第133話 ワイバーン解体 ②
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解体作業中にワイバーンの骨のナイフを作る事を告げるが、時間が勿体無いと言うことになり4人で皮や甲殻などを剥ぎ2人はサポートと言うことになった。
俺はショウマ君と一緒に解体をしていく・・・ショウマ君に切りやすいように向き等を変えて貰って切る。
ここでミスが発覚! 解体していると鱗が飛ぶし、肉片が服に付く・・・結局全員黒い全身タイツ姿になって解体再開。 全員黒い全身タイツで作業する姿は結構面白い。
そして、目の保護をする物を作る事を心の中に決める。
そんなこんながあったが夢中で作業をしていると、薄っすらと切った方がいい場所等が解るようになって来た・・・たぶん、ギフトを覚えたのだろう。
その後はすいすいと解体が進んでいく・・・ケイタ君とタクミ君は比較的簡単な翼、足、タダシさんは胴体専属、俺は頭と尻尾と胴体。
タクミ君とケイタ君が翼爪を折っちゃったり革に穴を開けちゃったりしたが翼膜くらいしか大事な部分が無いので「いいよいいよ」と笑っておいた。
1体目のワイバーンの解体が終わり、2体目に入る・・・時間的にも余裕があるはずだ。
とりあえず、時計欲しい・・・カレンダーは、フランソワーズ様が持って来てくれたが時計は城と鐘の所に1個づつしか無いらしい。
1度見せてもらったが、かなり大きい壁掛け時計が三つ並んでいるアナログ時計だった。
左から時間・分・秒と表示されてるようだ。
面倒だしデジタルで作れるんじゃないのかな? と思ったが、表示板がまだ作れない。
有機ELをケイタ君が発明したら時計機能も付けて貰おう。
ギフトのおかげか考え事をしてても手の速度は落ちないし失敗しない。
解体も終了し、飛んでしまった鱗や肉片も出来るだけ綺麗に回収する・・・かなり細かくして血塊脈の材料に使えばいいしね。
最終的には解体場の掃除のようになり、1番大変な作業となったが、解体場の角等に埃なんかが溜まっていないのを見てチャンとしてるんだなーと感心する。
最後は戸締りをして、リョウタロウさんに鍵を預けて帰宅・・・セードルフとミランダが起きていた。
お風呂に入って寝ることを伝え、無理やり先に寝てもらった。
眠いねこりゃ・・・明日の朝というか今日の朝起きられるのか?
と思いながら全身タイツをシャワーで流して浄化の魔法をかけて干しておく、石鹸等で洗って無いけどまぁ大丈夫でしょ。
次の日、結局起きれなかった・・・タダシさんも寝坊したらしい。
時間的に何時になるか解らないが朝とお昼の間ぐらいかな?
もちろん、ミミリさんの所にもネリウムさんの所にも行っていないし、ましてやフランソワーズ様の防具の削り出しも終わってない。
お昼のお弁当を2つと、朝ごはんのサンドイッチを貰い食べながら協会へ行く・・・歩き食べは良くないけど、時間節約?
