サブストーリー イサオ冒険編 (皆の元を去る少し前からのスタート)
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「くそ! あの糞野郎・・・何がお手伝いをしましょうだ。 お飯事なら自分ひとりでやれってんだよ!」
イサオは荒れていた。
皆の推薦でリーダーになったカナタの采配で、慈善事業とも思える街の中の瓦礫の撤去をさせられたからである。
その他にも、自分の意見をことごとく否定することに嫌気がさしている。
「しかし、今のままだと魔物に殺されるのが落ちだ。Lv5いやLv10になったら出て行ってやる・・・それまでは大人しくしてやるか」
数日経ち、俺が凄い力を持ってるのが解って来た。 酒を飲んでいる冒険者崩れの話しだと、オークを1人で仕留めて熟練者と言われているらしい。
オークといや豚の化け物だろ? そんなもん既に1人でも倒せる・・・つまり俺は熟練者の冒険者以上ってこった。
気分が良いから女を抱きたい・・・が、花街はやってないって話しだ。 ついてねぇ。
花街が再開したときに豪遊出来るように金を稼いでおくか。
◆◇
今日は、オークがみつからねぇ。昨日は居たってのに・・・魔石しか売れないゴブリンなら腐るほど居やがる。
今日はハズレだな・・・面倒だし、ゴブリンの魔石だけ取って死体は放置で良いだろ。 ゴブリンは共食いするって話し出しな。
帰ろうと思ったその時に悲鳴が聞こえてきた・・・何だ? オーク? オークって叫んでやがるのか?
運が向いてきた! こっちだったよな? 移動すると、そこにはオーク3匹に追われてる3人の姿が・・・
女2人連れだとチャラチャラ遊んでるからそうなるんだよ!
チッまぁいい、オークが欲しかったしついでに助けてやるか。
◆◇
「すまない助かった。 俺は炎蛇のリーダーでクルトって言うんだ。 あんた、物凄く強いんだな」
クルトがイサオに頭を下げ笑顔で言う。
「ああ、俺は強いぞ。 クランの奴らよりよっぽどな」
「え? あんたクランに入ってるのかい? 残念だ・・・こんな良い男まず居ないってのに」
ヴィストがイサオの手を握り、胸の前に手を引き寄せて笑顔で言う。
おいおい、この女、良く見りゃ可愛いじゃねぇか・・・胸もそこそこあるようだしな。
いや、そういや男付だったな・・・糞面白くもねぇ。
「彼氏持ちに手を出すつもりはねぇ。 この豚どもは貰っていくぜ?」
「待ちなよ! クルトはPTメンバーであって彼氏じゃない。 それにオーク3匹を1人で運ぶのは大変じゃないかい?」
ヴィストがイサオに近づき、膝をおり胸のそばに顔を近づけ上目遣いをしながら言う。
「そうだ、俺達の命を救ってもらったんだ。運ぶの位手伝わせてくれ、頼む」
クルトは頭を下げる。
「そうだな。 そこまで言うのに断る事もないな・・・悪いな」
「いや、強いあんたの話しを聞けるってだけでこっちとしては有益だ。 色々聞いても良いか?」
「ああ、いいぜ。 何でも聞いてくれ」
そうだ・・・俺は強い! あんな屑とは違う! この称賛が当たり前なんだよ!
