第199話 3D魔法陣の危険性
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3D魔法陣が広まったときの危険性を話す。
「まずは、自分達が作れるかどうか精査される。 作れないと解ったら、俺達を捕らえにかかる事が予想されるよね?」
「え? でも、返り討ちに出来るんじゃないですか? 私達と戦えるのはフランちゃんくらい強くないと駄目ですし」
「魔法も身体能力も使えば、俺達なら1対多数でも勝てるだろうね。 だからこそ搦め手を使う。 まずは毒等の薬品類で拉致する事が考えられる。 もう1つは人質。 農奴の子供が1人捕らわれただけで、俺達の力は半減どころじゃないでしょ?」
「うわぁ・・・そこまでやりますか?」
「やるだろうね。 このリップスティックの大きさで、平面に描いた魔法陣4㎡クラスでしょ? 異常とも言える技術だよ」
「でも、魔力の消費が大きくて私達以外使えないはずですよね?」
「オリハルコンがどの程度の性能か解らないから何とも言えないよ。 もしかすると、知っている物以外にも良い金属とかあるかも知れないし」
「まぁそうですね。 今度こそ、了解しました。 技術は、この世界の人に教えてもらった物以外教えないです」
話し合いが終わり、シャワーに入り先に寝ることにした。
疲れていないと思ったのだが、思いのほか疲れていたようですぐに寝てしまった。
次の日の朝、いつもより少し早く起き鍛錬をしている・・・木の陰にスートーグさんが来ていた。
何で木の陰にいるんだろう? 普通に話しかけてくれば良いのに・・・話しかけないって事は何かしら理由があるんだろう。
そう思い、素振り1000本を魔鉄製の練習武器の数だけこなす・・・素振りと言っても、ただ振るだけではなくフェイントを混ぜたり蹴りを混ぜたり回避してみたりしながら行う。
ゆっくりとだが、ギャラリーが増えていく・・・皆何がしたいんだ? 見取り稽古でもしてるのか?
最後の武器のナイフを取り出したときに、通信機で連絡が来る。
「もしもし、カナタさん? すみませんが、戻って下さい。 パルメントさんが朝食を食べに来ちゃいました」
「え? また? 置いてった食事の量だと足らなそう?」
「はい、確実に無理です。 あと、天ぷらが食べてみたいようです」
「天ぷらか。 了解、今戻るよ」
今日の朝ご飯はザルうどんで、天ぷらは付けてなかった。
揚げ玉と葱を置いてったので、コノミちゃんかミズキさんが揚げ玉の事を聞かれて喋ったのだろう。
うどんも天ぷらも物凄く多く持っているので良いが、そろそろ食材も捜したいところだな。
特にキノコ関係が多く栽培されてると聞くし、食べられるキノコの魔物がいるとも聞いている。
キノコは干すと出汁が出るし非常に欲しい。
今回のうどんのつけ汁も、小魚の干物とどんこ椎茸で取った物だ・・・昆布が少ない俺達には干すと出汁の出るキノコはうってつけの食材だ。
昆布は売ってない訳じゃないが、食べる人が非常に少ないため出回っていないし高い。
それでも行商人が持っていたら買っていた・・・が、すぐに無くなってしまう。
ダンジョン都市のダンジョンには海があり、昆布が生えてるらしいのでエルフの里から戻ったら皆で行こうかと話している。
その前になんとしても、マジックバックを作れるようになりたい。
貸家に戻り、野菜の天ぷらとエクビス(ザリガニ)の天ぷら、リュシール(鯰)の天ぷらを出し結構豪華な朝ご飯となった。
その時に、キノコの話しをするとキノコを持って来てくれる事になった。
「そうそう、山菜ってのは食べるか? 今の時期が1番美味しいらしいが」
「はい、食べますよ? パルメントさんは食べないんですか?」
「あぁ、お浸しばかりになるから余り好きにはなれないんだ。 採りに行きたいのなら群生地へ案内する事は出来るぞ」
「パルメントさん、山菜は天ぷらにも出来ますよ? 灰汁抜きしないと食べられ無い物が多いですが」
