第134話 表彰式2日前
ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。
なかなか進まない話で、本当にすみません。
皆さんの応援に感謝感激しております。
急いで戻り、掃除中のミランダにミズキさんがいるかどうか聞くが、どうやらミズキさんはアカネさんと錬金の工房へ行っているようだ。
戻ったら、今夜ミスリルコーティングしたいから一緒に行けないか聞いてくれるようにミランダに頼んだ。
その時、ヨシさんが俺の帰りを待ってると言われダイニングへ。
「皆、ただいま戻りました」
「帰ってきたわねカナタ君。 早速なんだけど奴隷の子供達について話していいかしら?」
「はい、もちろんです。 どうなりました?」
「話を聞いてみたけど、今はまだ全員一緒にいた方がいいと思うの。 だからあの子達全員、家でメイドや執事として雇いましょう! 今は辛いかもしれないけれど、傷を癒すために無為に時間を過ごすより、無理にでも環境を変えた方がいいと思うのよ。 荒治療かも知れないのだけれどね」
「ヨシさんがそう思うなら、そうしましょう。 男に対して恐怖が強いようなのでミランダとかに頼むのがいいかもしれませんね」
「ええ、そうね。 明日にでも連れて来てもいいかしら?」
「もちろんです。 お金はありますか?」
「ええ、余っちゃってるくらいなのよね・・・もっと生鮮食品の行商人さん来ないかしらね」
現在この国には多くの商人が集まって来てる・・・重大発表があると言う噂で、一部の商人は波に乗るチャンスを窺がっているように感じる。
その他の商人達は、周りの獣人の国から特使が派遣されているため、その一団に向けて色々と商売をしている所を見かける。
特使の一団はほぼマジックバッグを持ってるため、本当に様々な物を買っているようだ。
そう言えば、木工の小物班は櫛ばかりを作ってたなぁ・・・結構売れてるのかな?
そんな事を考えながら、工房部屋に入り骨を滑らかにする作業をする。
鎧、兜がちょうど終わったとき、ベトニアに晩御飯に呼ばれるが、少し待っていてくれるようにタダシさん達に頼んで欲しいとお願いする。
タクミ君にも、作った盾を持って来てもらう様に託を頼み、血塊脈に鎧等を浸けていく。
浸けている最中にタクミ君が盾を持ってきたので一緒に浸ける。
浸けると言っても完全に浸すわけじゃなく、血塊脈に浸けたい全部分に血塊脈を塗布し、血塊脈が少しつかる程度浸けておけば、毛細管現象のように血塊脈が骨に吸われるので無駄がほとんど無い。
全部分を浸け終わり、すぐに晩御飯へ向かう。
今日の晩御飯は、鳥のすき焼きだった・・・グルングロッコ大活躍だな。
葱に玉ねぎ、白菜、エノキ、しいたけ、人参、ごぼうが入っている・・・いつも入っている物じゃない物も入ってる。
こうなると白滝に春菊、豆腐が欲しくなる・・・豆腐は大豆があるが、ニガリが無い・・・岩塩で作れ無くはないそうだが無駄が多いらしい。
味はかなり美味しかったが、砂糖をあんなに使うとは・・・知らなかった。
砂糖など調味料系は行商人が結構持って来てるから、買えばいいだけなんだけど買い占めちゃうと不満が出そうだしなぁ。
食事の談笑中にミズキさんが鍛冶の工房へ行ってくれると言う事を聞き、今夜出発することになった。
それと、明日のいつでもいいから王城へ来て欲しいとフランソワーズ様に言われた。
なんでも、段取りを教えるときに俺が居なかったらしい・・・そうだろうね、忙しく走り回っていたし。
前日も結局忙しいのね・・・まだまだ作らなくちゃいけない物が多い、頑張んなくちゃねぇ。
食事も終わり、鍛冶の工房へ出発・・・と言っても、俺、ケイタ君、タクミ君、ミズキさんしかいないのだが。
ミズキさんに魔力炉の魔力を1度いっぱいにして貰い、ミスリルを完全にどろどろの状態に溶かしミスリルに装備を浸け込み、風魔法で均一に伸ばしていく・・・エアブラシとかで塗るのかと思っていたが違うのか?
