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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第137話 大将軍の過去

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

 よく解らない考え事をして、時間をくってしまったが話を無理やり戻した。


「父上達、私がカナタと話しても良いですか?」

 殿下が手を上げて言う。


 父上達? 達って事は2人が父親? どうなってるんだ?


「ああ、私ばかり話してすまぬな」

 陛下は頷いて言う。


「では、陛下。 先程の工事の件をお教えいただきたいのですが・・・」

 オルトウス様が、陛下にそう言う。


「そうだな、地図を見ながら説明するとしよう。 ではな、カナタよ」

 陛下はオルトウス様を引き連れて謁見の間から出て行った。


 あれ? 普通謁見の間は陛下がいないと使われないんじゃ? 殿下がいるから良いのか?


「カナタ! 朝に訓練をしていると聞いたのだが参加できぬか? 1度、姉上に勝った者達の訓練を見たいのだ! 頼む!」


「見せるのは良いんですが、何かあったときに責任をとれないので・・・」


「じゃあよ、訓練場で組み手でもして貰えれば良いんじゃないのか? どんな感じか見たいだけなんだろう?」

 大将軍が、腕を組みながら言う。


「そうですね父上! 名案です! カナタよ良いか?」

 殿下は、嬉しそうに言う。


「その位なら構いませんよ・・・ただ・・・参考になるか解りませんが・・・カルジャスさん、俺達の手あわせを見て同じこと出来そう?」


「はっはい! 無理だと思われます! 遠くから見ていても速過ぎて何が何だか分からないうちに勝敗が決していました」

 カルジャスさんは、大きな声で返事をする


 カルジャスさん達は、陛下が出て行っても一切身動きをせずに気を付けの姿勢のままだ・・・というか疲れない?


「あまり参考にならないと思うんですよ・・・俺達の動きって独特なようなので」


「それでも良い! どのくらいなのかこの目で見て見たいのだ!」


「解りました。出来るだけ早く実現出来るようにしますよ・・・私からも質問なんですが、何故陛下と大将軍の2人とも父親と言っているんですか?」


「それは、俺から説明しよう・・・と言ってもあまり面白い話じゃないかも知れんがな・・・」


 「俺はこの国の第一王子で王になる者だと思っていた。

 しかし、先王が病に倒れたとき王に指名されたのが弟だった・・・俺は怒り狂った。 何故だ! とな。

 そのころの俺は力が強く俺に敵う者はいないと自負していたし、その通り他国の誰も俺を倒せる者はいなかった。

 今思うと、盛大な勘違いで井の中の蛙と言ったところだ。


 弟は頭がいいが腕っ節が無い宰相が相応しいと先王に進言をしに行った。

 そしたら先王の元に弟が居やがった・・・何を話してるのか盗み聞きしてやったぜ?

 そしたら弟が、兄の息子を王太子に据える事が適えば、王になることを受けてもいいと言ってやがった。

 ムカついたぜ? 俺に気を使いやがった! 俺は敵にならないと言ってやがるってな。

 先王から何故だと聞かれたとき、弟は『兄の力を持つ者に私の知恵を教えれば、この国は今よりもっと素晴らしい国になります』だとよ。


 俺は、自分の事しか考えて無かった・・・国の行く末も何もかも力で何とかなると思ってしまっていた。

 負けたと思ったぜ? 王になりたいだけの奴が、国の未来を考えている奴の邪魔しちゃならないと思ったわけだ。」


「・・・でもな、最初のころは頭で分かってても心が拒否してたんだ。だが、今となっては弟が王になってよかったと思っている・・・てな訳で、ヴォルディンは俺の実の息子で、弟の義理の息子ってことだ」


