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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第205話 賭場(1)

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 賭場が立っただけでなんでこんなに慌ててるんだ? 借金で首が回らないとかか?

 いや、まさかなぁ・・・光茸にマジックバッグを独占的に販売してたのに、それはないだろうな。

 じゃあ、何でだ? サッパリ解らん・・・

 賭場に案内してもらいながら、色々考える・・・ここは聞いた方が早いか。


「すみません、ミルッフルさん。 何でそんなに慌ててるんですか? パルメントさんも慌ててたみたいですし、賭場が立つと何か危ないんですか?」


「え? あ、はい。 すみません、知らない間に焦っていたみたいで」


「それは構いませんが、理由を話してもらえませんか?」


「これは我々エルフの(ぎゅるるぅぅ)・・・」

 ミルッフルさんは、そこまで言うとお腹が盛大に鳴った。


 全員の足が止まり、静寂が訪れる・・・数秒後、俺達3人は笑ってしまった。


「はっはっは・・・あ、すみません。 笑うつもりは無かったんですけど」


 ミルッフルさんは、下を向いてしまった。


「お腹が鳴るくらい焦っていたようですね。 パルメントさんに頼まれて作ったサンドイッチがありますので、少し食べて下さい」


 籠のお弁当箱に入ったサンドイッチを目の前に出す。

 チラチラと弁当箱を見てから、受け取り小さい声でありがとうと言われた。

 マジックボックスからベンチを出して座ってもらい食事をする。

 テーブルは道の真ん中の為出すのは止めた。


「美味しい・・・パルメント様が言ってた通りだ」


「口に合ってよかったですよ。 食べ終わってからで良いので、何でそんなに焦ってるのか教えて貰って良いですか? もちろん、言える事だけで良いので」


「はい、解りました」


 うん、料理の効果は絶大だな。 色々聞かせてもらおう。

 程の無く食事が終わり、移動中に話してくっることになった。


「簡単に言うと、賭場を経営している商隊に借金があります。 食料や生活雑貨も今ではツケで清算してるほど、この里にはお金がありません」


「え? でも、光茸とマジックバッグの清算で潤ってるんじゃないんですか? 両方とも凄い高かったですよね?」


「はい、かなりの値段で取引されてると聞いていますが、ほとんど賭場に費やしてしまっているので光茸も借金の利子として持っていかれてしまっています」


「じゃあ、ちゃんとした値段で買ってもらってないのか。 借金の総額は分かる?」


「たしか、前までの借金で紅金貨2枚だったと思います。 しかし、賭場が開いて数日経っているので現在の借金がいくらかは分かりません」


「もしかして、賭場が立ったのっていつもより早いとかそういう事ある?」


「ええ、いつもは初夏の頃に来るはずなんですよね。 何があったんでしょう?」


 あぁ、こりゃ思ったよりもまずいな・・・商隊の人達は新薬の存在を知っていて、落としに来てると考えた方が良さそうだ。

 その場合、最低でも紅金貨4枚ほどの借金になって要るだろうな・・・今の手持ちは紅金貨3枚か。

 お金を貸したとしても足らないか・・・何でこの国には冒険者ギルドがないのかねぇ。

 あれば引き出す事が出来たのに・・・

 憶測で考えても意味はないか、商隊とやらを見てから考えよう。


 そうこうしていると賭場に到着した。 賭場は朝早いと言うのに大賑わいだった。

 どのようなギャンブルがあるかを確認すると、ブラックジャック、ポーカー、ダイス、ボードゲーム、オセロ、ビンゴ等々、様々なテーブルが用意してあった。


「ここからは私達だけで大丈夫です。 気になる事があるようですし、先に行って下さい」

 俺がそう言うと、ミルッフルさんは驚いた表情をしたがすぐに奥の方へと消えていった。


「さて、2人に聞きたいんだけど、お金いくら持ってる?」


「私は、金貨2枚くらいです」 「同じくです」

