第140話 3Dアート?
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。
「でも、一部屋使ってた魔法陣がリップスティックくらいの多重魔法陣だけになったのは凄いと思いませんか? 上手くすれば魔道具を進化させられますよ?」
コノミさんが嬉しそうに笑う。
「そうだね。 これだけみてるとビー玉とかレーザーで模様入れる置物みたいだね」
「レーザーで、というのはなんですか? 見たことないんですが」
「見た事あると思うよ? 四角とか丸のガラス球にレーザーを当てて、白い気泡のようなのが立体の画像のようになってるやつなんだけど、解らない?」
「それって下からLEDで照らされてたりする3Dアートっぽい奴ですか?」
「そうそうそれ、中に模様入れるって所が似てるかなって思ってさ」
「それだ! それだよ~ナイス、カナちゃん。 そうだよね~そうだよね~、別に魔法陣に拘らなくったって~魔法の回路になってればいいんだもんね~」
アカネさんが、椅子から立ち上がりこちらを指差しながら言う。
「アカネチン、何かいいアイディアでも出てきたんですか? 解らないので教えて下さい」
コノミさんはそう言うと、アカネさんの椅子の隣の椅子に座り2人で話し始める。
なんかかなり専門的な内容の話しになり、チンプンカンプンで理解するのを諦め寝るまでの間にナイフ等を作ろうと工房へ。
12本のマスケットナイフの切り出しが終わり刃の部分を削るだけになっているが、今日は早めに寝た方がいいと思い早めに就寝する。
次の日の朝、いつもより早めに寝たはずなのに同じ時間に起きる・・・この時間におきる癖でも付いちゃったのかな?
タダシさんに挨拶をし、ランニングへ・・・今回はベトニアは付いてこなかった、足手まといになると言って玄関前で準備運動している。
雑木林に到着、早速ただの鉄の練習用片手剣を持ち木を切ってみる・・・だが、やっぱり切れない力を入れると折れてしまいそうだ。
力ではなく剣速をあげて切ればいけるかな? そう思って思いっきり木へ振る・・・ガキッとなり剣が根元で折れた。
やっぱり最初から直径50cm位の木は切れないか・・・順序良く小さめの木からためそう。
剣の刃が刺さってしまった木をそのままにし、朝練へと向かう。
そこにはカルジャスさんの部隊も待っていた・・・なぜかハーフプレートを着て・・・
今から朝練なんだけど・・・洋服の余りってあったっけ? まぁいいや、屋敷の中へ行って貰って動きやすい格好に着替えてもらおう。
カルジャスさんに近寄って行くと、ベトニアとセードルフが左右の少し後ろを付いて来た。
「カナタ殿! 本日付で配属になりました。 よろしくお願いします」
カルジャスさんがそう言うと、カルジャス隊7人が頭を下げる。
「はい、お願いしますカルジャスさん、皆さん。 早速なんだけど、鎧を脱いで動きやすい格好して貰える? 今からランニングだから、鎧なんて着てたら倒れるよ?」
「はっ! 畏まりました! 鎧等はどちらに置けばよろしいでしょうか?」
なんかいちいち暑っ苦しいな・・・最初はかなりラフな喋り方だと思ったのに。
「セードルフ、屋敷の中に連れてってあげて適当な部屋で着替えさせて」
「はい、畏まりました。 カルジャス様、こちらへお願いいたします」
セードルフがカルジャス隊の面々を連れていった・・・荷物はどうしたんだろう? 持ってこなかったのかな? それとも兵士詰め所?
