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努力の実る世界  作者: 選択機
第3章 エルフ編
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第191話 出発準備

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 冬を越えて雪が溶け始めた頃、エルフの国に行く準備をしていた。

 外はまだ朝日が昇っておらず、白みがかってきてはいる・・・俺達は忙しく動いていた。

 マジックボックスの容量を増やし、食事をどんどんしまっていく・・・食事がドンドン出されていくのを見ると大食いの番組を思い出す。

 スープ系は大きな鍋で大量に作り、小さい鍋に移し替えしまっていく。

 大きな鍋のままだと、外に出している時にゆっくり冷めてしまう・・・魔物がいるこの世界では、火がいつでも使えるという訳でない。

 魔物に襲われても返り撃ちにすれば良いだけなのだが、いちいち倒しているとゆっくり休めない。


 出来る限り取り出しすぐに食べられるようにしておく・・・が、食器等を大量に入れるのは容量の無駄なので避けたい。

 なのでアルミホイルに1人前ずつ包んである。

 このアルミホイルは、アルミホイルの構造を再現した物だ・・・実際に作るためにアルミのインゴットを伸ばしてみたが、全く違う物が出来てしまった。

 すぐにボロボロになってしまう・・・少し厚い物なら作れ無くはないが、日本から持ってきたアルミのような物は作れなかった。

 小さい事だが、自分達の知識は偏りがある事が分かる・・・日本に帰ったら、ネットで調べよう。

 アルミホイルもそうだが、食品保存ラップも作り方を見ておかないとな・・・


 着替え等は、革細工でキャリーケースを作り入れている・・・マジックボックスは混ざって出てくる事がないのだが、ケースに入れていた方が何かと便利だからそうしている。

 鎧や武器等はそのまま入れてあるが、自分以外使えないので特に問題はないだろう。


 今回のエルフの国に行くのは、俺とミズキさん、コノミちゃんの3人・・・予定通りの3人だ。

 コノミちゃんは、エルフの国に行くかどうか最後まで悩んだようだが、行く事に決めたらしい。

 コノミちゃんが行くのかどうか悩んだ理由は腐教活動だろう・・・本当に個人的な趣味に留めておいて欲しかった・・・

 最近、農奴の奥さんや平民の奥さん、貴族の婦女の皆さんに少しずつ広まっている・・・一応、直接的な表現の物は禁止し、プラトニック? の物だけにしている。

 それでも禁止した物は、少なからず広まっている・・・猫のオモチや俺、男の有志の監視の目から逃れるなんて侮れない。


 俺達3人は、リョウタロウさんグループより先にエルフの国へ出発することになっている。

 サミル姫からの依頼でラスーリ王国に向かうグループは、ラスーリ王国より迎えが来てから出発するらしい。

 ラスーリ王国の米が、どんな風に生えているのかも気になるがエルフの国はもっと気になる。

 前に来たエルフは男ばかりだったから女のエルフを見たい! やっぱり緑のワンピース着ているのかな?

 今から楽しみだ。


「カナタ! ぽーとしてるだけなら手伝え! 何かあったときのために調味料も同時に作った方がいいと言ったのはカナタだろ!」


「は~い。 じゃあ、麦芽糖を作るのと煮ている大豆を見てますね」


「ああ、たのむ。 アカネ、今火にかけている物の調理は、余熱調理でいいから保温箱に綺麗に入れてってくれ。 それが終わったら、このグラタンを盛りつけてオーブンに入れてくれ」


「えぇ~、まだやるの~? もう十分じゃないの?」


「花嫁修業だとでも思ってくれ! あとは、出来るだけ多く作っておけば楽が出来るだろう? セードルフ! 生ゴミをトイレに入れて肥料に変えておいてくれ!」


 タダシさんは、野菜を切りながら皆に指示を出す・・・俺は、1番楽な鍋かき回し係となった。

 鍋をかき回しているとアカネちゃんがこちらを睨んできたので、思いっきりの笑顔で右手の親指を立てる。

 物凄い不機嫌そうな顔をしているが、気にしない。

 そう思っていると、何故か調理に携わっている桜食堂の子供達が中に入ってきた。


「カナタ様、焦がさないように混ぜるだけなら私がやります。 カナタ様は、タダシ先生の手伝いをして下さい」


 え? いや、俺はかき混ぜ係でいいんですけど・・・そう思ったが、木ベラを取られてしまった。

 仕方がないので、ホットプレートのような物を取り出しフラワートルティーヤ(小麦粉で作ったトルティーヤ)を作り始める。

 トルティーヤを焼いてる間にディップソースを作る。

 クルミソース(クルミをすり鉢ですり潰し、砂糖、味噌、味醂を入れた物)、クリームチーズソース(クリームチーズ、マヨネーズ、バジルを入れた物)、ミートソースなどを作る。

