表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
186/406

第160話 スキルが危険?

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「えっと、ギフトはスキルを調整した物で・・・スキルは危険が含まれてる。 だったっけかな?」

 ライナは、首をかしげながら言う。


「スキルが危険? 使うと命に危険があるって事? というかギフトとスキルの違いって何?」


「いや、俺には詳しくわからねぇんだが命の危険がある物は発見されてないと言ってたぞ? 詳しくはパルメントのババアに聞いてくれ」


「命の危険がないなら良いんだが・・・ふむ、ただ単に強くなるって訳じゃないのか。 まぁその方が信用出来るかな」


「信用? なんだそりゃ? まぁいいけどよ・・・俺のスキルは瞬撃で1撃の攻撃力・速度が上がるんだ。 溜めを必要とする攻撃だからあまり使えないんだけどな。 んで、俺の危険は遠距離武器の命中率が低いだな。 投げるのはもちろん弓やボウガンも下手だ。 魔法があるから困った事はない」


 危険っていってるけどデメリットだな・・・ふむ、何かが苦手になるとかそんな事か? それなら別に困らないか・・・


「紫の髪って事は、雷? どんな魔法? 俺達の魔法はオリジナルだから普通の魔法は知らないんだよね」


「オリジナル!? って自分で作ったの? 何それ? 本当の大天才じゃない・・・」

 リカムが驚き言うとうな垂れる。


「俺が作ったわけじゃないよ。 それで魔法ってどんなの?」


「俺のもオリジナルと言えるかもしれないが、剣に雷や風を溜めて切り付けるんだ。 まぁ俺のはダンジョン産のミスリル剣だから出来るってわけなんだけどな」


「それって魔剣って奴? それとも魔法剣? どんな風にやるの?」


「魔剣で、銘を魔撃剣という。 ちっとやってみるから見ててくれ」


 横で2人が小声で話す。

「いつ武器の名前変わったの? ソップ知ってる?」

 リカムは手で口を隠すようにソップに聞く。


「私も今聞いた。 という事は今変わったんだと思う」

 ソップも口を隠すようにリカムに言う。


「確か1度だけ魔法を吸収増幅し攻撃に付加出来る剣。 魔増剣って名前だったよね?」


「私もそう記憶している」


 俺には完全に丸聞こえで、苦笑しか出ないがライナは全く聞こえていないのか魔法を唱えている。

 かなり良い性能の剣だな・・・しかし、相手の魔法も吸収出来るのか? 吸収出来る強さはどのくらいなんだろう? 

 ライナは、魔法を唱え終わると小さな静電気の塊のような物を作り出し刀身に入れる。

 すると剣の真ん中にある文字が発光し、剣に火花のような物が起こり始める。


「おお! 文字が光るエフェクト付きか! かっこ良いね!」


「だろ! そうだよな! さすが兄さん、解ってるね~。 しかも、俺の瞬撃で魔法の威力も上がるっぽくて気に入ってるんだ」


「いいなぁ~、俺もエフェクト付いた武器欲しいな~」


「兄さんはダンジョンの経験はないのか? この近くには塩の迷宮があったと思ったんだが」


「塩の迷宮はクリアしたんだけど、報酬は塩だったんだよ。 まぁ美味しい塩だったから良いと言えば良いんだけど」


「そうだったのか・・・」

「ちょっと、ストーップ。 あの、オリジナル魔法見せてもらえませんか? どんなのか興味があって」

 ライナの話しをリカムが制して会話に入ってくる。


「別に良いけど、大したもんじゃないよ? えっと、右手には火、左手には水、これを回します!」


 右手を出して、その上に小さい火の玉を出し、左手を出して小さい水の玉を出す。

 右手の上で火の玉を円を書くように動かし、左手でも水の玉を円を書くように動かす。

 円を書くスピードを上げると、手のひらを1度叩く・・・その瞬間水と火がぶつかり水が少し地面にこぼれた。


「簡単なのだとこんな感じかな。 土や氷なんかは円錐状にして飛ばしたりも出来るよ」


 3人を見るとポカンと口を開いて驚いていた。

 しかし、リカムが少しずつ動き出しこちらを指差してワナワナ振るえている。


「無詠唱・・・魔法自在操作・・・ダブルマジック・・・光魔法だけじゃない色んな素質・・・どうなってんの? 人間なの? おかしいじゃない、近接戦闘できて魔法も万能とか・・・はっ! もしかして神様? そうなんでしょう! そうだと言いなさい!

