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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第187話 王都へ帰る

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 盗賊の首領を王都へ護送する・・・一応、おおやけになっていないが危険がある可能性がある。

 そこで、突撃牙獣のメンバーとエルロッタに盗賊から助けた5人を王都まで護衛し送ってもらう契約をしておいた。

 報酬は食事一回・・・エルロッタが王都へ買いつけに行くのに、ついでで付いていく形になるので報酬は要らないと言われたが、タダで連れてって貰うのも悪いので格安でお願いした。

 雨がやまなかったので、防具の調整や武器の調整や魔道具の知識を叩き込んだ。

 俺達が作ってる魔道具って異質だったという事が理解できた・・・しかし、作り方も色々あるんだなぁ。

 ノートに書いたし後で復習でもしよう。


 俺とミズキさんは午後に出発するので、軽く買い物をして時間を潰していた。

 どこもかしこも小麦の販売に大忙し・・・ほとんどの所で殻の付いたままの小麦を売っている。

 革袋で売っている物が多いが、麻袋が少量だが並んでいる所もあった・・・革袋よりだいぶ安くしたけど、もう買っている人がいたんだな。

 小分けで売っている物は、升のような木の箱で量って売っていた。

 升で量るなんて江戸時代かよ・・・そんな事を考えたが、買い物を終え屋敷に戻った。


 今回の武器は、かなり大きい片手剣とカイトシールドのオーソドックス装備・・・やはり騎士っぽい格好だから似合うな。

 毎回思うんだが、長い武器だと片手で取りにくいんですけど・・・まぁ、カーボンナノチューブのコード付だから何とかなるんだけどさ。

 大型の魔物が出たら短い武器だと戦いにくいのは分かるんだけど、使い勝手も考えて欲しい。

 でも、使い勝手を考えると何らかの機構を組み込むしかないんだよな・・・そうなると壊れやすくなったり色々不具合が出るだろうし・・・

 まぁ現状で我慢だな・・・よし、荷物のチェックOK。


 盗賊の首領は、背負子に括りつけられている・・・諦めた表情をしているな、ドンマイ。

 1番最初に出発したのが突撃牙獣の面々、夜が開ける前に出発した・・・お見送りをしたが、たぶん抜かしちゃうのでお出迎えもする気がする。

 何かあった場合、遅れる可能性も考慮し5人の名前と突撃牙獣のメンバー、エルロッタの名前も送っておいたので大丈夫だろう。


 街を出ると、街道を少し離れたところを王都へ向け走って行く・・・時間もずらしたし索敵も使って進むから敵には会わない筈だ。

 思った以上にスムーズに王都へと到着した・・・魔物にすら会わなかったな。

 王都の行列を避け貴族の通用門へ向かう。

 何事も無く通用門を通り抜け屋敷へ向かう・・・その時に畑にいる農奴の皆さんに手を振られた。

 今は、小松菜やほうれん草が収穫されている。

 サヤエンドウも植えられ、春くらいには収穫出来ると言っていた。

 タダシさんが、色んな所へ行っている行商人に料理1品の報酬を払い種を持ってきてもらってるから、実質タダだ。


 タダシさんの料理も俺達が食べた残りだったりする・・・知らぬが花だろう。

 もちろん、全然知らない未知の食べられる野菜のタネも持ってきて貰っている・・・だが、今の所お預けにしている。

 1番大きな子供達が手を離れたら、監督役を任せて未知の食材の研究をしたいと言うヨシさん。

 しかし、タダシさんは、きっちり独り立ちさせて雇う形にすると言っている・・・最近の2人の喧嘩の原因になっている。

 そのつど俺が呼ばれて仲裁を押し付けられる身になって貰いたい・・・その時、ミズキさんに肩をたたかれる。

 おっと、考え事をしすぎたようだ・・・すぐに王城へ向かい、警備兵ではなく近衛兵の兵舎に向かう。

 ミズキさんと別れても良かったのだが、付いて来てくれるようだ。

 詰め所の門を叩くと、いつもの見知った人が出てきた。