【Lv33.Lv32】となり、明後日には表彰式となる・・・マジで時間が・・・
しかし! タクミ君が盾を受け持ってくれるそうでお願いした。 なんか、盾も武器の一種になるらしい。
これで、1番面倒な兜と中途半端に終わっている鎧の2つだけになった事になる! 兜は凹凸が多いし目の所にシールド落とせるようにするから面倒なんだよねぇ。
これで今夜中に終わらせられる! そう考えてホッとすると、忘れ物に気がつく・・・
あ! 奴隷達のことヨシさんに言うの忘れてる! 急いで屋敷に戻り、ヨシさんの予定を聞きお願い出来ることになった・・・危なかったぁ。
出来る限り急いで、ミミリさんの工房へ・・・到着するなり、ミミリさんに冊子のようになった図面を渡され一緒に作業する事となった。
どうやら、俺と2人だけが家を作り他の作業員を家具・小物に振り分けたようだ。
少し早めに帰ることを話し、魔法を全開で使い一気に切り出しをする・・・まぁ接着剤が乾かなければ組み立ては出来ないのだが・・・
お喋りしながら、手を休めず作業している俺達を見た作業員達はドン引きしていたが・・・
お昼になり、ヨシさん特製お弁当を一緒に食べる。
その後も木材の加工・・・木材は魔法で切ってるからカンナ掛けが要らないほど綺麗なので、人を数人呼び木材を運んでもらい接着剤で固めて貰う。
ミミリさんは、接着剤を塗る作業の監督をしながら、俺に切る箇所や幅等を細かく教えてくれる。
夕方になり、今日の作業は終わりにする。
「まさか1日でお店用の木材の切り出しが終わり、集合住宅の木材の切り出しも半分以上も終わると思ってませんでした」
ミミリさんは、苦笑しながら言う。
「お店用の木材は半分くらい終わってたじゃないですか。 集合住宅の方は柱等の中心となる物はまだ作って無いですし」
「柱は要らないんですよ? カナタさんに教わった加工法だと柱が無くても充分な強度が出ますので・・・あれ? 図面渡しましたよね? 確認して無いんですか?」
「部分部分は確認してますけど完成図は確認して無いですね。 結構変わったんですか?」
俺は、冊子になった図面をめくり完成図を確認する。
「大まかな部分は変わってないんですが、集合住宅の貯水タンクが家の中に収納されました。 カナタさん達が、水の出る魔道具を皆に貸し出してくれるって聞いたんですけど?」
「あぁ、そう言えばギルドマスターに貰いましたね。 タンクは木製にするんですか?」
「はい、大きめな樽にコックをつける形になりますね。 コックはもうタクミさんから貰ってますよ」
「なるほど、樽はもう出来てるんですか?」
「ちゃんと出来てますよ? 確認しますか?」
「いえ、大丈夫です。 あと、これって薪ストーブですか?」
「そうですよ。 試作品をタクミさんに作ってもらって試したんですがいい物ですよね~。 折角なら色々使える薪ストーブにした方がいいと言うことになりまして・・・」
「了解です。 これを見ると、まだまだ作る物が多いんですね」
「それは原本ですから全部載ってるだけですよ? 他の人はそこから自分で作る物を覚えたり書き写したりして使用しています」
それをポンと俺に渡したのか・・・信用してくれてるってことなのかな?
その後少し雑談して、ネリウムさんの所へ。
最初に商談の話をする・・・プラチナは残ってるそうだが、奥の方にあるため取り出すのに時間がかかるそうだ。
そして鍛冶師達について聞いてみる・・・ネリウムさんは特に驚いた表情も見せずに困ったように言う。
「事の発端は、弟弟子がダンジョン都市で店を構えたことです。 行商人にとって店を構える事は夢であり、第1目標です。
それを弟弟子に先を越された・・・そのころから夫は私の言うことを全く聞かなくなり、お金に異常なほど執着するようになってしまいました。
それまでは二人三脚で一緒に頑張ってきたんです・・・私の助言を良く聞き、ゆっくりですが確実に前に進んでいたと言うのに・・・私が何度も注意していると、経営から遠ざけるようになりました。
その挙句に暴挙に・・・1度道を間違えれば元の道には戻れないと言うのに・・・」
「なるほど、しかし鍛冶師たちの借用書を破棄しちゃえば良かったのでは?」
「いえ、破棄出来るのは夫だけでした・・・しかも、夫が亡くなれば契約は破棄されますが、鍛冶師の皆様が奴隷に落ち、私達にお金が入るようにしていたようですので」
変なところに気が回るな・・・とりあえず、嘘は言って無いように感じるし話しに筋は通ってると思う。
両者が得な限りは裏切られたり変なことにはならないだろう。
その後、プラチナを屋敷に持って来てくれる様に頼み、持って来てくれた時にお金を払う事にする。
さて、さっさと帰ってフランソワーズ様の防具を完成させなくっちゃ。
その後すぐにミスリルコーティングへ向かおう・・・あ! ミズキさんに頼むの忘れてるじゃん! 大丈夫かな?