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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第224話 的当てゲーム

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「そっか。 でも、感情が出た方が良いと思うよ」

 俺も笑顔で言う。


「あ~・・・いちゃついている所悪いが報告を先にしてもらえるか?」

 パルメントさんは、めんどくさそうに言う。


「いちゃついては無いですが、報告って何? 何があったの?」


「先に、ご迷惑をお掛けしました。 本当にすみません。 暴走している時は、TV見ているような感じでちゃんと見えてました。 あと、Lvが上がり100を超えました。 それと、リミットブレイクという謎のスキル? ギフト? を手に入れました。 危険っぽい名前なので、Offにしてあります」


「そうだね、名前からして危ない気がするね。 危ないと思う物は使用しないようにしていこう」


「はい、私もそのつもりです。 あと、カナタさん白い部屋って分かりますか? 透明な羽根が降る部屋なんですけど」


「いや、俺は白い部屋なんて知らないな。 黒い空間なら・・・ん? 黒い空間? 何だ? なんだったっけな・・・喉の所まで出て来てる様な感覚があるんだけど」

 俺はそう言うと片手を額に当てて考えるポーズをする。


「黒い空間ですか? 宇宙とかですか?」


「いや、いいよ。 忘れてるって事は、そのうち思い出すでしょ。 その白い部屋がなんかあったの?」


「いえ、私も詳しく覚えて無いんですけど、そこで誰かにあった気がするんですよね。 夢なのかもしれませんが、妙にリアルだったんですよね」


「なんだろうね。 小説とか漫画なら神様とかかも知れないけど」


「う~ん、なんと言うか神様と言うよりもかなり身近な感じがしたと言いますか・・・どちらかと言うと親戚や姉妹に近いような気がします」


「じゃあ、ご先祖様とか守護霊とかかもね」


 2人で話していると、コノミちゃんが「コホン」と言って話しを遮る。


「あの、2人の世界に入ってるところ申し訳無いんですけど、私も報告があります」


「2人の世界に入ったつもりは無いけど、報告をどうぞ」


「私はエレメントマジックを取得できました!」


「おお! 凄い、どんな風に取得できたの?」


「簡単に言うと、魔素支配魔法のフィールドの練習がエレメントマジックの練習なんです」


「え? でも、今の所フィールドは俺とミズキさんしか使えないよね?」


「そうです。 だからエレメントマジックを使えるようになったんですよ。 詳しくは御爺ちゃんから」

 コノミちゃんがそう言うと、パルメント父さんは立ち上がる。


 え? 御爺ちゃんって・・・そんなに仲良くなったの?


「ほっほっほ、そのフィールドとやらの魔力を一定の範囲に撒くのが、エレメントマジック習得の禁断の方法じゃて」

 パルメント父さんは、髭を触りながら言う。


「危険があるって言ってましたけど、大丈夫だったんですか?」


「その身に宿っている魔力量があれば、何の問題があるか解らん。 魔力の低い者が使えば死を招く事もあるがな」


「ん? 魔力量? そんな物見えるんですか?」


「見えるぞ。 お主は、コノミの3倍当たりかの? 嬢ちゃんは、おぬしの倍・・・いや、それよりもかなり多いかもしれんな。 コノミですら底が見えんで、だいたいの大きさになってしまうがそのくらいの大きさじゃて」


「へぇ・・・魔力量が分かるのは、どんなスキルですか?」


「観察眼じゃ。 転生者ならほとんど持っている有り触れたギフトじゃよ。 しかし、経験と勘と儂のかっこよさで大きさを見ているという事じゃ」


 ん? かっこよさ? 突っ込むべきか? どうなんだろう?


「じゃあ、私もエレメントマジックを覚えられるということですね」

 ミズキさんが目をキラキラさせ言う。


 おお、見事なスルー。 俺も見習わないとな。


「もちろんじゃ・・・・が、ダンジョン内で使うようにしてもらおうかのう。 コノミの魔力に多くの魔物が引き寄せられて散々だったからのう」


「自分達の魔力で魔物が出来ちゃう・・・とかそういう事は無いんですか?」


「そのような事は無いから安心せい。 もし、そのようなことになれば魔法を使ったら魔物が生まれてしまうじゃろ? 多数の人が住まう近くで魔物が生まれることがないようにレティア殿が見ていらっしゃる」


