第203話 ゴーレム作成
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今日は、少し踏み込み過ぎてパルメントさんを怒らせちゃったなぁ・・・夕食の餃子を包みながら、ゆっくり考える。
パルメントさんの友人達が、魔物に殺された事があるんだろうし気を使うべきだったな。
お昼にも話しをすることが出来たし、色々聞けたから今後気を付けよう。
それにしても、魔物ってなんなんだろう? 現実に現れたら何をしたくて現れたのか本当に解らない生き物だな・・・というか、そもそも生き物なのかどうかすら怪しい。
やはり、色々な星からの移民がこの星の住人と言ってたし、緊急の為の食料と考えるのが一番しっくり来る。
いきなり大人数が未開の惑星に来たら食糧難に陥るのは分かりきっているし、食べられる動物の乱獲もあっただろうし・・・
しかし、ナノマシンを作れる位の技術と原初の魔法と呼ばれる魔法があったか・・・それなら食糧難に陥ってなかったとも考えられる。
俺の想像力じゃ正解を想像する事すら難しいだろうな。
あとは、ナノマシン・・・危ないからリミッターを付けるのは解る。
だが、100を越えるとブースターになるってのはどういう事だ? そんな物作れるのか?
上限無く力を与えてくれる物・・・それを作れるとしたら・・・いやいや、ありえない想像は止めよう。
Lv100を越えたら協会に行かなくても勝手に上がるらしいから便利だよなぁ。
そしてナノマシンに適応しているのは、管理神であるハーフエレメンタル族のDNAを何らかの形で有した者のみ・・・
昔に地球に来てくれていなければ、俺達は適応出来ずに死んでいた可能性があるって事か・・・昔の人、ありがとぉう。
餃子が包み終わり、ホットプレートの準備をして皆を呼びに行く。
「餃子の準備出来ましたよ~。 晩御飯にしましょ~」
「おお! 待ちに待った餃子だな。 早速行こう」
パルメントさんはそう言うと、部屋を出ていった。
「どう? 2人は、何かつかめそう?」
「全然です・・・何をどうやったら良いのかサッパリ解りません。 ミズキちゃんは何か解りました?」
コノミちゃんは、両手を広げやれやれと言うような形で首を振る
「いえ」
ミズキさんは、少し落ち込んだ雰囲気で首を振る。
「そっか、何か切っ掛けがあればすぐに覚えられると思うから頑張って」
その後は夕食を楽しく食べ解散となった。
コアは結局見つからないので、明日は午前中はコア探し午後はゴーレムについて講義をして貰う予定だ。
ゴーレム・・・アンドロイドの様に使える物なのか、全く別の何かなのか。
早く教えてもらいたいなぁ・・・楽しみだなぁ。
次の日も雨だったため貸家の中でのコア探しをして、午後からゴーレムの講義を聞くために木工師のジリコテさんの工房へ。
ゴーレムって錬金じゃないのか? ウッドゴーレムが1番作りやすいとかそう言うのか?
少しの疑問を感じつつ工房へ。
工房に入るとジリコテさんに挨拶をして、早速講義を開始してもらった。
多くの弟子を持つジリコテさんの講義は、とても解り難かった・・・
だって、擬音が多くて何を言ってるのかさっぱり・・・ただ、色々と有益な事を聞けた。
トレントの木材を骨格にしてゴーレムは作られているという事。
これは、魔力を直接魔法陣に流し木材自体を筋肉や骨のようにするためだそうだ・・・だが、1本の木材が何故筋肉と骨に別れるのだろう?
