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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第148話 素材集め

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「あ、もう1匹でっかい蛇が来ましたね・・・って、周りにもいっぱいいますね。 というか、こんだけ頭がいっぱいあるなら、ヒュドラかも知れませんね」

 ブンブンと剣から風の刃を飛ばしながら言う。


「ヒュドラってヘラクレスに出てきた魔物ですよね?」

 ユカさんは、サンダーを撃ち終わるとこちらを向き言う。


「そうですよ。 体からいっぱい蛇の頭が生えてる奴ですよ・・・あ! でも、違うっぽいですね。 二股に別れた頭と体のようなので、双頭の蛇のようですね」


「冷静に言わないでください! 強そうですよ? 逃げますか?」


「まぁ、風の刃を飛ばして見ますね」

 1番近い双頭の蛇の1匹に風の刃を飛ばすと2つの頭が落ち、うねうねと蛇の体が勝手に動いている。


「うわぁ! 気持ち悪いですよカナタさん! どうにかして下さい」


「でも、見ようによっては魔物を引き連れて死んでくれるんでいいのでは?」

 そう言いながら、風の刃を飛ばす。


「そうかも知れませんけど、ゾワゾワってします! うわわわぁぁぁ」


 近くによって来ていた蛇がコブラのように半身を持ち上げ威嚇の声と共に、何かを吐き出そうとしている。


「なんか吐き出してくる! 風で押し返しますよ? 強風!」


 俺が風を出すと、ユカさんも理解したのか風を出してくれる。

 2人の風が蛇に届いた瞬間、蛇が透明の液体を吐き出した。

 蛇の出した液体は、蛇の近くにある木に当たる・・・見る見るうちにかかった所が溶けていく。


「溶解液かなんかっぽいですね。 何で溶解液なんでしょう・・・蛇なんだからせめて毒にしてほしいところですよね」


「そんな事言ってる場合ですか! ってすぐ後ろまでオークが来てます! やぁ!」

 ユカさんがオークの頭を薙刀で切り落とす。


「小さい魔物は任せました。俺は、蛇優先で叩きますね!」


 そんな事を言ってると、蛇の周りにツララが浮かんでおり不味いと思い剣を前に構えて、全速で蛇に突っ込み雑魚を蹴散らし、飛び上がると蛇の首を切り落としていく・・・

 ツララに何回か当たり体勢を崩したが防具の性能のおかげで無傷だった・・・防具を優先して作って良かった、現実だと防具の重要性が良く解る。

 その後、モンスターが沸くのを落ち着くまで休み無く切り、マジックバッグに全部しまう。

 体に付いた返り血を簡単に流すと、休憩をせずにその場を立ち去った・・・ちょっと残ってしまった血や要らない死体は燃やしておいた。

 2人とも全力でずっと討伐していた為、結構疲れた。


 次に狩りに来るときは、絶対に武器と防具を完成させてからにしましょう! ということになった。

 しかし、ユカさんはワイバーンのインナーだけしか新装備を付けていないのだが、風魔法を使ったときの疲労感が少なくなると言っていた。

 雷魔法は、いつもと一緒に感じたらしいので、ワイバーンの装備が風を纏っていることが関係しているのかも知れない。

 防具の詳細を知りたいが、今は無理だろうな。

 最近上がった骨細工の心得でワイバーンの骨の剣の詳細を見ると【風を纏う物】としか書いて無い・・・もっと詳細をくれないと解んないよなぁ。


「ユカさん、もうすぐ夜になっちゃいそうですし急ぎませんか?」


「そうですね・・・カナタさん、申し訳ないんですが身体強化魔法をかけてもらって良いですか? 維持は出来ると思いますので」


「了解です。 俺は魔力に余裕があるので、きつければ維持も代わりますからすぐに言って下さいね」


「はい、本当にすみません。 ありがとうございます」


 結局、ユカさんは魔力が切れてしまい俺が魔法を肩代わりしながら急いで帰った。

 すると門の前で兵士にギャアギャア文句を言う男達がいる。


「本当だって! グランツネッツが居たんだ! こっちに向かって来てるんだって!」


 グランツネッツ? 何それ? 新しい魔物? いい素材かな? 気になるな。


「すみません、その話し聞かせてもらって良いですか? 力になれるかも知れないので」

 俺が兵士に話しかけてる人に声をかける。


 兵士は俺に・・・いや、ユカさんに気が付いた様で、お帰りなさいませ! 聖女様! と言って礼をしている。


「え? 聖女様? じゃあ、あんた護衛か? ちょうど良かった聖女様の護衛だから強いんだろ? 向こうの方からグランツネッツが群れになって来るんだ! 何とか追い払えないか?」

