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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第230話 戦闘開始

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 戦闘が開始されるが、俺は腕を組み剣を地面に刺したまま佇む。

 観客のエルフ達が口汚く俺を罵り、殺せコールをし始める。

 何を言っても不問にすると言ったが、ここまでとは・・・まぁ、勝ちを確信しているって事なのかな?

 エルフ達は俺を中心に半円状に広がり、エレメントマジック使用し攻撃を仕掛けてきた。


魔素強制服従フィールド


 エレメントマジックや攻撃魔法等も霧散する・・・俺はまだ1歩も動かないままだ。


「何!? 何をした! なんで、魔法が使えない!? どうなってるんだ?」

 族長がそう言い、睨み付けて来る。


「あなた方で言うところの禁忌ですっけ? それを使っただけですよ」


「そんな事を信じるとでも思ってるのか? 禁忌を使えば魔力の枯渇で動けるはずが無い。 大方、魔法阻害の魔道具を使用したのだろう?」


「信じる信じないは勝手にして貰って良いですが、魔法を使え無い状態でどうされますか? 皆さん杖しかもって無いようですが、それだけで勝てると?」


 族長達が苦い顔をして俺を睨む。

 駆け寄ってきて杖で攻撃をしてくるが、攻撃力が低すぎて当たっても指でトントンとされてるくらいしか感じない。

 俺の武器を取ろうとしているエルフもいたが、地面に刺さっている剣は揺るぎもしない。

 顔を攻撃してくるので適当に防御していると、族長が少し距離をとり叫ぶ。


「ここまで動かないのであれば、場所に何かがあるはずだ! こやつを動かせば勝機がある!」


 族長は、その場を動かない俺を見て移動出来ない何かあると思ったのか全員に指示を出す。

 勘違いも甚だしいな・・・武器を取ろうとしているエルフを風魔法で吹き飛ばすと、武器を取り自ら移動する。

 このまま陸に揚げられた魚のように苦しんでゆっくり死んでいくのを眺めても良いが、それだと面白くも何とも無いしな。

 

「馬鹿な・・・移動したのに魔法が使えないままだと・・・本当に・・・まさか」


「だからそう言ったでしょう? まぁこのままだと面白味が無いので解除しますけど」

 俺はそう言うとフィールドを解除し、片手に黒刀を持ちただ立つ。


 武器を持っただけで、攻撃を仕掛けてこなくなってしまった。

 何をやっているのやら・・・このまま何もしないで死ぬつもりか?


