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努力の実る世界  作者: 選択機
第2.5章 冬の間の出来事(ウルフローナ編)
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冬の間(2)

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

☆クリスマス~年末と競技会(1)


 クリスマスにパーティを使用と計画し頓挫した・・・ミルクがない、圧倒的に足りない。

 なのでケーキは無くして、パーティだけはやろうと思っていたのだが、ケーキを景品にして期末テストしたら? という案が出た。

 しかし、クリスマスまで時間がない・・・どうするか悩んだが、開催日を年末に移してお祭りの様にやってみようという事になった。

 フランソワーズ様から許可を貰ったが、一応陛下にも伺い決行することに。


 競技は、木製の武器を使ったトーナメント式の模擬戦、今までの勉強を確認するテスト、アスレチック等を使ったマラソンの3種類の総合点で争う。

 しかも、2日に渡った競技が開催される予定だ。

 初日が勉強、マラソン、2日目に模擬戦となる。

 そして皆に雄姿を見てもらうために、観覧席等を作っている・・・俺1人で・・・

 皆には、景品となる物を作ってもらっている・・・俺が景品を作ろうと提案したんだけど、1人くらい手伝ってくれてもいいと思うんだよね。

 そんな愚痴を言いながら、ちょっと前のことを思い出していた。


 真田夫婦《タダシさん、ヨシさん》特性のグランネッツのから揚げとフルーツと生クリームのシフォンケーキを上位30名の景品となった。

 もう少し人数を増やしたかったのだが、ブラックビーフを見つけられずに断念せざるを得なかった・・・

 しかし、参加賞としてオークのから揚げとシュークリームを配るつもりだ・・・だが、シュークリームのバター等はどうするのだろうか?

