冬の間(5)
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。
予約投稿が上手くいっていなかったようです・・・
☆ カナタと分身
俺は分身を覚える事に成功した。
少し前に覚えた『影』というギフトの進化が『分身』だった。
影というギフトは、存在感のある幻影を作り出す能力だった。
幻影なので触れたり何かを持つことが出来るわけではない・・・だが、鏡がないときには丁度良く、身だしなみチェックを第3者目線で出来る。
幻影の移動は出来るのだが、半径50m程度という事なので身代わりにおいておき攻撃を逸らすのにはいいかも知れない・・・が、今のところ命を狙われているわけではないので使い道がない。
もちろん、全く使えないという訳ではないので、後で育てる事にして放置していた。
しかし、現在は移動する予定もないのでギフトの強化をしている。
色々なギフトを育てているうちに分身になっているのに気がついた。
分身は、かなり使えるギフトだった・・・かなりの数の実験を行ってみた結果を思い出す。
第1に動き、脳内でのコントロールになるので自分で考え行動する事は出来ない。
しかし、コントロール出来る距離は決まっているので余り遠くに行く事は出来ないが斥候と言う意味ではかなりいい感じなのではないだろうか。
第2に視線の共有化、これは文字通り視線を共有出来るという物だ。
自分が見ている視覚に重なって見えてしまうので、自分自身は目を閉じないと気持ち悪くなるので余り使用したいと思わない。
ただし共有出来る五感は視覚のみだった。
触覚や味覚(食事を食べてみたが消えて無くなった模様、どこにいったのかは不明)も感じられなかった。
声を出す事も不可だったので、人形といった所なのかも知れない。
第3にマジックバッグ、分身をしまうときに装備やアイテムを一緒にしまう事が出来る。
マジックバッグとの違いは、大きさではなく重さでしまえる量が変わる。
時間の流れもマジックバッグよりも早いが、現実よりも遅いと言う程度。
部分的に分身をして、アイテムを取り出す事が出来れば武器を戦闘中に変えるという事も可能なのでは無いか?
そう思い練習してみているのだが、部分的に分身を作り出す事は1度も成功していない。
部分的に分身を作り出すのは不可能なのかもしれない・・・一応細々続けよう。
初期の分身の装備は、ボクサーパンツ1枚、これは分身の体と一体化しているようで外す事は出来ない。
一応、死神装備の予備を着させてしまっておく事にした。
第4に分身の強さ、これはデメリットなのかもしれないが分身は本体よりもかなり弱い。
もしかすると10%の強さもないのではないだろうか・・・
第5はギフト、たぶんだが分身はギフトをもっていないし使えない・・・これは確認出来ていない。
ギフト確認用の水晶は分身には使用出来なかった・・・分身が魔力流すようにしてみても結局起動しなかった。
第6に魔法、分身は魔法を使用出来る。
と言っても自身に魔力がある訳ではなく、分身に魔力を入れてあれば使えると言った物だ。
しかも、入れられる魔力量も少なく、土、火、風、水の4属性の魔法を1回使ったら魔力切れになると言う感じだ。
完全に魔力切れになると、ギフト自身が消えてしまうので魔法を使う事は今後ないだろう。
第7に帰還、離れた場所でも帰還が出来るか実験してみたのだが特に問題なく帰還する事が分かった。
もちろん密閉空間に閉じ込めての帰還もしてみたが、問題なく帰還するようだ。
以上が実験で分かった事で、今後も実験をして見ようと思う。
そして、たぶん分身はギフトではなくスキルなのだろう・・・という事は、何らかのデメリットが存在するという事に他ならない。
そのデメリットは、分身が死ぬとゲームのように経験値が減るという事だったりするのかもしれない。
だが、もし経験値ではなく寿命だったりもっと他の物だったりした場合、取り返しが付かなくなる可能性もある。
分身に関しても他のスキルと同じように観察していかなければならないだろう。
