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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第173話 カナタの一夜

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「あの、カナタ様・・・酔っ払っちゃったみたいで、すみません。 助けて貰って嬉しくなっちゃってハメを外しちゃって」

 ナショウが、両手で顔を隠しながら言う。


「うん、それで?」


「あの・・・私の体傷が多くて綺麗じゃないです。 あと、盗賊に汚されちゃいましたし、奥様にも悪いですし」


「ナショウは汚れていないよ・・・というか、奥様って? あ、ミズキさんの事かな? ミズキさんと俺は夫婦でも恋人でもないよ?」


「え? そうなんですか? 私はてっきり・・・いえ、そうじゃなくって、そんなに見ないでください」


「ごめん、触られるの嫌だったらすぐに言って・・・これ以上したら、止められなくなると思うから」


 ナショウは、顔を隠し何も言わない・・・盗賊に触られてた事は大丈夫なのかな? 嫌じゃないのかな?

 もういいや、流れに任せちゃおう・・・

 両手を左手で頭の上にどかし、軽いキスをして笑顔でナショウの顔を覗く・・・ほんと可愛いな。


 ・・・結局、最後までしてしまった。

 しかし、体力が有り余ってるし性欲もつきないし、いつまでも出来る・・・はぁ、兎のオスになった気分だ・・・

 結局は、ナショウの体力が尽きて終わりになった・・・まさか気絶してしまうとは思わなかった。

 しかし、避妊用の塗り薬を持ってて良かった・・・備えあれば憂いなし、無かったらここまで楽しめなかっただろう。

 まぁコンドームのよりも、避妊が出来るかは解らないのだが・・・ポーションと同じく魔法の薬だし、信じてみよう。

 リョウタロウさんが塗り薬を見て、強姦が多い国にも似たような物があったと言っていたのは別の話だね。


 温水を出してタオルを浸し絞って、ナショウの体を拭いていく・・・朝起きて涎臭かったら嫌だろうし、すっきりして寝れるだろう。

 体を拭き終わると綺麗なベットに移し、掛け布団をかけて枕元に綺麗な服を出しておく。


 周りの皆は途中で起きてしまったようだ・・・色々と思い出させてしまったかもしれない。

 男の俺に嫌悪感とか感じてなければいいが・・・目が覚めても、寝た振りしてくれてたし大丈夫なんだろうな。

 しっかしナショウの声が大きかった・・・途中で、エアベールをベットの周りにかけたけど他の部屋の人にも聞こえていただろうな・・・今更仕方ないか。

 少し片付けたら領主の館に戻ろう・・・そう思い、お酒や食べ物を片付ける。

 食べ残しは一応1つのお皿に乗せ、お酒は桶の中に捨てて行く・・・桶は、色々な水分が溜まってる。

 流石に桶の水分をそのまま捨てるのはまずいかな・・・そう思いマジックボックスにしまう。


 そんな事をしていると、1人と目が合ってしまった・・・すぐにスッと隠れてしまったのだが・・・

 1番最初に起きていたし、物音等に敏感なんだろうな。

 その子のベットの近くに行き「帰るから鍵よろしくね」というと、布団から顔を出し頷いてくれた。

 その後、俺は宿を出る為に受付の前を通る・・・オヤジさんは、まだ起きていたようだ。


「帰るのかい? 腰いためないように気を付けな」

 オヤジさんはそう言うと、笑っていた。


「腰の筋肉の鍛錬をしていたのが解ってしまったようですね。 これからは、音にも気を配りますよ」


「そうだな、お疲れさん」


 俺は領主の館に戻り、俺用の部屋に行き今日はもう眠ろう・・・楽しかったし、今日は良い夢見れそう。

 次の日の朝早くに訪問があった・・・


「さぁ師匠、料理を作りましょう! 1日は短いですぞ!」

 料理長が、満面の笑みで扉を開く。

 外はまだ暗い・・・いつも起きる時間よりもめちゃくちゃ早いじぇねぇか!


