第150話 護衛の完了・到着
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。
インフルエンザになり体中がめちゃくちゃ痛いです。
皆様は体調を崩さぬように御自愛下さい。
12時前くらいには解体を終わらせ、屋敷へと戻る。
今回は女性達も解体をして貰った・・・途中に気分が悪くなり気分転換に行った人も多かったが、頑張って解体してくれていた。
俺はギフト狙いの為タダシさんの手伝いに入った・・・そのおかげで解体の心はまだだが、革を剥ぐのが何となく解るようになった。
革を剥ぐ技術を手に入れたと思われる・・・お陰で時間短縮になったが、まだまだ大量に魔物が残っている。
魔物の解体を終える頃には解体の心を覚えたいもんだね。
次の日の朝、いつも通りに起きダイニングに行きタダシさん達に挨拶すると、奥の方に見慣れない集団がいる・・・その隣にメイド・執事の子供達がいた。
「おはよう皆。 その子達は・・・奴隷商にいた子供達か! あ、驚かせてごめん。 それじゃあ、先に来てた皆が先輩になるわけだ。 ゆっくり仕事の事教えてあげてね、頼んだよ」
「「はい! ありがとうございます」」
子供達が大きな声で返事をしてくれる・・・だが、奴隷商にいた子供達はビクッとして後ずさりしている。
余り俺がでしゃばっても言い事は無いと思い、準備運動をする為外へ・・・そこにはベトニアとユリ親子がいた。
ベトニアは俺に気が付き走ってきたので挨拶をかわし、ユリ親子に挨拶をしに行く。
「おはようございます、エユリムさん、ユリ、シュンギ」
「おはようございます、カナタさん。 お早いですね」
エユリムさんが、そう言うと2人もおはようございますと言い頭を下げる。
「いつもこのくらいの時間には起きてますので・・・質問ですが、アヤコさんとの仕事はどうですか? 出来そうですか?」
「ええ、大丈夫ですけど・・・覚えることがいっぱいありすぎて大変ですね」
「無理しないでゆっくり覚えてって下さい。 2人は勉強はどうだった?」
「難しいです・・・文字だけ見てると眠くなっちゃいますし、計算はチンプンカンプンですし」
ユリは、頭を抱えクネクネしながら言う・・・シュンギは難しいですとだけ言って下を向いてしまった。
文字を覚えるのは難しいよなぁ・・・なんか良い方法があれば・・・あ! 漫画とかなら覚えるんじゃないか? アニメをちゃんと理解したいから日本語勉強する人もいるくらいだし。
いきなり漫画は難しいから、紙芝居とか絵本を作るのが良いかな? 良い事すれば良い事が返ってきて、悪い事をすれば悪いことが返ってくるってのは道徳的にも教えておいた方が良いことだろうし。
しかも、紙芝居とかなら勉強にも使えるんじゃないかな?
それなら、文字を覚えるならゲームにするってのも手かもしれない、カルタとかならすぐ作れそうだし材料もある物で作れるだろうし。
コノミさんに作ってもらえないか後で聞いてみよう。
その後、皆が集まり朝練を終わらせるとLv・ランクを上げ【Lv36.Lv35】【ランク7.8】、昨日の討伐の報酬を貰う。
俺はその後、お弁当を持ち革細工の工房を訪ねる。
革細工を教えてくれたニムロフさんがお店を開けるところだったようで、革鎧を渡すと驚きと感謝の言葉を言われお金を渡された・・・革のアクセサリーもそれなりに売れているようだったので遠慮なくお金を貰っておいた。
ニムロフさんと分かれ木工所へ向かう・・・
門の前の冒険者に挨拶をして、ミミリさんを尋ね手伝う・・・報酬として作り置きしてあった樽を大量に貰う。
お昼になり一緒にお弁当を食べ、その後の作業も2人で一緒に行なっていく・・・前回の木材の糊が乾いた様で、材料的に2軒分と某弁当屋位の大きさの店舗分と椅子やテーブルの材料がそろい、明日には建て始めてくれるようだ。
夕方には、4軒分の木材の切断作業が終わりキリが良いので屋敷に戻る。
するとそこには、盗賊から助けた女性達と切り刻む風の面々が冒険者ギルドの前にいた。
「お~い! カナタさ~ん無事に着きましたよ~」
切り刻む風のリーダー、センレンさんがこちらに気が付いた様で大きく手を振って叫んでいる。
俺は、少し小走りで駆け寄り皆の無事を確かめる。
「皆さん、いらっしゃい。 とりあえず立ち話もなんなので屋敷に移動しましょうか・・・付いてきて下さい、こっちです」
屋敷に着くと、思っていたよりも大きな屋敷だったのか皆がポカーンと口を開けている。
呆けてる皆を呼び中に入ると、セードルフとミランダとベトニアが駆けつけてきた。
「皆ただいま。 ミランダは女性達を先に皆をお風呂に案内してあげて、セードルフはモンジさんを連れて開いてる部屋へ案内して、ベトニアはタダシさんとヨシさんに夕食の人数が増える事を報告してきて」
「「畏まりました」」
3人はすぐに行動にうつる。
全員が移動していくのを見ると、俺は洗面所で手を洗い着替えをすることに・・・
着替えをしてダイニングへ行くと、アカネさんのペットのオモチがテーブルの上で踊っていた・・・大道芸でも仕込むつもりなのか?