聞いて見たところ、エアブラシとかだとミスリルが飛んじゃって勿体無い方この方法だと言われた。
結果はどっちもどっちなんじゃないかと思うが・・・いや、黙っておこう。
細かい部分の塗布は難しかったが、最終的には全部綺麗な銀色で統一された。
思ってたよりもミスリルが多く残った・・・まぁ嬉しい誤算って事でいいだろう。
思いのほか早く終わり、夜の庭で光魔法と闇魔法を教わる。
今日は練習をしないで早く寝よう・・・明日も忙しくなりそうだし・・・
次の日の朝、いつも通りの時間に起きれた・・・よし! ランニングへ行って来よう。
ダイニングで忙しく動く皆に挨拶をすると、執事、メイドになった子供達に疑問に思ったことを聞いて見る。
「ごめん、皆聞きたい事があるんだけどいいかな? 冒険者になりたかった子とかいる?」
俺が聞くと、オドオドする子と何も変わらない子がいる・・・解りやすいな。
「じゃあ、今日から一緒に訓練をしてもらいます。 セードルフとミランダもね」
「我々もですか? いえ、申し訳ありません。 しかし家のこと等はどうされるのですか?」
セードルフが、驚きの声を上げる。
「家の事は何とかなるでしょ? 大変になると思うけどね。 でも、木工の工房が嫌がらせうけてたのは知ってる?」
「いえ、初耳です」
「そっか、小火とかだったっけな? 誰にも怪我は無かったようだし、今は冒険者を雇ってるようだから大丈夫のようだけど。
まぁ、表彰された場合、俺達が狙われる可能性も出てくる訳だ・・・そのとき自分の身は自分で守ってもらう事になりかねない、解るでしょ?」
「はい、畏まりました。 精一杯努めさせていただきます」
「うん、よろしくね。 あと、リョウタロウさんにマジックボックス使わせてもらえるように言っておくよ。 夜に明日の朝の分を作れば気兼ね無く動けるでしょ?」
「お心遣い感謝します」
その後、ランニングをする為外にいき柔軟していると、ベトニアが外に出てきた。
なんやかんやで一緒に柔軟をしてランニングすることに・・・途中でベトニアは引き返し俺は速度を上げて走る。
時間になりそうな気がしたため急いで戻ると、既に全員並んで正拳突きをしているところだった。
遅れてごめんと謝りながら列に混じり、朝練をする。
大人数で同じ動作していると何となく映画の風景を思い出す。
簡単な準備運動が終わり、大人と新人組みはランニング・・・身体強化魔法をかけ自分で維持をしてもらった。
残りは、実力が近い者同士で組み手・・・組み手をしていると周りに冒険者達が見学にやって来ていた。
そう言えばカルジャスさん達遅いな? 何してるんだろう?
終わったら、ランニング脱落者を屋敷前まで運び休ませる。
その後食事の炊き出しをする・・・今日はポトフとイモモチだ。
両方にジャガイモ入れてあるのはご愛嬌なのだが、スープの方にポーションを入れておく・・・味が変わらない程度だから効き目は薄いかもしれないが無いよりマシだろう。
「なぁカナタさん、子供達なんだが魔力量上がってないか? 魔法をかけて組み手を難なくこなすようになってきてるんだが」
ショウマ君はイモモチを食べながら言う。
「そう言えばそうだね。 魔力切れの症状出た子もいないみたいだしね」
「前にカナタさんが言ってた奴なのか? ほら、魔力を使えば魔力量が上がるって言ったたよな?」
「うん、そう言う事だと思うよ。 それなら、俺達も魔力を無くしてから寝たいね」
「それは解んだけどよ・・・使いきれるのか? 最近魔力が無くなるなんてこと無いんじゃねぇか?」
そう言えば俺も魔力無くなることがないな・・・屋敷の魔力量もずっと満タンだし。
魔力がなくなるまで魔法を撃つとしたらどのくらい時間かかるんだろう?
やるとしたら肉を取りに行くときだよね? 今度、魔力切れになるまで魔物の乱獲して計って見るべきかな?
いや、その前に皆の武器を全部作らないと何だよねぇ。