 甘いソースは、基本ジャムでいいと思い作っていない。

 全部焼き終わる前に、朝練の時間になり俺とリョウタロウの2人で手分けをして作りかけの物をしまう。


 今日はいつにも増して冒険者の数が多かった・・・雪解けで冒険者家業が再開されるからだろう。

 冬の間に手合わせに来た猛者達は、全員ショウマ君に手も足も出ずにやられ今では生徒と一緒に汗を流している。

 慢性的な人材不足は未だに解決していないが、春になれば職を求めて移住してくる人も増えるだろう。

 サクラ商店やサクラ食堂は、セードルフとゴラントの奥さんのネリウムに任せてるから大丈夫なはずだ。

 失敗してもお金が減る程度だし構わないだろう。

 生徒達と一部の大人が勉学に励んでいる時に、料理を再開する。


 現在料理をしているのは、ソメイヨシノの女性全員とタダシさん、リョウタロウさん、俺の9人だ。

 子供達やメイドと執事の全員がいなくなるとずいぶんと静かなもんだな・・・そんな風に思いながら調理している。

 そんな時に訪問を知らせるベルがなりアヤコさんが小走りで玄関へ向かう。

 訪問して来たのは、王城の料理長と数人の料理人だった。


「おお! いい時に来てくれた。 調理を手伝ってくれ」

 タダシさんがそう言うと、指示を出しそれに習って料理人が動く・・・


 生徒用の給食を作る人手が来たので、女性陣は菓子パンやお菓子作りに移行した・・・というか、いつもより素早く移動した様に見える。

 もしかすると、作る方でもデザートは別腹なのかも知れない。

 来てくれた料理人達は生徒達よりも手際が良く、ドンドン料理が出来上がっていく。

 一段落したところで料理長が何しに来たのか聞いたが、特に用事はなく普段どのように料理をしているのか見に来ただけの様だ。

 暇なら手伝ってもらうとしよう・・・よし、このペースなら夕方には全部作れそうだな。


 予想通り夕方に食事の調理が終わり、煮込み料理以外マジックボックスにしまう事が出来た。

 明日の朝には、エルフの国への出発なので、全員の骨で出来た装備の点検を念入りに行い早めに寝る事に。

 次の日の朝、タダシさんに挨拶をして煮込み料理をしまい、コノミちゃんの荷物とミズキさんの荷物をしまう。

 朝食を食べ、鎧や武器を装備すると走ってエルフの国の方に走る・・・詳しい地図等はない、簡易的な地図ならあるのだが・・・

 あっているかどうか調べるには森に入るのがいいと言う。

 そうすると、森に入るとエルフが迎えに来てくれるらしい・・・物語の通りだと木の上から弓で狙ってくるはず・・・面白そうだなぁ。

 そんな事を考えて走っていると、コノミちゃんから通信が入る。


「カナタさん! お~い!」


「ごめんごめん、考え事してた。 なんかあった?」


「いえ、エルフってどうやって私達が敵じゃないって認識するんですかね?」


「たぶん、弓をつきつけられながら身分証を出せって脅されるとかじゃない?」


「そんな、山賊じゃないんですから・・・あと、最低でも1週間くらい泊まるんでしたよね?」


「うん、エレメントマジックについても聞いておきなさいってフロフリールさんも言ってたしね」


「じゃあ、長かった場合いつ帰れるか解らないって事ですか?」


「うん、まぁそうなるね・・・まぁ頑張ろう」


 エルフの国がイメージ通りか期待に胸を膨らませて走っていく。

 実家に行って、古いノートを持って来ました。

 使えないかと思ってたんですが、ちゃんと使えました・・・良かったです。

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