 なるほどそんな事があったわけだ・・・兄が王になって弟に勉強を見てもらえば良かったんじゃないか? いや、そう考える事は無粋か。

 兄弟2人で考えて出した答えなんだろうしな。

 その後、殿下のお腹が減ったの一言で3人でタダシさんの所へ向かうことになった。


「カナタ! 本当にお主が作った物よりも美味い物があるのか?」


「ええ、大将軍も食べた事ありますよね?」


「もちろんだ! タダシの料理は凄い! 初めて食べたとき、この俺が今まで生きていて本当に良かったと神に祈ってしまったくらいだ」

 大将軍は、腕を組みにやりと笑いながら言う。


「そんなにですか!? 楽しみだ! 本当に楽しみだ!」

 殿下は、足早に厨房へと向かう。


 俺と大将軍は苦笑しながらそれを追いかけ、厨房へ。

 厨房に着くと、タダシさんとヨシさんが中心となり明日の料理を作っているところだった。

 明日は表彰後に立食パーティが計画されている・・・そこでタダシさん、ヨシさんの料理を振舞うそうだ。

 料理で近隣の国の重鎮を懐柔する訳ではなく、料理を宣伝する事が目的だ。

 料理を食べたらもう1度食べたくなる・・・そうなれば他国の重鎮やお金持ちがこの国に訪れる。

 この国に訪れれば寝るところ衣服、食事、様々な物にお金がかかる・・・この国にお金が大量に落ちるようになるというのが1番の計画だったりする。

 しかし、使える食材・・・いや、魔物は7級以下まで、それ以上になると狩るのも大変になるためだ。


「タダシさ~ん、つまみ食いに来ました~」


「おいおい、つまみ食いを予告する奴があるか・・・まぁいいか、昼飯にしよう! グロス、陛下とお客様用の弁当を持っていってくれ。 そのついでに、フランと王妃様とウチの仲間を呼んで来て貰えると助かる。 明日は女性の方が多いから食べてもらって感想を聞きたいんだ」

 タダシさんは手を叩き、お手伝いをしていた料理人達に言う。


「畏まりました。 このパンを仕舞い次第すぐに行って参ります」

 グロスさんが、パンを仕舞いながら言う。


「ああ、よろしく頼む。 ちゃんとグロスの分も残しておくからな」


 グロスさんが、出掛けた後で食事をすることになったが、大将軍と一緒なのは気が引けると言うことになり、俺とタダシさん、ヨシさん、リョウタロウさん、大将軍、殿下で食事をする事となった。

 他の料理人達は厨房を1度片付けそこで食べるようだ。

 立食パーティの為、手づかみで食べられる料理が並ぶ。

 フランスパンの上に色々な食材が乗っている物、串カツ、串焼き、ロールパンのサンドイッチ、ピザ、フライドポテト、野菜スティック(ディップソースが数種類)、各種スープなどなど・・・驚くほど綺麗に盛り合わせされている。


「今出てる物の他にも、プチシューや白竹の実のビスコッティ、パウンドケーキ等もあるぞ。 さぁ食べて見て感想を頼む」

 タダシさんは顎を触りながら言う。


「どれから食べても良いのか!? どうしよう迷うな、どれも美味しそうだ」

 殿下は、そう言いながらも自分のお皿に肉料理中心にとっていく。


 殿下は、一口食べると「美味しすぎる!」と叫び、隣に座る大将軍に嬉しそうに話しかけながら嬉しそうにバクバク食べている。

 タダシさんとヨシさんは、殿下の様子を見ながら笑顔で食事をする。

 そのときタダシさんに、話しかけられる。


「カナタ、この料理は下ごしらえが手伝いしてくれてる料理人がしてくれて、味付け等を儂がやったんだが・・・味がいつもと少し違う気がするんだが、何でだか分かるか?」


「あぁ、なるほど。 間違ってる可能性がありますが、ギフトのせいだと思いますよ? たぶんですが、ギフトって作成結果にプラス何%とかになる物だと思うんです」


「ん? どういうことだ? 出来るだけ解りやすく頼む」


「そうですね~。 1~100の行程があるとしますよね? その1から100までギフト持ちが作ると130の物が出来ると仮定します。 1~50をギフトが無い人が作り、51~100までをギフトを持っている人が作った場合115の物が出来るのではないかと思ってます」


「はぁ~・・・よく考えるな。 なんと言っていいのか・・・凄いな」

 タダシさんは苦笑しながら答える。


 全く褒められてる気がしない・・・むしろ呆れられてるんですけども・・・まぁ、いいですけども。

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