そう思ったが、アカネさんが俺に気が付き話しかけてきた。
「カナちゃ~ん! ミスリル取りに行こ~」
「何? 藪から棒に・・・何かあったの?」
「通信機なんだけどね~、現状だと通信範囲は1.5倍にしかならないの~。 オールミスリルにすれば~もっと遠くまで会話出来ると思うんだよねぇ~。 だから~ミスリル取りにいこ~」
「それなんだけどさ、声を送るんじゃなくて文字を送るようには出来ないの? そっちの方が遠くまで届きそうな気がするんだけど」
「それなら出来そ~、だけど画面はどうするの~?」
「前に有機ELをケイタ君が作れないか試してみるって言ってたでしょ? それを使えない?」
俺はそう言うとケイタ君に視線を送る。
「開発は出来そうですが、やはりミスリルが欠かせない材料となりそうですね。 それと魔晶石の小型化も視野に入れないとかなり大きくなりますので」
ケイタ君は既に開発のめどを立てているようだ。
「ケイタ君とアカネさんならすぐに開発出来ると思うからよろしくね。 あと、興味本位なんだけど現状の無線機を見せて」
「はい、どうぞ~」
アカネさんから渡された物は、リップスティックを四角くした大きさの透明な水晶で、中に桜の花と落ちている桜の花びらをモチーフにしたようなデザインが中に入っていた。
思ったよりも小さくコンパクトに纏まっている。
「すごいね、こんな小型になったんだねでもどうやって使うの?」
「それは、中身だけですよ。 ちゃんと耳に付けるフックやマイク等も作るつもりですし、通信の番号振り分けもしようと思ってますから完成品では無いです」
ケイタ君が通信機の説明を代わりにしてくれる。
「そうなんだ~。 でもさ、この花びらの部分とこっちの花びらの部分が、魔力滞ってるように見えるんだけど」
「どこどこ~? もういっか~い」
通信機の花びらの滞り部分を指摘すると、細かくアカネさんがメモを取っていた。
「そういえば、その服って新作?」
「そう~そう~、ベロアで作ってもらったんだ~。かわいいでしょ~」
アカネさんはそう言ってから立ち上がり、くるっと回る。
ベロアで作った水色と白のボーダーのパーカーとショートパンツ、ニーハイソックスだった。
「かわいいね、似合ってるよ。 ケイタ君もそう思うでしょ?」
俺はそう言うとケイタ君に話しを振る。
「ええ、とても似合ってると思います」
ケイタ君はメガネをクイッと上げると頷きながら言う。
アカネさんは嬉しそうにえへへ~と言いながら席に座り、お茶を飲み始めた。
「ちゃんと男性用のセットアップ(スウェット)も作ってあるよ。 いつもの部屋に置いてあるから後で持っていきな」
アヤコさんが、レースを作りながらそう言う。
そう言えば、お風呂とかに行った皆が来るの遅いけど何かあったのかな?