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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第155話 屋台と依頼予約?

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。


小説家になろう勝手にランキングも押してもらい、本当にありがとうございます。

「なんか物凄い嫌な予感がするので聞きません!」

 俺はギルドマスターにそう言うと手のひらを前に出す。


「それは残念ね。両方に利益があることだったのに」

 ギルドマスターは、首をかしげて笑顔で言う。


「解りましたよ。聞けばいいんでしょう? 受けるかどうかは解りませんよ?」


「いいわ。 確定した情報じゃないからどうなるか解らないしね」


 内容は、ワイバーンの目撃情報とピンクの幼龍の目撃情報、それに伴いセントバードやオーク等がミズクサの街もしくは王都に移動してるのでは? との事だった。

 調査隊が出発して3日経つが痕跡等は全く見つからないという事でガセの可能性もあるとの事だった。


「ピンクの幼龍ですか。 色って関係あるんですか?」

 俺はそう言うが、属性? と考えていたのは言うまでも無い。


「色は属性よ。 成龍にまで育てば落ち着いた色になるのだけど幼龍だと属性が色濃く出るのよ」


 やはり属性らしい・・・ピンクって事は火の上位属性の爆発とかかな?

 でも、龍ってちょっとみて見たいよね。

 東洋龍なのか西洋龍なのか気になるし、何よりファンタジーの定番・・・ってことは言葉を話せる龍も居るのか? 古龍とかエンシェントドラゴンみたいな。


「考え事をしているところ悪いんだけど、幼龍が本当に居たら緊急呼び出ししても良いかしら」


「はい、もちろんです。 龍を見てみたいので願っても無いことです」


「それで用事ってなんだったのかしら? 高ランクの食べられる魔物の確定情報は、まだ無いわよ?」


「あ、これを渡そうと思って来たんです。 ヨシさんの特製弁当です。 グランツネッツのから揚げとか色々入ってますよ」

 そう言うとヒノキのような素材で出来た1段の重箱とパンが入った籠を渡す。


「あら、いいのかしら? ありがとう」


「今のセットで1人前で職員1人ずつに行き渡るようにしてあります。 お弁当箱とかはいつでもいいので屋敷に持って来てください」


「わかったわ。 食べられる魔物が出たら優先的に情報を回すようにするわね」


「はい、お願いします。 あと、今から職員達に渡しちゃって良いですか?」


「いいわよ。 仕事が終わってから食べるように言っておくから」


 そうして、職員達1人1人に手渡しをして感謝を告げる。

 俺1人だけだったらこんな面倒な事はしなかったであろう。

 しかし、お礼をしておけば皆俺達を優先してくれる。

 最初はヨシさんがお菓子を皆で食べてねと言って渡すだけだった。

 貰ってばかりだと申し訳無いと思ったのか、魔物の目撃情報を箇条書きにくれるようになってきた。


 今ではソメイヨシノのメンバーの誰がギルドに行っても、オーク等の目撃情報も教えてくれるようになった。

 情報に従いショウマ君が子供達を引き連れて、魔鉄製のリヤカーを引いて現場に行き、狩ってすぐ戻ってくるという事を出来るのは職員の頑張りのお陰だったりする。

 情報を元に狩って来たら御礼として狩って来た物の肉を使った料理を渡している。

 もちろん、ヨシさんタダシさんの作った食事ではなく子供の見習いの物なのだが、それでも美味しいと評判だ。

 奥さんを食堂で働かせる事を画策している職員も居るようだ・・・現在の状況だと教われるか解らないけどね。


 その後、解体場にも行きエミルさんに同じようにお弁当を渡す。

 エミルさんも、俺達専用の解体師になり始めリーダーの立場になっている。

 解体場の皆にもヨシさんがお菓子を渡している効果もあり、優先的に解体をしてくれるし解体が物凄く丁寧だ。

 同じような説明をして皆にお弁当を渡して出て行く。

 お酒をねだられたが、お酒はまだ売って居ないし量もそんなに無いから売るつもりも無い。


 そして、鍛冶工房のネムガさんと革細工のニムロフさんと骨細工のヒリスさんと木工所のミミリさんにもお弁当を渡す。

 行った所の従業員の皆には皆で食べられるようにフライドポテトやコロッケの具材で作ったグラタンのような物、から揚げパンを大きな皿に大量に出しておいた。

 あとで宴会にでもなりそうだな・・・まぁ俺にはどうする事も出来ないし。


 鍛冶工房から鉄やアルミ、錫等を貰い、革細工の所ではブラックビーフの皮やオークの革をなめした物を貰い、骨細工の所ではミノタウロスの角を貰い、木工所では木材とゴムの原料のラテックスを貰った。