質問したら、そう言う物だからと返された・・・何故疑問に思わないのだろう。
もちろん木材じゃなくても出来るのだが、ミスリル以上の金属と超高度な精密な加工技術、もしくは4級以上の魔物の骨と筋・魔道神経等が必要、両者とも素材自体に特殊な加工をするのと魔法陣が超複雑な事もあり最近は余り主流ではないらしい。
ただ、金属や魔物の素材のゴーレムの方が強く器用で頭の良い物が出来るそうだ。
そう考えると一長一短ある者なのだろう。
そうそう、ゴーレムはやはり人型が多いとの事・・・二足歩行がどれだけ大変なのかじっくり話してやりたいが、便利なので良しとしよう。
人族の国やこの里でもゴーレムは労働力になっているようだ・・・しかし、普通のトレントの素材では力が足りないので雑草採りや作物の虫取りに従事しているらしい。
そう考えると奴隷等要らなくなりそうなものなのだが、要らなくなったりはしないとのことだった。
弱いゴーレムを1日動かすだけでも、平均的な人族の魔力の60%ほど使ってしまうらしい。
そう考えると、お金で奴隷を買った方が安上がりだとも言える。
そして、ゴーレム技術が1番進んでいるのが人族の国らしい・・・余り他国の情報を持っていないここでは、なんと言う国なのかは分からなかったが調べて是非とも行ってみたい。
アンドロイドを作りたいと言っていたケイタ君も、是非連れて行ってあげたい。
そうすれば、リアルなアンドロイドが出来る気がする・・・通信機のプログラムを1から組んだ天才だしね。
そんな事をふと考えたときにジリコテさんから課題が出される。
「早速だが、ゴーレムを作ってみて欲しい。 大きさは、1㎥以内で頼む。 もちろん失敗しても構わない。 トレントの素材もダンジョンに行けばいくらでも手に入るから安心してくれ。 期限について特に設けないが、遅すぎると課題を出したことを忘れる可能性があるので注意してくれ。 質問は随時受け付けるからな」
課題と言うよりも実践的な試験と言うところか・・・それならば、ボールジョイントを作成してみたい。
だが、俺には知識がない。 ステアリングのタイロットエンド部分に使われている事は知っているが、ゴムで覆われていたし壊れたらASSY(アッシー:部品単体じゃ無くて、構成部品全部のユニット)での交換だったからな・・・
ボールジョイントの関節の知識があるとすれば、コノミちゃんだろう。
「すみません、3人で一緒に作っても良いんですか?」
「それは構わないが、1人が何もしていないとかそういう事がないようにしてくれよ」
「それは大丈夫です。 ちょっと作ってみたい物があるので」
その後3人が集まり、ボールジョイントについて話す。
現在のゴーレムは昔の人形のように一方向にしか関節が動かない、ボールジョイントである程度自由に動かせるようになれば様々なところで使えるようになるだろう。
「ボールジョイントって何ですか? あぁ、関節の事ですか。 ボールで出来ているのは見た事ありますが、作り方までは解りませんよ」
コノミちゃんが俺の質問に答えてくれた。
「そうなると、タクミ君くらいしか知らないかな」
「ケイタさんはどうですか? アンドロイドを作りたいと言ってましたし、そういう技術系に詳しいんじゃないですか?」
「あぁ、そう言えばそうだった。 じゃあ、今回は普通に作れば良いかな。 3人別々で作ろうか」
「もちろんです! 3人で思うままに作りましょう!」
コノミちゃんが、嬉しそうに言う。
ミズキさんの方を見ると、1度だけ頷いた。
3人が思い思いにゴーレムを作る事になった。
ここで1つ問題が・・・どんなゴーレムを作るべきなのかサッパリ思いつかない・・・
いや、待てよ・・・人型や獣型に拘る必要はない、俺の知識にあるものの中でゴーレムにしやすい物を作れば良いんだ。
俺の中で知識が深い物なんて1つしかない・・・車だ。
車と言っても、今回作るのはバギーの50ccクラスの物だ。
ゆくゆくはちゃんと作ろうと思っていた物だし試作をするにはちょうど良いかもしれないな。
よし、では設計をゴーレム用に書き換えよう。
足周りは、試作品の魔法モーター内蔵のタイヤ、ブレーキはモーターでも出来るが、ワイヤー式も一緒に組み込んで・・・




