く。


「希望の武器はありますか? 無ければタクミくんに選んで貰うのがいいと思います。詳しいので」


「え? え? 僕ですか?」


「うん、1番武器について詳しいしさ、お願いできない?」


「が、頑張ります・・・けど・・・」

 そう言い店員のところに武器の説明を聞きに行った。後で俺も聞いてみよう。

 店員のところからこちらへ帰ってくる。


 最初は、乗り気じゃないように感じたけど、やっぱり饒舌に説明してる。

 うん、自分の得意分野だとずっと話しているような感じかな?


 ここの武器は、鉄と鋼、魔鉄だと言う。ミスリルみたいなのは無いのか聞いたらここには無いとの事。


 鉄のロングソードで、100レティアからある・・・大丈夫なの?

 一応、タクミ君おすすめの魔鉄の武器でそろえることにした。お金が増えたので。


 短剣×15、ロングソード×1、ラウンドシールド×1、セスタス×1、ハルバード×2、槍×9、長杖×1、短杖×12

 皮の鎧・籠手・兜・脛当てを各13個にして、靴はオーダーメイドらしく、一応13人分お願いした。

 魔鉄の胸当てにしようかと思ったが、高いのと重いのとお腹が結局皮製だったのでやめた。

 武器・防具の調整などでもらえるのは明日らしい・・・靴は、屋敷に持ってきてくれるとの事だった。


 最初ものすごい、やる気無かった店員がビックリする位笑顔になっている・・・

 ここでリョウタロウさんが出動! 交渉し始める。


 帰る素振りなどを見せたり芸が細かい・・・交渉の結果、

 各種鞘・ベルト・砥石3種類を全部につけるだけではなく、練習用武器としていろんな武器をもらって来た・・・どんな交渉したんですか・・・

 今までで使った金額が切りよく金貨1枚と大銀貨1枚になった。


 帰り道に、よくよく聞いてみたら、女性たちは魔法が使えるようになったらしい・・・俺にも教えてよ・・・

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