第164話 ギフト取得?
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刺繍は成功したが、糸の量や面積で効果の強さが別れる。
もちろん量を多く面積を広くした方が良い。
だが、裏当ての様にただ付加が増えるだけだと思ったのだが、裏当てと刺繍の付加魔法は干渉してしまう様だ。
裏当てが無ければ刺繍の効果は十分発揮出来る、その逆も然り。
裏当てと刺繍の2つの効果を十分に発揮させられるように作れるのは、錬金と裁縫を持っているアヤコさんだけだった。
と言っても、刺繍で付ける付加魔法は浄化と消臭なのでそこまで強く無くても別に構わない。
わざわざ付加で付けなくても魔法をかければ済む話しだし・・・女性の意見として自分のにおいは解らないから、付加魔法を付けときたいらしい。
試行錯誤に20日もかかってしまった・・・最初からアヤコさんに試作を頼めばそんなに時間がかからなかった気がするのだが、言わぬが華だろう。
そして、俺達はLv99になった・・・と言うかようやく壁とやらにぶつかったんだが、魔物を多く倒しても新しい物を開発してもLvが上がらなかった。
もしかすると高ランクの魔物を倒さないと上がらないのかもしれない・・・ドラゴンでも探した方がいいかな。
もしくは幻獣とか神獣とか・・・いるのかはさっぱり解らないんだけど。
さて、本格的な冬に入る前に魔物を出来るだけ狩っておこう。
オークがPOPしやすいのか豚肉はかなりのストックがあるけど、多ければ多いほど良いに決まってるしね。
そう思って1人で死神の格好で魔物狩りに来ている・・・最近は、タクミ君に武器を思いつくだけ作って貰い、その武器の技を覚えることにしている。
今の武器は、七節棍を使っている・・・多節棍という種類で二・三・四節棍を使ってきた。
中国拳法の武器では節がもっと多い物もあるし、剣鞭や軟鞭、飛爪等々全く知らない名前が並ぶ・・・全部使えるようになって武器の心が欲しいが先に心が折れそう。
1番最初に使ったのはヌンチャク(二節棍)だった・・・昔振り回し頭に当たった思い出がよみがえる。
今ではブンブン振り回して脇でキャッチも出来るし、それで戦うことも可能だ。
というか、武器の心を持っているタクミ君よりもショウマ君の方が多節棍を上手く操っているのには驚いた。
さてと・・・ちゃっちゃと魔物を倒して素材を集めますか。
索敵のギフトを使い魔物が多い場所に行き、花火を打ち上げ魔物自身に俺の方に向かってもらう。
ゾロゾロとゴブリンや狼の魔物トウグが俺に向かってきた・・・魔法を使わずに武器のみで倒す。
多節棍を色々と使ってみたが、慣れてくれば使い勝手がいいかもしれない。
遠中距離での戦闘はもちろん、後ろに控えている魔法を使う魔物を狙うことも出来る。
流石に近距離での戦闘では少し使いにくい、左右で違う武器を持てば問題解決なのだがそうすると使いやすい武器に頼ってしまう。
地道に少しずつ覚えていくしかない・・・と言っても、ギフトは武器の種類での括りなので殆ど被っていたりする。
そんな事を考えながら向かってくるオークの頭に七節棍の先を突き刺す。
出来る限り囲まれないように注意しながら敵を倒していく・・・死体自動回収とかそんなギフトが欲しいが、見つからない。
カーボンナノチューブを自在に動かすことが出来るようになれば、マジックボックスやマジックバッグを先に括り付けて回収することが出来るのに・・・
どんどん魔物が増えてくるが、最強が上位種程度なので得に慌てるまでもない。
七節棍は、やはりギフトの多節棍の技に該当するのか・・・なら九・十一・十三節棍もそうなのだろう。
軽く使って慣れたら武器を変えて殲滅しますか。
しかし、何故魔物は最初に人を襲うんだろう? 隣に違う種類の魔物がいるのに・・・
しかも、強い人が1番狙われる・・・1番弱いのから順に倒した方が囲まれるリスクとかもないし、戦術的にはあってるんじゃないのか?