 冒険者の男はそう言い、俺達が居た方向を指差す。


「先に確認ですが、グランツネッツとはどんな魔物ですか?」


「餌を求め森から森へ徘徊している双頭の蛇だ! 1匹でも強いって言うのに群れで囲んで攻撃してくる厄介な魔物だ。 ウェーブの影響で街の近くまで来てしまったみたいなんだよ! このまま何もしなければ今夜にでも街に来てしまうかも知れない距離で見たんだ。 なぁお前ら」

 男はそう言うと仲間に同意を求める・・・仲間達はいっせいに同意している。


 俺とユカさんは顔を見合わせ、笑い出してしまった。


「何がおかしいんだ! 馬鹿にしてるのか!」


「はっはっは、ごめんなさい、悪気はなかったんです。 グランツネッツは、さっき俺とユカさんが倒してきた奴だと思うので大丈夫だと思いますよ?」


「そんな馬鹿な事あるか! おまえは、何にも持っていないじゃないか! 4級の魔物で、群れで襲って来るんだぞ? しかも凍りの魔法まで使いやがる本当に厄介な魔物なんだ」


「衛兵さん、1匹だけ出しても良いですか? マジックバッグなので」


「はい、大丈夫です。 ですが、ここだと邪魔になりますので端っこでお願いします」


 俺達は門の脇の草むらに行き、グランツネッツを出す。

 すると驚きの声を上げて、男にすまなかったと謝罪された・・・謝られる必要が無いのだが、変な事言うとこじれそうだから止めておこう。

 その男に群れ全部を倒したことを伝えると、安堵の表情でありがとうと言い門の入場列に並びに行った。

 俺とユカさんは、冒険者ギルドへ報告してほしいと言われ先に通してもらえた・・・ラッキーだな、正直入場の長蛇の列には並びたくないしな。


 俺は魔力切れのユカさんに先に帰って皆に説明をお願いした。

 しぶしぶ頷き、俺1人だけで冒険者ギルドへ・・・何となくだが怒られる予感がする・・・と言っても俺のせいじゃないと思うんだが。

 ギルドの受付のセネラさんに、ギルドマスターの面会を頼むとあっさりと了承が貰えた。


「と言う訳で、蛇を倒して来ました。 たぶんですが全部倒せたと思います」


「はぁ・・・この街を救ってくれてありがとうと言うべきなのかしら? でも、ブラッディルビーワイバーンよりは処理が楽ね、解ったわ」


「はい、報告は以上です。屋敷に帰っても良いですか?」


「ええ、いいわよ。 解体とかは頼んだりしないのかしら?」


「今回のは自分達で解体しようと思っています。 捨ててしまう素材も活用出来ないか調べようと思いまして」


「解ったわ。 解体場を使いたくなったら言って頂戴。 鍵を渡すから」


「はい、解りました」


 その後、冒険者ギルドを出て屋敷に帰る・・・玄関を開けるとセードルフ、ミランダ、ベトニアとアカネさんのペット? のオモチが出迎えてくれた。

 オモチが、メイド服のようなものを着て「お帰りなさいませ、ご主人様ニャン」と言って去って行った。

 ぽかーんとしていると、セードルフからお食事が出来ていますのでお早くと言われ、ダイニングに行って汚れを少し流してくることを伝えてシャワーに入り、すぐ着替えてダイニングへ。

 今日は、ピザとジャガイモのポタージュスープ、温野菜サラダが夕食だった。

 ピザと温野菜サラダは、子供のメイド執事達が作ってくれたようだ・・・ピザ生地はヨシさん作なのだが。


 ドレッシングは人参と玉ねぎのすりおろしドレッシングだった。

 レシピを聞いたら俺でも作れそうなので覚えておく事にしよう。

 フランソワーズ様が、後で渡したい物があると言っていたが、何をくれるんだろう? お金かな?

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