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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第239話 マジックハウス?

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 アドルメリの巣は、絵に描いてあった通りの漫画等に出てくる蜂の巣その物。

 魔物の生態を書いてあった紙に夜は巣に戻り、2匹だけを護衛飛ばして寝るとかいてあったのも本当らしい。

 今回の布陣は、ミズキさんが正面で巣を水で囲み窒息死させる。

 コノミちゃんはその後ろに控え、護衛の蜂を窒息死させる。

 俺は裏側に周り、エルダートレントの対処だ・・・死神っぽい装備の時に作った斧で切り倒して、倒れないように土で支え拘束する。

 隠伏の魔法も教えてもらってあるし、大丈夫なはず。


 通信機で常に連絡をとりながら、一斉に攻撃を開始する。

 特に何のトラブルも無く無傷で巣を採ることが出来た。

 エルダートレントの木材も手に入ったし、ニコニコしながらキャンプ地に戻りもう1度寝ることに。

 次の日の朝、朝食をとり次の部屋へ出発する。


「うわぁ・・・マングローブの森だ」

 俺は入った瞬間呟く。


「こりゃ一体どうしたってんだ・・・こんな部屋、俺はしらねぇぞ」

 スートーグさんが呟く。


 この階層は淡水が流れるマングローブの森の中のようだ・・・しかも、水の中にも魔物がいるしマングローブの中にもトレントがいるようだ。

 流石に今から船を作るのは面倒なので、水を凍らせて進む事に・・・


「いつも異常だと思っていたが、まさか水を凍らせて進むなんて・・・異常を通り越してやがる」

 スートーグさんが氷の上を歩きながら言う。


「そうですか? 正面にいる魚や魚の作った水球は凍っちゃいますし、飛んで来た魚も氷に飲まれ凍っちゃいますし一石二鳥? 三鳥? じゃないですか?」


「それが、出鱈目だと言っているんだ。 納得いかん!」


 そんな話しをしていると、氷の道に小さな振動と大きな音が鳴り響く・・・


「カナタさん! 爆弾です! マングローブから爆弾が落ちてきます!」

 コノミちゃんが指差す。


 その方向を見るとマングローブから落ちた種が大量に流れてきていた。

 氷の道の氷を伸ばし種に当てるとドォォォンと音がして水柱が上がった・・・何これ? 戦争映画?