「昨日質問したことですが、作った料理ってどんな調味料を使ったのか解りましたか?」


「いえ、見当も付きませんでした。 やはり教わるしかないと思い、押しかけたしだいです」


「はぁ・・・味噌と醤油です。 俺が持っているのは譲ることが出来ませんので、王都に行けば買えるので今度行って買ってくることをお勧めします」


「はい、今日にでも冒険者を雇い買ってこさせます」


「じゃあ、紙とペンを下さい。 レシピを書きますので朝食に作って見て下さい」


 紙に、パン・ハッシュドポテト・ポトフのレシピを書いて、天然酵母・ソーセージ・ベーコン・グルングロッコの処理済のガラを渡す。

 ここまですれば失敗しないだろう。

 ポトフだけちょっと不安だが、コンソメは最終手段でいいだろう。

 というかまだ眠い、もう少し寝よう・・・


 目覚ましの音で起きた・・・いつもは目覚まし前に起きるのだが、今日はやはり無理だった。

 運動着に着替えると、庭先に出る・・・ちょうどいい大きさの広場があったのでストレッチをして2本の鍛錬棒を振る。

 二刀流の練習を兼ねて、形の練習をする・・・出来る限り実践に近いように動いていた。

 休憩中の兵士達なのか、遠くで見ながら仲間同士で話し合っている。

 話は聞こえてこないが、特に邪魔される訳じゃないので最後まで形をこなした。

 形をこなし終わった後、見ていた兵士から拍手を貰ったので手を振って答えておいた。

 その後水の塊を浮かべて手や顔を洗いタオルでふき取り、使い終わった水を木の根元に撒く・・・疲れは全然ないのに汗だけはかくんだよなぁ。

 あれ? 兵士が解散してない・・・まさか、鍛錬場だったのかな? 不味い事したかな。


「兵士の皆さん、鍛錬の場所を取ってしまった様で、すみません」


「いえ、そのような事はありません。 見る事も鍛錬の一つであります」


「そうですか、邪魔して無かったんだったら良かったです」


「あの、先ほど振るっていたメイスを見せていただいてもよろしいでしょうか?」


「え? この鍛錬棒の事ですか? いいですよ、結構重いから気をつけて下さいね」


 全長60cmで、重さ10kg以上のにもなる片手用の鍛錬棒を渡す。

 重さはちゃんと計量した訳ではないので大体の重さだが、普通より長めのロングソード4本分くらいの重さになっている。


「かなり重いですね。 これを2つ振りながら、ぶれる事なくあんなに素早く動いていたのですか」


「慣れれば誰でも出来ますよ。 でも、筋肉を付けすぎると動きが阻害されるらしいので、重すぎる物はあまりお勧めはしません。 自分の手に馴染んでる武器を振り続けるのがいいと思いますよ」


「はい、そうした方がいいようですね。 ありがとうございます」


 そんな話しをしてると、朝食が出来たことをメイドさんに言われた。

 さて、出来はどんなもんだろう・・・レシピ通り作れば大丈夫だと思うんだけど、調味料がちゃんとあるか確認しなかったな。

 さて、どうなってるんだろう。


 出てきた料理は膨らみが少し足らないパンに、ちょっと塩味が濃いポトフ、形が少し崩れているハッシュドポテトだった。

 初めて作ったんだから仕方がないが、ポトフの失敗は煮込みすぎなんだろうな・・・野菜が少し蕩けてるよ。

 味はまずまずだった・・・ケチャップを皆の皿に出してあげた。


 俺とミズキさん以外は満足した様子だった・・・後でミズキさんに何か食べたい物を聞いてあげよう。


「カナタ殿、頼まれていた小麦の準備ができたのだが、大豆はまだ準備に時間がかかるようなのでゆっくりしていて欲しい」

 ビアス子爵が、俺を見て言う。


「お心遣い感謝します。 ですが、近隣の川に魔物を取りにいこうかと思っていますのでゆっくり準備して下さい」


「そうであったか。 しかし、タルタルーガクラッベは既に狩られてしまってな。 クラッベ(蟹)やリュシール(鯰)等の魚ならおるはずだ」


「そうなんですか。 新しい食材があるって事は、色々と新しい料理が試せるかもしれませんね」


「ならば、支流の上流の池に行ってみてはいかがだろうか? エクビスが大量にいると聞いている」


「エクビスですか? どんな魔物なんですか?」


 聞いたところ【ザリガニ】の魔物でした・・・殻は固く剣を通さず、魔法を放ってもバックステップで躱す強い魔物との事。

 王都には殆ど出回らないかなりの高級食材で、茹でただけでも美味しいらしい・・・タダシさんにメールすると「もちかえれ」と返信があった。

 頑張って返信したんだなって思う・・・ということで、周りをぐるっと一周したら池に行って見るとしましょうか。


 関係ない話だが、私室に帰った時にミズキさんにベーグルサンドを渡しておいた。

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