「レティア殿? 神と知り合いなんですか?」


「そうじゃな、知り合いと言うよりも雇い主じゃな」


「雇い主? 魔物討伐でも請け負っているんですか?」


「ほっほっほ、似たような物じゃよ。 ウェーブ時の魔物の間引きや事後の魔物の処分等をおこなっておる。 それをする代わりに少し長く生きておるんじゃて」


「間引きですか? 殲滅すれば良いのでは無いですか?」


「ほっほっほ。 儂らは、お主らのように出鱈目な力はないでのう。 間引きぐらいしか出来ん」


 儂らか・・・という事は複数人いるってことか。 血の気が多い人がいるかも知れないし、強さを隠蔽する何かを開発した方がいいかな。


「そうですか。 失礼なことを言ってすみません」


「よいよい。 魔力が強い物に魔物が寄って来やすい。 気を付けるとええ」


「はい、ありがとうございます」


 これで報告は終わりかな。 結構早くエレメントマジックを覚えられそうで良かった。

 ミズキさんも感情戻ったし、丸く収まったといえるだろう。


「あ! ミズキさんって結局なんで怒ったの? 聞いてはいたんだけど、魔法を馬鹿にされた位で怒ったりするというのはしっくり来なくて・・・聞かせてもらって良い?」


「え・・・あの時は掌に収まる水晶の映像を見せられたんです。 その映像の中で、魔法を使って色んな人の手足を吹き飛ばして笑っている奴らが!」

 ミズキさんは、そう言うと歯を食いしばり手を強く握る。


「あ、いいよいいよ。 後でその映像って見られたりしませんか?」


「ああ、胸糞悪くなるが映像は残してある。 今見るか?」


「はい、見ます。 ですが、隣の部屋で見て来て良いですか? 余り何度も見たいものでは無いでしょうし」


 隣の部屋へ移動しようとすると、コノミちゃんが付いてきた。


「どうしたの? 何かあった?」


「実は、私にだけミズキちゃんが怒ったのが何でなのか詳細を教えて貰えなかったんですよ。 あの時もエルフの人に何で怒ったか聞いただけで・・・」


 そう言えば、馬鹿にされて怒ったみたいって言ってたか・・・コノミちゃん以外誰も出てこない。


「はぁ・・・俺に見せるかどうかを託したって事か。 そう考えると見せない方が良い内容なんだろうな」


「それでも、見てみたいです。 何があっても受け止めます」


「本当に良い? たぶん死ぬほど後悔するよ?」

 俺の言葉に、コノミちゃんが頷く。


 隣の部屋に行き、テーブルと椅子を出し水晶を置き水晶の映像を光魔法で増幅し霧に映し出す。

 映し出された映像は目を覆いたくなるような物だった。


◆◇


「なぁなぁ、これで映ってんの?」


「ああ? 大丈夫じゃねぇか? それより、勝った方が飯1回おごりな」


「おう! 今まで通り殺しちまった方の負けで良いよな? あと、演出上最初の数回は外せよ?」


「ああ、前回のは手が滑ったんだって。 じゃあ、いい勝負をしようぜ」


 そんな会話から始まり、1人の少女が連れてこられた。


「良いかい? この魔道具は10分後にベルが鳴る物だ。 それまで逃げ延びられれば助けてやるよ。 しかも、借金を全部チャラにしてやる。 どうする? やってみるか?」


「弟は? 弟も助けてくれるんですか?」


「弟? あぁ、隣にいたガキか・・・もちろん助けてやるよ。 だから頑張って逃げろよ? 範囲はこの中だからな」


 その後は凄惨なシーンばかりだった・・・男達は交互に魔法を撃ち、少女は逃げ続ける。

 少女の足に魔法がかすり動きが鈍くなると、指や手、上腕、足、脛・・・どんどん切り刻まれ痛みに泣き叫び、それでも逃げようと努力する少女。

 それをあざ笑いながら魔法を打ち続けるエルフ達・・・10分のベルが鳴る。


「お! 今回は引き分けか?」


「ああ、そうだな。 今度から足狙うの最後にしないか? 動かなくなっちまうと、勝負が付かなくなることがあるだろ?」


「んだな。 あの女まだ生きてっけど、どうする?」


「片付けをさせるついでに、アヘン吸った奴らにあげれば良いんじゃね?」


 そこで映像が切れ違うエルフに代わり、同じようなことが始まる・・・・


◆◇


 腹が立つ? はらわたが煮えくり返る? そんな物じゃ生易しい。

 覚悟を持って見ても怒りが収まらない・・・最も惨めで情け無い殺し方を記憶しておけば良かった・・・

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