「ウィンドカッター」

 ミズキさんが急に魔法を唱えると、空中で同じような爆発が起こる。


 空中にはブーメランのような形の種が飛んできているようだ。


「アレも爆弾のようです。 周りの木々・・・トレントから飛ばされているみたいです」

 ミズキさんは、次々に飛来するブーメランを風で押し戻しながら言う。


 コノミちゃんは氷を伸ばして流れてくる爆弾を爆発させている。

 俺は氷の道が壊れないように厚くし始め、氷の玉を量産する。

 魔法を使っていない他の皆は、氷の玉の意図に気がつき飛んでくる爆弾に投げて爆発させる。

 氷の道を厚くしていくと、少し氷が盛り上がり地面についた事が分かった。

 道が壊される心配がなくなると俺はワイバーンの黒刀を取り出し、鞘にしていた布を柄に巻きつける。

 4mを越える(刃渡り2.5m+布鞘の柄約1.5m)異常ともいえる薙刀ができた。

 皆を俺の後ろに移動させると、魔力を込めて半周よりも大きな風の刃を飛ばす・・・なすすべも無く周りの木は切れて水の中に倒れていく。


「氷の道でも非常識だと思ったが、1回薙いだだけで奥の木まで切れてやがる。 呆れるのを通り越して笑えて来るな」

 スートーグさんが引きつった笑いをしながら言う。


「便利って事で良いじゃないですか。 さぁ、折角切ったんですから拾うの手伝って下さい」


 俺とミズキさんとコノミちゃんはマングローブを魔法でかき集め、他の人は落ちている魚やエクビス(ザリガニ)やクラッベ(蟹)に止めを刺して持って来て貰う。

 少し時間がかかったが、全部かき集めマジックボックスにしまっておく。

 マングローブなら海水とかでコンブやワカメなどありそうだけど、魔物が淡水っぽいし諦めよう。

 武器を剣に変えて遠距離からトレント達を切り倒して進む。


「カナタ、何でデカイ槍から剣に変えたんだ? 見たところ槍の方が強いんじゃないか?」

 スートーグさんが疑問を口にする。


「それはそうなんですけど、使い慣れて無いので風の刃が大きく出すぎて色んな所に被害が出る可能性があるんです」


「強すぎるって事か・・・普通はより強い武器に変えるべきなんだがな。 いや、まぁいい、先に進むぞ」


 遠距離攻撃で殲滅したので一気に進み、お昼前には次の部屋への扉前に着いた。

 五部屋目へ行く前に、少し早めの昼食をとり休憩してから進むことに。


「カナタ様、あの剣見せて貰えませんか?」


「え? 別に良いけど、コロシアムのときにも使ってた奴だよ?」


「え? そうなんですか!? でもあの時、風の刃を飛ばして無かったですよね?」


「あの時風の刃を飛ばしながら戦ったら、周りに尋常じゃない被害が出るからね。 重いから下に置いておくね。 怪我をしなければ、振ってみても構わないから」


 皆持ちあげるだけなら出来るが、振るうと前につんのめったり転んだりしてしまった。

 皆の顔がキラキラ輝いてるように見える・・・新しいおもちゃを貰った子供と言う感じだ。

 危なっかしいので回収して、隊列を組み次の部屋に進む・・・次の部屋は、遠くに森が見える特に何の変哲もない所のようだった。

 しかし、森に近づくにつれ異常さが分かってきた・・・木がデカイ・・・でか過ぎる。

 1番手前の1番小さい木でさえ高さ10mを越えている・・・巨人の国にでも迷い込んだようだ。


 モンスターの強さもそれなりに上がったが、俺達3人が闘っているので苦戦することなく夕方前には最後の扉の前まで進めた。

 この階層で1番厄介だったのは落とし穴だ・・・落とし穴の中にも葉っぱが敷き詰められてしまって発見しにくかった。

 この階層で1番嬉しかったのはサウザンドエルダートレント(檜:ヒノキ)がいたこと・・・これでヒノキ風呂を作りたい!

 今までのも木で出来た風呂なのだが、檜ってセレブな気分になりそうだしね。


 檜でマジックハウスって作れるのかな? 作れるとしたらぜひ作りたい。

 皆の分を作るとしたら材料が足らない・・・皆に話して取りに行こう。

 シャガ達も狩りに行きたいと言い出したが、他の人に任せて1人で狩りに出掛ける。


 ここに到着したのも夕方前だし、次でボスのはずだから明日の朝まで暇だし狩れるだけ狩っちゃおう。

 シャガ達はキャンプ近くで狩りをすると思い、入り口付近まで戻って狩りを始める。

 エルダートレントやサウザンドエルダートレント等をかなりの数狩っていると、通信機からミズキさんからの着信が・・・


「もう夜になりますよ? そろそろ戻ってきてご飯にしませんか?」


「あれ? ごめん集中してて時間見て無かった。 すぐに戻るね」


 隠伏の魔法を自分にかけて急いで戻り、ご飯を出して夕食にする。

 明日はボス戦なので、ゲンを担いでカツサンドにする・・・カツ丼の方がらしいのだが、米が少ないので我慢した。

 マジックハウスの事を皆の前で話すと、ミルッフルさんが詳しいとスートーグさんから聞けた。


 マジックハウスの材料は、トレント以上の木材とトレントの魔石と4級魔石と直径6cm以上の水晶と魔法陣。

 (トレントだけはランクや上位種となるのがかなり曖昧で、太さ高さで変わる)

 一応これだけでマジックハウスは作れるらしい・・・低い素材を使えばすぐに壊れてしまったり、そこまで大きく出来ない。

 最低だと1.1倍の大きさで温度管理等が出来ないとの事だった。

 目標は外から見ると物置くらいの大きさで内側の広さは一軒家位の大きさだが、ものすごい素材がいるという事が解った。


 作り方は簡単で、家を作る素材1枚1枚に魔法陣を描き繋ぎ合わせて作る。

 釘等を使ってもちゃんと組み上がるらしい・・・家の外側だけを作るので家が完成してから内装をいじるそうだ。

 帰ってからマジックハウスの作り方を教えてもらえる事となった。

 ミルッフルさんは、マジックハウスの研究者という位置らしい・・・秘書じゃなかったんだな。


 思わぬ収穫だ・・・マジックハウスやマジックバックが出来上がれば、もっと快適に旅が出来る。

 サッサとボスを倒して教えてもらおう!


 ※備考

 ウルフローナ王都にあるお屋敷の大きさは約3倍まで広げられます。 現在は2倍くらい。


 内装の家具や階段壁等の作成方法:家と同じ素材と魔法陣で作った家具や階段、素材を1日置いておくと登録され中心付近にある魔晶石を操作すると移動出来ます。

 なので、板だけを置いた倉庫等を作るのが一般的(傷がついても、倉庫にある木材を喰らって治ります)

 家を作る素材と違う素材は登録出来ませんが、周りの木材ごと魔晶石での移動は出来ます。

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