まぁ、俺は戦術なんて知らないし力でごり押しで倒すだけなんだけどね。
襲ってきた魔物を全て倒すとマジックバッグにしまう。
また、魔物の数が多い所を目指して走って行く。
先程の所より冒険者と思われる人が近いが、大丈夫だろう。
魔物も多いし何よりグルングロッコが群れで居る・・・魔法を使われると面倒だし魔戦斧を装備しよう。
またも花火を打ち上げる・・・すると、思ったよりも多い数の魔物が一気に俺の方に向かってくる。
あらら、一気に全部動いたのか・・・このぶんだと、数発攻撃くらっちゃいそうだな。
よし、風の刃を解禁して殲滅するか。
出来る限り森を破壊しないように攻撃の角度に気を付けて風の刃を飛ばすし、数を減らすと死体回収のために近づき回収しながら武器を振るう。
武器を振るいながらの死体回収は、結構大変だ・・・が、勿体無いので回収していく。
そんな事をしていると、1番近くにいた冒険者のグループがこちらに近づいて来る。
あ、ヤバイかも・・・死神の格好しながら魔物を倒している所を見られたら、魔物と一緒に攻撃される可能性がある。
だけど、森の前の魔物の数は全く減らない・・・奥の方のオークもこっちに向かってきてるし、こりゃ見つかるのは仕方がないかも。
そう思いながら殲滅していると、冒険者達は遠目でこちらを観察しているようだ。
ラッキーなのかも、今のうちに魔物を殲滅しちゃおう。
やはり魔物って生き物なのか良く解らないな・・・仲間が倒されてるのに逃げずに敵意むき出しで、こちらに突っ込んでくる。
普通生き物には恐怖とかってあるんじゃないの? 恐怖がない生物って進化が難しいよな。
いや、魔物同士の戦いだと逃げ出していたっけ・・・なんで人を襲うときだけ? 魔王が関係してるのか? 考えても解らないか。
全ての魔物を倒しカーボンナノチューブの先にマジックバッグを括りつけ回収する。
カーボンナノチューブも1本だけなら自由自在とまでいかないまでも動かせるようになった。
自由自在に動かす為には何かが足りない気がするのだが、今の所それが何か解らない。
遠目で見ていた冒険者達はこちらにちょっかいを出さずに観察だけするようだ。
もしかすると素材が何か残らないかと期待しているのかもしれない。
グルングロッコを取り出し羽根を冒険者の人数分切り出して、地面に突き刺す。
こちらを目視出来てるのか解らないが、冒険者の方を指差しグルングロッコの羽根を指差して去っていく。
やはり俺が移動を開始すると冒険者達が戦闘していた場所に入ってきた。
1人だけ動かないところを見ると、俺の事が目視出来ていたのかもしれない。
置き土産もおいて行ったし、死神姿の俺も敵ではないと噂してくれるだろう。
交渉したわけでもないし、噂を流してくれるかどうかは希望的観測でしかないのだが。
時間的にも余裕があるけど見つかっちゃったんだし、一旦屋敷に帰ろう。
料理の心を心得に進化させたいし、今日の晩御飯は俺のリクエストのビーフストロガノフだし楽しみだ。
タダシさんは久しぶりに作るから、期待はするなと言っていたが超期待している。
誰もいない所で装備を聖騎士のような物に変えて門をくぐり、屋敷に向かう。
農奴の皆が農作業を一時中断し俺に手を振ってくる・・・俺も笑顔で手を振り返しながら、屋敷に向かう。
食堂や雑貨屋は異様な賑わいを見せている・・・雑貨屋で子供達の実地をしながら鉱石商のゴラントの奥さんのネリウムさんが指示を出している。
実際の店長は盗賊に捕らわれていた女性の1人だが、ネリウムさんの方が経営が上手いし値付けも上手い。
ちゃんとネリウムさんに、特別給を渡しているし喜んでやっているからいい事だろう。
制服は麻で出来たベージュのシャツと黒のスラックス、ポケットが多く付いているエプロンだ。
制服は結構評判がいい、周りの店よりも清潔感がある為だろう。
そんな事より、料理を手伝わないとと思い屋敷に帰る。