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努力の実る世界  作者: 選択機
第2.5章 冬の間の出来事(ウルフローナ編)
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冬の間(4)

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

☆ 魔道具作成


 今日は折角なので、魔道具の作り方を復習しよう。


 まず魔道具は、何度も使える魔晶石組み込み型(自身の魔力補充式)と1回しか使えない魔石使用型(魔石の魔力不定垂れ流しタイプ)・魔力バッテリー型(魔石の魔力一定垂れ流しタイプ)がある。


 魔晶石型・魔力バッテリー型は、魔力親和性の高い金属や魔物の素材、もしくは両方を使って魔法陣を描くのが一般的な物。

 魔法陣を細かく描き繋げると、フローチャートのような物が出来る。

 魔法陣は1つで1つの効果だが、2つ・3つと繋げると効果が変わる・・・ほとんど無限に効果を作り出せるようだ。

 しかし、多くの魔法陣をかけるようにするために小型化が必要なのだが、魔法陣の小型化はとても難しく現在でも研究が行われている。


 魔法陣の3D化について。


 魔法陣の形で効率がいい物が円である。 円は効率よく全体に魔力を流せる形で基本形と言えるだろう。

 しかし、魔法陣同士を近づけてしまうと違う効果が出たり、魔法陣の効果が発揮されなかったりする。

 魔法陣を筒状にすることで外に出る魔力を減らすことが出来るのを発見した。

 筒状の魔法陣から漏れた魔力を測定し、隣にある魔法陣にちゃんと流れるようにして、効率よく動くようにする事で最小化出来たといっても過言ではない。

 そして、この筒状にする効果により小型PC、もしくは懐かしのポケコンのようになったと言う。

 マシン言語はパ〇ソンだと教えられたが、良く解らなかった。

 何でもAIに使われている言語なんだとか・・・聞いても分からないし、日本に帰ったら勉強してもいいかも知れない。


 しかし、筒状にするのにもデメリットがある。

 それは、消費魔力だ。 小さい筒状にしてしまったせいで、上手く流れないし抵抗感がある。

 普通の魔法陣を1つ使うための魔力の消費量を1とすると、最小筒型魔法陣は10以上もの魔力を消費してしまう。

 消費魔力を抑えるためには、全てミスリル以上の魔法金属にするか、筒を大きくするしかない。


 さらにもう1つデメリットがある。

 それは魔法陣がずれると使え無くなってしまう事、これは石英ガラスの中にあるので解決済みと言ってもいいと思う。

 しかし、魔法を使いながらメタルクリエイションで魔法陣を中に作っていくので最低2人以上で作業しないと上手くいかないので注意が必要。

 また、完成後は魔力眼でちゃんと魔力の流れがスムーズか見る必要もある。


 最後に、主に獣人の国で使われる魔石使用型魔道具も作り方。


 これは難しい物ではなく、1番最初に作られた魔道具だと言う可能性があるため研究がされている。

 材料は、魔物の魔石とその魔物の魔石に絡みついていた魔道神経の2つ。

 作り方は、魔道神経を魔法陣の素材にし魔石の魔力を流すと起動するシンプルな物で、動かないようにするため木に貼り付けたり紙に貼り付けられたりする。


 ただし、魔道神経は魔石の持ち主と同じ魔物の魔道神経でないと魔力を流す事がない。

 魔物が生きているときは魔道神経に魔力が流れ、身体を強化してると言われている。

 魔力の回復には、呼吸や皮膚・食事から魔素が入り心臓に集められ魔石に送られるとされる。

 つまり、強い魔物は長く生きた魔物という事になる。

 また、進化もこのように行っている可能性が高い・・・しかし、魔物については仮説の域を出ないのだが。


 もっと色々研究してみたいが、時間がかかりそうなので止めておこう。


 同じ魔力量の魔石での、魔法効率について


 100の魔力に対しどのくらいのロスが出ているかの実験。

 魔力バッテリー型、魔晶石型は同じ回路で銅を使用した物。

 銅の魔力抵抗値が20%となっている。


 魔晶石型:    70%程度・・・30%はロスになっているようだ。

 魔力バッテリー式:65%程度・・・35%はロスになっているようだ。

 魔石使用型:   40%程度・・・60%はロスになっているようだ。


 魔石使用型が1番低い結果となった。 不定の魔力量なので仕方がないのかも知れない。


 これからは魔道具についても作って行くのがいいだろう。


☆武器の製造


 現在の魔鉄の武器、防具は、基本的には鋳造で作られる。

 一応少し大きく作り固まってから金型でたたき、砥いで仕上げる。

 この作業の為、少し大きい武器が出来やすいようだ。


 そして、俺とタクミ君は鍛造に挑戦している・・・が、全く上手くいかない。

 ただ叩けば良いという事ではないと言うのは分かっているが、サッパリ上手くいかない。

 鍛冶の心をもっていても、知識がないと上手くいかないようだ。


「タクミ君、1回さ魔法剣作ってみない?」


「魔法剣ですか? 魔剣では無く?」


「そうそう、剣に魔法陣を組み込んでみて、燃える剣とか作って見たくない?」


「おお! 良いですね。 やっぱりロマンがありますよね、燃える剣とか」


「とりあえず、最初は魔法陣を剣の中に入れてみる?」


「それだと脆くなりませんか? せめて両刃の剣の背に付けるとか」


「ん? 両刃の剣に背? どういう事?」


「ああ、僕も最初知らなかったんですけど、刃の形状には色々あるんです。 詳しく言いますと、片刃は刃を見ると、直角三角形の様な形をしています。 両刃と言うのは二等辺三角形のような形、諸刃と言うのが、ロングソードとかのように両側に刃がついている構造なんです」


「へぇ~、両方に刃がついているのが両刃と言うのかと思ってたよ」


「最初僕も同じ事思ってたんです。 結構間違ってる人が多いんじゃないですか?」


「そうだろうね。 じゃあ、作ってみよっか」


 今回は見た目だけなので見た目は2の次、魔法陣を直接刀身に描くために剣の幅が大きく出来ている。

 そして、魔力バッテリーを両刃の剣の背の鍔の近くに取り付ける。


「かっこ悪いけど出来たね。 じゃあ外に行こうか」


「はい、上手く行けばいいんですが・・・」


 何も植えていない畑の真ん中に来て、剣を使用してみる・・・すると、刀身から炎が噴出した。

 2人で成功した! とお喜びしたのも束の間・・・

 柄が異常なくらい熱くなり、放り投げてしまった。

 ちゃんと手袋を付けて使用するべきだった・・・


 地面に落ちてもずっと燃え続ける剣・・・俺とタクミ君は、何も言わなかったが失敗したと共通の意識があったはずだ。


 燃える剣が消えるように水をかけるが消えなかったので、刀身を魔法で折り冷めるのを待っていたらタダシさんが走ってきた。

 畑で火遊びなんかするんじゃない! と言って2人はしばらく怒られてしまった。

 言い訳なんか出来るはずも無く、2人で頭を下げ謝った・・・農奴の夫婦がオロオロしていたので、あとで事情を話しにいかなきゃな・・・


 そして今度は、別の場所で実験をしよう・・・門の外とかだったら平気だろう・・・

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