「何をしているんですか? このまま死にたいという事ですか?」


「小僧、舐めるなよ。 魔道具に魔力を込めて一斉に撃ち出すぞ!」


 族長の号令で全員が腕に付けていた篭手のような物に魔力を込める。

 いや、何でも良いけど攻撃まだ? いつまで待つの? あ、込め終ったっぽいな。

 実際の時間は5秒位だ・・・が、5秒もあったら殺されると思うんだけど。

 篭手の付いた右手を全員俺に向けて、直径25cm位の火の玉を連続して打ち出してきた。

 なんかこんな花火あった気がするんだけど・・・なんて名前だったっけ? 手で持って連射して撃ち出されるアレ。


 10連発とか20連発って言ってたから覚えて無いな・・・火の玉全てに剣をぶつけ吸収する。

 黒刀の付加魔法は、重心移動、魔法吸収・開放の2つしか無い。

 ミズキさんとの戦闘で使わなかった理由は、魔法吸収をやりすぎると武器自体に負荷がかかりすぎて爆発してしまう為だ。

 短剣でどのくらい魔法が貯められるのか実験でやったときに爆発させてしまった。

 土壁で囲んでやっていたから被害が出なかったが、手榴弾かよと思うほど弾け飛んだ。

 最初に作ったメイン武器だから、愛着あるんだよねぇ。


 そんな事を考えていると、火の玉が止んでいた。

 確かに同じ強さの奴がそんな武器を持ってたら脅威だな・・・ミルッフルさんが、奴隷の人達に渡さない様に念を押すはずだよ。


「ばかな・・・そんな事があるはずが無い!」


「え? あぁ、うん、無傷だよ。 この剣は特別製でね、実体の無い魔法も切れるんだ。 凄いでしょう?」

 俺は何もなかったかのように笑顔で言う。


 兜を被っているので見えないだろうが、声で察する事が出来るだろう。


「しかし、これはどうかな?」

 族長はそう言うと、腰の短剣を抜き地面に突き刺す。


 族長の短剣から俺の足元までモグラの通った後のような地面の盛り上がりが進んでくる・・・その進みはかなり遅い本当に何も言えない。

 盛り上がりが俺に到着する直前に、もう1人のエルフが同じように短剣を地面に突き刺す。

 こちらは亀裂と言うかラインが結構なスピードで進んで来る。

 土の盛り上がりが俺の下まで来ると地面に穴が開く・・・単純に落とし穴を作る魔道具のようだ。

 俺は動かずに落とし穴に自由落下すると、ラインが落とし穴に到着する。

 すると、落とし穴の中側に土で出来た棘・・・逆さのツララが出来始めた。


 なるほど、これなら魔法として消すのも難しいしコンボとしても良いと思う。

 でも、俺には無意味だな。


「かかったぞ! サッサと塞げ!」


 上の方から族長の声が聞こえてくる・・・どうやら俺を生き埋めにしようとしているらしい。

 穴が完全に塞がったのを見てから、ジャンプして蓋を突き破って穴から飛び出すと風魔法で着地点をずらす。

 族長達は1箇所に集まり喜んでいるところだったようだ。


「なかなか良いコンボでした。 俺には無意味でしたけどね」


「クソ! 化け物め・・・死ねぇ!」

 族長は俺の方へ手を突き出し叫ぶ。


 風の玉を俺に放ったようだが見えない・・・その時、後頭部に軽く何かが当たったような感触があった。

 なるほど、本人の動きで惑わして狙いは後ろって事か・・・姑息な手だが、このタイミングでやると当たるという事か、勉強になるな。

 これからは、後ろからの攻撃にも気を付けよう。


「これは勉強になったよ。 オーバーアクションに気をとられてしまった。 そろそろ攻撃するとしよう」

 俺は黒刀を中段に構えると、溜まった魔法を開放する。


 バスケットボールくらいの火の玉が出来上がった・・・が、小さいと思い追加で火の魔法を入れて大きくする。

 大きくした火の塊を族長達の真ん中に落ちるように調整し打ち出す。

 族長達は火の玉を逃れ、移動する・・・移動してからこちらを向きニヤリとほくそ笑んだ。

 本当に甘いな・・・そう思いながら黒刀に魔力を込めて、火の塊に向けて風の竜巻を打ち出す。

 両方が合わさり、あながちファイアストームかファイアトルネードと言った様子の魔法が出来上がる。

 自分で作った魔法より少し魔力の消費が多い・・・うわぁ使えねぇ・・・

 武器の付加魔法を変えた方が良いかな? でも、いい物思いつかないなぁ・・・


「ウォーターウォール」


 余りやり過ぎるとすぐ死んでしまいそうなので、鎮火させる。

 未だに肺を焼かれうめき声を上げながらのた打ち回る族長達むけて、回復魔法をかける。

 もちろん完全回復させる訳ではなく、ある程度動けるようにする処置だ。


「皆さん? どうしたんですか? ちゃんと回復したと思いますけど、何かおかしいんですか? まぁいいです。 さぁ立って下さい! 頑張って殺しあいましょう!」


「いや、待って。 待って下さい・・・どうか許して下さい」

 族長が痛みを堪えて土下座をする。


 俺はため息を吐き左手に黒刀を持ち近づき、土下座する族長の肩甲骨の間に足を置くと身体強化の魔法とギフトの両方を使い族長の右手を持つと引き千切る。

 すると、大声で叫び左手で右肩のちぎれた場所を押さえている。

 このまま死なれては困るので、加減して蹴り呻いてる隙に腕をつける。


「はぁ・・・情け無い。 あなた達は見ている皆の代表なのですよ? 死ぬ気で戦って勝とうと言う気は無いんですか?」

 俺は族長以外のエルフにターゲットを合わせてゆっくりと歩き出す。


 族長はくっ付いた腕をおさえうめき声を上げてうずくまったままだ。


「来るな! 来るな来るな来るな!! ヒィィイイ」

 1番最初にターゲットにされたエルフが後ろにある出口に走る。


 1人逃げ出すと、全員同じ動きで逃げようとし始める・・・出口にいる族長達の家族のエルフには誰かが通ろうとした場合は、阻害するように命令してあるのですぐには逃げられないだろう。

 何とか動き出した族長も涙や小便を垂らしながら出口へ歩を進める。

 出口の家族に阻害された族長達は、あろう事かナイフで阻害する家族切りつけ必死で逃げようとし始める。


 やっぱりこうなるか・・・残念だ。

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