 何か代替品でもあるのか? そう聞くと、オリーブオイルでも作れるとの答えが・・・

 それならシフォンケーキも出来るのでは? と聞いたら・・・


「あ! そうね、そんな作り方もあったわね・・・どうしましょう。 カナタ君はどうするべきだと思う?」


「皆に景品とかも発表しちゃったんですし、今回はそのままやりましょう。 今回の目的は、皆がどこまで勉強で頑張ったか。 それと怠らずに訓練しているかって事ですし」


「それもそうね。 じゃあ、このまま作っちゃって良いのかしら?」


「はい、お願いします」


 全員参加なので、お店は臨時休業することとなった・・・張り紙や声かけ等を行い周知に努めた。

 だが、お店を休まないで欲しいと参加しない住民や貴族の執事、商人が大挙として押し寄せてきた。

 既に街の名物のようになっていたらしい・・・さて、どうしよう。


「タダシさんヨシさん、料理屋を休まないで欲しいって言われてるんですけどどうします?」


「しかし、全員参加させたいだろう? 大人達の力の把握も重要だ・・・そうなるとどうするか・・・」


「一気に作って、俺とリョウタロウさんで屋台をやるとかですかね? 手伝いも必要なので王城の文官や兵士を借りて来るとか」


「ふむ、それが妥当か・・・文官と兵士の手配は任せて良いか? 料理の指示をしてくる」


「あ、それじゃあ。 ゲームとかも作りましょうか。 大当たりは、タダシさんヨシさんの手製の料理や調味料、アヤコさんの服とか」


「そりゃ構わんが、ゲームってのは何をするんだ?」


「そうですね。 例えば投げナイフとか弓とか水槽の中にあるお猪口に硬貨を入るのとか・・・他は商人に丸投げして、出来高払いにすればいいんじゃないですか?」


「そんなに時間がないんだ、大丈夫か?」


「大丈夫ですよ。 あくどい事を考えるのは得意ですから」


「ほどほどにしておけよ? 不興を買えば後が怖いからな」


 景品についてで少しゴタゴタがあったが、皆準備に走り回ってる。

 作る物は然程多くするつもりはない、というか簡単にクリア出来る物でいい。

 しかし景品を簡単にとらせるつもりはない・・・ではどうするかと言うと、ガラガラを作るのだ。

 簡単なゲームにクリアしたら1回ガラガラを廻す。

 赤い玉が出たら当たり、木の玉が出たらハズレ、もちろん簡単なゲームに失敗してもハズレ、しかし、外れても商品が当たるようにする。

 生徒達が作ったジャガイモを使った料理だ・・・作りすぎて余っているストックを売ってしまおうと考えている。

 30レティアで1回で、外れても40レティアまでの食事か30レティア分の商品券を選んでもらう・・・それならば、やってみようと考えるだろう。


 折角なので天下一〇道会のような感じのルールにして、土を盛り上げたところで戦うようにした。

 階段状の観覧席と立見席のフェンスを作り、出入り口も作った。

 これで何とかなるはずだ。


 ここで、問題が発生する・・・一般の冒険者達が参加したいと言い出した。

 ギルドマスターのエミエミさんが、頭を下げてきたので無下にする事は出来ない。

 2日では時間的余裕がない・・・急遽3日間の開催へ変更される。

 3日目の一般の部は、誰が出ても大丈夫なのだが、使う物は2日目と同じく木製武器のみ魔法の使用は禁止、防具も指定の物とした。

 さて、ここで問題なのが一般の部の景品だ・・・折角なのでいい物を出したい。


 そう考え、ブラックビーフの胸当てを作る事にした。

 しかし、ブラックビーフの素材の防具は上級冒険者で着けてる者はいない。

 なので、今回も刻印を使って出来るだけ派手にする・・・一応、第3位に入った人まで景品を渡すつもりだ。

 しかし、明確な差を付けてあげたい・・・何か言いアイディアはないのだろうか・・・

 いや、めんどうだしお金でいいかもな・・・1位が金貨3枚とかでいいよな。


 あれよあれよという間に競技会開催日となった。

 まずは兵士の人達に巡回をしてもらい、治安の維持に努める。

 文官の人は、お店での接客・商品受け渡しを手伝ってもらう。

 文官の中に貴族がいたのだが、平民と触れ合っても小説やアニメのような高圧な態度をとらず穏やかに対応してくれている。

 陛下が常日頃「民を守る事が貴族の義務だ」と言ってるからかも知れない。


 1日目は、テストと一般市民街を走るマラソンだけなので大きなトラブルも無かった。

 日ごろは娯楽がないので、簡単なゲームに参加する冒険者や商人が物凄く多く交通整理する事になったが、大盛況で終わった。

 テストで第1位をとったのはベトニア、2位はセードルフの息子のセラン、マラソンで第1位をとったのはセラン君と同じPTのランムフル。

 競技別1位にも景品を考えておけば良かった・・・こっそり何か作ってあげよう。


 2日目も、特に大きなトラブルも無く終わった・・・出店で働く俺とリョウタロウさんは、子供達の雄姿を見れていない。

 一応、通信機で写真を撮ってもらっているが動画はとれないのが残念だ。

 話で聞いたが、かなり高Lvの対決だったみたいで物凄い騒ぎになったようだ。

 総合点第1位はセラン、第2位はランムフル、第3位はベトニアとなった。

 3人には、料理と魔シルク製の服、グランネッツの骨で作った解体用ナイフ等が贈られた。

 4位以下30位以上の子供達にも料理が渡され、晩御飯で食べるようだ。

 そう考えると、セラン、ベトニアが上位を取っちゃったら家に戻ってくるだけなんじゃないか?

 まぁ、めでたい物だから良いか・・・2人のお祝いをしないとな。


 道行く冒険者があの試合が凄かったとか色々言っているので、なぜか誇らしい気持ちになってくる。

 しかし、現場で見てない・・・次回をやるのなら店ではなく観戦してあげたい、マジックバッグの作成を頑張って覚え誰か他の人に出店を頼もう。

 残すは3日目の競技会のみ、出場者にライナが居るのでたぶん1位はライナで決まりだろう。

 掃除や壊れた箇所等が無いか点検をして、屋敷に帰る。


 屋敷では2人のお祝いをして、お酒を飲んだりしながら過ごした。

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