第235話 ゴーレム完成?
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。
結果だけを言えば奴隷紋の実験は失敗に終わった。
第1の魔法は、奇行に走り頭を撃ちつけたり目玉の中に指を入れた死んだ。
魔力の流れを制御して無理やり効果を変えても、奇行に走り死んでしまう。
自分を襲ってこなかったから良かったが、バーサーカーみたいだな・・・
第2の魔法は、流血で死んでしまう・・・魔流眼でみると、内蔵がねじ切れたり神経がはがれたり爆発しているからその為だと思われる。
これも魔力の流れを制御しても血を吐き死ぬ・・・内臓というかお腹が大きく爆発して部屋と護衛のエルフが血みどろになったのにはかなり驚いた。
俺はエアヴェールの効果で少し汚れた程度に収まったわけだが、掃除が大変だった。
掃除中に吐き気を催すが、何とかこらえた。・・・爆発時は呆気にとられて自分を守るので精一杯で、吐き気すら感じなかったのだが。
第3の魔法は、筋肉が勝手に捩じれ体が出来る限り丸くなろうとする。
痛みや意識はあるようで、1番拷問だと思う・・・自分のお腹に自分の力で腕を突き刺すのを見たら、流石に気分が悪くなった。
魔力の流れを制御し違う流れにする実験では、余り変化は分からなかった。
第4の魔法は、現在主流の奴隷の首輪や腕輪解除の魔法だ。
この魔法は、新しい奴隷の首輪や腕輪がダンジョンから発見され、そこに刻んであった魔法陣から作られた。
なんでも、魔力消費量が低く不具合も起こり難いらしい。
1番期待出来る解除魔法と言っても良い・・・普通にかけると胸を抑えて死んでしまった。
心臓麻痺かなにかで死んだと思われるが、解剖しても知識が無いから一切分からない。
魔力の流れを少し変えると結果としては失敗だが、30秒ほど生きている事が出来たのだから光が見えたと言っても過言では無い・・・はずだ。
奴隷紋と解除魔法の流れの照らし合わせと、4つの魔法陣を照らし合わせをして何が違うのかを研究し、その解除方法を探ろう。
残っているエルフの奴隷は半分以上実験で使用してしまった。
昼食を取りに貸家に戻り、自然薯を貰ったのでお好み焼きを作る。
お好み焼きなら元執事でも簡単に作れたが、やはり俺が作った方が味が良いしふっくらしている。
出汁や小麦、野菜等で出来るので、エルフ達の主食になりそうな予感がする。
オークも結構な数が生息しているようだし丁度良い。
結構な量を作ったが、すぐに食べてしまった。
まだもう少し食べたいという事で、もんじゃ焼きを作ってみたのだがエルフ達に大受けだった。
なんでも、自分の好みの味が変えられるところが良いらしい・・・ソースは食べ進めると重くなっていったそうだ。
もんじゃ焼きの方が人気だったのは意外だったが、同じような材料で出来るし問題は無いだろう。
キャベツの種や肥料も渡しておいたのであとは勝手に何とかしてくれるだろう。
午後は、使用人達とシャガ達を連れて広場へ行き体力作りと解除魔法の研究。
ある程度形にになったので、魔法を作り明日に実験をしてみる事にした。
それにしても、コノミちゃんのゴーレムはまだ出来無いのか? そろそろ出来上がってもいい気がするんだが・・・
まぁいい、ダンジョン攻略で潜る前に後顧の憂いを絶っておこう。
その後、全員と組み手をしているとどんどんエルフが集まりいつもよりも多くのエルフと組み手する事になってしまった。
大きな怪我をさせないように、速度を抑えたり、力を抑えたり、急所を避けたり、手加減をするのが結構大変なんだよなぁ・・・あとで、パルメントさんに手加減とかそう言うギフトが無いか確認してみよう。
午後、奴隷紋の解除の魔法の実験は結果だけ言うと大失敗した。
次の日まで経過観察していた半日異常が出なかったエルフの数名いたが、最終的に魔力枯渇症が出て動けなくなり死んでしまった。
