第265話 作り出したもの。
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貴族街のショッピングモールの大盛況振りを見て、やはり一般区画もショッピングモール化を急ぐことなった。
1度作っていた事や大きさが少し小さい事もあり、思ってる以上のスピードで出来上がった。
食堂もショッピングモールの中に入り、巨大フードコートなっている。
一応、ゲームルームも設けた。 たまには、息抜きも必要だろう。
子供達が作成した武器や防具、木工で作った家具や小物、骨細工や革細工で作ったものもお店に並べた。
魔道具だけは、売り物になるレベルにないので並べる事はしなかった。
人が本当に足らないので、新しく雇ったり奴隷を増やしたりして対応した。
いきなり1人で店員に出来ないので、自分より年齢のかなり低い子供達に教えてもらうのを嫌がらない人を中心に雇ったり買ったりしたのでそこまで人数が増加したわけではないのだが。
責任者を誰にするかもかなり悩んだ。 貴族街のショッピングモールの総合責任者は、鉱石商人のゴラント(鍛冶師をだましてた人)の奥さんのネリウムさんを起用している。
ネリウムさんはなんだかんだ言いながらも、サポート管理でゴラントさんを起用してあげてるし、仲良くやっているみたいだな。
レストランの管理責任者はタダシさんとヨシさんが決めてくれたし、各売り場の責任者はネリウムさんが決めてくれるらしいので任せている。
ショッピングモールに入っている商店の責任者と、一応挨拶したけどあんまり覚えていない。
お酒を結構な量飲んだ後に挨拶にこられても、顔は覚えているが名前は解らないって感じだよねぇ。
しかし、一般区画のショッピングモールの総合責任者をどうするか。
お店ごとの責任者は今までどおりで良いかもしれないが、お店の数も増えたし他の商店も結構な数入っているから橋渡しなどが出来る人がいれば良いのだが思いついても既に責任者だったりする。
引き抜きとかも考えたけど、余り他の店にチョッカイ出すようなことをすると反発が目に見えている。
知り合いの商人で成人した人か・・・う~ん、ミズクサの街に言ったときに出会ったエルロッタさんがいるけど、経験不足で八重桜学園に勉強しにいっているし。
お屋敷で働いている犯罪奴隷のメイドや執事を仮の責任者に据えてセードルフとミランダに確認してもらうのがいいかな。
セードルフとミランダには迷惑かけまくっているな。 皆に相談して2人の専用装備を作って良いか聞こう。
褒美と言うにはちょっと申し訳ないが、せめてものお礼をしたいからな。
一般区画にあるショッピングモールの立地は、ディ〇ニーランドのワール〇バザールがあった場所となった。
しかし、ディ〇ニーのワール〇バザールは壊すのが勿体無かったので一応亜空間収納にしまってある。
こういうコンセプトの街なんかを作ったら面白いかもしれないなぁ。
いや、街を1つ自分でデザインして、学園都市のようにするのもいいな。
魔術と科学が・・・とかそんな風にしたら、某アニメみたいに幻想を打ち砕く人が出てくるかもしれないし。
次に作ったのが、工場だ。 1階が鍛冶と彫金、2階が服と革と骨、3階が薬と木工となっている。
マジックハウスは部屋ごとに振動や音も遮断できるし完全防水だし、人毎に開けられる部屋を設定できるので防犯もばっちりだろう。
扉が開いて間違えて入ってしまった場合は、ゴーレムが警告をして捕まえるように設定する。
現在稼動中のゴーレムは魔力の関係上有線式であるのだが数体出来上がり、機密レベルが高い開発所を優先して配置している。
その内ショッピングモール内外の警備などもゴーレムにしてしまっても良いかもしれない。
八重桜学園の校舎と体育館、学生寮なども新しくし校庭にも柵を設置して冒険者がキャンプなどをしないようにした。
キャンプする冒険者は特に違反などをしたわけではないのだが、ごみ等を放置したりする人もいたので使用中以外は入れないようにした。
その代わり、共同浴場や宿泊施設をショッピングモールの近くに作る。
宿泊施設は、大部屋での雑魚寝(2畳分の茣蓙を支給しそこからはみ出ない様にしてもらう)と、グレードを分けた普通の部屋になっている。
急いで作らないといけないものは、これでほぼ完成した。
かなり頑張って急いで作った割にはかなりいい出来になったと自負出来るできだ。
ジリコテさん達がまだ帰る様子はないが、観光もして欲しいのでお手伝いしてくれた手当てを渡し買い物や食事に行ってもらうようにした。
エルフ唯一の趣味である食事を楽しんでいるであろう。
現在作成中の物件は、マンション型の畑だ。
土地の有効利用と人手不足解消で作り始めたのだが、マジックハウス内は部屋ごとに温度の設定が出来るので、畑を作っちゃえば作物も安定して供給できるし良いんじゃないかと思っている。
畑用のゴーレムはまだ完成してないのであせらずに作って良いので急いではいない。
リョウさんの持って帰ってきた苗木が育ち花が咲くのは3年先位のようなのでのんびりやって行くとしよう。
急いでいないのに何故作っているか。 それは、ショッピングモールなど急ぎの事が終わりそうな時にミズキさんが焦れて1人で転移装置を作ろうとしてしまい暴走。
小さい林を半壊させてしまった事で、反省させる為に最後の開発にまわしたからだ。
本人は全く無傷で林に人がいなかったので良かったと思っている。
もうそろそろ転移してから1年か。 食事中に誰かがポツリとこぼした言葉にタダシさんが反応し、1年を記念してお祭りをする事になった。
大通りを潰す事は出来ないので、フリーマーケットスペースを貸しきって行う。
アヤコさんは浴衣を作ると張り切っているし、コノミちゃんはデザインや小物を作っているようだ。
アカネちゃんは花火の魔道具をケイタ君、ミズキさんと一緒に作ると張り切っているし、ユカさんは不測に事態に備えて救護班を編成するようだ。
ショウマ君とタクミ君は狩りに行き、リョウさんは設備や場所の整備、タダシさんヨシさんは料理をせっせと作っている。
俺は、屋台を作るだけなので思ったよりも暇なのだ。 普通の木材での屋台作りは本当に片手間でも出来てしまう。
同じ形の屋台を大量に作り、木材の看板まで作ってしまった。
皆の手伝いをしようと思い、声をかけたが最近忙しそうだったから休んで良いと返されてしまった。
そう言えばそうだな~と思って自分の事をしようと思っても何をして良いのか解らない。
ゲームも漫画も何もないと、特にする事がない事に気が付いた。
山車や神輿を作ろうかと考えたが今回は作るのも使うのも止めた。 神のいる世界で他の神をあがめたら罰とかありそうだしね。
「ふわぁあああ。 マンション型の畑の木材も全部切り終わったし、今日はこの辺で終わりにしておくかな。 さて、新必殺技の訓練(カーボンナノチューブの操作)として釣りにでもいくかなぁ」
俺は欠伸をすると校庭で呟く。
「カナタ様! 私も一緒に行っても良いですか? 絶対に邪魔はいたしません」
近くの休憩スペースのテーブルで勉強をしていたユリが俺の呟きに反応する。
「ん~、西にある復興中の村の近くの川に行くだけだから特に面白い事はないと思うよ? 釣りをしに行くだけだし」
「それでも良いんです。 お願いします連れて行ってください」
「じゃあ、背負子に乗ってくれる? かなり速いし怖いかもしれないんだけど」
「はい! カナタ様と出かけられるなら喜んで!」
こうして、ユリと2人で川へ釣りをしに出かける事になった。