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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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カナタの過去とカーボンナノチューブ

 ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 部屋の片付けをしていると、卒業アルバムが目に入った。

 過去なんて嫌な物しかない・・・捨てたかったが、捨てずにとっていたのを思い出す。

 今では、戒めとして持っているのがいいかもしれないと思う・・・


「過去か・・・」

 そう呟き、色んなことを思い出す・・・


 子供の頃に喘息になった・・・今では予防薬等があるが、昔は症状が出たら病院に行くしかなかった。

 その為運動全般が苦手で、人と同じ事が出来ないとされ余り遊びに誘ってもらえなかった。


 中学生になり、それがエスカレートしていってしまった。

 色々罵られ、他人から見えないように叩かれたり、俺以外にクラスで手紙が廻されたりした。

 その時に考えた・・・何故いじめられるかではなく、いじめられて悲しんだり、ムカついたりするから駄目なんじゃないか? と。

 この時から、感情が邪魔だと思い消え去るように訓練し始める。


 同じ中学の人が居ない少し遠い高校へ行き、これで終わったと思った・・・が違う中学に行っていた小学校が同じ人が入学していた。

 中学とは違い、シカトや陰口等の陰湿と言えるいじめを受けたが中学の頃よりいい。

 高校で、感情をある程度隠せるようになっていたので、いじめはエスカレートしなくなった。

 学校は面白くなかったが、ゲームやったり漫画を読んでると嫌な事を忘れられた・・・


 大学に行きたかったが、お金が無く専門だったら行ってもいいという事で興味があった車の整備士の学校へ行くことにした。

 入学し、出来る限り皆に気を使い優しくし、どんな事があってもずっと笑顔でいるように心がけた。

 すると、学校でいじめられなくなったばかりか、ほぼ毎日遊びに誘われるようになった。


 約1年が過ぎる頃、あまり気張らずに毎日を楽しく過ごしている自分がいた。

 そんなある日、ある友人から・・・


「おまえって、本当はそんな性格だったの? というか、俺はその性格の方が面白くていいと思う。 つーかさ1年も猫被ってたってのかよ! マジすげーな!」


「いや~、いじめられてきたから自衛の為にこんな風になったんだよね。 悪かったよ」


「いいっていいって、それより行こうぜ。 皆ゲーセンで待ってるってよ」


 俺は一瞬不味いと思ったが、取り繕い会話した・・・少し経ってから、素の性格が褒められた事に気が付き、物凄い嬉しくなった。

 今までは俺と性格が合わなかっただけで、別に無理して変える必要はなかったのか・・・

 この時より、俺は友人を多く作る事に無心し始める。


 友人の友人を紹介してもらい話したが、最初は会話をどうすれば良いのか上手くいかなかった。

 どうすれば良いのかなやんだとき、TVで【自分が興味がある話は、人に話したい物】というのを聞き、これだと思った。


 話題作りには、相手が話したい事を話せるようにすればいいと分かった。

 次に紹介された友人の友人の興味を持ってる物や興味がある事を友人に聞きリサーチすることにした。

 紹介され、仲良くなろうと触りだけを覚えた興味あること話をしてみる・・・〇〇に興味あるって聞いたんだけど、俺も最近知って興味あるんだよねと言うと、嬉々として語り出し多いに盛り上がった。

 やはり興味がある事というのは人に話したい物らしい。


 二十歳になると、友人と呼べる人が100人を超え飲み会を開いて加速度的に友人が増えていった。

 その時に女の子を紹介され付き合い始めたのだが、友人を優先しながら幹事をしていた。

 社会人になり、友人は多くなりすぎ携帯の登録が間に合わなくなると、手帳を使用し興味がある事、食事好き嫌い等をメモしていった。


 男女共に友人が増えた事から、合コンのセッティングをよくする事になった。

 この頃から、紹介してくれるからという事で飲み会の金額を払った事がない・・・しかし、盛り上げるだけ盛り上げて帰るだけなので、お持ち帰り等も全くやった事もないのだが・・・


 彼女がいつからか浮気をしていた・・・しかも、彼女が居る友人の1人だった。

 初彼女だった為物凄く嫌な気分になったが、いつもどこで何をしているのか解らないと言われ別れた。

 大半は俺のせいなのだから、仕方がないが・・・色んな事が、もう嫌になってしまった。

 結局集まりのノートと情報を後輩と呼べる人に渡し、その集まりから抜けた。

 毎日の様に酒を大量に飲み、胃が荒れて血が混じった胃酸を戻し、医者から禁酒を宣言されてたしちょうどいい。


 結局その集まりで俺が得た物は、他人が興味があることを聞いてるうちに学んだ色んなことと、色んな人との話し方や接し方だった。


◆◇


 その後は、友人を無理に作らず昔のようにネットゲームをして過ごていた・・・母が病気になるまでは・・・

 母の看病の為、仕事を止めざるを得なかった・・・父は、話しを聞かず「仕事だ」としか言わなかったし、姉はどこかオカシイ。

 父は、母や俺が精神科にいった方がいいと行っても聞く耳を持たなかったけ・・・

 母が亡くなると家を出た・・・母が居なくなった家に居てあげる義理もない。

 せいぜい姉の物凄く大きい叫び声のような独り言を聞けばいい。


◆◇


 このご時世、就職先等簡単に見つからない・・・大学を出ていないことと年齢的な物が大きかった。

 色々探したが、ブラックだと言うトラックドライバー位しか募集が無かった。

 生きるために仕方なく就職をする、死なない為にはそれしかなかった・・・


◆◇


 部屋の片付けが終わり、一息付くとメールが届く


 【カナタって喘息だったよな? おもしろい記事を見つけたんで送る】という内容だった。

 そして、その下にはアドレスが貼ってあった。


 すぐにクリックすると、俺と同じ喘息の子共の肺にカーボンナノチューブが見つかったという記事がでた。

 カーボンナノチューブは知っている・・・宇宙までのエレベーターを作るときの素材だったはず。

 それが、俺の肺にあるって考えると面白いし夢があるな・・・よし、ちゃんと調べてみるか。


 その時に、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブを調べ覚えた・・・そのことが自分にどのような事をもたらすのかも知らずに・・・

 喘息という病気を出しました。

 不快に思った方がいましたら、すみません。

 作者本人も喘息持ちなので、余り怒らないでください。

 カナタの持ち物に【薬】とあったのは、お守りのように持っている喘息の薬です。


 もう少し詳しく書きたかったのですが、エグイ話になってしまう為止めました。

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