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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第180話 話しの続き

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「何故奴隷契約では駄目なんですか?」


「奴隷契約で連れて行く事は出来るのですが、他国に行く際に持ち物の検査があるのはご存知ですよね?」


「いえ、知りませんでした・・・しかし、奴隷を持ち物として検査されるという事ですね」


「その通りです。 奴隷は喋らなくする事は出来ますが、痛みを堪えて喋る人もいます。 しかし、高位の魔物の部位を使った魔法契約は、使用した魔物の倍ほどの強さが無ければ破ることが不可能なのです」


「ちょっと待って下さい。 まず質問ですが、街道から外れて他国に入る事は出来ないのですか?」


「もちろん出来ます。 しかし、現実的ではありません。 補給の問題や魔物の問題があり、マジックバッグをそのようなことに使う事はないです」


「マジックバッグを使わないのは何でなんですか? あれば補給の問題は解決すると思うんですが」


「もし魔物や他人にマジックバッグが奪われでもしたら、目も当てられない事態になります」


「そんなに高い物なんですか?」


「高い高くないではないですね。 まず出回りません。 王家の始祖様は、パルメント様と一緒に行動を共にした仲間でしたので、王家にはマジックバッグが多くあるのです」


「そうだったんですか。 では話を戻しますが、奴隷にしようとしている1人を運ぶ為に高位の魔物の部位を使った契約書を使用するのは、利益が出ない気がするんですがそれはどう思いますか?」


「はい、私もそう考えたんです。 推測で申し訳無いのですが・・・現在、他国から奴隷を凄い勢いで買っているのはご存知だと思います。 その殆どが獣人族なので、もしかすると高騰している可能性もあるのかと」


「なるほど・・・でも、妙な話ですね。 奴隷として売るならエルフの方が高いですよね? なんで、エルフの国に行かなかったのでしょう? もう少し行けばエルフの国があるのですよね?」


「そうなのです・・・なんで我等獣人を捕らえたのか解りません。 なので、カナタ様。 盗賊達を王都にひき渡し調査をしてもよろしいでしょうか?」


「ええ、かまいません。 ですが、素直に話しているんですか?」


「はい、盗賊の頭領以外は素直に話してくれています」


「頭領は話してないんですか? あれ? 捕まえたときは素直に話したと思うんですが・・・」


「そうなのですか? 現在は、奴隷になってやるからサッサとしろ! の一点張りですよ?」


「ん~・・・奴隷になっても何らかの伝手で逃げられる? そうなると間者がまだこの街にいる? しかし、賞罰付いている奴はいないし・・・仕方ない、ねぐらにあった物と盗賊達の装備を1度お渡しします。 目利きが出来る人にみてもらって下さい」


「はい、畏まりました。 報告の通り、盗賊のねぐらは解体してしまったんですよね?」


「そうなんです。 こんな事なら残しておけば良かったですよ・・・あれ? すみません、報告した場所に廃村とかってあったんですか? 普通に考えると、盗賊が家を建てるのっておかしいですよね?」


「それもそうですな・・・しかも、街道に巡回の兵士を出してたはずです。 少し調べてみます・・・カナタ様達は、本日お帰りだと聞いていたのですが、もしよろしければ・・・」


「ええ、少しの間のこります。 何かあればまた聞かせて下さい」


「はい、早朝に無理に起こしてしまって申し訳ありませんでした」


「いえいえ、聞かせてもらって良かったですよ。 あ、朝ご飯は私が作ったので珍しい物が食べられると思って下さい」


「おお! それは楽しみですな! 早速指示を出しておきますので、何かあればお呼び下され」


 ビアス子爵と別れると、もう1度時間を確認する・・・いつも起きてる時間より少し前だがほとんど変わりがない。

 これじゃあ二度寝をしたら寝坊するな・・・仕方ない鍛錬でもするかな。

 今日は魔鉄で出来た長い八角棍のような物を取り出し、剣を持って行う様な素振りや相手が攻撃して来た場合を想定した武器を廻しながら相手の武器を弾き自分が後退する技術等を確認しながら行う。

 杖術? と呼べるのか解らないが、やはり棍系は使いやすい気がする・・・相手を殺さずに無効化するには1番使いやすいんじゃないかな?