 2人はサイフを確認して言う。


「金貨2枚ずつか・・・足らないかな」


「え? もしかして、エルフの借金の肩代わりしようと思ってるんですか?」


「そういう訳じゃないけど、たぶんお金を貸してほしいと言われる気がするんだよね」


「なるほど、カナタさんはいくら持ってるんですか?」


「紅金貨3枚と大金貨4枚くらい」


「え? 何でそんなに持ってるんですか!? 落としたらどうするんですか!」


「いや、俺マジックボックスにサイフが入っているし大丈夫でしょ」


「落とさないように気を付けて下さいね」


「うん、解ってる。 折角だし見て回ろうか」


 賭場の中を見て回る・・・かなりの賑わいだ。

 皆熱狂して叫んだりしている・・・1番活気があるのはポーカーか。

 ポーカーは、ブラフが使えるからまぁまぁ得意な部類なんだよねぇ・・・でも、マージャンがないのか。

 マージャンを教えたら、流行るかも知れないな。

 しかし、ディーラー達の服はローブの様な服だな・・・燕尾服のような物はないのか?


「え? 座るのにお金かかるんですか?」

 コノミちゃんの声が少し遠くで聞こえる。


 キョロキョロ辺りを見渡すと、ミズキさんとコノミちゃんがブラックジャックの席に座ろうとして止められていた。


「こちらの席にお座りの場合、場代として銀貨1枚頂きます。 場を立つ場合は席のキープが30分出来ます。 30分経った後に戻られた場合は、もう1度銀貨が必要になります」


「そんなぁ・・・ミズキちゃん、諦めましょうか」

 コノミちゃんの問いかけに、ミズキさんは頷く。


「2人とも残念だったね」


「はい・・・1度やって見たかったんですが・・・」


「じゃあ、やってみる? ここのブラックジャックなら必勝法があるし」


「え? イカサマをするとかですか?」


「いや、カードに触らないしイカサマでもないよ。 やってみる?」


「なんか怖いですが、やってみます」


「よろしい。 じゃあ、詳しく説明するね・・・


 まず、ブラックジャックに使われているカードのセット数は3セット全部を配り終わるまでシャッフルはしない。

 ダブルやスプリット、インシュアランスとかあるけど、今回は省くね・・・とにかく21を目指してね。

 そして、このゲームではローカルルールのファイブカードが採用されている・・・しかも、ディーラーのブラックジャックよりも強いみたい・・・さっきおっさんが勝ってる所見たし。


 そして、場の観察が出来る・・・これが1番ありがたい。

 場を観察して、カウンティングをしてもらう・・・と言っても出たカード全部覚えるのは大変だから、足し算と引き算をしてもらう。

 1~5が出たときは+1、6~9は0、10以上はー1として計算してマイナスになればなるほど、俺達に有利になるからお金をかけて後は運あるのみ」

(実際のカウンティングの方法と違います。 今回用にアレンジされてます)


「解りました。 やってみます」


「待って、お小遣い渡しておくよ」

 俺は2人に大金貨を1枚ずつ渡す。


「こんなに!? 貰えませんよ!」


「さっきも言ったけど、エルフに貸すかも知れないからしっかり稼いで来てね」


 コノミちゃんはビクビクしながらミズキさんを連れていった。

 

 さて、エルフを落としいれようとするなら、大きな借金を背負わせるのが1番なはずだし、イカサマ等をやっていないか観察していきますか。

 キョロキョロしながら賭場の中を見て回る・・・端から見ると変な人だろう。

 イカサマが行われているのは、ダイス、ポーカーの2つだった。

 ダイスは、お馴染みのダイスを交換するイカサマ、ポーカーも1番上のカードを自分に配ると見せかけて下のカードを配る王道のイカサマ。


 折角だし、ブタでも勝てるポーカーを少しやろう。

 何回くらいイカサマをしているのか気になるし、イカサマをして貰ってるのが商隊の偉い人に見えるしね。

 周りのエルフのおさ達は、少しいやそうな顔をしていたが気にせずゲームを続ける。


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