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努力の実る世界  作者: 選択機
第4章 ウルフローナ国 新王都モンステラ編
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第264話 ショッピングモール

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 夕方にユリと分かれ、花街を探し回るとやはり飲食店街の奥のほうの民家のような所が開き花街になっていた。

 見つけた事の嬉しさもあり、色んなところを散策をしていたらアヤコさんと出会ってしまった。

 言い訳をするのも変だからむしろ堂々と話しかけたのだが、それがいけなかった。

 暇そうだから手伝いをしろと・・・アヤコさんに連れられて、花街の中を回って服やアクセサリー、造花などを販売して回った。

 夜の営業なので日中に買いに行けないし、服は自分で用意するものだから他人に任せたくない、そんな要望から出張で月1位で回ってあげているそうだ。


 わざわざアヤコさんがやる必要ないと思ったが、妊娠が発覚したお母さん達が結構いて夜働かせたくないとの事だった。

 気持ちが分からなくも無いが、どうにかならないもんかね。

 やはり早朝か深夜帯も営業している店が無いのが悪いと言えるだろう。

 全てお店への営業が終わってから、アヤコさんと帰宅。

 少し遅めの夕食を取り、色々喋っているとショッピングモールの話になり、明日から集中して頑張る事を約束してしまった。


 エルフの国の木工の第2の師匠であるジリコテさんとその弟子の人達が来るまで、1人で建物を作っていた。

 誰かに手伝ってもらったほうが遅くなるし、出来も悪くなるしね。

 ジリコテさんは色々な挨拶をすっ飛ばして、俺の手伝いに来て計画を聞き面白そうだから手伝うといってくれた。


「カナタ。 確かにお前の技術は凄い、俺でも真似出来ないものもある。 だが、それだからこそ弟子や同じ木工師と作ったほうが良い」

 ジリコテさんは手伝いをして数時間するとそう言い始めた。


「何でですか? 1人で作った方が品質の良いものが出来ると思うんですけど」


「その通りだ。 だが、不測の事態に陥ったときお前がいなければ建物は全部壊れるだけだぞ? そうならないようにする為にも、一緒に作りわざを伝承させる必要があるんだ」


 俺はそう言われ、気が付いた。 俺は俺の技術を高める事、出来上がったものの品質だけしか見ていなかった。

 一緒に作業する人を考えたが、やはり木工の第1の師匠であるミミリさんしか思いつかなかった。

 ミミリさんに俺と一緒にショッピングモールなどを作ってくれるように頼むと渋々了承してくれた。

 弟子もまた増え、八重桜学園の子供達の指導も請け負ってくれているわけだし無理させているのは解っている。

 ミミリさんにジリコテさんを紹介すると、急にガッチガチに緊張し始めた。


「こ、ここここここっこんにちは。 でっででん、伝説の木工師のジリコテ様と一緒に作業出来るなんて光栄であります!」

 ミミリさんは、敬礼をする。


「あ~そんなに畏まらなくて良いさ。 ただ長く木工に携わっていただけだからな。 というか、嬢ちゃんがカナタに基礎を教えたんだろ? きっちり細かいところまで教えこまされてたから驚いたぜ」


「いえ、それはカナタ君が優秀だからであって、私が教えたのは1週間もない位なんです」


 カナタ君? ずいぶん舞い上がっているなぁ。 見てる分には面白くて良いんだけど。


「やっぱりか。 俺なんて半日ゴーレムの作り方を説明しただけで、ほぼ完璧に作り上げられちまった。 基礎が出来ていたってのもあるだろうが、自分がやって来た事ってなんだろうと考えちまったぜ」


「そうですよね、そうですよね。 私がこれまでやってきた事はそんなに簡単なことだったの? って私も悩んだ事もあります。 しかも、いきなり新しいアイディアで櫛を作ったり」