 王都へ戻ったら、自分の使いやすい長さの棍を作成するかな・・・


 調理場に行くと、頭を抱えた料理長がそこにはいた・・・寝てないんだろうな、他の料理人もどうして良いのか解らないようで立ちすくんでいる。


「料理長! 何やってるんですか」


「おや? カナタ殿。 もう朝ですかな?」


「おや? じゃないですよ。 皆困ってますよ? 問題はそこまでにして、仮眠して来て下さい。 幸い朝食の準備は終わっていますから」


「解りました。 後はお任せしてもよろしいですか?」


「仕方ない・・・いいですよ。 3時間ほどしたら起こしてもらって下さいね」


「解りました。 全員注目! 今から、神の料理人の弟子であるカナタ殿が指示して下さる。 折角の機会だ、心して聞くように!」


 そう言うと、料理長が調理場から出て行った。


「では、皆さん。 朝ご飯の準備は終わっているので調理場の掃除をして下さい。 これはタダシさんの教えですが、調理するところが綺麗でなければ美味しい物が出来ない・・・なので、掃除も立派な仕事です。 はじめて下さい」


 少し嫌そうな雰囲気を感じたが、文句を言われず作業を始めた。

 最初は、調理器具等を別室に運んでもらいながら、かめに溜めてある水を全部捨てさせ浄化魔法をかける。

 そして中の掃除をすると魔法で水を出し溜め、その水を使い浄化をかけた綺麗な布で拭き掃除で調理場を掃除していく。

 使い終わった灰を全部バケツに入れ、ゴミ置き場に運んでもらう。


 錆の浮いた包丁を浄化し砥石で削る・・・それまでは良いのだが、調理器具等が入っていた木の机はどうしよう。

 食材をそのまま置いて切ってるから、天板が黒ずんで物凄く汚い・・・買い替えをして、まな板を広めるか。

 木の机をとりあえずそのままにし、その机にただの魔鉄の板を置き、端っこの方に魔道具のコンロを何個か出して調理を始める。


 料理人達用の朝食にうどんを作ってもらうことに・・・ラーメン用の卵麺は量が限られてるから、子爵と俺達だけの分にするしかない。

 エクビス(ザリガニ)のスープは、皆に配ろうと思っていたため結構多く作ってある・・・そのスープの寸胴を1つ置き、副料理長にウドンについての説明をして食堂へ移動する。

 朝食の時間になり、全員招き目の前でラーメンを作る・・・と言っても、麺は温かいままにしてあるので、麺にスープをかけ具材を並べていくだけなのだが。

 全員の前にラーメンを運んでもらい食べ始める・・・うむ、自分で作って言うのもなんだけど美味しいなぁ。

 魔物の素材って小説とかでありがちだけど美味しいよなぁ・・・しかも、枯渇がないなんて良い事尽くめだな。

 まぁ、もう1度湧くまで1日くらい時間がかかるし、長く生きている魔物の方が美味しい様なんだけど。


「あ、そう言えば食べるときすする音って気になりますか?」


 口に物を入れながら子爵が何かを言っているが、全く意味が解らない・・・意味が解らない顔をしていると、執事の1人が「特に気になりません、美味しいですね」と訳してくれた。

 啜る音が嫌って言う人が多いと聞いたけど、この国では少数派なので大丈夫そうだな。

 期間限定・数量限定で販売している豚骨うどんを、メニューに加えることを通信機で相談しよう。

 料理人を目指している子供達の負担になるかもだし、あと帰宅が遅くなった事も送らないとな・・・


 さて、食べ終わったらナショウ達にも移動の日にちが変わったことを伝えて・・・今日は何しよう。

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