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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第244話 エルフの国を出る。

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 ボス部屋を出ると、報酬が置いてある部屋に出る。

 今回も同じ木があり、台の上には1本のきれいな装飾のペンが置いてあった。


「報酬がペン1本・・・せめて何らかの武器とか杖とか、そういうのが欲しかった」

 俺がそう呟く、皆も同じような表情だ。


 ペンは1番使いそうなコノミちゃんに渡して、エルフの里に戻る。

 外に出て、皆で少し整理運動をして1度解散。

 ミルッフルさんたちは報告などをしないといけないだろうし、俺も報酬の分配など一任されてしまっている。

 というか、1番年上なんだからスートーグさんがやればいいのに・・・

 ザックィンムだけは大きすぎるため軽く解体してきたが、それも加工などもしないと使えないし他の素材も解体しないと。


 使用人たちとシャガ達、ミズキさん、コノミちゃんに手伝って貰い、血抜きと解体をする。

 解体やったことのない使用人は、血抜き時に樽に入れてもらう・・・樽に血を貯めていく、樽に血がいっぱいになったり血が止まってきたら声をかけてもらうようにした。

 俺たちが解体していると、スートーグさんとミルッフルさん、ジリコテさんが手伝いに来てくれた。

 俺とジリコテさん、ジリコテさんの1番弟子はザックィンムの解体をする。

 その後も、どんどん話を聞きつけて解体の手伝いが現れる。

 数の力っていうのは本当にすごい・・・ギフトを持っていなくても解体がどんどん進む。

 お昼はバッグの中に入っているハンバーガーを皆に提供し、舌鼓を打つ。


 パルメントさんの里のエルフはほとんど来ていることだし、夕方は少し豪華にしよう。

 おやつ時になり、俺は解体をジリコテさんに任せ皆に振舞う料理を作る。

 料理といっても俺1人で作るわけではない・・・俺の料理を習ってる執事から習っているエルフのお母さんたちも一緒に作る。

 作るものは、グルングロッコとオークの焼き鳥、水球を飛ばしてきたが氷の道に阻まれ攻撃として全く無意味だった鮎っぽい魚の塩焼き、ラムダーマトンの焼き肉、お好み焼き、フライドポテト、から揚げ、かき氷などと俺のバッグの中に入っているトン汁や肉まん、ソーセージなども一緒に提供する。

 エテグラットンの脳味噌も食べるといっていたが、頭がい骨が並ぶのはどうかと思い却下した。

 そういえば、タダシさんも食べてたなぁ。

 話を戻すと、一種のお祭りのようになった・・・練習で作った魔道具やキャンプ用品なども多数あるので、なんとか数が足らないという事にはならなかった。


 準備が遅れそうなところに手伝いに入り、一気に作り準備を滞りなく終わらせる。

 かなりの数の卵を持ってきたけど、大人数で消費してるからやっぱり心許無くなってきた。

 デスバードの卵以外にも食用卵が見つかればいいんだけど・・・

 全員の作業を止めて、お祭りを開催する・・・最初の挨拶はモリスさんではなく、パルメントさんになった。


「カナタ、ダンジョンをクリアして多くの食材を持ち帰ってくれて感謝する! 皆の手伝いのおかげで、解体もほぼ終わっている。 心よりの料理を楽しんで行ってくれ」


 パルメントさんの発言が終わると大きな歓声が上がり、食事が始まる。

 皆思い思いのお酒も持って参加している・・・全員無料なので、子供に取りに行かせて椅子に座ってゆっくりしているお父さんの姿などもあった。

 みんなで笑い、歌い、近況を話し合ったり楽しそうだ。

 俺と奥さんたちは料理を作るので必死でそれどころではないのだが・・・


「カナタ、おかえり。 大変だったそうだな」

 パルメントさんが、グルングロッコを串に刺している俺の前に現れる。


「ええ、大変でしたよ。 よく解らないことが多く起こって変てこな所にも行きましたし」

 俺は手を休めることなく動かしながら話す。


「ああ、後でちゃんと話すがマジックバッグが危険というのは俺の間違いだったようだ。 ちゃんと包み隠さず教えることを誓うよ・・・いや、違うな」


「え? 違う?」


「あぁ、そうじゃない、そうじゃないんだ。 えっとな、亜空間収納を一緒に研究してくれないか? 細かく書いてあったわけじゃないが、理論上出来るようなんだ。 一緒に研究してくれ」


「願ったり叶ったりですよ。 よろしくお願いします」


 その後、うれしそうな笑顔でパルメントさんは去って行った。

 去った後は地獄が待っていた・・・次こんな催しがあるなら、山のようにストックを用意してからにしよう! じゃないと俺がきつい!

