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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第200話 山菜採り

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 出発すると、すぐにトレントを発見した。

 確かに発見が難しかった・・・が、遠距離での発見が難しいだけで10mほどに近づけば赤い点がはっきりと現れるようだ。

 10mより前でもたまに動き赤い点が出てるので、索敵のレーダーを必死に見れば遠くにいても発見できそうだ。


 倒したトレントの素材は選別しないでマジックボックスに入れる・・・マジックボックスの容量を気にされたが、余裕があると言ったら少し驚かれた。

 そんなこんなで、山菜の群生地へ到着した。

 まず、山菜を食べようとしているゴブリンの討伐、ゴブリンを食べる為に集まったオークの討伐、オークを食べるために集まったその他の魔物の討伐・・・山菜を採るよりも魔物の討伐の方が面倒だな。


「強いってのは解ってたが、これほど強いとはな・・・魔法も凄かったが、投げナイフで的確に倒したり、死角をとって頭だけを切り落としてていく奴なんて初めて見たぞ」

 パルメントさんは、呆れたような顔をして言う。


「投げナイフは得意なんですよ。 遠距離命中のギフトを持ってますし・・・投げナイフの位置取りが出来ない魔物は、こっそり近づいて切るだけなので」


「それが異常なんだがな・・・まぁいい、早速だが山菜を採取するとしよう」


「了解しました。 早速捜してみます」


 2人を呼び、山菜の絵と注意事項をかいた山菜ノートと採取用のハサミ、背負いかごを渡す。

 山菜は、毒草と間違えやすかったりかぶれたりするのでちゃんと手袋をして作業する様に言う。

 最終的には俺のところへ持ってきてもらって、毒がないかどうか調べるので大丈夫だろう。

 3人バラバラに別れて採取スタート・・・


 日の辺りが良い山道って事は、タラの目があるかも! そう思い周りを確認する。

 タラの目発見! 幸先いいね・・・一応、山菜ノートの注意点を確認してから採取する。

 魔法があるので急な斜面の山菜もなんなく採取していく・・・そんな時に、通信機にメールが届いた。

 なんだろう? 何かあったのかな? メールはケイタ君からの物だった。

 メールの文面を確認する・・・


【お疲れ様です。 こちらは色々ゴタゴタしたので、今からラスーリ国に出発します。 僕とアカネさんもラスーリ国に行くことになったので、ショウマ、タクミ、アヤコさんが王都にいます。 以上報告でした】