イサオは、ニヤニヤしながら炎蛇の2人と話した。
◆◇
戻るともうすぐ夕方になる所だった・・・冒険者ギルドに豚を預けようとしたら、クルトが解体をするから預けてくれと言ってきた。
帰り道に話してみたがこいつらは信用出来そうだし、何かあれば文句を言えばいいだろう。
クルト達の強さは豚より弱い見たいだしな・・・金さえ貰えれば問題ないので任せた。
「ねぇイサオ。 オークに追われて少し怖かったし、少し一緒にいてくれない?」
ヴィストが腕にすがり付きながら言う。
「それは、かまわねぇが・・・」
「よし、じゃあ決まり! 宿を最初に探したいんだけど、一緒に部屋を見てもらっていい? クルト達は、解体場にいくみたいだし」
「ああ・・・じゃあ、クルト頼んだぞ」
「おう、バッチリやっておくぜ。 宿が決まったら解体場に呼びに来てくれよ?」
クルトは、頷きながら言う
「解ったよ。 じゃあ、イサオいこ~」
ヴィストは、そう言うと腕に強く絡み付いてくる。
おいおい、こりゃよ・・・やっちまっていいって事か? でも、避妊ってどうすんだ? まぁ日本に帰っちまえばどうでも良いことだな。
その後イサオとヴィストは近くの宿を取り、スノコベットの1人部屋を3日、2人部屋を3日取った・・・こんな美人のヴィストとタダでやれるんだし、これぐらいは奢ってやるかな。
イサオの体力が異常なほど上がっている事と、若返った為性欲も旺盛になっており何度もした。
最終的には、ヴィストの体力がつき気絶してしまいその日は終了した。
もう少ししたかったんだがなぁ・・・気絶してる女ってのも悪くなかったが、反応が無いと飽きてくるよな。
しかし、避妊をしなくて良いなんて最高だな!
さて・・・ヴィストはまだ起きないだろうし、解体場は屋敷の近所だしクルトを呼んでおいてやるか。
解体場に行くと解体が終わり、査定をしてもらっているクルトの姿があった。
「クルト、終わったみたいだな」
「お、イサオちょうど終わった所だ。 まさかイサオが呼びにきてくれるとは思わなかったぜ」
「ヴィストが気絶しちまって仕方なくだ・・・宿まで案内してやるよ」
査定が終わると全部売却する事を伝え金を受け取ると、2人を宿まで案内し屋敷に戻る。
今日は良い日だ! あんなに腰を使ったってのに重くも痛くもならねぇし、性欲も若い頃と同じかそれ以上になってやがる。
ハーレムって奴を目指した方が良いだろう・・・この世界を心行くまで楽しむ為に、屑と離れた方がいい。
なんたって俺は強いんだからな!
◆◇
次の日に冒険者ギルドに行くと3人が待っていた・・・何だ? 何があったんだ?
話しをすると、PTへの勧誘だった・・・PTに入ればヴィストと気兼ね無くやれるんじゃねぇか?
悪くはねぇな・・・入ってやるか。
「そうか! イサオがいればダンジョンだろうとクリア出来るな!」
クルトは嬉しそうに言う。
「ダンジョン? まぁ何でもいいさ。受付に言えばクラン抜けて、そっちに入れるのか?」
「ああ、その通りだ。 おっと、これを渡しておく身に付けておいてくれ」
クルトはイサオに銀色の腕輪らしい物を渡す。
その腕輪は、友情の腕輪と言って逸れたとしても必ず出会えるという言い伝えがある物なんだそうだ。
「ありがたく貰っておくが、PTには直に入らねぇ。 屑から、金を返してもらうまでもう少し待ってくれ」
「ああ、もちろんだ・・・が、得に変化とかはないのか?」
「あん? どういう意味だ?」
「いや・・・ヴィストとかなりやったんだろ? 腰とか痛いんじゃないかと思ってな」
「そんなことか、寧ろやり足りねぇよ。 がっはっはっは」
その後にオークを狩りに向かい、奴隷の兎に警戒のギフトを使わせオークを見つける。
こっそり近づいて行き、オークを5匹仕留めた・・・その時に運べないのは勿体無いので、分身を見せオークを運んだ。
3人はかなり驚いていたが、特に気にする事も無くオークを運ぶ。
帰り道にクルトから分身に防具と武器を付けて戦いに出せば、安全なんじゃないかと言われた。
そういや、その通りだと思い明日からそうすることにしよう。
一緒に過ごしていると、こいつらは信用出来るという思いが湧いてきた。
そして次第に、2人の仲間を助けたいと言う念が沸いてくる。
そろそろクランを抜けPTを移るべきだろう・・・その前に金を返して貰わなくちゃな。
◆◇
屑から相談があるとして全員を集め、芋虫の話題がでた・・・言うなら今だ!
