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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第220話 契約変更どうする?

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 食事をしながら、畑にあったアヘンの話しをする。


「なんて・・・なんてことだ! 依存性や危険性で、栽培も禁止しているはずだぞ! しかも、里全体で栽培してるとはな」

 パルメントさんは、大人しく聞いていたが怒りが爆発したようだ。


「俺達には何を作っているのか解らないだろうと思ったのか、人族のほとんどがアヘン依存者と思われてるのか・・・どちらにしろ、何とかしないと駄目ですよね?」


「もちろんだ。 なんなら全員犯罪奴隷にしても良いぞ。 アヘンをめぐる戦争で国が滅んだ事もあると、昔に教えたのに何を考えてるんだ」


 あ、こっちでも麻薬戦争とかあったんだ・・・歴史は似たようになるって事なのかな?


「それは俺がやる事では無いですね。 犯罪奴隷にするかしないかは、他の族長達とも話し合って決めるべきです。 後アヘンで儲けたお金は、薬物依存症の治療に使うのが良いでしょう」


「何もかもすまない。 すぐに他の里に赴き話しをつけて来る。 そのまま話しを進めて貰っても犯罪奴隷に落とす事は出来るし、その時はウヌリアンの借金は俺が受け負う。 それで良いか?」


「それならお金より、特別講師としてウルフローナ国に来て子供達に授業して下さい」


「はぁ? まぁ、それでもいいが・・・俺はそんなにこの国を離れられないぞ? 離れられて2ヶ月くらいだろう」


「それでもいいですよ。 魔素や魔力の事、魔法のこと等知っている事を伝えてほしいです」


「前にも言ったが、答えに辿り着くヒントは与えてやれるが全部話す事は出来ない。 それでも良いのか?」


「ええ、構いませんよ。 じゃあ、その時はお願いします」


「ああ、解った。 ミルッフルはカナタのサポートを頼む」

 パルメントさんの言葉にミルッフルさんは「畏まりました」と頭を下げた。


 屋敷に戻り、今までと同じように話しをして借金奴隷となるようにする。

 全員を屋敷近くの広場に集める・・・特に混乱も無く話が進むが、1箇所だけおかしな所がある。


「すみません、あっちの方にいる人は誰ですか?」


「何を仰ってるのでしょうか? 人はこれで全員ですよ?」


「私の索敵では、人影があるんですけど。 連れてこれないのなら、こっちから見に行っても良いですか?」


「いえ、そのようなことをしなくても大丈夫です。 あそこには死刑になる犯罪者がいるだけですので、無駄足になると思います」


「死刑ですか? 何をした犯罪者なんですか?」


「私も詳しくは聞いていませんが、死刑になる犯罪奴隷という事です」


 ん? 死刑になる犯罪者をいちいち奴隷にするか? 奴隷にした所で買い手が着かないだろう・・・なんか変な違和感があるな。


「それでも1度見に行ってみたいですね。 よろしいですか?」


「え・・・ええ、構いませんが・・・先にここにいる者達の契約変更をしていただけませんか? 汚い場所なので掃除させていただきたいのですが」


「契約は皆さんに書いて貰って血判を押していただくだけですので、回収は後で構いません。 汚いのも気にしないので、1度行ってもよろしいですか?」


「いえ・・・しかし、死病が発生している恐れもありますので・・・その」


 あれ? 何でそんなに行かせたくないんだ? 絶対におかしいよな・・・何があるんだ?