今日は全員でランニングをして学校建設予定地まで行き形の練習、木の剣を持っての素振り、体力と魔力が残っている人は組み手となった。
くじ引きで対戦相手が決まり、久々のショウマ君との組み手・・・折角なので接近戦のみでお願いしたが、見るも無残な惨敗。
ショウマ君曰く、フェイントは物凄い上手いのに攻撃が単調だと言われた。
俺も強くなってきたと思ってたんだけど、弱いまんまなんだなぁ・・・驕る事無くやっていこうと再確認できた。
大人や執事・メイド達、カルジャス隊の人はランニングでダウンしていた。
最後尾を走っていた俺が、こんな時のために作っておいた木製の2輪荷車に積んで学校まで運んだ・・・本当に作って置いて良かったと思う。
整理体操をしながら屋敷の前に戻り朝食、ハッシュドポテトとBLTサンド、豆と野菜のスープだった。
何となく朝食って感じがするな~と思っていたら、子供達が肉が欲しいと言うコールが・・・
夕食か明日の朝食を肉料理にすることが決まった。
朝食を終え、皆でLvを上げにいき【Lv34.Lv33】となった。
身支度を整え、迎えの馬車を待つことになったが、結構時間がある。
リョウタロウさんさんと、陛下と何を話していたのか話すことに・・・
「町並みとインフラ整備のことで話してたんですよ。 つまり、共同溝や歩道、自転車優先道路、道路の話しです」
リョウタロウさんは、マジックボックスから鉛筆と紙を出し丸を描く。
「この丸がこの街だとします。 ここが王城でその下が貴族街、その下が商店等がある一般市民街、その外側が屋敷なんですよ・・・ここで問題があるんです、この3つが階段状になっていて絶対に1つの坂を登るしかないんですね」
リョウタロウさんは丸の半分に線を書き上に3個の楕円を書く、1番上が小さく下が大きい。
「坂の幅が1番大きな馬車のキャラバンがすれ違えるギリギリなんですよ。 そこの幅を広くして輸送をスムーズにしたいと言うのと、街の道の幅をもっと広くしたいと思ったんです。 この貴族街は区画整理がされていて綺麗な町並みなんですが、道がキャラバンと言われる馬車が2台と歩道として左右1mくらいあるだけなんです。 一般市民街だと、キャラバン2台がすれ違うと人は絶対に通れないですから」
リョウタロウさんは、丸を鉛筆でさしながら言う。
「でも、貴族街も一般市民街も人が住んでて移動は難しいんじゃないですか?」
「それなんですが、マジックバッグやマジックボックスで家を家具ごと移動出来るそうなんです。下水道もパイプ等で作られているわけではないので後付け出来るようですよ?」
「じゃあ、先にパイプで下水道等を作ってそこに移動しちゃえばいいってことですか」
「はい、その通りです。 細かい位置の移動は私が出来たのでカナタさんも出来ると思いますよ? あと、街並みを作るのは今しか出来ないと思うんですよ。 言い方が悪いですが、貴族の大半が逃げ出し残って奮闘した貴族達も大半は亡くなってしまった現在なら、住んでいる人達に移動を促し、移動してくれることで謝礼を渡せば出来ますから」
「なるほど、街作りゲームみたいですね。 建築や建設、街についても俺には何も言えませんからリョウタロウさんの好きにしちゃっていいんじゃないですか? でも、ちゃんと謝礼は貰って下さいね。 自分が欲しい物でも良いですし、相談してくれてもいいんで」
「はい、解りました。 私がいろんな国を歩きまわっていた知識がこんなところで生きてくるとは思いませんでした。 これで私もリア充の一員と言っても過言じゃないのかもしれませんね」
「それは、彼女を作ってからですよ。 お互いに頑張っていい人を見つけましょう!」
「そうですね! 頑張りましょう」
2人はそう言って、握手をかわす。
リョウタロウさんも自分の好きな事が見つかったようだ。 トラックドライバーやバスの運転手からすれば、道は広いにこした事は無いし自転車等とも住み分け出来ればなおいい。
ん? 自転車? 作るとは言ったけど、もう街並みに反映されるのか?
てことは、陛下やオルトウス様等にも新しい乗り物を開発していることが伝わっているって事か?
そう思い、まだ開発されていない荷車付きの自転車についてリョウタロウさんに説明すると、馬車と同じくくりにしましょうと言っていた。
まだ、エルフの国に手紙を出したけど返って来てないし作りたい物等を冬のうちに作るのはいいかもな。
そんな事を考えていると、迎えの豪華な馬車が屋敷の前にやってきた・・・さて、本番だ。
読んで頂いている皆様に本当に感謝を捧げます。
ブックマークはゆっくりですが順調に伸びて、本当に力になっております。
しかも、多大なる評価もいただけて、本当に感謝の言葉しか出て来ません。
驚くほどゆっくり進んでいますが、これからも頑張って書いていきたいと思っております。