結果としては、屑のせいで武器や防具を奪われた。
本当に屑でどうしようもない・・・が、他の奴らは洗脳されているようだし文句を言うのを止めた。
その後、クルトのアドバイスを貰い防具とサブ武器やナイフ等を買いPTに入った。
外に出て、オークを狩ると早めの夕食をとる・・・だが、酒も食事も余り美味くない。
しかしPTの2人がランクが上がった様で、嬉しそうに感謝してくるのが気分が良かったので騒ぎながら過ごす・・・
すると、知った顔がギルドの中に入ってきた。
女共だけでも助けてやるか・・・俺はなんていっても優しいからな。
餓鬼が、喧嘩を売ってきた・・・あいつはヤバイが、仲間を守らなくちゃな。
そう思ったが、屑が止めて出て行った・・・あの餓鬼を怪我させないように戦うのは骨が折れそうだからよかったぜ。
しかし、糞共まで出てきやがった・・・クソ! 面倒だ。
クルトも帰ると言ってるし、帰るか・・・
せいぜい小さい事でもやって頑張ってくれ、屑ども!
◆◇
その後数日、芋虫が吐き出す魔シルクって言う物を回収をしてインナーをオーダーした。
結構な金額だったが、稼ぎが良い俺には関係がない。
少し斑なベージュっぽい服になったので、染色も頼むことにした・・・白くする事は出来ないようで、全身黒にするしかなかった。
そして分身の装備は、俺の装備を真似するわけではないのでちゃんと装備させなければならない。
一応、俺のお古を渡し武器も買い与えた・・・しかし、装備とかは何処にしまわれてるんだ? ギフトってのは意味が解らねぇな。
仕方がないのかもしれないが、また金が飛んだ・・・なんか稼ぎが良い狩り場がないかクルト聞くと、迷宮が1番稼げるらしい。
すぐにでも迷宮に行きたいが、馬車便が来るのはまだ先だという・・・しかし、馬車を買う金もない。
仕方がないので歩いて行こうと言ったが、2人の反対に合い断念した。
ここで少しの間稼ぐか。
◆◇
何とか、最近復帰した迷宮都市に向かう馬車に乗る事が出来た。
迷宮都市に向かう馬車には俺達以外には1PT乗っている・・・むさい男達だ。
護衛の冒険者もいるが、そいつらは外を歩いている。
馬車の旅というのは、映画等で見たりしていたが思ってるよりもヒドイ。
まず、進む道が舗装されておらず振動が凄い・・・雨が降ると雨漏りがする。
むさい男達は、休憩の度に剣の稽古をしていて汗臭い・・・こんな思いするなら、歩いて迷宮都市に行けば良かったぜ・・・
数箇所の街を通り、ようやく迷宮都市に着いた・・・が、ひどい臭いだ。
そこらじゅうにクソがありやがる! どうなってるってんだ・・・
「そこらじゅうにクソがあるじゃねぇか。 この街は掃除とかしねぇのか?」
「週に1度は魔法で流してるよ。 人族の街はこんなところが多いよ・・・獣人の街はそういや綺麗だったね」
ヴィストが、首をかしげながら言う。
「それにしてもひどい臭いだ・・・」
◆◇
探索者登録を済まし、迷宮について聞く。
この迷宮は、獣人と人が覇権を争っているらしい・・・何でも、獣人のPTと人族のPTが1度ずつクリアしている。
その為どちらも譲らず、次に迷宮を攻略したPTの所属する探索者ギルドの種族で決めようとなったらしい。
もちろん俺は、人族の探索者ギルドに所属した。
次の日の早朝から、迷宮に潜る・・・上層は人込みが凄くて大人気だ。
魔物がすぐ狩られてしまって、何が狩られてるか解らないほどだ。
5層まで降りて、ようやく人込みが無くなった・・・ここは、ジャイアントアントの層らしいが、でかいアリなど物の数にも入らない。
そこで、不思議な現象を見た・・・剥ぎ取りが終わったアリが、溶けるように消えた。 どこ行きやがったんだ? どうなってんだよ!