 ラテックスは最初のころから探してくれるように頼んでいたのだが、エルフの国にゴムがある事が解り頼んだ。

 ラテックスは酢酸を入れれば硬くなるそうなのでタイヤや靴底が作れるようになりそうだ。

 子供達のサンダルをブーツに変えたり、血の気が多い人が多いから手袋にスチールショット(粒状の砂鉄)を仕込んだグローブも作ってあげられる。


 お金はアイディア料から出てたりするが、木工だけは樽を作ってもらってるのでちゃんと払った。

 木って何気に多く使うんだよね・・・矢だったり手合わせの時の模造刀、家だったり家具、樽もそうだし。

 それを一手にミミリさんの所を介して行ってるから、他の木工所から仕事を回すように圧力をかけられていたそうだ。

 だが、それを知ったフランソワーズ様が他の木工所に文句を言いに行き下請けのような形で落ち着いている。

 他の木工所の人達も能力的にはミミリさんと同じか少し低いくらいだから問題は無い。


 木工の大元締め的な位置にミミリさんが居て、城から来た文官の1人が他の木工所に回す依頼を選定している。

 他の木工所で出来上がった物は、ちゃんと最後にミミリさんや従業員が検査しているから特に大きな問題は無い。

 金額は高くしたくないとミミリさんが言うから、他の木工所は少ないけど利益が出る安い金額で請け負ってくれてるようだ。

 まぁ、暇で全く儲からないよりは加工代金位を貰っていた方が良いだろうしね。


 最後にゴラントさんの鉱物商店へ。

 最後にしたの理由は特に無い・・・実際はある、ゴラントさんの立場が非常に小さくなってしまっているのだ。

 俺が奥さんのネリウムさんをスカウトし、子供達に商人の心構えや算術を教えて貰っている。

 ゴラントさんは、鉱石を買って行商から戻ってきたら離縁状を叩き付けられたそうだ。

 離縁状を渡された時ゴラントさんが土下座をして事なきを得たが、今では奥さんのネリウムさんが店の経営や家での主導権を握っている。


 ネリウムさんは人の心理をよく読んでいる様で、頼んでいた鉱物が届いたり珍しい鉱物を見つけた場合家にお知らせに来てくれる。

 そんな事もあり、交渉ごとや鉱石買うときなど全てネリウムさんとしている。

 ちゃんと借金の管理もしてくれているので良い奥さんだ・・・が、ゴラントさんに対する言い方がキツイ。

 丁寧なんだけど棘がありかなり怖い・・・子供達もゴラントさんを可哀相な目で見るのは言うまでも無いが、子供達も御菓子効果で俺達の味方だったりする。


 最初に会ったときのような傲慢な雰囲気はもう無くなり、小さくなって過ごしている感じだ。

 ネリウムさんに直接渡しているお金は、ゴラントさんの稼ぎよりも良いしプライドもズタズタなんだろうな・・・

 頑張れお父さん! とか思いながらお弁当を渡し奴隷の食事も渡しすと、御礼としてプラチナを貰う。

 ダンジョンでプラチナはハズレとされて捨ててあるらしく、無料の物を俺達が買っている。

 最初は鉄鉱石と同じ金額でといっていたが、なんだかんだで半額になってるので助かっている。


 その後、人で賑わう食堂に戻り簡単な屋台を作り始めた。

 夕方近くには4個の屋台を作ることが出来た・・・この屋台で売る物をタダシさんと相談しなきゃな。


 食堂で売り切れの表示を出し、売り切れですと大声で叫んでいるのに並ぶ冒険者がいた・・・勘弁して下さい。

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