第20話 皆で街の中へ
頑張ってテンポ良く進みたいのですが・・・中々進みません
本当に申し訳ありません
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます
6/14 改稿あり 加筆あり
担架で運び終わり、一息ついたときに思い出す。
そう言えば、Lv上げてないじゃん! 完全に忘れてた・・・買い物に出かける前に思い出して良かった~。
「すみません、皆さん、Lv上げるのは協会で無いと無理みたいなので、担架を返す際に一緒にやってもいいですか?」
「いいんじゃねぇか? 特に急いでるわけでも無いし」
腕を組み、首をかしげながら渉真君が言う。
「Lvがどのように上がるか興味がありますし、行ってみましょう」
眼鏡をクイッと上げながら、敬太君が言う。
「いや~・・・本当にすみません」
担架を返しに、ぞろぞろと協会に向かう。
『ラーモンさん、担架を返しに来たのとLv上げたいんですけど、いいですか?』
『はい、もちろん良いですよ、大丈夫だと思うのですが、一応確認のためにこれに触れてみてください』
親指ほどの水晶を渡される。それに触れるとうっすら光りだした。
『うん、間違いなくLvが上がるみたいですね、Lvアップは注射じゃないので直ぐ終わりますよ』
『それは嬉しいですね~、どうすればいいのですか?』
『Lvアップができるところへ連れて行きますので、少し待って下さいね・・・そうそう、金額は大青銅貨1枚10レティアになります。大丈夫ですか?』
『はい、解りました・・・銀貨しかないんですけど良いですか?』
ポケットから銀貨を取り出す。
『そうですか・・・小さいのは無いですよね・・・解りました、今お釣り持ってきます』
そう言うと扉の奥に消えて、すぐに戻ってきた。
『この台の上に置いていいかな? 手渡ししちゃうと見にくくなってしまうと思うし』
『もちろんいいですよ、あと金貨・銀貨などが何レティアかを聞いてもいいですか? 数字が書いてあっても見にくいし、間違っちゃいそうなので』
『お金について話さなかったっけ?』
『フランソワーズ様が来て、うやむやになったんですよ』
『そう言われれば、そんな事もあったね・・・お金は一般的に使われている物で9種類だね。
高い順から言うと、大金貨・金貨・大銀貨・銀貨・大銅貨・銅貨・大青銅貨・青銅貨・銭貨だよ。
ただし、銭貨は今は廃止されているから全部で8種類って言えるかもしれないね』
『銭貨は何故廃止されたんですか?』
『銭貨だけ魔法貨じゃなかったんだよ。それで複製が横行してしまってね、今では使える国も無いと思うよ』
『魔法貨は何処で作られているんですか?』
『それは解らないんだよ・・・女神レティアがもたらしてると言われているよ』
『では、お金が足りなくなったりしないんですか?』
『お金は冒険者ギルドや商人ギルド、魔法ギルドでカードに預けられるし、カードと魔法認証で貨幣を引き落とせる。
高い買い物だとギルドを介して買い手のカードから売り手のカードへ移動も出来る。ただし同じギルドのカードが必要だけどね、まぁ引き出しも譲渡も手数料は取られるから気をつけてね。
あとは、ダンジョンなどからもたらされたりもする・・・だから貨幣が足らなくなることは無いと思うよ』
『魔法認証って何ですか?』
『水晶に手を触れると、魔力の波長を読み取って本人かを確認するシステムだよ』
『なるほど、勉強になります』
ビックリするほどハイテクだな・・・家や街行く人の服装がショボイのは何でだ?
廃村の水も井戸で、ポンプ式ですらなかったし・・・アベコベだな。
そう思いながら銀貨を渡しておつりを貰う。
『注意事項としては、Lvアップは1日に1回だけ行うこと。一気に上げると痛みや気持ちの悪さなどが出てしまう人がいるらしいんだ・・・一週間ほど動けなくなることもあるとか・・・』
『フランソワーズ様からも聞きましたから、ちゃんと1日1回だけにしておきます』
『おっと、少し話しすぎてしまったな・・・Lv上げるのはこっちの部屋なんだ、付いて来てくれ』
ラーモンの後ろを付いていくと、1m位の石の塔が円状に並んでいて、入り口のところだけ石の塔がない。そして真ん中には石の台座があった。そんな石のサークルがそこにあった。
『その中に入って、冒険者ギルドのカードを真ん中において、リラックスして』
言われるままに中に入り、カードを真ん中の台座に置きリラックスしてみる・・・数秒するとフワっと浮遊感が来る。
『フワッとなった?』
『はい、なりました・・・これでLv上がってるんですか?』
『冒険者ギルドのカードを見てみるといいよ、一緒に更新されるからね』
ギルドカード台座から取って確認してみると、Lv1に変わっていた。
本当に妙なところでハイテクだな・・・
お礼を言って、そろそろ買い物に向かう。
道幅がかなり広いが、あまり人が歩いていない。
ウェーブと言うのが関係しているのかな?