☆タクミとケイタと武器の心得 -ケイタ視点-
タクミが持っている武器の心得は、スキルです。
武器に関するギフトは、近接武器、遠距離武器、暗器の3つ、全部の武器に精通するギフト等、聞いた事がないとの事でした。
今の所特にデメリットが出ているわけではないので気にせず使っていたのですが、武器の心得に進化したときについてタクミから相談があった。
「ケイタ、武器の心が心得に上がったんだど、ちょっと気になることがあって一緒に来てもらえないかな?」
「ええ、いいですよ。 鍛冶部屋で良いですか?」
「ううん、門の外まで来て欲しいんだ。 いいかな?」
「解りました。 ちゃんと装備を整えてからいきましょう」
僕達2人は鎧に着替えると武器を佩き、門の外へ向かう。
門の外へ出ると、誰もいないであろう草原まで来るとタクミが口を開いた。
「ここならへ良さそうだね。 それでね、僕の武器の心得のデメリットは魔法の距離っぽいんだよね」
「魔法効果距離ですか? それとも、魔法発動距離ですか?」
「え? 何それ? 何か違うの?」
「魔法発動距離は、魔法を遠くで発動させる距離です。 魔法効果距離は、手元で発動した魔法がどこまで届くかという事ですね」
「あ、そうなんだ。 そうなると、2つとも駄目だと思う」
「両方とも短くなったという事ですか?」
「そう、一緒に見て貰って良い? 実際の距離を測ってないから」
「解りました、威力も同時にはかって見ましょう」
魔法の距離は、僕のと比べると約3割減と言った所で威力に関しては変わって無いようでした。
魔法は遠距離攻撃として破格の能力をもつ物です・・・それが減ってしまうとなると、早急に武器による遠距離攻撃を育てる必要がありますね。
もしくは、やはり銃を作成するのがベストなのかもしれません。
僕もカナタさんと同じく銃を作るのは反対です・・・が、タクミ専用のロックを作り魔法を使用した魔法銃ならばどうでしょう・・・
銃を奪われても、魔道具の3D魔法陣ならばコピーする事も不可能なはず。
カナタさんと少し話し合った方が良さそうですね。
かなり寒くなった道を2人で歩きながら、2人で目標とした人間に似通ったアンドロイド(ゴーレム)作成の話しをする。
出来れば最終決戦の前にアンドロイド(ゴーレム)を作り、僕達の知識をインプットし教師として残して地球に戻りたい。
もちろん全ての知識を入れようと思ってるわけではないですが・・・
知識を残して行くというのは、全員の望みでもあります。
アンドロイド(ゴーレム)の形態にしようと思っているのは、僕とタクミだけの目標・・・いえ、趣味という事になりますが。
お金も持っているのですし、今後の為にも色々作ってみましょう。
☆カナタとミズキとフラーレンとハイパーダイヤモンド
少し遅くなってしまったが、ミズキさんに作ったダイヤモンドを見せてもらう事に・・・
テーブルの上に置いてあるダイヤモンドは2つ、あと1つは失敗のような結晶体。
「この3つがダイヤモンドになります」
「ん? 3つ? ボコボコしている結晶みたいな奴もダイヤモンドなの?」
「そうです。 これはフラーレンと言います・・・知っていますか?」
「うん、調べた事もあるから解るけど・・・」
「なら説明を省きますね。 あとの2つは通常のダイヤとハイパーダイヤになります。 ハイパーダイヤはフラーレンから作られている通常のダイヤより硬いダイヤです」
「なるほど、ダイヤと一口に言っても色々作り方があるもんだね」
「はい、そうですね。 それで魔晶石にした時の実験結果なんですが・・・」
天然ダイヤ・人工ダイヤは、性能が変わらず。
人工ダイヤの素材に髪の毛等を使った場合は、本人の魔力蓄積量が少し上がる。
フラーレンは大きさ的に魔晶石に出来ず、ハイパーダイヤで自分の髪の毛等を使った物が1番使える物らしい。
しかも、髪の毛1本でも多数でも性能の違いはないと言う・・・これを使用して、通信機の更なる進化を画策しているらしい。
作っているケイタ君とアカネちゃんにエールを送ろう・・・
頑張れ! 俺忙しいからノータッチだけど、心の中で応援はしてるよ。