「迷宮では、死んだモンスターや人は食われるんだ。 食われた人間の武器や防具、金品は宝箱の中から戻って来たりするんでぜ? しかも、魔剣や魔道具として帰ってくるんだから一攫千金も夢じゃねぇ」
「そりゃあいい、なら武器を置けるだけ置いて魔剣にしちまえば良い」
「いや、死んだ本人が持ってた剣や防具か、マジックバックに入ってた物しか食われないって話しだぜ?」
「なかなか楽に稼げないって事か・・・チッそろそろ先に進もうぜ」
第10階層に付くと入り口前で、1PTが装備の点検や腹ごしらえをしていた。
「先客がいたのか・・・どうする? 戻って狩りでもするか?」
「何でだ? そのまま進めば良いじゃねぇか」
「ここはボス部屋なんだ。 1回倒されたら湧くまで1時間くらいかかる」
「それで順番待ちか・・・めんどくさいもんだな」
先に入ったPTは、10分ほどでボロボロになって入り口に戻ってきた。
チッ仕方ない回復させてやるか・・・そう思い近づいて行く。
「おい、イサオ。 止めておけ、恩を着せても良い事はないぞ」
「怪我を治せば金を払うんじゃないか?」
「いや、装備を良く見ろ。 あれは、竹や木で出来た防具だ。 ボスを倒すと宝箱が湧きやすいから一攫千金を狙ったんだろうさ」
「なるほどな、無駄な魔力を使わずに済んだ。 ありがとな、クルト」
「仲間なんだから当たり前だろう? じゃあ、前も居なくなった事だしボス戦へ行ってみるか」
「おう、危ないと思ったら声をかけてくれよ? 頼むぜリーダー」
「解ってるさ。 最初はイサオの分身に頼んでみても良いか?」
「解った。 任せておけ」
10階層のボスは、ゴブリンジェネラル1体、ゴブリンソルジャー2体、ゴブリンメイジ1体、ゴブリンアーチャー1体、ゴブリンクレリック1体だった。
分身1人を突っ込ませると、敵が全員で分身を攻撃して来た・・・想像どおりだ。
クルトの指示通りゴブリンクレリックから先に倒し、順々に倒して行く・・・特に問題も無く戦闘が終了する。
「得に危なげも無く終わったな、宝箱はどこだ?」
「その壁の凹みに置いてある箱がそうだ。 分身に取りに行かせて貰えるか?」
「分身に任せるのか? そのまま取った方が早いんじゃねぇか?」
「宝箱には罠が仕掛けられてる時があるんだ。 分身なら安心だろ?」
「ああ、そうだな。 取りに行かせてみるぜ」
宝箱を開けると、矢が飛び出して分身の頬をかすった・・・危険すぎるだろうが!
その日はそれで終わった・・・この調子なら最下層へもすぐに辿り着くに違いない。
◆◇
その後何度も迷宮へ行き、多種多様な魔物を倒し金を稼ぎ防具や武器も新しくなった。
食料の関係で今の所40階層くらいまでしか進んでいないが、金が有り余るほど大金持ちだ!
そろそろ奴隷を買ってもっと奥まで進みたいもんだ・・・
進めば進んだだけ富も名声も思いのまま、女だって日替わりだ!
この世界は、俺の為にあると言えるんじゃねぇか?