表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
273/406

第231話 族長逃げ出す。

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 俺に殺されるかもしれないと、逃げる事に必死な族長達。

 出入り口を通らないと逃げられない・・・しかしそこには、通り逃げ出す者を阻害しろと命令を受け、無視すれば死ぬほどの激痛が走る族長達の家族達がいる。

 どちらも必死に動いている・・・あぁ、これはなんて見世物だ?

 こんな惨い光景は他に無いだろう・・・見てるだけで気持ちが悪いな。


 武器を持たない家族達がすぐに崩れると思ったが、色んな所に傷を作りながら頑張っている。

 あれ? そう言えば観客のエルフの声が聞こえないな・・・周りを見ると、しかめっ面をして族長達の殺し合いを見ていた。

 ショックなのか? それとも、呆れているのか? 良く解らんな。

 余所見をしていると、数人のエルフが走って逃げ出していた。


 出入り口にはナイフ等を刺されたエルフが倒れていた・・・本当に良く出来るなぁ。

 まぁやるように仕向けたんだけど。

 出入り口のエルフ達が死にそうなので回復し、魔法とギフトの身体強化を使用し1番近い逃げ出した族長達に向かって走る。

 さぁ、狩りの時間だ。

 索敵を使い森の中を少し進むと木で身を隠し、声を殺してうずくまるエルフを見つけた。

 俺はエルフにぶつけないように注意し、エルフがよりかかっている木を切り風で吹き飛ばす。


「見い付けた」

 俺は切断面に乗っかりエルフを上から見ながら言う。


「あ・・・あぁぁぁ」

 俺を見るなり震え出し、指差してくる。


 そのとき丁度ドン、バキバキバキと音を立てて木が落ちてきた。

 俺が木に目を奪われたときに、エルフは走って行こうとした・・・敵に背を向けるなんて・・・

 木の上からエルフに向かって跳躍すると、結構な力を入れ足を蹴り吹き飛ばす。

 あら、力加減間違えて足がトマトみたいになっちゃった・・・どうするか一瞬考えたが、面倒になり回復魔法で止血をしてコロシアムの中において行く。

 近いエルフから順に捕まえに行き・・・その時に土下座したり、命乞いをしたエルフも等しく同じように足を吹き飛ばしてコロシアムに移動する。

 全員移動させると、族長達に向かって「死ね」だの「恥さらし」だのと言う声が聞こえてくる。


 俺からするとお前達全員が恥さらしなんだが・・・


「さぁ、皆さんに質問です! この族長達は代表なのに皆さんを見捨て、家族を殺してでも逃げ出そうとしました。 これは、有罪なのでは無いでしょうか?」

 俺は魔法で拡張し聞くと「有罪だ!」「死刑だ!」「殺せ!」等と聞こえてくる。


 あぁ、俺に対する暴言等なくなったようだ・・・解りやすいな。


「殺した方が良いと言う人が多いようだ! しかし、俺は殺さない! それは何故か? 復讐するなら本人にやってもらった方が良いでしょう? もっとも、本人が望むのであればですが」

 俺の一言に「そうだ!」「殺せ!」と大きな声が聞こえてくる。


 観衆のエルフ達は殺せコールをしている・・・出入り口のエルフ達に近づき聞くと、全員復讐したいと返事をくれた。

 中に入る許可を出し、魔法の使用も解除する・・・すると、俺ではなく族長達に群がり全員で踏みつけるように蹴りつけている。

 魔法を解除した意味無いな・・・命乞いや謝罪の言葉が聞こえてたが、そのうち何も聞こえなくなった。

 あ~あ殺しちゃった。 肉親殺しか・・・最低だな。

 いや、先導してやらせたんだから俺の責任か・・・家族達に死体を端に寄せるように指示し、死体の近くで待機するように言う。

 そして静まったコロシアムで、演説を始める。


「皆が復讐に賛同してくれたおかげで、一方的に攻撃を仕掛けた者は倒れた! 皆に感謝を!」

 俺がそう言うと、大歓声が聞こえてくる。


 本当にアホだなこいつら・・・まぁ、本人達も復讐に賛同してくれてるみたいだし、シャガ達4人を紹介するか。


「突然ですが、皆に紹介したい方がいます! 仮面を外さずに、コロシアムの中央に来て下さい」


 言われた通り仮面を付けた4人が中央へ並ぶ。


「紹介するより前に、最後の確認をします! 良いですか? 君達4人は仮面を外さすに出て行く事が出来ます。 そのまま出て行けば輝かしい未来が待っている事を約束しましょう。 しかし、仮面を取り名乗りを上げれば血塗られた道しか残されません。 良く考えてどうするか決めなさい」