「そうだな。 バギーだっけか? 人型でも獣型でも無い未知の姿の自動走行ゴーレムを作ったりされた時に、俺はこいつに勝てないと悟っちまったよ」


「そうですよね~。 良かった私だけじゃなかったんだ」


 何故か良く解らないが、俺が規格外で変で天才で人間じゃないと言うことで2人は盛り上がった。

 俺を出汁に使って仲良くなったようで、作業しながら俺の文句を言っている。

 う~ん、規格外ってのは認めるけど、そんなに言うほどじゃないと思うんだけど・・・


 ゴーレムは車やバイクの知識の集合体と言う感じだし、木工も魔法があればプラモデルのような感じで出来るからなぁ。

 まぁ、ゴーレムに使われている技術は、少し未来の電気自動車の事や電動バイクの技術を俺なりに理解して再構築させたものと言えなくはないんだけど、それも趣味が高じてって感じだしなぁ。

(モーターをタイヤ内に入れてしまうことで、ボディー形状が自由になるなどの技術)


 まぁ、仲良く作業出来てるんだしいっか。

 次の日にはミミリさんの工房の若頭と呼べる1人と腕のいい弟子も連れてきて、全員で建物を作っていく。

 ジリコテさんは、木工師の間では伝説的な人物だったようで話しただけで泣き崩れてしまう人もいた。

 なんやかんやがあったが、ショッピングモールの完成にこじつけられた。

 内装などもいじり、テーブルや椅子などの小物や棚も作る。


 貴族街だけは、リョウさんに調整してもらい大きな混乱も無く巨大ショッピングモールを設置する事に成功した。

 かなり土地が余ったので、高級ホテルでも作ろうと話になり土地を整備しただけで保留しておく。

 リョウさんは、その後クアッカワラビーの里を目指して出発した。


 ショッピングモールの内装を本当のショッピングモールのように作り、半分は大商店への貸し店舗にする予定だ。

 だが、まだ過半数位しか店舗しか契約をしてくれていない。

 リッグスさんのグンスット商会(エルフの国のイカサマ商隊だった商会)、ミミリさんの高級家具専門店、ヒリスさん(骨細工の師匠)とニムロフ(革細工の師匠)さんの骨革アクセサリー店、魔道具専門店(アカネちゃんの師匠達)、他の知らない大商会達だ。


 準備をしているときに並べている商品を見て、色々面白い物があった。 お店が稼動してから少し買おう。

 そんな事を考えながら、マージャン台やカードゲーム台、全自動のスロットマシン、ジャンケンを元にしたゲーム台、バネ式のパチンコ(全部の穴に玉を入れると当たりというかなり旧式)などなどを置き準備を進める。

 マジックボックス&バッグを持った11人が手伝ったため、搬入などは滞り無く終わり俺達と俺たちの知り合いの店舗は出来たばかりのレストランで食事をする。

 もちろん、パルメントさんやジリコテさん、ミミリさんなど木工師の人なども一緒にだ。

 そこには何故かリサー姫、サミル姫+兄姉2人、フラン様が、そろって現れた。


「中々いいタイミングではないか。 もうそろそろしたら叔父上と父上も来る」


「あぁ、解った。 では、リクエストを言ってくれ」


「鳥天」 「ローストビーフ」 「海老グラタン」 「串焼き」 「美味しいサラダを」

 全員がバラバラな物を頼み、陛下や大将軍、王妃様達、護衛のカルジャスさんなどが集まり深夜まで大騒ぎをした。

 もちろん、アルコールが大騒ぎの原因と言うこともあるかもしれないが。


 次の日は、ショッピングモールで働く人達を全員集めて、設備の確認やお店の案内板の作成など雑務をして3時間ほどプレオープンをした。

 プレオープンにもかかわらず、多くの人がショッピングモールに押しかけた。

 馬車を止めるスペースが店内にあるため、貴族達は駐車場のエントランスから中に入り御者は駐車場内へ。

 馬車を止めるのはタダだが、馬やケーミ(馬と鹿の合いの子)や獣魔も預けられるスペースは有料になっている。

 貴族達はどこにそんなにお金があるのか解らないほど持っているので、大丈夫だろう。


 中を見て回るがどこも大盛況だ。 しかし、明日の本オープンまで品物は持つのだろうか?

 ヒリスさんが作った鼈甲べっこうの指輪など、飛ぶように売れている。

 かなり顔がひくついてるので、もしかしたら在庫がまずいのかもしれない。 心の中で応援しておこう「頑張れ」。

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