回復等も色々行ってみたのだが、駄目だった。
組み手に移動したのが悪かったのか? いや、それくらいで悪くなっちゃ駄目だろう。
何が悪いのか調べても分からず、一旦保留にする事にした。
午後は、気分を変えるために鍛錬をして、夕方の組み手をする。
夕方の組み手は朝の組み手よりも人気が高く、昨日より人数が増えている。
俺1人じゃ教え切る事が出来ないので、体力作りの班と形を行う班と武器を扱う班、最後に俺と組み手をする班に分ける事にした。
エルフのお母さんや子供達も参加して微笑ましい光景と言えるが、俺との組み手をしている所だけ死屍累累という感じになっているので、俺は子供に恐れられているようだ。
こんな時は、お菓子で釣るのが1番だろう・・・獣人の子供達にも人気のきな粉〇を皆に配ると、怖がる子が少なくなった。
皆の体を考えて、ポーション入りキノコ多目の豚汁を配ってお開きとなる。
コノミちゃんにゴーレムがどうなったのか聞くと、とっくに完成していてディティールに拘って色々している所なんだとか・・・
いや、完成してるならサッサと提出して終わらそうよ・・・と思ったが、色々やってたし何も言えなかった。
次の日、鍛錬の人数が凄い事になりミズキさんとコノミちゃんを無理やり連れてきて鍛錬の教官をしてもらう。
ランニングで倒れた子供達をコノミちゃんに移動させてもらい、冷蔵庫から少量の塩分の入った果実水を飲ませ。
クッキー等の詰め合わせを渡して、整理運動と大人達を応援してもらう。
脱落してしまった大人達や1~10の兵士達にも果実水を渡し、休憩してもらう。
結局組み手に残ったのは、いつものメンバーだった。
最後の俺とスートーグさんの手合わせは、一種の見世物となっていた。
もちろん俺が難なく勝利を収めた。
俺とミズキさんの魔法合戦の再戦をして見たが、難なくミズキさんが勝利・・・全然勝てる気がし無いし突破口すらも見つからない。
しかも、魔法を曲げて放ってくるのは反則だと思う・・・魔力操作が上がったから、近距離だと曲げられるようだ。
その後、ジリコテさんの工房へ行きゴーレムのお披露目をした。
まず俺のは魔力バギー・・・タイヤはカーボンナノチューブとゴムのミルフィーユになっているノーパンクタイヤ。
ボディーは木製だが無色カーボンナノチューブコーティング。
ジョイント部は魔鉄式、サスペンションも魔鉄式でオイル封入型。
ブレーキはベンチレーテッドディスク(通風性を考慮し放熱性を高めている物)ブレーキ駆動方式はワイヤー式。
ライトは着脱式、投げナイフポケット、ある程度の自走機能を持っている。
「カナタのは見ただけでどんな物か想像出来るが、書いてある通りなら余りにも非常識な能力だな。 100人ほどを乗せた鉄の馬車を1台で引け、5時間連続走行可能ってのは本当か?」
ジリコテさんが首をかしげて聞く。
「本当ですよ。 1回の魔力補充で5時間くらいなら動きます。 頭脳に使う魔晶石を含めると全部で4つも使ったんですから」
「ゴーレムでは無い! と言いたくなるが、合格だ。 だが、売り出したりするのはもっと後でな」
「大丈夫ですよ。 量産する気はありませんから」
次はミズキさんのゴーレム・・・基本的なゴーレムのようだが、カーボンナノチューブで全身を覆っている。
見た感じだと骨格と皮で出来たゴーレムのようだ。
動かしてもらうと、身体能力が高いことが分かる・・・なんでこんなに身体能力が高いのか聞いて見ると、芯となる木材とカーボンナノチューブの布状の物を入れて、伸縮を助けるようにした効果だそうだ。
これは益々アンドロイドに近づいたんじゃ無いのか? しかし、ソフトがお粗末なので簡単な行動しか出来ないのが玉に傷だが。
ソフトはケイタ君に作ってもらえば良いだろう・・・俺もそのつもりだし。
最後はコノミちゃんのゴーレムを残すのみだが・・・コノミちゃんのゴーレムに触れて良い物なんだろうか・・・
俺も好きではあるが・・・