 俺は4人に向かってそう言う。


 周りで聞いてる人にとっては何の事か分かっていないだろう・・・その証拠に、小声で喋る音しか聞こえて来ない。

 4人は向かい合い、大きく頷き全員一斉に仮面をとり大声で叫ぶ。


「僕はシャガ! あなた達にウィルドロ283番と呼ばれていた奴隷です」


 シャガから始まり、スミン、フォルビア、カポックが順に名乗りを上げる。

 全員が名乗りを上げる頃に、聞いている全員が4人が誰なのか分かったようだ。


「さぁ皆さん、彼ら4人はあなた方に復讐に来ました。 いや~良かった。 先ほど皆様が復讐を肯定して下さって安心しました。 これで心置きなく処刑出来ます。 待機を命じたエルフ諸君の待機を解除をする!」

 俺はそう言うと、壁際で待機しているエルフに近づいていく。


「来るな!」「助けて下さい」「お願いします。 お願いします」

 などと喚き散らしながら、三者三様の動きをする。


 この期に及んで命乞いか・・・呆れて物も言え無いな、本当になんとかならないもんかねぇ。

 そんな事を思いながら、1番近くのエルフの首をねる。

 首を刎ねても意識は30秒ほどあると言うが、どうなんだろうな? 俺は自分で実験したく無いし、永遠に謎のままだな。

 1番遠い4人だけを残しコロシアム内にいる罪人のエルフ全部の首を切り落とした。

 4人の足元にウヌリアンの里にあったナイフを投げる。


「さぁ、シャガ、スミン、フォルビア、カポック。 相手は4人になったぞ。 無傷で勝て」


「はっ! 畏まりました!」


 4人は全員バラバラに移動し1対1となった。

 シャガはエレメントマジックを発動しようとしたエルフに、槍による突きを入れ痛みでエレメントマジックの発動を阻止してた。

 シャガの基本の立ち回りは、冷静に盾でナイフや体を弾き体勢を崩すと槍で突く守戦カウンタースタイル。

 しかし、追撃出来そうな場面でも深追いしない。

 相手は石を投げてきたり、砂を撒き目つぶし等を狙っている所から喧嘩なれしていると思われる・・・うん、良い判断だと言えるな。


 スミンの基本は弓での立ち回りなのだが、相手に合わせて両手にナイフを持ち応戦している。

 結局ナイフを数本多く作る事になったんだよなぁ・・・おっと、思い出に浸ってる場合じゃない。

 接近戦は受けと流しだけはそこそこ出来るので遅れをとる事は無いだろう・・・しかし、早く決めようと焦っているように見える。

 長期戦を覚悟して挑めといつも言ってるのに・・・・後でお説教だな。


 フォルビアは、両手斧で粉砕するパワーアタッカーだ。

 なんでも先祖返りのドワーフだったらしい・・・というか、合法ロリだったぞ!

 まぁユカさんも合法ロリと言えなくも無いけど・・・おっと、またへんなことが考えてた。

 ナイフで受けられないから全部回避しようとしている・・・だが、回避が追いつかず相手は利き腕を無くした様で走って逃げようとしている。

 フォルビアの足はあんまり速くないから、持久力でおいつけ!


 カポックは、武器はナイフの斥候タイプだ。

 素早く近づき、薄く何度も切りつけ怪我で相手の動きを封じていく・・・刃を防御されても力を抜き、流して切りつける技巧派。

 ただ攻撃力は無いし、次の攻撃箇所をガン見してたりするので俺にはどこを攻撃したいか解ってしまう。

 何となく戦い方が俺に似ている気がするんだよなぁ。

 対大型魔物戦だと余り役に立たないから、投擲や他の武器を教えて戦闘のバリエーションを増やした方が良さそうだな。


 4人ともLvが上と思われるエルフと戦っているのに、本当に無傷で勝利しそうだ。

 やっぱり訓練と言え、本物の武器を持つ同士で戦っていたんだし、経験の差と言えるのかも知れないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