 定期連絡か何かか? というか、ゴタゴタって何さ? 気になるなぁ・・・

 俺に何も言ってこないって事は、自分達で解決したって事だろうし任せるしかないんだけどね。

 通信機で【了解です。 困った事があったら相談してね。 いってらっしゃい】と返信しておく。

 通信機をしまい、山菜取りを再開する。


 お昼になり、1度休憩しお昼を一緒にとる事に・・・その前に採った物の確認をする。

 思った通りヤマウルシとトリカブトが混ざっているし、フキノトウの根も混じっちゃってる・・・他にも毒草も混ざっている。

 毒草や漆は何かに使えるかも知れないので種類ごとに小さい木箱に入れ、間違えないように名前を書いておく。

 2人に毒草等が混ざっていたことを言って、魔法で浄化して水で流すように言う。


 お昼は何にするかを考える・・・マジックボックスにある物でも良いのだが、折角だし外で何かを作りたい。

 色々考えたが、時間がかかりすぎるので止めておこう。

 屋根だけのテントとタープ、アルミ製の机と椅子を出し、小さい焚き火を炊き中に虫避けと魔物避けの香を入れているとパルメントさんとダークエルフの2人が近づいてきた。


「コホン、お昼ご飯は何を出してくれるのかな?」

 パルメントさんは、意味不明な咳払いをすると席に座る。


「何にしようか悩んでるんですよ。 オークを倒したので、オークの肉を使う料理でも作ろうと思ったんですが時間がかかりすぎるので駄目なんですよね」


「天ぷらは駄目なのか? 山菜も取った事だしな」


「天ぷらはすぐには出来ませんね。 俺も山菜を食べたいんですが、灰汁抜きとかもしなきゃいけないんで今回は無理ですね」


「じゃあ、肉料理が食べたい! 何かないか?」


「それは良いですけど、報酬を要求しますよ?」


「ぬぅ・・・何が欲しいんだ?」


「私達の知らない情報と、採った山菜を下さい。 くれるのであれば、居る間の食事を提供しても良いですよ」


「山菜は最初から渡すつもりだったが、情報か・・・何が聞きたいんだ?」


「この世界について・・・漠然としていますが、私どもは知らない事が多すぎる」


「そうか・・・では、明日以降に話しをするとしよう」


「ありがとうございます。 折角の外なので、サンドイッチでも食べましょうか」


「それは肉か? 何となくだが、違う気がするんだが・・・」


「ロースとビーフ、ハム、ロースカツなどのお肉が入っている物もありますよ。 スープはコーンスープとトマトと卵のスープとオニオンベーコンスープがあるので好きな物を言って下さい」


「全部を少しずつってのは駄目なのか? 全部知らないからな」


「じゃあ、味見をしてから決めて下さい。 御付の2人も座って下さい」


 いきなり声をかけたからなのか、ダークエルフの2人は驚いた顔をして顔を見合わせる。


「え? あの、我々も良いのですか?」


「いいですよ。 まずは、手を洗って下さいね。 ほら、パルメントさんも洗ってきて下さい」


 パルメントさんは「え~」と言いながらも、御付の人2人と手を洗いに行ってくれた。

 その間に、サンドイッチを出して種類ごとに大皿に並べていく。

 コノミちゃんとミズキさんのリクエストのスープをよそう。

 パルメントさん達には、鍋の中を1度確認してもらい3種類を味見して飲むスープを決めてもらう。

 だが、結局決まらずリクエストをしてもらう事にする。

 食事が進み、お腹いっぱいになって来た時に話しを振る。


「そういえば、何故ダークエルフの方が護衛に?」


「ん? 言ってなかったか? 俺はダークエルフとエルフのハーフだ。 得意属性は無だから、エルフの肌とダークエルフの銀髪なんだ」


「やはり得意属性で髪色とか変わるんですか?」


「だいたいはそうだが、目の色素という事もあるから全部そうだとは限らんな」


「そうなんですか~。 見た目じゃ判断出来ない可能性が高いって事ですね」


「そうなるな・・・もっと食べたいが、お腹いっぱいになってしまった。 あぁ、勿体無い!」


「いや、まだありますのでいつでも食べれますから・・・あと、エレメントマジックってやっぱり人族じゃ覚えられないんですか?」


「ん? 覚えられるぞ? ただ、人族だとエレメントコアを見つけるのが非常に大変なだけで」


 その言葉を聞いたミズキさんが、驚愕の顔をしてワナワナしている。


「じゃあ、それも教えてもらって良いですか?」


「別に構わないが・・・革や魔物の素材じゃない服はあるか?」


「はい、植物の繊維で出来た服がありますけど必要なんですか?」


「ああ、人族には見つけにくいと言っただろ? 五感全て使って捜してもらうために必要なんだ」


「了解しました。 明日から世界の勉強と魔法の勉強をお願いします」


「あいよ。 その代わり料理を頼むぞ」


「それは、もちろんです」


 その後、夕方に戻るのだが折角だし外で料理を作る事にした・・・山菜取りは皆にお任せ。

 ダークエルフの御付の人にも渡しやすい焼き豚を作る。

 なんたって憧れのダッチオーブンを作ってもらったんだし活用しなきゃ。

 ルンルン気分で調理開始・・・まずはさっき狩ったオークの血抜きから・・・


 調理も終わり、皆の山菜採りも終わって帰宅する。

 帰宅したときに、お付のダークエルフに切っていない焼き豚を1本と卵4個をアルミホイルで包んだ物をお土産として渡す。

 パルメントさんと俺達は貸家に行き、今日作った焼き豚と卵を乗せたラーメンを食べた。


 やはり一緒に食事すると、仲良くなるのが早いなぁ。

 

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