「これはカナタ様、もう到着なされたのですね。 流石でございます」

 近衛兵は、胸に手を当てて礼をして言う。


「うん、ありがとう。 でね、今背負ってるのは他国の間者で、人を攫って売ってた様なんだよね。 出来れば王城の檻に入れたいんだけど大丈夫?」


「はい、連絡は受けております。 ご案内いたしますので、ご同行いただいてもよろしいでしょうか?」


「うん、案内お願いします」


 そう言うと、王城の地下に案内され牢の中に盗賊の首領が入れられる。

 牢の警備兵や拷問専門の方等にも情報が伝わっているようで、すんなり受け入れられ護送の任務は終了。

 その後、陛下が呼んでいるという事で着替えをして執務室へと向かう。

 執務室へと入ると、陛下が書類に埋もれていた。


「すまんな、カナタ。 色々と動いてくれたことこちらにも伝わって来ておる」


「いえいえ、食材を取って来いとタダシさんに言われたので勝手に動いただけですよ」


「そうか、そう言ってもらえると助かる。 そして助けられついでに、これを見てくれ」

 陛下はそう言うと、A3用紙2枚分くらいの羊皮紙を渡してくる。


 その紙には、ウルフローナ国の詳細な地図と右脇に改善点がずらっと書いてある。

 貴族街の大移動は粗方終わって、道を小さいアーチ状にし脇に排水溝を取りつける事等も書いてあった。


「なかなか整備されたいい街になりそうですね」


「ああ、そこに不満はない。 だが、このまま一般区画まで整備すれば金がかかりすぎる」


「お金ですか? 国庫の中の財宝はかなりあったと思うんですが・・・」


「今までの功績を踏まえ、ソメイヨシノの報酬を払うと半分ほどになる・・・そこでだ。 何か買いたい物等ないか?」


「今の所は無いですね・・・しいて言うなら食材でしょうか」


「やはりか・・・香辛料等も捜すように言っているのだが、ナルギス国が邪魔で輸入が厳しいのだ」


「ナルギス国ですか?」


「うむ、ナルギス国は、人族を至上の者としている国でな。 獣人等は奴隷として使われるべきだと言う国だ。 その奥には友好国があるのだが、越境しなければいけぬ」


「なるほど、そういう事なのでしたら、お金を国内で廻すしかないようですね」


「すまんな。 新薬を他国に売り利益を出してはいるが、その利益は取って置きたい。 しかも、桜食堂・桜雑貨店の税だけでも、大変な額になっておるのを知っておる。 その上で図々しい事を言っている事は解っておるのだが・・・」


「いえいえ、いいですよ。 ならば、魔物討伐の常時依頼を俺達で出しましょう・・・と言っても、鮮度等を厳しく見ますが」


「そうして、貰えると助かる。 あと、頼まれていたライ麦が送られてきた。 後で持ち帰ってくれ」


「はい、解りました」


 クエスト完了の判を押してもらうと、倉庫に行きライ麦を受け取り皆の待つ屋敷へと帰る。

 屋敷に着き、セードルフ達に挨拶をしてダイニングへと行く・・・そこには、オフショルダーのニットワンピースを着たアカネちゃんと白いシャツのいつもの格好にカーディガンを羽織ったケイタ君が話し合い紙に何かを書いてる所だった。


「アカネちゃん、ケイタ君、ただいま。 珍しい格好だね」


「カナちゃん、ミズッキー、おかえり~、かわいいでしょ~?」

「おかえりなさい、カナタさん、ミズキさん」


 確かに似合っている。 ニットワンピは、男なら誰でも好きなコーディネイトだろうし、裾から出てるレースもかなり可愛いと思う。

 最近2人は結構一緒にいるよな・・・付き合ってたりするのかな?


「アカネちゃん、すっごい似合ってるよ。 超可愛い」


「うわぁ~、心がこもってな~い。 まぁいいけど~」


「心込めてるって~。 本当にそう思ってるんだから。 あとケイタ君、変な魔物が王都に出て討伐したって連絡は受けてたけど、詳細が気になるから教えてもらえる?」


「はい、解りました。 資料も作ってあるので取ってきます」


 その後、皆が戦った相手の事を詳しく教えてもらった・・・

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