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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第126話 ランニング

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます。

「タクミ君、さっきの槍の鞘って布だったよね? しかも、巻きつくのが自動で出来る」


「はい、そうですけど? 何かあったんですか?」


「それを応用して、俺の武器を薙刀状に出来るんじゃない? こうさ、柄の部分に斜めに巻き付けて硬化させるとか・・・しかも、鞘として使える」


「はぁ、なるほど・・・そうですね、出来るとかもしれません。 ちょっと試作してみます」


「ありがとう。 それと、ショウマ君の武器の持ち運びもこれで解決しそうじゃない?

 まずは、セスタスのメリケンの方に紐状か布状の革を括りつけておくようにしてね。 普段は殴る方を前腕とか二の腕とかに当てて、括りつけておいた革を巻き付ける。 ほら、手に持つ方が上にあるから、いざって時咄嗟に取りやすくない?」

 セスタスの殴る部分を前腕や二の腕に当てて説明する。


「それだと、普段の移動の時とか当たっちゃいそうですよね? ショウマの性格上、他人にぶつかって行きそうな気がするんですが・・・いっその事、布にプレートを付けるだけで良いのでは無いでしょうか?」

 ケイタ君が説明を聞き、メガネを直しながら言う。


「あ、そっか! うん、なるほどね。 じゃあ、試作品を作って直接試してもらうのが良いかもね。 ショウマ君用の武器の試作は、魔鉄と魔糸の布を使って作ってもらっても良いかな?」


「もちろん構いませんよ。 自転車と一緒に作成してしまいます」


「うん、お願いします。 じゃあ、俺は戻るね」


 2人と分かれて、革の工房部屋へ・・・

 さて、片付けが終わったら寝るかな、粉っぽいからお風呂にも入りたいしさっさとやっちゃおう。


 次の日の朝、いつも通り早めに起きて、ダイニングへ。

 キッチンでは、メイド見習いと執事見習いに料理を教えながら、朝ごはんを作るタダシさん、ヨシさんの姿が見える。

 セードルフとミランダはパン作り担当なのか。

 皆に向けて朝の挨拶をすると、良い返事が返ってくる。

 タダシさんもヨシさんも手いっぱいの様なので、セードルフに話しかける。


「セードルフ、あの結構焦げちゃったお肉の料理はどうするの?」


「自分達の食事用です。 味付け自体はタダシ様とヨシ様が指導して下さっていたので美味しいと思いますよ」

 セードルフが恭しく礼をして言う。


「なるほど、何事も経験だね。 あ! 練習いっぱいさせても良いからね。 失敗した余ったのがあれば俺が食べるし」


「寛大なお心遣いに感謝いたします・・・ですが、失敗した物を自分で食べてこそ成長できると思います・・・はっ! 申し訳ございません! 差し出がましい発言をいたしました!」


「いや、助かるよ。  俺が気が付かない事も多いから、言って貰えるとものすごい助かるからよろしくね」


「はい、カナタ様! ありがとうございます」


 セードルフ達に外に出る事を言い、外でる・・・もしかして、テーブルとか椅子とかそのまんまかな?

 そう思っていたが、昨日の飲み会の片付けも終わっているし地面も整地された様になっていた。

 机の天板とかが無いって事はリョウタロウさんが片付けをしてくれたのかな?

 リョウタロウさん、今日寝坊しなきゃ良いけど・・・


 ランニングを始めようと柔軟しているとベトニアが、外に出てきた。

 挨拶をして昨日の事を聞くと、ベトニアも屋敷で一緒に暮すことになったらしい・・・ヨシさんが、鍵登録はしてくれたようだ。

 昨日は色々あって、疲れすぎて寝ちゃって、朝早く起きるとタダシさんにハムとレタスのサンドイッチを出されて食べて、部屋に戻り着替えると俺を見つけて出てきたらしい。

 着ているのは昨日来ていたボロボロの服・・・着替え貰ったんじゃなかったっけ?


