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努力の実る世界  作者: 選択機
第2.5章 冬の間の出来事(ウルフローナ編)
227/406

ナリッシュの冒険

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。


今回は、書きたいから書いただけです・・・本編に影響は殆どありません。

 僕達は、追われる魔物からソメイヨシノの皆さんに助けてもらい、その縁で色々教えてもらう事になりました。

 最初に手合わせさせてもらった時、獣人族の僕が人族に身体能力で負けるはずがないと思っていました。

 今考えるとそれが甘かった・・・本当に、異常な強さでした。

 攻撃の正確さ、重さ、速度どれをとっても勝てる見込み等ないほどでした。

 今までも、人族の冒険者を見た事がありましたが段違いの強さです。


 僕達の事を気にかけてくれたのか、鍛えてくれる事になりました。

 最初は「良し! やるぞ!」と思ってたんですが・・・死ぬかと思いました。

 いえ、本当に死ぬかと・・・限界は自分で決めるもんじゃないって、何を言ってるんですか!?

 いや、本当に・・・殺す気ですか、嘘です! それ以上いったら死んじゃいますって・・・

 今思い出しても恐ろしい・・・最初のころは、最後までついて行く事すら出来ませんでした。


 その時、ミミリねぇさんとカナタさんが知り合いだったと知りました。

 しかし、ミミリねぇさんの恋人とかそう言うのではないみたいです。

 かなり仲が良さそうなので、恋人になればいいのに・・・

 いや、僕が考える事じゃないですよね。

 僕は今の自分が出来ることをしなくちゃ・・・2人の事は考えないようにしよう。


 その後、皆で切磋琢磨し続け何とか合格ラインにまで強くなることが出来ました。

 もうすぐ冬ですが、ミミリねぇさんに今年もお世話になるのは気が引けるので迷宮都市に出発しようと、妹のカリッシュと相談し決めました。

 その話しをミリアにすると、一緒について来てくれると言ってくれた・・・けど、本当に良いのかな?

 僕達の旅は貧乏旅と言ってもいいほど・・・

 折角、ソメイヨシノの皆さんに贔屓にして貰って木工所が潤っているのに・・・

 カリッシュにそう言うと、本人には言わないように怒られた・・・何故だ?