 そうじゃないと私の3年間はなんだったの? 無駄だとでも言うの? はっ! もしかして悪魔? 人の不幸を喜ぶ悪魔ね!」

 リカムが捲くし立てる様に言う。


「いや、人間だから・・・神や悪魔だったとしたらこの場所にいないで故郷に帰ってるから。 そこまで言うなら、魔法を教えてあげられなくはないんだけど・・・無意味だと思うんだよね」


「え? 教えてくれるのに無意味って私には才能ないと言いたいの? それとも無能とでも言いたいのかしら?」


「そう言う意味じゃなくってね。 魔力量が足らないと思うんだよね・・・たぶん初期の4属性の魔法を撃ったら魔力枯渇状態になると思うよ」


「魔力量はそれなりに多い方だと思うんですけど・・・1度教えていただけませんか?」


「う~ん・・・そうだ! えっと、このシャツには付加魔法が付いてるんだけど魔力流してみて貰って良い?」

 俺は温度調節が付加されたシャツをリカムに渡す。


「付加魔法? エンチャントマジックの一種? まぁいいや、エンチャントの効果発動なんて・・・あれ? 嘘・・・どれだけ魔力吸い込むのよ。 あ、止まった」

 リカムは、シャツを持ちながら魔力を込めて呟く。


「内側に手を入れてみて、結構涼しいと思うから」


「本当。 涼しい・・・冷風を出すエンチャントってこと? それだけなのに魔力がこんなに必要なの?」


「実際には環境に影響されずに温度を一定に保つ付加魔法なんだよね。 そして、その付加魔法の最低10倍位が基本4属性の魔法の使用魔力なんだよね。 使えそう?」


「いえ、私だと3回・・・いえ、2回撃ったら魔力枯渇状態、もしくはそれに近い状態になるでしょうね・・・諦めます」


「うん、それが良いと思うよ。 エルフの魔力を持っているフランソワーズ様でさえ覚えるのを諦めたんだから」


「ちょっと聞きたいんだが兄さん・・・フランソワーズって言うと【血濡れの歌姫】の事かい?」

 ライナは、手を少し上げると言う。


「血濡れの歌姫? エルフと獣人のハーフの白髪の大将軍の娘のことなんだけど?」


「まじか・・・」

 ライナは呟くと頭を抱え。


「帰ってるの!?」

 リカムは、驚きの声を上げる。


「今度は負けない・・・」

 ソップは、何故か燃えている。


「え? 何? 知り合いかなんか? 出来れば説明を詳しく!」

 俺は色恋沙汰なんじゃないかと思い、面白そうに聞く。


「えっと、ライナの一目惚れの相手なんだけど・・・血濡れの歌姫は、戦って勝てれば交際出来るって言う噂で、戦いを挑んで返り討ちにあったのよ」

 リカムは腕を組んで言う。


 もっとこうさ、好きでデートに誘って断られましたとか。 告白して玉砕しましたとか、そう言う展開を期待してたんだけど・・・

 というか、その理論から言うと12人全員、何でもありの闘いなら勝ってるから全員付き合ってる事にならないか?

 いや、最初に倒した人はショウマ君か・・・いいなぁ恋人欲しいなぁ・・・


「兄さんは付き合って無いんですよね?」


「うん、俺は付き合ってないけど、フランソワーズ様はもう既に何度も負けてるよ?」


「何! 俺の・・・俺の目標はいったい・・・いや、でも負かした奴より強くなれれば! そうだよ! そうすれば俺に惚れるに違いない! 兄さん! 修行をお願いします」

 ライナは、椅子に座りながらテーブルに頭をぶつけ言う。


 うわぁ、ストーカー気質じゃん・・・鍛えるの止めた方が良いのかなぁ。

 結局今から修行は面倒だという事で、明日の朝に屋敷の前にきてもらう事になった・・・ショウマ君に丸投げすれば、強さの確認と称して上手く倒してくれるだろう。


 3人の朝練参加の対価として、無料で子供達に魔法を教えるという事を条件にしたのは言うまでもない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