「あのさ、洋服貰ったんじゃなかったっけ? サイズがちょうどあるとか言われたような?」


「貰えたんですけど、聞いたら魔シルクで出来てるって言うじゃないですか! そんなに高価な物着れませんよ! 汚したらどうするんですか!」


「俺達が着てる服、全部魔シルク製だよ? 下着も含めてね」


「え!? そんな・・・まさか」


「セードルフとミランダ着てるやつも魔シルクだし、農奴の人が着てたツナギは、羊の魔物の毛だから、魔羊毛? になるのかな? 正式名称は知らないけど」


 ベトニアはそう言われると、頭を抱えしゃがみ込んでぶつぶつと何かを言っている。


「まぁそれは置いといて、軽くランニングしようと思うけど付いて来る? 作物の成長とかも確認しながら流す程度だけど」


「え!? あ! はい、行きます! ご一緒させて下さい!」


「それじゃあ、行こうか! 無理しないできつかったら先に戻ってね」


「はい、お邪魔にはなりません!」


 ランニングしながら畑や開墾していない広場や林の方まで様子見に行く・・・つもりだったが、ベトニアが無理して付いて来ているようなので、早々に屋敷へ戻る。

 なんか、屋敷の外がざわざわしてるなぁ、何かあったのかな?

 と思ったら、皆大集合している・・・え? 何で?

 農奴の代表をしてもらっているラスタがこちらにやって来て説明してくれた。

 勉強や戦い方等を教えてもらえることを覚えたい! 子供より出来ないことが多いが教えて下さい! とのことだった。


 自分の身は、自分で守らなければいけない世界なんだから、覚えておいて損はないし、なによりもやる気になってるところに水を差すのはしたくない。

 場所が足らなさそうだし、ランニングで学校の建設予定地に行きそこでやるか!

 と思ったが、ショウマ君と話すと何か考えがあるようだ。

 詳しく聞くと、今回、子供達が行うのは基本の体作りではなく、動きの確認が主な目的だと言うことだった。

 簡単に言うと昇級試験のような物になるのかもしれないな。

 試験官は、ショウマ君、ケイタ君、タダシさんとのことだ。


 体を動かすのが得意な子供達は、ショウマ君が試験官として組み手をし、ユカさん・コノミさん子供達に身体強化魔法をかけて上げる係。

 体を動かすのが得意でも苦手でも無い普通の子供達は、ケイタ君が試験官として組み手をし、タクミ君・アカネさんが子供達に身体強化魔法をかけて上げる係

 体を動かすのが苦手な子供達は、タダシさんが試験官として組み手をし、ヨシさん・アヤコさんが身体強化魔法を子供にかけて上げる係。

 大人達・スラム出身の子供達は今回初めてなので、ランニング・・・ミズキさんと俺とリョウタロウさんが一緒に走る。


 俺は今回の遠出で自分の身体能力を上げておかなきゃと思いランニングに参加することにした。


 試験の子供達は、学校建設予定地で試験のようだ・・・全員元気に走って行く。

 俺達も全員で、農地の周りを一気に駆け抜けて行く・・・大人達と、スラムの子供達は思っているよりも遅い・・・


「カナタさん、ミズキさん、私が見てますから先に行っても良いですよ」

 リョウタロウさんが、こちらを向き笑顔で言う。


 しかし、この人数に魔法をかけるのはかなりきついだろう・・・大丈夫なのか?

 そんな事を考えていると、ミズキさんからも見てるから先に行っても良いと言われた。


「じゃあ、お言葉に甘えて走ってくるね・・・ベトニアは、2人についてってね。 じゃあ、行って来ます」


 俺は1人で、走って行く・・・目指すは、雑木林のようになっている農地の端っこまで!

 あそこも開拓して良いって言われてるし、大丈夫だろう。

 でも、何で開拓していない土地が残ってるんだろう? 第1の門の周りは整地してあるのに・・・

 開拓したら自分の物ってわけでもないのかな? それなら納得出来るんだけどね。


 タダシさんの料理屋が出来れば、道の脇等は畑に出来なくなる可能性がある。

 今のうちに借りているところは全部開墾しておいた方が良いだろう・・・そう思っている。

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