 出発する前に狩りに一緒に行き装備まで作ってくれた・・・何から何まで甘えちゃって・・・

 一人前になったら恩返しします・・・そう言うと、俺達本人には返さなくて良いけど困ってる人がいたら自分の命優先で助けてあげて・・・

 そう返されてしまった・・・そうだな、昔の僕らのような思いをしている子供を見つけたら助けてあげよう。


 僕は作ってもらった短槍、棍棒と鎧下、革鎧、外套を装備し、教えてもらいながら作ったラウンドシールドとリュックを背負って門の前に・・・

 カリッシュ、ミリアの3人で出て行く・・・ソメイヨシノの皆さん、一緒に鍛えた農奴だった方等の見送りをうけ出発する。

 馬車のお金を節約する為に徒歩で迷宮都市へ・・・


◇◆


 所々の街に寄りクエストをこなしながら進む。

 旅はおおむね順調・・・だが、桜食堂の料理が恋しくなってきている。

 まだ、出発して1ヶ月も経っていないのに・・・今から帰るのはかっこ悪いし、頑張っていくしかないんだけどさ。

 そんな事を考えながら、迷宮都市に向けて歩いていく・・・そんな時、ミリアが叫ぶ。


「2人とも! 前の方で戦闘音! このまま進む?」


 ミリアの言葉を聞き、僕とカリッシュは頷き合い僕が言う。


「了解! このまま進み、襲われてる方を助けます」


 僕達は、走って戦闘音のする場所にいく・・・こんな時、組み手で使っていた魔法の身体強化があれば楽なのにな・・・

 戦闘音のする場所に近づき遠目から確認すると、冒険者10人位に商人の馬車3台がオークサージェント率いるの集団に襲われていました。

 戦闘は劣勢、何とか大きな怪我をせずに凌いでるといった所のようです。


 オークサージェントの集団か・・・僕達で倒した事は無いけど、1度だけランク6の魔物を倒した事があります・・・それよりは弱いはず。

 でも、ショウマさんが後ろにいないのは不安があるな・・・いや、今はそんな事を考えてるときじゃない。

 移動しながら、装備を確認しリュックを馬車の後ろに纏めておき、馬車に近づき商人に話しかける。


「手助けは必要ですか?」


「ああ、頼む! ちゃんと金は払うから助けてくれ」


「了解しました。 ミリアは右から、カリッシュは左から、僕は1番崩れそうな真ん中に切り込みます」


「はい!」「了解」


 2人は返事をすると走っていきました。

 これだけ人数がいるんですから、囲まれる事はまずないと思うので大丈夫のはずです。

 2人もソメイヨシノの特訓でオーク2匹なら同時に相手をして無傷で勝てるようになっていますしね。

 ですが、戦闘に絶対はないので出来るだけ早く殲滅しよう。


 オークの棍棒を盾で受け流し、短槍を首に突き刺し手首を捻り傷を大きくし抜くと同時に隣にいるオークに盾をぶつけ、同時に別方向から近づくオークに槍を突き刺し捻る。

 盾をぶつけたオークの膝を斜めから踏みつけるように攻撃し、槍を骨に当てないようにしながら首に刺し捻ろうとしたとき目の前に何かが迫っているのが解り、槍を手放し盾を両手で持ちバックステップする。

 バックステップとほぼ同時に盾へ衝撃が伝わってくる。


 危ない危ない・・・ショウマさんの猛攻を受けていなければ、対処出来ないところでした。

 そんな事を考えながら、オークサージェントを見据え腰から棍棒を取り構える。

 少し遠くに飛んだので、周りをちらりと確認する。

 オークは半分以下になり、目の前の1番大きいオークサージェントを倒せば一気に片がつくんでしょうけど・・・僕だけで倒せるんでしょうか?

 出来れば3人で連携したいですが・・・2人も戦闘中ですし、無理っぽいんですよね。


 そんな事を考えたが覚悟を決め、オークサージェントに向かって走り出す。

 オークサージェントは、僕の槍を持ち振り上げ振り下ろしてくる。

 盾を頭上に構え攻撃を何度か受け流し、近づき槍を持つ手首に向けて棍棒を振るう。

 オークサージェントは苦悶の表情をして、少し鳴き声をあげ槍を下に落とし、痛む手首に視線を落とす。

 チャンスと思い膝に向けて棍棒に力を込め斜め上から振り下ろす・・・ボキッと鈍い音がしてオークサージェントは地面に膝をつく。

 膝をついているオークサージェントは、槍を拾おうとする・・・そうはさせまいと、槍を踏み顎に向けて横なぎに棍棒を振るうと、「ブルォォォ」と鳴き仰向けに倒れた。

 棍棒を腰に付け、槍を拾いあげると動かないオークサージェントの首に突き刺し捻り他の生き残ってるオークの殲滅にうつる。


 オーク達の息の根を止めたのを確認していると、助けた冒険者のリーダーっぽい人が話しかけてきた。


「いや~、本当に助かった。 恩に着るよ」


「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」


「俺は紅の爪のリーダー、ベルンティアだ」

 ベルンティアはそう言うと、右手を差し出し握手を求めてきた。


 僕も右手を出して握手をする。


「僕達は・・・パーティ名はありません。 リーダーのナリッシュです。 あっちはカリッシュ僕の妹で、そっちはミリアです」


「そうか、よろしく頼む。 迷宮都市に行くなら一緒に行かないか? 依頼主から少しだが報奨金を出してくれるって言ってたし、オークの素材もそのまま買いとっても良いと言っていたしな」


「え? 本当に良いんですか? こちらとしては願ったり叶ったりですけど」


「お、そうか。 じゃあ、依頼主に話してくるから待ってろ!」


 こうして商隊の護衛をしながら、迷宮都市に向けて進むことになった。

 道中に強さの秘訣とか聞かれても、努力・・・としか答える事が出来なかったりしたが、迷宮都市の現状等を聞く事が出来た。

 元ソメイヨシノのイサオと言う方が入ってる炎蛇は、思ったよりも有名で1位のPTとなっているようだった。

 余り良くない噂も多く聞いたので気をつけようと思う・・・

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