 契約変更の書類は族長に集めてもらい、後で俺達に渡してもらうようにした。

 抜け駆けして行こうとした族長の息子エディアンとその仲間を索敵で捕らえたので先周りして、笑顔で止めちょうど良いので案内してもらうように言う。


「なんで俺がそんな事をしなきゃならない。 そもそも、俺はお前達がかけと言った書類を書き終わったから家に帰ろうとしただけだ。 へんな疑いをかけるんじゃない」

 エディアンが憤慨しながら言う。


 ん~、俺達ではなく俺か・・・周りの取り巻き君達の事は何とも思って無いのかねぇ。


「そう言わずに案内してくれない? もう少ししたら、俺の仲間もすぐに来るしさ」


「そんなに行きたければ、勝手に行けば良いだろう? お前達を案内しても俺には何の利益もない」


「そんな事言わないで頼むよ。 鍵とかしまってたら家自体を壊さないといけなくなるし、里にも被害が及ぶかもしれないでしょ?」


「そんな物は知らない。 俺達は戻る」


「そっか、じゃあ仕方がないね。 この里に来たばかりの頃に脅されたことは、族長に言ったのかな?」

 俺の言葉にエディアンが止まる。


「あ、やっぱりまだ言って無かったのか。 さて、一緒に案内してくれるかな?」


「脅すのか? だから人族は・・・」


「俺を先に脅してたのに良く言えるね。 でもどうするの? 断る? 行く?」


「解った。 行ってやる、行ってやるよ」


 皆と合流し、エディアンのお供の1人を先頭に進む。

 その場所は森の中にあり、かなり大きな体育館と言う感じの建物だった・・・刑務所とかそんな感じなのかな? 今までの所よりも厳重な感じだけど。

 やはりマジックハウスになっており、扉を開けるのも鍵を持っている者のみとなっていた。

 鍵を開けてもらい中に入る・・・が、見た目通り刑務所と言うよりも体育館と射撃場が合わさったような作りとなっていた。


「これって牢とかじゃないよね? この中に犯罪者がいるの?」


「ここは牢ではなく処刑場だ。 犯罪者は奥の牢にいる。 勝手にみてくれば良いだろう?」


 処刑場か・・・処刑は昔娯楽だったと言うし、あってもおかしくは無いだろう。


「いや、扉の開閉にも登録した人が必要でしょ? 一緒に行ってもらえる?」


「ちっ、解ったよ。 こっちへ来い」


「皆は少し待ってて、犯罪者を見てくるのは俺だけで良いから」


 俺とエディアンの2人のみ移動し扉を開けると牢が並び、奥の方に人がいることが解った。

 奥に移動し犯罪者がいる場所へ・・・それにしても牢の数が多すぎるんじゃないか? 左右に牢を作らなくても良いと思うんだが・・・

 それにしても酷い臭いだな、貰いゲロしちゃいそうだ・・・マジックボックスから、布を出し口と鼻を覆いエアヴェールと浄化を自分にかけて進む。

 進んでいくと牢の中に涙や鼻水を流し、床は嘔吐した物やくだしてしまったものが散乱した中で笑っていたり痙攣した男が多数いた。

 もしかして、これが末期症状って奴なのか? これを見せないようにしてくれていたと言うのなら族長に感謝しなくちゃだな・・・


「もう良いだろう? これ以上ここにいると臭いが移りそうだ」


「確かに、これは酷いね。 牢はここだけなの? 他にもあるって事はないの?」


「良いから1度外に出るぞ。 話すなら外で話す」


 外に出てエディアンにも浄化をかけてやり、臭いの対策をおこなって深呼吸して話し始める。


「中は本当に酷いね・・・もしかして、拷問にアヘンを使ったりしてたの?」


「ちっアヘンの事を知っていやがるのか・・・そうだ、アヘンは他国に卸したり拷問に使っていた。 薬を打てば、薬を欲して面白いように喋るからな」


「えげつないなぁ・・・他の部屋も一緒に見てまわって戻ろう『ドガァァン』 え? 何だ?」


 話しをしているといきなり遠くからかなり大きな爆発音が聞こえ地響きが伝わってくる。

 エディアンも「何だ何だ?」とか焦っているが、何があったのか俺にも解らない。

 そんな時に通信の魔道具が鳴り出てみると、コノミちゃんが焦った声で言う。


「ミズキちゃんが、ミズキちゃんが、キレました! すぐ来て下さい」


「え? なになに? どういう事? 説明詳しく!」


 通信機で話している間にも、断続的に音と振動が伝わってくる。


「ぎゃぁぁ。 えっと、この処刑場は魔法で人を殺す施設だったんです。 的当てです、生きてる人の的当て。 ぎゃぁぁ」


 移動しながら言葉の意味を考える・・・生きてる人を運動場の場所に放し、魔法で当てて楽しむ施設って事なのか?

 犯罪者だけを処刑するだけなら、そんなに怒らない気がするんだけど・・・まだ何かあるのか?

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