 野菜を切ったり魚のワタを取り串に打ったり、肉を串に打ったりを1人で行い何とか終わりになった。

 解体した料金は、今回の料理でいいという事になったが手伝ってくれたお母さんにオーク肉とグルングロッコの肉、エテグラットン1体、イナゴっぽい虫などを渡した。

 お金を渡しても、使うところなんてほとんどないだろうし。


 ジリコテさんに、ザックィンムの素材を渡し研究してもらう・・・蔦だけで良いと言っていたが、家1軒分の素材を渡した。

 マジックハウスを作るとしても最低12軒分の素材があればなんとかなるし、マジックボックスの中には何軒分になるのか見当もつかないほど膨大な量の素材があるから1軒分くらい痛くない。

 ザックィンムの研究はジリコテさんに任せ、俺はパルメントさんと亜空間収納の研究、コノミちゃんとミズキさんは報酬のペンを調べるそうだ。

 報酬のペン・・・せめて魔道具でありますように・・・


 マジックバッグの禁忌・・・マジックバッグは危険なものでは全くなかった、素材を腐らせないように時間を止めることが危険という事だったのだ。

 時間を止めることは、神への反逆・・・年に1秒ほど進むようにするのが1番効率がいいと書いてあった。

 時間についての研究は後にして、亜空間収納の研究をする。

 運動や訓練などは行っていたが、その後はずっと研究をする・・・欠けているとはいえ研究書があるから何とか進んでいった。

 研究書に書いてあった、魔石利用法・・・同じ種類の魔石なら合算して魔晶石に込めることができると言うのは大いに役立つだろう。


 1級の魔石=2級の魔石約6個・・・ただし、2級の魔石の強さ(魔力量)が同じものに限る。


 魔石の内包強さ(魔力量)が同じものなら大丈夫というのは、簡単に言うと同じ種族のランクの魔物ならほとんど大丈夫という事だ。

 よくわからない触媒があれば、いろんな魔石をごちゃまぜにして同時に使えるようだが触媒が何なのか解らなかった。

 数ヶ月後・・・何とか、亜空間収納を作ることに成功する。

 成功したと同時に俺は、亜空間収納のギフトを手にすることができた・・・かなり嬉しい!

 亜空間収納は、何かを入れる何かを取り出すなどの1つの動作でパルメントさんの最大魔力量の7割を使用してしまう・・・これなら、マジックバッグに別の魔方陣を組み込み時間の流れを遅くした方が効率がいい。

 大きさも3㎥くらい必要だし・・・小型化できる3D魔法陣にしたとしたら、魔力消費量が以上に跳ね上がってしまうし・・・

 要研究ってことでいいだろう。


 コノミちゃんとミズキさんの分のマジックバッグを作り、帰ったら他の人たちの分も作ることにしようと心に決める。

 マジックバッグは有用だし、何かあったときに便利だし・・・何より、みんなの荷物を持っているというのは、俺への誘惑がすごいし(かなりエロい意味で)。

 話を戻すと、なんだかんだで長居をしてしまったエルフの国ともそろそろお別れの時だな。


 考えてみると、結構いろいろなことがあったな・・・国のほとんどを俺の借金奴隷にしたりダンジョンに潜ったり・・・

 ダンジョンは結局元に戻り、エルフの出身星に行けなくなっていた・・・今思うとサクランボや桜チップなどを回収しておけば良かったと後悔してしまう。

 ペンについても、俺たちじゃ解らないので錬金の心理を持っているアカネちゃんに調べてもらうことになっている。

 荷物の整理が終わり、思考を元に戻すと2人に話しかける。


「コノミちゃん、ミズキさん、マジックバッグがあるから忘れ物ないと思うけど最終確認はしてね」


「「はい」」


 全部の部屋を見て回り忘れ物がないことを確認し、貸家を出る・・・そこには誰もいなかった。

 仕事やいろいろ忙しいから見送り断ったけど、誰もいないってのは少し寂しいな・・・そう思いながら木の階段を降りる。

 そこには、パルメントさんの里以外の里の人まで混じって並んでいた。


「また来いよ!」 「人族だって関係ない! お前たちは兄弟だ!」 「元気でな」


 大声のエールが降ってくる・・・嬉しい、その言葉しか出てこない。

 子供たちが木の籠にキノコを乗せて渡してきて、大きな声でありがとうと言われる。

 人を抜けたところで「ありがとうございました」と大きな声でいい、出ていった。

 使用人とシャガ達はスートーグさん、ミルッフルさん、少数の精鋭たちは先にウルフローナに向かっていった。

 到着して頑張ってますと、タクミ君から連絡あったし大丈夫だろう。



 それにしても、パルメントさんとモリスさんとジリコテはどこに行ったんだろう?

 特にモリスさんには聞きたいことがあったのに・・・居なかったんだから、仕方ないか。

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