「ほぉ、天ぷらに出来るのか。 ならば、今から採りに行くか? スキルについての説明は終わったし、おまえ達にはスキルの使い方をレクチャーする必要もないしな」
「解りました。 ここら辺の魔物はどんなのがいるんですか?」
「オーク、ゴブリン、トレントだ。 気を付けるべきなのはトレントだな。 ギフトの索敵が効かない事があるほど隠伏に長けている」
「そうなんですか。 だから、この里の近くには魔物がいないように感じたんですね?」
「いや、それは間違っていない。 週に2回ほどは魔引きをしているし、魔物の発生を抑える魔道具の効果だろう」
「魔物の発生を抑える魔道具? そんな物があるんですか?」
「ああ、魔物ってのは集まった魔素が固まった物だ。 魔素を固まりにくくする魔道具は大小あるが街に1つはあるはずだ。 無くても、人が集まったところに魔物はPOPしない様になっているようだがな」
「それなら、その魔道具で世界中を覆えば・・・」
「駄目だった・・・それはもう試したようだ。 結果だけを言うと、多種なドラゴンや1級を超える魔物が多く生まれたのはその時だという事だ」
「固まらないようにした魔素が何処かに多く集まってしまったという事ですか?」
「そう言う事だな。 勇者の物語に出てくる倒せぬ魔物、10万を越える人が死に・・・ってのは、その時出た最強の魔物だ」
「はぁ、そんな事があったんですね。 でも、その魔物が暴れだしたらやばいんじゃないですか?」
「そこは大丈夫だ。 龍神皇国の海竜ダンジョンの最後のボスとして縛られている。 その所為で、魔王を倒した勇者以降攻略した者が居なくなってしまったんだがな」
「ダンジョンのボスに後付けで入れられたんですか・・・どうやったんでしょうね?」
「神の中の最高位の巫女神様がやってくれたようだ。 詳しくは解らん」
「なるほど、海竜ダンジョンをクリアすれば良い物が出そうですね」
「クリア出来ればな・・・魔物はそんなに出ないが準備をしっかりして、里の入り口に来てくれ」
パルメントさんと別れ、装備を整えていく・・・と言っても、鎧だと採取がし難いから、戦闘がしやすく動き易い格好に着替える。
俺の格好は、ワイバーンのインナー、ツナギにベルト、帽子を被っている・・・ベルトにはマチェットナイフ、マジックボックスを付けている。
コノミちゃんは、ワイバーンのインナー、灰色のパーカーにクリーム色っぽいミニ丈のチュールスカート(レースのスカート)、小さめにリュックと帽子を被っている。
ミズキさんも、ワイバーンのインナー、黒のパーカーに黒いミニ丈のチュールスカート、小さめのリュック帽子だ。
2人とも色違いだが同じ物出来た・・・双子コーデって奴だろう。
「2人とも、物凄く可愛いんだけどスカートだと枝とかに引っかかるから着替えた方が良くない?」
「え? そうですか? 枝に引っかかったら枝を切っちゃえば良いんじゃないですか?」
「それはそうなんだけどさ・・・大丈夫?」
「大丈夫ですよ! スカートじゃなくて中はパンツですから」
ワイバーンのインナー着てるんだしパンチラの心配ではないんだが・・・
「それなら良いけど・・・その格好で武器ってつけられる?」
「投げナイフくらいなら何とか・・・戦闘になったら、守って下さいね」
「はいはい、じゃあ遅くなっちゃうし出発しようか」
里の入り口に着くと数名のダークエルフとパルメントさんがいた。
あれ? ダークエルフってエルフと仲が悪いって言うことはないのかな?
知ってる物語も創作なんだし、完全に同じじゃないのだろう。
「お待たせしました。遅くなってすみません」
「いや、良いんだが・・・2人は大丈夫か? かなり可愛いとは思うんだが・・・」
まぁそう思うよね・・・俺もそう思うんだけど、本人達が大丈夫だって言ってるし・・・
「何とかなるんじゃないですか? 戦闘だけなら1人で何とかなりますし」
「そう言うなら良いが・・・では、出発しよう」