最初に見つけたのは、野菜や果物を置いてる店。だが・・・
ろくな物が置いていない・・・すごい小さいトウモロコシとみかんの形をしているが赤い果物、後はくず野菜に見えるものがあった。
大体1つで10レティアもする。料理を頼むと50レティア位だと言っていたのを考えるとね・・・
「しなびた野菜も多いですし、かなり高いですね・・・」
「こんな野菜じゃ買う気も失せるな・・・この国の物価が分からん・・・カナタ、どうなんだ?」
野菜を見ながら忠さんが言う。
「一食の値段でだいたい50レティアだと言われたんです。ほら、このトウモロコシで10レティアなんですよ」
「そうなのか・・・ボッタクリもいいところだな・・・だが、ウェーブとやらのせいで、食糧難なのだろ? よし、3日ほどは買い物しなくても良いだけの食材はある。マジンとやらを注射してから外に取りに行くのが良いだろ」
「食べ物に関してはお任せします。買う物がないなら進みましょう」
ちょっと進んだところに、服や布を売っている店があった。
「このシャツは、質は悪くないが染色と縫いが粗いね、白いシャツは見当たらないから漂白と言う技術自体が無いか、高価な物かのどちらかじゃないかね」
「値段は・・・1000レティアか・・・結構高いな」
「悪くは無いが、この布の値段も見てくれるかい? この糸と木のボタンも」
「えっと、布は250レティアですね、この糸、何の糸でしょう? 一応値段は30レティアで、ボタンは1つ3レティアだそうです」
「手縫いで良いなら作った方が安く済むだろうね、ただし時間が結構かかるよ」
「なるほど、そうなんですか・・・作ってもらったほうが良いかな? でも、型紙用の紙はなさそうですね」
「材料さえあれば作るのは問題ないよ・・・ただ、材料もそうだけど道具も多く必要になるよ・・・そこにあるように、型紙ではなくて木で型を作っているのかもしれないね」
亜矢子さんが指差す方向を見てみると、木材の板がベストのような形で切られている。
「なるほど・・・型紙を木材で代用してるんですね・・・とりあえず、何を買えばいいですか?」
「先に道具をそろえた方が良いだろうから、買うなら道具からだね・・・着替えが必要だから、出来上がっているものを買った方がいいと思う・・・手直しするための糸とかは買ってもいいと思うよ」
「うん、なるほど、そうですね、今日は服を買うのをあきらめて明日にしましょうか。マジン注射すると体型が変わるみたいですし」
針と糸を買い、店を出て武器・防具屋を目指す。
進んでいくと、武器が屋根にくっ付いているいかにも武器屋があった。
「おお! 本物の両手剣が付いてますよ! 外の籠にあるのは練習用とかに使う中古武器ですかね? うわぁうわぁ・・・」
「お~い、匠くん、中入ってみよう、珍しい武器があるかもしれないよ~・・・魔剣とか」
「魔剣! あるんですか? 見たいです! 行きましょう!」
「いや、あるかどうかわからないけど・・・」
中に入ってみる・・・色々な武器や防具が並んでいた。しかも皮鎧もある。
「色々ある! 短剣もいろんな種類がある! 剣はロングソード・・・こっちはソードブレイカー、うわぁ両手剣もあるグレートソードかな? うわぁ、かっこいいなぁ」
「お~い、匠くん、武器について皆に教えて貰える?」
「え? あ! はい、えっと戦い方によって分かっていると思いますが、武器が違います・・・
まず、片手剣系は盾を持って防御しながら隙を見て剣で切るというより突く・・・etc(かなり長くなるので割愛)」
「えっと、詳しいね・・・盾や防具についても知ってる?」
「鎧は解りません。盾については解りますが、使い方は説明するまでも無いと思います・・・ただ・・・ここにある盾は、裏地のところにクッションが無いのでクッションを後で付けたほうがいいと思います。腕につけるタイプしか置いていませんし」
「買っていったほうが良いものはある?」
「ここまで種類があるなら今買わない方がいいと思います。体格や筋力によって使い勝手が違うので」
「すまん、包丁と砥石が欲しい。砥石は天然物しかないようなので、荒・中・仕上げの全3種類欲しいが・・・いいか?」
「もちろんです。必要なものは買っちゃいましょう」
鋏は無かった。売っていないのかオーダーメイドのみなのか・・・今度だな。
売っている物は、一通り買っていく・・・袋って貰えないんだね・・・リュックがあるから良いけどさ。
帰りに雑貨屋のようなところによったら鋏発見。
鋏、足らない食器、調味料(めちゃくちゃ高かった)、まな板(木材)、石鹸、手ぬぐいを買って、夕方だったので、そのまま帰宅することにした。
いつも読んでくださる方へ、感謝を!!
ありがとうございます